終焉の聖騎士伝説~オメガモンとなった青年の物語~   作:LAST ALLIANCE

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 久し振りの投稿になります。再就職してから時間を見て、少しずつ書き進めていました。
メインは仕事なので仕事の勉強をして、それを終えてから書き進めるスタイルでいったら、ようやく完成しました。この分で行くと週に1回のペースの投稿になりそうです。
 そしてここで一つ大事なお知らせがあります。この小説なんですが、実は第2章が終わった時点で一度完結にします。理由はちゃんとあります。飽きたからではありません。キリが良いのと、サブタイトルが関係しています。要はオメガモンとなった青年の物語が一度終わると言う事です。つまり……?
 その後の続編はFGOとのコラボ外伝と共に執筆していくので、これからもよろしくお願いします。



第36話 代理戦争

 デジタルワールドの現状を調査しに派遣された一真と竜也。その次の日、彼らは“電脳現象調査保安局”の会議室で報告を始める。

 ホワイトボードにデジタルワールドで撮った写真を張りながら、今デジタルワールドで何が起きているのかを話し始める。一通り話し終えると、竜也はスレイプモン・グラーネから聞いた話を明かした。

 集まっているのは一真、竜也、薩摩&クダモン、優衣、テイルモン、ウィザーモン、鏡花だ。ノルンはパラティヌモンの強化手術に携わっている為、参加する事が出来ない。

 

「実はデジタルワールドにいた時、スレイプモン・グラーネと戦って勝ちました。彼から『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』について色々と話を聞いたので、今から話していきます」

 

 竜也の話によると、今デジタルワールドにいる『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は、元々いた『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』ではない。

 彼らは皆マキがクーデターを起こして世界樹イグドラシルを掌握した時、ジエスモンとガンクゥモン以外の面々が抹殺されてしまった。

 つまり、今活動している『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は、マキが率いている面々となっている。自分の指示を聞くように作り上げた操り人形。それが今の『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の正体だ。

 

「そうなのか……自分で造ったから強化手術し放題か。厄介だが、どうしてマキ・イグドラシルは造れたんだ?」

 

「奪われたのは力だけなので、力を奪われる前に『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』のデータを持ち出したのでしょう。そして何らかの方法で造り出した……と思います」

 

「それともう1つ報告があります。彼らはマキ・イグドラシルの命令に背けませんが、意見する事が出来ます。それと一枚岩ではなく、3つの派閥がありまして……」

 

 『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は穏健派、中立派、強硬派と3つの派閥に分けられている。この3つは人間界に関わる対応で分けられている。

 穏健派はアルフォースブイドラモンX・ローラン、デュークモン・シグルド。中立派はマグナモンX・トリスタン、スレイプモン・グラーネ、クレニアムモン・フェルグス。強硬派はオメガモンX・ランスロット、ドゥフトモンX・ガレス、ロードナイトモン・ベイリン、デュナスモンX・シグムンド、エグザモン・パージヴァル。

 

「強硬派が多いな……どういう事だろう?」

 

「グラーネの話だと、ドゥフトモンX・ガレスがいるからなんです。彼がいるから過激派に付く聖騎士もいるという話です」

 

「つまりそいつを叩けば過激派は空中分解するかもしれない……と言う事でしょうか」

 

「かもしれません……どうやら過激派のデジモンが来たみたいね」

 

「僕が行きます」

 

 鏡花が東京湾に1体のデジモンが出現した事を告げると、一真が会議室から出ていき、その迎撃に向かった。その相手は『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』。過激派に所属している聖騎士だった。

 オメガモンに超究極進化した一真が東京湾の海面に浮かぶと、出現した聖騎士が反応を見せた。全身を機械的な純白の鎧で身を包み、右腕には蒼く輝くアーマーを装着し、右手にはメタルガルルモンXの頭部を模した篭手を装備し、左肩には黄金の聖盾を装備し、左手がウォーグレイモンXの頭部を模した篭手を装備した聖騎士。

 X進化したオメガモン。最強のデジモン。オメガモンX・ランスロット。自分の完全上位互換となる存在を目の前にし、オメガモンは言葉を失った。

 

―――マジかよ。やっぱりX進化してたのか。

 

「初めましてと言うべきか。私はオメガモンX・ランスロット。人間界のオメガモンよ、お前の力を試しに来た」

 

「オメガモン・アルビオンだ。まさかお前が来るとはな……話は聞いている。お前がマキ・イグドラシルから造り出されたという事も」

 

「成る程。既に事のあらましは理解していると言う事か。ならば話は早い。私とお前。お互いに同じ特殊能力を持っている。その力を試させてもらう!」

 

