終焉の聖騎士伝説~オメガモンとなった青年の物語~   作:LAST ALLIANCE

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どうも。実はこの度再就職が決定しました。
それに伴い、小説の投稿頻度が週1、2回のペースに落ちます。
今は『Fate/Grand Order』とコラボした外伝小説を平行して書いていますが、まぁ筆が進む事進む事。でも投稿は第2章が終わってからになります。


第35話 神殺しの狼

 デジタルワールドの何処か。世界樹イグドラシルがある場所。そこに集まっているのは『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々。彼らが見守る中、マキ・イグドラシルとクレニアムモン・フェルグスが戻って来た。

 フェルグスの表情は紫兜でよく分からない一方、マキは明らかに深刻な表情を浮かべている。一体何があったのか。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々が見守る中、彼女は人間界であった事を話し始めた。

 

「たった今人間界より帰って来たわ。帰って来たのが私とフェルグスだから多分皆も気付いていると思うけど、一応連絡するわ。工藤優衣……アルファモン・ゼフィルスは洗脳を解除されたわ。八神一真……オメガモン・アルビオンによって」

 

『ッ!?』

 

 マキが強化手術と洗脳処置を施した聖騎士。工藤優衣ことアルファモン・ゼフィルス。彼女はノルン・イグドラシルを連れ戻す為に人間界に向かったが、一真もといオメガモンと戦闘となり、激戦の末に敗北した。

 その時に洗脳が解除され、再び優衣はホメオスタシス側になった。自分達の主君が施した洗脳は絶対。そう信じていた誰もが唖然となる中、マキは更なる悪い知らせを告げる。

 

「それを知った私は人間界に赴いてオメガモンと戦ったけど、その途中に『厄災大戦』の13英雄が蘇った。フェンリスモン。しかも人間と一体化して転生し、レクスフェンリスモンとして強化された。彼とオメガモンの共闘もあって、私達は撤退してきた」

 

「私はパラティヌモンと戦ったが、彼女の聖剣を折る事には成功した。だが……総合的に見ると、我々の敗北だな」

 

 今回の戦いはマキ側の敗北。せっかく味方に出来たアルファモンが敵に戻ってしまい、レクスフェンリスモンと言う強大なデジモンが蘇った。

 数の上では不利なのが更に差が広がった。一体どうすれば良いのか。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々が押し黙る中、マキが口を開いた。

 

「パラティヌモンがリベンジしに来る可能性は高い。彼女の相手はフェルグスに任せるとして、先にデジタルワールドにいる敵をどうにかしましょう。レジスタンスを1つずつ潰していく。先ずはそこから。それと同時に人間界の戦力を削っていく。今の所はこの方針で行くわ」

 

『はい!』

 

 マキが今後の方針を『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々に伝える。デジタルワールドと人間界の戦力をじわりじわりと削っていく作戦にシフトした。

 それに『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々が頷くと、早速全員が動き始めた。人間界に向かう者もいれば、デジタルワールドの何処かに向かっていく者もいる。

 

ーーーーーーーーーー

 

「これがデジタルワールドの現状か……」

 

 同じ頃。デジタルワールドに派遣された一真は荒れ果てた大地を見て、険しい表情を浮かべている。彼は事態の現状を知る為に一日だけデジタルワールドに出張している。

 今いる場所はフォルダ大陸のとある村。そこが『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の襲撃に遭ったとジエスモンから聞き、ついさっき駆け付けた所だ。

 

「どうやらこの村はエネルギー弾によって破壊された。しかもこの『波動(コード)』……間違いない。デュナスモンX・シグムンドがやった」

 

 荒れ果てた村を見て、一真は改めて現実を突き付けられた。マキ・イグドラシルは本気でデジタルワールドと人間界をリセットさせ、2つの世界を統合させて新世界を創ろうとしている。何が彼女をそうさせるのか。理解に苦しむ所だ。

 その為にデジモン達を殺戮しただけでなく、仲間たる優衣を利用した。しかも彼女を“デジモン化”させると言うおまけ付き。大切な仲間を傷付けられた為、一真は内心ではかなり怒っている。

 ガンクゥモンの話では、既にマキが『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に『NEOプロジェクト・アーク』を正式に実行するように命令を下したとの事。デジタルワールドはそのままだが、人間界は消えてしまう。ただし人間を全滅させる訳ではない。