 オメガモンXが左腕を掲げながらグレイソードを出現させると、オメガモンも同じように左手からグレイソードを出現させる。

 同じ種族名を冠する聖騎士。1体は人間界を守り、もう1体は主君の命令に従う。お互いに相容れない正義が激突する瞬間が訪れた。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ウオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!」

 

「フッ!!」

 

 先に動いたのはオメガモン。先手必勝と言わんばかりに一瞬で間合いを詰め、得意としている近接戦闘に持ち込んだ。

 左腕のパワーに突進の勢いを乗せながらグレイソードを振り下ろすが、オメガモンXはグレイソードを横薙ぎに一閃し、唐竹斬りを弾き返しながら返す刀で斬りかかる。

 咄嗟にメタルガルルモンの頭部を象った右手の手甲で受け止め、後ろに跳びながらガルルキャノンを展開し、青色のエネルギー弾を撃ち出す。

 追い打ちをかけようと突進している最中だったオメガモンX。グレイソードの一閃でオメガモンの砲撃を四散させ、目の前にいる聖騎士に向けてグレイソードを突き出した。

 

「何!?」

 

「遅い!」

 

―――これが人間とデジモンの融合体の力か!……『電脳人間(ヒューマン・デジモン)』、恐るべし!

 

 目の前にいたオメガモンの姿は消失していた。咄嗟に攻撃を中断したオメガモンXの背後にオメガモンが現れ、左斜め上からグレイソードを振り下ろして来る。

 咄嗟に右手を背中に伸ばして羽織っているマントを掴み、袈裟斬りを防ぐが、『電脳人間(ヒューマン・デジモン)』たるオメガモンの力に戦慄を覚えた。

 特殊能力を発動していないが、X進化したオメガモンと渡り合えている。人間とデジモンの融合によって、総合性能がここまで引き上がるのか。初めて人間界側のデジモンと戦っているオメガモンXは驚く事しか出来ない。

 

―――だが、だからと言って私も負けていられない!

 

「甘い!」

 

 オメガモンXは左足で聖騎士を蹴り付ける事で間合いを空けると、右手からガルルキャノンを展開し、砲身の内部に生命エネルギーを集束させ、青色の破壊光を撃ち出す。

 迫り来る青色のエネルギー波動砲。オメガモンは空中で体勢を立て直して砲撃を避けると、海面を素早く駆けながらオメガモンXとの間合いを詰めていく。

 その途中でウォーグレイモンの力が宿っている左腕の力を解き放ち、グレイソードの刀身から太陽の火炎を生み出す。横薙ぎに構えた聖剣を一閃し、太陽の火炎をオメガモンXに向けて放つ。

 

―――こんな力もあるのか!

 

「もらった!」

 

 オメガモンXが背中に羽織っているマントで火炎の斬撃を防いでいる隙に、オメガモンは聖騎士の背後に回り込み、大上段からグレイソードを振り下ろす。

 突然の背後からの奇襲。それを受けたオメガモンXが背後を振り返ると、そこにはグレイソードを振り下ろしたオメガモンが姿を現していた。

 返す刀で下段に構えたグレイソードを上段に向けて振り上げ、オメガモンXを吹き飛ばした。聖騎士に斬り上げを叩き込みながら太陽の火炎で焼き払う。

 吹き飛ばされているオメガモンXが空中で体勢を立て直している間に、オメガモンはグレイソードを構え直す。一瞬で聖騎士との間合いを詰めると、大上段から灼熱の聖剣による剣閃を繰り出した。

 

「受けてもらう!」

 

―――秘奥義を使わないと流石にきついな。ここは一度退却しよう。

 

 聖騎士は咄嗟にグレイソードで受け止めるが、太陽の火炎によるブーストを受けたオメガモンが聖剣を最後まで振り下ろし、オメガモンXを吹き飛ばした。

 通常状態ではX進化したオメガモンを圧倒している。その事実を受け止めたオメガモンXはその場から飛び立ち、デジタルワールドへと帰還していった。それを見た聖騎士は追いかけようとするが、無理だと分かって“電脳現象調査保安局”へと戻っていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 オメガモン・アルビオンとオメガモンX・ランスロットが東京湾で戦っているのと同じ頃。デジタルワールドにある神の島。ジエスモンは神の島にいるデジモン達を避難させ終えた所だった。彼らも竜也から事情を聞いていた。

 そんな時に1体の聖騎士が姿を見せた。流線形独特の滑らかな曲線美の聖鎧を身に纏う聖騎士。聖鎧の色は薔薇色。両肩から伸びているのは金色の帯刃と装飾。右手に持っているのはパイルバンカー。ロードナイトモン・ベイリン。

 

「ロードナイトモン・ベイリンか……殺戮するデジモン達はもう逃がしたぞ?」

 

「裏切り者のジエスモン。殺戮と言う言葉は止めてもらおうか。秩序に基づいて排除しているのだ、デジモン達を」

 

「同じような物だろう……行くぞ!」

 

 デジタルワールドでも始まった2体の聖騎士による一騎打ち。こちらの対戦カードはロードナイトモン・ベイリンとジエスモン。

 先に仕掛けたのはジエスモンの方から。一瞬でベイリンとの間合いを詰め、両腕の聖刃で斬り掛かるが、ベイリンは右手に持っているパイルバンカーで斬撃を受け止める。

 

「秩序に基づいてデジモン達を排除する!? そんな事は間違えている!」

 

「これはマキ様の命令だ! 今更お前が否定したとしても無駄だ! もう遅い! 計画は既に実行されている!」

 

 ベイリンは右足でジエスモンの胸部を蹴り付け、ジエスモンを蹴り飛ばしながら間合いを空けた。それと同時に突進を開始し、聖鎧から伸びている4本の帯刃を振るい、ジエスモンを斬り刻む。

 空中で体勢を立て直している最中だったジエスモン。彼は4本の帯刃による乱舞で聖鎧を斬り刻まれるが、ベイリンは更に追い打ちをかける。

 

「さぁ舞い踊れ! 『スパイラルマスカレード』!!!」

 

「グウウゥゥゥゥゥッ!!!!!」

 

「そして砕け散れ! 『アージェントフィアー』!!!」

 

 ベイリンの猛攻は終わらない。右手に持っているパイルバンカーを構えてジエスモンの懐に入り込み、ジエスモンの腹部にパイルバンカーを打ち付けた。

 それと同時に、零距離からパイルバンカーを撃ち出して強烈な一撃を撃ち出すと共に、凄まじい衝撃波を巻き起こしてジエスモンを吹き飛ばす。

 

「グアアアァァァァァァァァッ!!!!!」

 

 腹部に必殺奥義を喰らったジエスモン。苦痛に満ちた叫び声を上げながら吹き飛んでいき、地面に叩き付けられて転がり、そのまま倒れ込んでしまう。

 そんな聖騎士を見たベイリンは勝ち誇る事なく、ゆっくりと歩み寄る。4本の帯刃を構え、右手に握るパイルバンカーを撃ち込めるよう、油断と慢心のないように。

 

「思っていたよりも弱いな、ジエスモン。その程度の実力で我らに歯向かおうと言う考えは甘い。実に甘い」

 

「そうかよ……甘いのはお前なんじゃないのか、ベイリン。この程度の連続攻撃……ガンクゥモン師匠に比べればどうって事はない!」

 

「ほぉ……ならばそれを証明して見せろ!」

 

 必殺奥義を立て続けに喰らったにも関わらず、ジエスモンは立ち上がった。師匠たるガンクゥモンの試練を潜り抜け、成長期のハックモンから進化し続けた彼にとって、この程度は平気みたいだ。何というタフネス。

 感心したような言葉を言い放つと、ベイリンは再びジエスモンとの間合いを詰める。消失したと錯覚させる程の超スピード。それに対し、ジエスモンも己の秘奥義で迎え撃つ。

 

「現れろ、俺のヒヌカムイ! ロードナイトモン・ベイリンを攻撃しろ!」

 

 ジエスモンの身体から浮き出て、周りに現れたのは3体のヒヌカムイ。彼らの名前は“アト”、“ルネ”、“ポル”の3体。ジエスモンの頭部に似たような顔をしており、両腕もジエスモンと一緒だ。

 彼らは基本的にジエスモンの指示で動いているが、自立行動を取る事も出来る。ジエスモンの指示を受け、彼らはベイリンに斬り掛かる。

 

「クッ!! この程度で……!」

 

「隙ありだ! 『轍剣成敗(てっけんせいばい)』!!!」

 

「グアアアァァァァァァァァッ!!!!!」

 

「これで終わりだ! 『シュベルトガイスト』!!!」

 

「グアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーー!!!!!」

 

 ベイリンが聖鎧から伸びている4本の帯刃で3体のヒヌカムイの攻撃を防ぎ、彼らを追い払うが、その隙に体勢を立て直したジエスモンが動き出す。

 目にも写らぬ速度でベイリンとの間合いを詰めると、両腕の聖刃でベイリンを瞬時に斬り付け、3体のヒヌカムイに合図を送る。

 ジエスモンと3体のヒヌカムイでベイリンを囲い込み、全方位から一斉攻撃を繰り出し、この戦いに終止符を打った。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ジエスモン! ジエスモン! 繋がらないか……どうやら『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』と戦っているみたいだな……」