 人間達はマキの管理下に置かれる事が目に見えている。デジモン達が優遇され、人間が差別される世界。デジモンであり、人間でもある一真にとって、そのような世界は望んでいない。それはデジモン達も同じ筈だ。

 

「でも何で『NEOプロジェクト・アーク』をやろうと思ったんだろう……この人間界とデジタルワールドって過去に何かあったのかな? 確かマキが人間の醜さを知っているデジモンと一体化したのは分かるけど……」

 

 一真は事前にノルンから人間界とデジタルワールドの関係を聞いていたが、2つの世界が関係するようになったのは本当につい最近の話。

 マキのやり方はあまりにも勝手すぎるし、横暴すぎる。この世界に人間はデジモン達に何も悪い事をしていないのに、人間界を消し去るとは一体どういう事なのか。

 それに『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』も『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』だ。マキの掲げる理想や正義に何の疑問を持たないのか。おかしいにも程がある。デジモン達を殺戮し、人間界を消し去って良い筈がない。

 

「遅かれ早かれ、『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は僕の『波動(コード)』を探知してこの場所に来るだろう。やる事は終わったから直ぐに行こう」

 

 一真は直ぐにその場から立ち去る。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に気付かれ、余計な戦いになる事を避ける為だ。

 自分のやる事は決まっている。デジタルワールドだけでなく、人間界も滅ぼされる。ならば戦うしかない。先ずは生き残っているデジモン達の居場所をレジスタンスに伝え、保護したり、避難所やシェルターに入れる。既にデジモン達の3割が殺戮されている。5割に達するのも時間の問題だ。

 同じ頃、櫻井竜也はディレクトリ大陸の街に来ていた。レクスフェンリスモンとなった彼は、“電脳現象調査保安局”に入局し、デジタルワールドに派遣された。今2つの世界で起きている現実を知る為に、一真に同行してその後は別行動を取っている。

 

「酷い……こんなの酷過ぎるよ! 同じデジモンなんだろう!? 何で大量殺戮するんだ!?」

 

 目の前に広がる景色。それは高出力のレーザーによって焦土と化した街。その街を目に前にし、竜也は叫ぶ。

 まだ“デジモン化”して日が浅い為、人間としての人格が色濃く残っており、世の中の理不尽さ、善悪の等価値さをまだ完全には理解出来ていない。

 

「イグドラシル……これが新世界を創る為のやり方なのか!?……っと、いけない。生き残ったデジモン達がいたら連絡しないと」

 

 竜也も生き残ったデジモン達を保護し、レジスタンスで引き取るまでの護衛役を依頼されている。その任務をこなそうと歩き始めたその瞬間、この場所に近付いているデジモンの『波動(コード)』を探知した。

 次の瞬間、目の前から灼熱の光矢が放たれた。何者かによって放たれた一撃。迫り来る攻撃を咄嗟に躱し、竜也は周囲一帯に気を張り巡らせていると、目の前に1体のデジモンが現れた。

 

「明らかに普通のデジモンではない反応を感じたと思ったら、やはり人間が来ていたか……」

 

「スレイプモン……か」

 

「如何にも。私はスレイプモン・グラーネ!」

 

 六本の脚を持ち、赤いレッドデジゾイド製の聖鎧で身を包み、左腕に聖弩ムスペルヘイムを握り締め、右腕に聖盾ニフルヘイムを装備している聖騎士型デジモン。その名前はスレイプモン・グラーネ。

 竜也も一真と同じくデジモンファンだからこそ、今回の事態に憤りを見せている。大好きなデジモンが非道な行為を行っている。それが信じられないし、信じたくない。

 

「何故こんな酷い事をするんだ!? 同じデジモンなんだろう!? どうしてあんな非道な事が平気で出来るんだ!? 何とも思わねぇのかよ!?」

 

「私はマキ様の命令に従っているだけだ。人間よ、お前も邪魔をすると言うのなら始末だけだ」

 

「ふざけんな! 命令に従っているから何でも許される訳じゃねぇ! お前達『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』はな、俺が知っている本物の『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』じゃねぇ! お前らなんか偽物だ! 中身のないガラクタだ!」

 

「何だと……! 我々『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』への侮辱、決して許さぬぞ人間!」

 

「どの道戦わないといけないんだ。だったらやるしかねぇ! 究極進化!!!」

 