 

「その通りだ。ジエスモンは我が盟友、ロードナイトモン・ベイリンが相手している」

 

 ジエスモンがロードナイトモン・ベイリンと戦っているのと同じ頃、ファイル島にいるガンクゥモンはジエスモンと連絡を取ろうとしていた。

 しかし、何回通信機に呼び掛けてもジエスモンは一向に出る気配はない。何故ならジエスモンはロードナイトモン・ベイリンと戦っているからだ。

 どうやら通信機の向こう側にいる聖騎士は戦っている最中なのだろう。そう割り切り、ファイル島から飛び去ろうとするガンクゥモン。その時何者かの声が聞こえて来ると共に、目の前に1体の聖騎士が姿を現した。

 

「デュナスモンX・シグムンド……」

 

「裏切り者の『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』め。我々の仲間がお前達の仲間を全滅させようと動き出した。全滅するのも時間の問題だろうな……」

 

「私は自分の信じる正義の為に行動している。裏切ってなどいない。それに私はともかく、私の仲間を舐めない方が良いぞ?」

 

「そういうお前こそ我々を舐めないでもらおう。我々はイグドラシルに忠誠を誓っている。お前達悪しき者を滅ぼす。それが在るべき正義の形だ!」

 

 その聖騎士の名前はデュナスモンX・シグムンド。禍々しい漆黒の竜のような姿をしている。正義の在り方を巡ってガンクゥモンと口論を始めた。

 『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々は、2体の聖騎士を含めたレジスタンスを殲滅する命令をマキから下され、それを実行している最中だった。

 

「私はマキ・イグドラシルの考えは間違えている。この世界の人間は何の間違いも犯していない。むしろ我々デジモンが巻き込んでしまった。彼らは被害者で、我々が被害者だ。それにも関わらず、この世界のデジモン達を全滅させ、人間界と統合させて新世界を創ろうとしている。それが本当に正しい事なのか? 正義だと胸を張って言えるのか? 答えろ!」

 

「それがマキ様の掲げる正義だ。ならば我々はそれに従うしかない」

 

(やはりか……私とジエスモン以外の聖騎士はマキ・イグドラシルの操り人形。レクスフェンリスモンの言葉は正しかった!)

 

「お前もその邪魔をすると言うのなら……私が葬り去ってくれる!」

 

 シグムンドは背中の漆黒の翼を広げながら、両手の鋭い爪を光らせてガンクゥモンに向けて接近する。目にも写らぬ超神速のスピードを以て。

 同時に振るわれた鋭い爪による一閃。それをガンクゥモンが左腕を翳して受け止めた事で、2体の聖騎士による戦いが始まった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「『鉄拳制裁』!!!」

 

「フッ!!」

 

 目にも止まらぬ速さで突き出した右拳を左手で受け止めるシグムンドに対し、ガンクゥモンは上半身を捻った勢いを上乗せした左ストレートを放つ。

 しかし、シグムンドはガンクゥモンが上半身を捻った時点で分かっていた。次にどのような攻撃を繰り出すのかを。左拳を受け止めると、黒い飛竜は両手の平の宝玉を輝かせて必殺奥義を繰り出した。

 

「『ドラゴンズロア』!!!」

 

「グァッ!?」

 

「『ドラゴンズガスト』 !!!」

 

「ガアアアァァァッ!!!!」

 

 零距離で両拳にエネルギー弾を喰らい、吹き飛ばされるガンクゥモン。シグムンドは更なる追い打ちに出た。頭部の巨大な角を立てて突進して衝突し、ガンクゥモンを更に遠くへと吹き飛ばしていった。

 地面に叩き付けられたが、直ぐにガンクゥモンは立ち上がる。彼の闘志に応じて全身から“ヒヌカムイ”が浮き上がっていく。

 

「『地神!神鳴!神馳!親父!』!!!」

 

「無駄だ! 『ドラゴンズロア』!!!」

 

 ガンクゥモンと怒声と共に“ヒヌカムイ”が攻撃を繰り出すが、シグムンドは両腕で攻撃を受け流し、ガンクゥモンと“ヒヌカムイ”に向けてエネルギー弾を連射する。

 『ドラゴンズロア』を受けたガンクゥモン。勿論攻撃を喰らえばダメージを受けるが、“ヒヌカムイ”も攻撃を受けると、それが使用者のガンクゥモンにもフィードバックする仕組みとなっている。

 それでもガンクゥモンは止まらない。両足で地面を踏み締めながら踏ん張ると、何処かからクロンデジゾイド製ちゃぶ台を召喚し、ちゃぶ台に乗った地面ごと引っ繰り返した。

 

「『ちゃぶ台返し』!!!」

 

 『ドラゴンズロア』を防ぐ盾となったちゃぶ台と地面。エネルギー弾と激突してお互いに相殺され、周囲一帯に及ぶ大爆発を巻き起こし、爆炎と黒煙を拡散される。

 そんな中、デュナスモンXは全身に力を溜め込み、全身から飛竜のオーラを出現させ、ガンクゥモンに向けて放つ。

 

「『ブレス・オブ・ワイバーン』!!!」

 

「『鉄拳制裁』!!!」

 

 飛竜のオーラの相手を“ヒヌカムイ”に任せると、ガンクゥモンはシグムンドとの間合いを詰め、全身全霊の一撃を叩き込んだ。

 繰り出される強烈な右ストレート。ガンクゥモンの全てを込めた一撃はシグムンドをノックアウトすると共に、“ヒヌカムイ”も飛竜のオーラを打ち破った。

 

ーーーーーーーーーー

 

『ガンクゥモン! そっちの様子は!?』

 

「お前な……こっちが通信しても出ないから心配したんだぞ? こっちはデュナスモンX・シグムンドと戦って撃退した」

 

『すみません! 俺もロードナイトモン・ベイリンと戦っていたので……実はガンクゥモン。今から言う座標に来て欲しいんです。倒した奴連れて来て』

 

「? 分かった」

 

 シグムンドとの戦いを終えた後、ガンクゥモンは再びジエスモンとの通信を試みると、今度はジエスモンと繋がった。先程の通信はジエスモンがロードナイトモン・ベイリンと戦っていた為、彼が通信に出る事が出来なかったからだ。

 ジエスモンとの通信でガンクゥモンは頼まれ事を受けた。自分が倒した聖騎士を連れて、ジエスモンが伝える場所に向かって欲しいと。首を傾げながらも、何かあったのだろうと思い、シグムンドを背負って向かっていった。

 

「ここは……」

 

「師匠、こっちです!」

 

 ガンクゥモンが辿り着いた場所。そこは喫茶店―『ブライアン』だった。ここで合流する予定なのだろう。しかし、何故喫茶店なのか。そう思いながら中に入ると、そこにジエスモンが待っていた。

 待っていたのはジエスモンだけではない。アルフォースブイドラモンX・ローラン、デュークモン・シグルド、マグナモンX・トリスタン、スレイプモン・グラーネ、クレニアムモン・フェルグス。

 

「なっ!? 何故敵である『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』が此処に!?」

 

「呼んだのは私だ。その前にシグムンドをこのカプセルに入れて……」

 

 ガンクゥモンは背負っていたデュナスモンX・シグムンドを再生カプセルに入れると、聖騎士達が座っているテーブル席に付いた。

 クレニアムモン・フェルグスが彼らを集めたとの事。ガンクゥモンがテーブルに付き、注文していた料理が来てから、フェルグスは説明を始めた。

 

「ここにいるのは『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の穏健派と中立派だけだ。いわば極秘会談となる。実はつい先程、私はマキ様から重大任務を託された。それを今から説明する」

 

「重大任務……?」

 

 マキ・イグドラシルが『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に命令を下した後、フェルグスを呼び出した。思っていたよりも残っているデジモンが多いと。5割を切っている筈が、まだ7割近く生き残っている。

 恐らく何者かがデジモン達を匿っている。しかもあれだけの数のデジモンがまだ生きているとなると、次に襲撃する場所を知っている聖騎士達が怪しいと言う事に繋がる。信じたくは無いが、聖騎士達の中に裏切り者がいる。

 そこで一番忠誠を誓っているフェルグスが裏切り者ではないと信じ、彼にか頼めない重要任務を依頼した。それは『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の裏切り者を見つけ出し、抹殺する事。フェルグスはその調査を行っていた。

 

「成る程な……それでその裏切り者を見付けたと言う事か」

 

「あぁ……穏健派と中立派だものな。非協力的だから怪しいと睨んだのか」

 

「いやいや違うよ。本題はここからだ。実は……マキ様の正体が分かったんだ」

 

『何だと!?』

 

「マキ・イグドラシルの正体……それはミレニアモン。又の名を秋山千冬。研究者だった女性」

 