 竜也が雄叫びを上げると共に全身を覆い尽くす程の膨大な光の奔流が発生し、周囲一帯に光が渦巻き、巨大な光の卵を形成していく。

 その巨大な光の卵が消滅すると、中から1体のデジモンが姿を現した。全身を純白に輝く聖鎧に身を包み、巨大な両腕の肘には何かを装備し、鋭い5本の爪を光らせ、両手には籠手を身に付け、狼を象った兜を被り、背中に巨大な破砕剣を背負ったデジモン。

 

「レクスフェンリスモン!!!」

 

「ッ!? お前か! お前がマキ様が言っていた現代に蘇った『厄災大戦』の英雄の1体!」

 

「そうだ。行くぞ……!」

 

 レクスフェンリスモンは背中に背負っているバルンストックを引き抜き、両手に構える一方、グラーネは聖弩ムスペルヘイムと聖盾ニフルヘイムを静かに構える。

 暫く睨み合いを行いながらゆっくり間合いを取り、お互いに攻撃のタイミングを計る2体のデジモン。彼らの間に一陣の風が吹いた瞬間、戦いが始まった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ウオオオオォォォォォォォーーーー!!!!!」

 

「『ビフロスト』!!!」

 

 先に動いたのはレクスフェンリスモン。裂帛の気合と共に突撃を開始した。目にも写らぬ超速度を以て、グラーネとの間合いを詰めていく。

 それを見たグラーネは迎撃行動に出た。左手に握る聖弩ムスペルヘイムから灼熱の光矢を放ち、レクスフェンリスモンを牽制すると共に突進を止めようとする。

 しかし、その程度で止まる狼の王ではなかった。身体を一回転させながらバルンストックを薙ぎ払い、灼熱の光矢を剣圧でかき消すと共に突撃を続行。返す刀でバルンストックを大上段に掲げ、思い切り振り下ろした。

 

「ハアアアアァァァァァァァーーー!!!!!」

 

「グッ……!(何てパワーとスピードなんだ!?)」

 

 聖盾ニフルヘイムでバルンストックを受け止めたが、力負けしたグラーネは吹き飛ばされた。空中で体勢を立て直して着地したものの、レクスフェンリスモンのパワーとスピードに戦慄を覚える。

 『厄災大戦』の英雄達は人間とデジモンの一体化を前提にして造られた為、他のデジモン達よりも総合性能が極めて高い。グラーネはそれを身を以て教えられた事となる。

 

「これが『厄災大戦』の英雄の力か……恐れいったよ」

 

「にしても随分と余裕そうだな……」

 

「あぁ。両足を見てみろ」

 

「……? あっ」

 

 レクスフェンリスモンは自分の両足を見た瞬間、思わず声を上げてしまった。彼の両足が超低温のブリザードで凍り付き、身動きが取れなくなってしまった。

 グラーネは先程聖盾ニフルヘイムでバルンストックを受け止めた時、密かに自身の必殺奥義の『オーディンズブレス』を発動させていた。

 周囲一帯の気候を操って極低温のブリザードを発生させた事で、狼の王の機動力を封じていた。グラーネは不敵な笑みを浮かべながら聖盾ニフルヘイムを構えるが、狼の王はこの程度では動じない。

 

「そういう事か……でも俺に種明かしをした時点で限界が知れたぜ?」

 

 右手首に内蔵されているレクスキャノンを展開し、黄色の波動弾を両足に撃ち込んでブリザードを粉々に破壊した。

 確実に、かつ地道なやり方で勝利を手にする。それは王道だ。間違いではない。しかし、調子に乗って種明かしをした事がグラーネの失敗だった。相手が『厄災大戦』の英雄だろうと、いつもの自分のやり方を貫き通す。

 それが出来なかった。相手がまだ転生して復活したてなのか、自分の思い通りに進んだ事で生まれた油断・慢心なのか。何れにせよ、グラーネは一時的な感情で勝利の方程式を自ら崩した事となる。

 

「『ビフロスト』!!!」

 

 グラーネは先程のように聖弩ムスペルヘイムから灼熱の光矢を放つが、今度は灼熱の光矢を連射して来た。いわば弾幕を展開した事になる。

 流石の狼の王でもこれは迎撃する事が出来ない。防御する事も出来ない。残るは回避だが、ここで彼は回避行動を取ると共に、反撃に打って出る布石を打った。

 

「レクスフェンリスモン、モードチェンジ! ルプスモード!!!」

 

「何!?(まさか元ネタ……もといフェンリルに変身出来るのか!?)」

 

 今まで人型だったレクスフェンリスモンの姿が突如として変わった。四足歩行の狼。レクスフェンリスモン・ルプスモード。名前の元ネタとなったフェンリルの再現。巨大な真っ白い狼が姿を現した。