 マキ・イグドラシルの正体はミレニアモン。“デジクオーツ”事件を起こした黒幕であり、かつて秋山千冬と言う名前の研究者だった女性。

 彼女はここではない別の人間界出身。その世界は人間とデジモンが共存し合う素敵な世界だった。生物学者であり、デジモンの研究に関わっていた研究者だった彼女は、幼年期~成長期デジモンの育成に関わり、彼らを自分の子供のように愛した。

 しかし、人間達のデジモンに対する差別や横暴なやり方の不満を抱いたデジモン達による武力蜂起が起こり、それが切っ掛けとして人間とデジモンによる争いが起こり、千冬の出身世界は荒れ果ててしまった。

 その時に大切にしていた家族やデジモン達を失い、彼らを殺したデジモン達と戦争の原因を作った人類、そして自分達を見殺しにしたデジタルワールドの神や聖騎士達を憎むようになった。それが彼女の行動原理と言われている。

 やがて彼女は人間界から単身デジタルワールドに向かい、イグドラシルや聖騎士達に直談判しに行った。何故争いが起こる前に手を打たなかったのか。こうなる前にどうにか出来なかったのか。遣る瀬無い感情をぶつけに行った。

 その最中に容赦ない現実を突き付けられた。一部の人間達による度重なるデジモン・デジタルワールドの危機に憤りを感じた『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』は、デジタルワールドの消滅を回避すべく、人間達を全滅させようと動き出した。

 それを阻止しようとしたが、千冬ではどうにも出来なかった。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に抹殺され、そのまま命を落とした

 

「ミレニアモンは人間だった……一真君や優衣さんと同じだったんだな。でもだからと言って、やって良い事と悪い事はある」

 

「そうだ。だがここで疑問が出て来る。どうしてこの世界に来て、イグドラシルと一体したのかが。それをこれから話そう」

 

 彼女はデジモン達と人間、そして世界に対する憎悪でミレニアモンを転生し、『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』を全滅させ、イグドラシルを滅ぼす事で復讐を果たした。そのデジタルワールドは滅んでしまった。

 そして次なる野望は自分が経験した事が二度と起きない世界の創造。人間とデジモンが共存し、お互いを認めて尊重し合い、平和に暮らす事の出来る世界。それを創るべく、このデジタルワールドにやって来た。

 その第一歩としてイグドラシルと一体化して統治を行ったが、初めてな上にやり方が強引過ぎて反発を受け、その結果世界樹から追い出されてしまった。しかし、だからと言って終わるミレニアモンではなかった。

 力を蓄えながら『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』を造り出し、クーデターを起こしてノルンを追い出すと共に、世界樹イグドラシルを掌握。今は『NEOプロジェクト・アーク』を遂行している最中だ。

 

「そういう事だったのか……オメガモン達に連絡しよう!」

 

「我々はずっと利用されていたのか……マキ・イグドラシルに。いやミレニアモン……秋山千冬に!」

 

「でもこれでハッキリした。何故マキ・イグドラシルが『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』を従えたのかも、何故『NEOプロジェクト・アーク』を遂行しているのかも。ようやく分かった」

 

 ミレニアモンは自分から大切な物を奪った人類やデジモン、問題を見過ごして来たデジタルワールドを憎み、全て滅ぼした。

 それから二度と自分の出身世界で起きた悲劇を繰り返さない為、この世界に来て人間界とデジタルワールドを統合し、新世界を創造しようとしている。

 確かに言いたい事は分かる。シンプルだからだ。理想も素晴らしい。オメガモンですら応援したくなるだろう。だが手段に問題があり過ぎる上に、やり方が強引過ぎる。

 

「私がマキ様の正体を知る事が出来たのは、今回の重大任務を引き受けたから。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の行動を調べていた時、ホメオスタシス様から言われた情報を思い出して調べていた。その結果、今になって分かった。本当はもっと早い段階で分かっていれば良かったのだが、マキ様が中々隙を見せなくて……」

 

「ホメオスタシス様!? おい、ちょっと待て! クレニアムモン、前から気になっていたけどお前は一体何者なんだ!?」

 

「え~と、確かここでよろしかったでしょうか?」

 

『パラティヌモン!?』

 

「私はパラティヌモンですが、ノルン・イグドラシルの強化手術を受けたパラティヌモン……アーサーパラティヌモンです。ここに来るようにホメオスタシス様から言われていたのですが、その時にドゥフトモンを撃破して来ました」

 