 その巨体に似合わない機動力と瞬発力を併せ持ち、その体格からは想像する事が出来ない程の超速移動が出来る。その機動力と瞬発力を活かし、グラーネの背後に回り込み、両前足の鋭い黄金の爪で鋭い斬撃を繰り出す。

 

「『ルプススラッシュ』!!!」

 

「グァッ!!」

 

 背中を斬り刻まれたグラーネ。スレイプモンが全身に身に纏う聖鎧。それは高い防御力を誇る“レッドデジゾイド”製だ。

 その聖鎧を斬り裂き、グラーネをよろめかせると、レクスフェンリスモン・ルプスモードは口を大きく開きながら雄叫びを上げる。

 

「まだまだ! 『ルプスハウリング』!!!」

 

「グアアァァァァッ!!!!!」

 

「止めだ! 『ライジングルプスクロー』!!!」

 

 凄まじい音圧が衝撃波を発生させ、グラーネの巨体を吹き飛ばす中、狼の王は両前足の黄金の爪を輝かせながら突進を開始する。

 そして空高く跳躍して右前足を限界まで振りかぶり、黄金の一撃をグラーネに叩き込んでこの戦いを終わらせた

 

ーーーーーーーーーー

 

「か、勝った……『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に勝った!」

 

「見事だった……まさかこの私が敗北するとは思ってもみなかったよ」

 

 まさか憧れていたデジモンに勝てるとは思っていなかったのだろう。戦い終えたレクスフェンリスモンは竜也の姿に戻り、喜びを爆発させた。

 そんな彼を優しく見守るグラーネ。どうやら本来は優しくて穏やかな人格なのだろう。先程までは無理にキャラを作っていたとしか思えない。

 

「敗者として君に一つ良い事を教えよう。戦う前、君は私達の事をこう言ったな。“偽物で、 中身のないガラクタ”と」

 

「あぁ、確かにそう言った。その……悪かったよ。あの時は熱くなっていたから……」

 

「いや謝る事はない。君の言う通りだ。我々は君の言う偽物だ。中身のないガラクタなんだ」

 

「ッ!? 一体どういう事なんだ!?」

 

 グラーネは竜也の衝撃の事実を告げた。自分達は本物の『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』ではないと。元々この世界を守護していた『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は、マキが世界樹を乗っ取った時に全員殺されたとの事。

 ジエスモンとガンクゥモンは運良く抹殺から逃れたが、それ以外の面々は全員別人だ。マキが率いているのは自分の指示を聞くように作り上げた操り人形。そういう事になる。

 

「そんな……」

 

「私達はマキ様の命令に背く事が出来ない。でも命令に対しては物申す事が出来る。我々の中にも幾つか派閥があってな……」

 

 グラーネは『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の派閥について説明を始める。派閥は穏健派、中立派、強硬派と3つある。

 穏健派はアルフォースブイドラモンX・ローラン、デュークモン・シグルド。中立派はマグナモンX・トリスタン、スレイプモン・グラーネ、クレニアムモン・フェルグス。強硬派はオメガモンX・ランスロット、ドゥフトモンX・ガレス、ロードナイトモン・ベイリン、デュナスモンX・シグムンド、エグザモン・パージヴァル。

 

「強硬派多くないか?」

 

「ドゥフトモンX・ガレスがいるのが問題なのだよ……彼がいるから従っている聖騎士もいる。あまり期待しないでくれ」

 

「そうか……でも『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』が一枚岩じゃない事が分かった。ありがとう、グラーネさん」

 

「どういたしまして。私には分からない。何故マキ様がデジタルワールドだけでなく、人間界を消し去ろうとしているのか。果たしてそれが本当に正しい事なのか……命令に背いたら自壊するように設定されているから、我々は反逆する事が出来ない。君達が頼りだ。君達の手で答えを見出してくれ」

 

「分かった……でも良いのか? 俺を倒せなかったのはともかく、俺に全てを話したらマキ・イグドラシルに何かされるんじゃないのか?」

 

「構う物か。どの道私はスレイプモンの偽物。ならばせめて……本物らしく生き、本物らしく死のう」

 

 グラーネの言葉は竜也の心に突き刺さった。自分も同じだ。レクスフェンリスモンと言うデジモンでありながら、櫻井竜也でもある不安定な存在。研鑽を怠ってはいけない。

 自分の命はオメガモンに助けられ、フェンリスモンに繋がれたのだから。せめてそれに相応しい道を歩まなければならない。

 

「お見事だ、櫻井竜也……レクスフェンリスモン。我が盟友、スレイプモン・グラーネを撃破するとは……」

 

「お前は!?」

 

「クレニアムモン・フェルグス……」

 

 竜也の背後に1体の聖騎士が現れた。禍々しい骸骨の意匠が刻まれた紫色の聖鎧。“ブラックデジゾイド”製の聖鎧に覆われたクレニアムモン・フェルグス。

 『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の中立派の1体。ここに何をしに来たのか。竜也は再度レクスフェンリスモンに進化しようと身構えるが、それをフェルグスが止める。

 

「待て。私は君と戦う為にここに来たのではない。さっき一真君に人間界に戻るように促した。それを君にも伝えに来ただけだ」

 

「まさか人間界で異変が!?」

 

「違う。君達の存在がマキ様に知られる前に戻った方が良いと言いたいだけだ」

 

「パラティヌモンと戦ったのに中立派らしいな……一体何を考えている?」

 

 フェルグスが来た理由は彼らがデジタルワールドにいる事をマキに知られる前に、人間界に戻るように伝えに来た為。

 しかし、竜也はフェルグスに不信感を抱いている。幾ら中立派とは言え、パラティヌモンと戦って彼女の聖剣を破壊した。信じられないのも無理はない。

 

「君の言う通りだ。私はマキ様の味方をしたかと思えば、君達の味方をしている中立派。だが、私は自分の正義と信念に従って行動している。それに……私はマキ様によって生み出された聖騎士ではない」

 

「ッ!? どういう事だ!?」

 

「今はまだ話す時ではない。少なくとも君達の敵ではない事を覚えていてくれ」

 

「そうか。それは助かるぜ。お礼と言っちゃなんだが、君が決着を付けたがっているパラティヌモンの情報を話すよ。今彼女はノルンさんによって強化手術を受けている最中だ。かなり強くなって戻って来るよ?」

 

「本当か!? それは楽しみだ!」

 

 パラティヌモンが強くなって戻って来る。そして決着が付かなかった一騎打ちの続きが出来る。それを知ったフェルグスは歓喜の笑みを浮かべる。

 自分達聖騎士型デジモンの原型となったデジモン。聖騎士王が強化されて戻って来る。フェルグスは彼女を最大最強の好敵手と認めており、最上の敬意を以って挑む事を自分自身に課している。その喜びは大きい。

 

「じゃあそろそろ俺は人間界に帰るよ。そっちもマキにバレないよう気を付けてね」

 

「あぁ、また会おう」

 

「……フェルグス。君は一体何者なんだ?」

 

「悪いが今はまだ言えない。言うべき時が来たら必ず言うさ」

 

 その場から急いで立ち去る竜也を見送ると、グラーネはフェルグスに問い掛ける。どうやら『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の中で1番謎が多いみたいだ。

 グラーネの質問をはぐらかすように答えるフェルグス。彼はマキの味方をしたかと思えば、竜也の味方をしている。果たして何者なのか。何を思って動いているのか。

 




LAST ALLIANCEです。
今回も後書きとして、本編に出たデジモンや内容の裏話を話していきます。

・お互いの動き

今回はノルン陣営・マキ陣営双方の動きを書きました。
マキ陣営は計画の遂行、ノルン陣営は実態の調査に。

・レクスフェンリスモンのスライド進化

フェンリルを模したような姿。ルプスモード。パワーの人型、スピードの獣型。
第2戦で聖騎士を倒したのは何気に凄いです。

・聖騎士達は偽物

本編で書いた通りですが、マキが作り出した操り人形です。
命令に意見出来ても逆らう事は出来ません。

・聖騎士達の派閥

これは『デジモンストーリー サイバースルゥース』の設定をお借りしました。
穏健派、中立派、強硬派。強硬派が多いのはドゥフトモンXがいるからです。

・クレニアムモンの謎

彼は一体何者なのか? 多分分かる人は分かると思います。

裏話はここまでになります。
皆さん。よろしければ感想・評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメント、アドバイスやモチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が究極進化します。

それでは次回をお楽しみに。LAST ALLIANCEでした!

次回予告

デジタルワールドから持ち帰った情報を整理する一真達。
そこに放たれた刺客と、デジタルワールドで起きる戦い。
平和を掴む闘いはまだまだ続く。

第36話 代理戦争
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