 彼らの前に現れた1体の聖騎士。白銀に輝くシンプルでありながら、所々に青色のアクセントが施されている丸みを帯びた重厚感のある聖鎧に身を包んでいる。

 背中には一対の白い翼が備わっていて、内側が赤色、外側が白色のマントを羽織り、両腰に鞘込めの聖剣を2振り帯びている。翡翠色の円らな瞳が特徴だ。

 パラティヌモン改め、アーサーパラティヌモンはドゥフトモンX・ガレスを近くに置いてあった再生カプセルに入れると、ここに来るまでの事を話し始めた。

 

ーーーーーーーーーー

 

 ノルン・イグドラシルによって施された強化手術を終え、新たな姿に生まれ変わったパラティヌモン。彼女からアーサーパラティヌモンと言う新しい名前を授けられ、ホメオスタシスに会うように言われた。

 ホメオスタシスからクレニアムモン・フェルグスの正体を聞いたアーサーパラティヌモン。彼女はフェルグスの拠点となっている『ブライアン』に向かい、詳しい話を聞くように指令を受けた。

 

「パラティヌモンとお見受けする」

 

「ドゥフトモンX・ガレスだな?」

 

 アーサーパラティヌモンの目の前に降り立った1体の聖騎士。獣の装飾が所々施された茶色の聖鎧に身を包んだドゥフトモンX・ガレス。

 ガレスが右手に刀身がビームの刃となったサーベルを引き抜くと、アーサーパラティヌモンも背中に収めていた聖槍を引き抜く。幅広で長い穂先を持った光の突撃槍―聖槍ロンゴミニアド。パラティヌモンの新たなる武器。

 聖槍ロンゴミニアド。アーサー王最期の戦いに使用された名槍。別名はロンの槍。エクスカリバーと並ぶアーサー王の宝物だが、エクスカリバーが目立つ事と、登場するのが中盤の“ヴォーティガーンの討伐”と、佳境のカムランの戦いだけであり、あまり有名ではない。

 父兄であるヴォーティガーン討伐では、エクスカリバーやガウェイン卿のガラティーンも通用しないヴォーティガーンに使用し、ようやくヴォーティガーンを倒している。最期の戦いとなったカムランの戦いでは、モードレッドを討ち取る際に使用した。

 お互いの武器を構えたアーサーパラティヌモンとドゥフトモンX・ガレス。2体の聖騎士は同時に突撃を開始して戦いに突入した。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ウオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!」

 

「クッ!!」

 

 先に攻撃を仕掛けたのはアーサーパラティヌモン。彼女は背中の翼から青い光を放出させ、一気に加速して近接戦闘に持ち込んだ。

 ガレスとの間合いを一瞬で詰めると、右手に握る聖槍ロンゴミニアドを目にも止まらぬ速さで突き出す。無数の聖なる刺突が聖騎士の全身を粉砕しようと襲い掛かった。

 右手に握るサーベルで受け流そうとするが、アーサーパラティヌモンの力は凄まじい。以前よりも力が上がっている。受け流そうにも、武器もろとも破壊されそうな勢いとパワーが内包されている為、回避に専念する事しか出来ない。

 

「ハァッ!!」

 

「『エルンストウェル』!!!」

 

 アーサーパラティヌモンは聖槍ロンゴミニアドを薙ぎ払うのに対し、ガレスは右手に握るサーベルを突き出して爆発的なエネルギーを放ち、それを隠れ蓑に使いながら後退した。

 返す刀で聖槍を一閃して爆発的なエネルギーをかき消し、再び一瞬でガレスとの間合いを詰めたアーサーパラティヌモン。彼女が聖槍を突き出すと同時に、カレスもサーベルを振るって攻撃を弾き返そうとする。

 

「何!?」

 

「ウオオオオォォォォォォーーーーー!!!!」

 

 激突する聖槍とサーベル。制したのはアーサーパラティヌモンだった。突き出した聖槍の一撃でガレスを吹き飛ばした。完全なる力押し。

元々パラティヌモンは超機動力と卓越した技術を持っていたが、それに凄まじいパワーが加わった事で、完全無欠の聖騎士王となった。

 続けて聖槍ロンゴミニアドから光のエネルギーを発しながら突き出し、黄金の光のエネルギー波として放って追い打ちをかける。ガレスが立っていた場所に大爆発が巻き起こり、黒煙と爆炎が巻き上がった。

 

「ほぉ……」

 

 黒煙と爆炎を突き破り、姿を現したのはドゥフトモンX・レオパルドモード。四足歩行の獅子のような姿をしたガレスが、目にも止まらぬ速さで襲い掛かるが、アーサーパラティヌモンは聖槍の一閃で弾き飛ばす。

 空中で体勢を立て直して着地したカレス。大地から超高層の岩盤を出現させて突き上げるが、聖騎士王は聖槍の一閃で超高層の岩盤を粉砕する。

 

「『エアオーベルング』!!! 続けて『ブロッカーデ』!!!」

 

「これで終わりだ! 『ロンゴミニアド』!!!」

 

 その隙にガレスは丸い尻尾の先端から球状のエネルギー機雷を発生させ、アーサーパラティヌモンを包囲しながら、地上を駆け抜けて飛翔し、両前足の鋭い爪を輝かせながら襲い掛かる。

 しかし、その間に何もしないアーサーパラティヌモンではなかった。聖槍ロンゴミニアドにエネルギーを注ぎ込み、光り輝く聖槍にすると同時に突き出し、巨大としか言えない光の奔流として撃ち出した。

 球状のエネルギー機雷どころか、ガレスをも呑み込んだ聖槍ロンゴミニアドの一撃。それはまるで巨大な光の柱だった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ドゥフトモンX・ガレスを倒した事で、残る強硬派はオメガモンX・ランスロットと、エグザモン・パージヴァルだけとなった。どうする? 倒しに行くか?」

 

「いやこちらから誘き出そう。奴らは我々の動きを全く知らない。オメガモンXは無理だが、エグザモンなら倒せる。アーサーパラティヌモン。あの時の続きを始めよう」

 

「えぇ、望む所です」

 

 アーサーパラティヌモンからドゥフトモンX・ガレスを撃破した経緯を聞くと、『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』の面々が次の行動を考え始める。

 残る強硬派の聖騎士はエグザモン・パージヴァルと、オメガモンX・ランスロットとなったが、そのどちらかを誘い出して仕留める作戦に打って出ようとしている。

 オメガモンX・ランスロットはアーサーパラティヌモンでは勝てるかどうか怪しいが、エグザモン・パージヴァルなら余裕で倒す事が出来る。

 そこでクレニアムモン・フェルグスは考えた。自分とアーサーパラティヌモンが一騎打ちを行い、それを探知してやってきた聖騎士を倒す。しかも2体の聖騎士にとって因縁の戦い。途中で終わったあの日の続きを始めようと動き出した。

 

ーーーーーーーーーー

 

 背中のウェポンラックに右腕を伸ばし、マウントされた三角形状の刃の2本の大剣を連結させ、両柄に刃が付いた1本の巨大な魔槍を握り締めるフェルグス。

 鋸のようにギザギザしている魔槍クラウ・ソラス。かつての戦いでパラティヌス・ソードをへし折った因縁の武器。対するアーサーパラティヌモンも背中のウェポンラックから聖槍ロンゴミニアドを取り出し、背中の翼を広げながら、青い光を放出させ始める。

 

「『エンド・ワルツ』!!!」

 

「ハァッ!!」

 

 クラウ・ソラスを高速回転させながら、フェルグスは大気変動を巻き起こしていく。微風が烈風へと変わり、やがて暴風となってアーサーパラティヌモンに襲い掛かる。

 全てのデータが粉砕する超音速の衝撃波。並大抵の相手ならば、今頃はデータを粉砕されているが、聖騎士王は動じない。右手に握る聖槍を一閃して超音速の衝撃波をかき消す。

 

「ウオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!」

 

「クッ!!」

 

 そこからアーサーパラティヌモンは攻勢に出る。フェルグスとの間合いを一瞬で詰め、聖槍ロンゴミニアドを連続で突き出す。

 今までは機動力と技術による手数の多さで勝負していたが、今はそれにパワーが加わって一撃の破壊力も込められている。一撃だけでも必殺奥義の通常攻撃。それが連続して繰り出されている。これにはフェルグスですら防戦一方においやられる。

 魔槍クラウ・ソラスで受け流しつつも、徐々に後退していくフェルグス。彼は最後に繰り出された強烈な刺突を受け止めたものの、その威力と衝撃に耐えられず、吹き飛ばされてしまった。それでも立ち上がり、構えを取り直す。

 

「流石だな……だが私もこの程度で終わらない! 『ゴッド・ブレス・バインド』!!!」

 

「ッ!」

 

「今だ!」

 

 フェルグスは左手の平を前に突き出し、鎧のデータにアクセスして魔楯アヴァロンを召喚する。魔盾から眩い輝きが放たれた瞬間、聖騎士の目の前に光り輝く防御壁が展開されるが、それだけでは終わらない。

 フェルグスの目の前に展開されていた光り輝く防御壁が、まるでアーサーパラティヌモンを捕らえるように全身を包み込む。眩い輝きを以て相手の目を眩ませながら、動きを封じる。本来は『エンド・ワルツ』のコンボの為に編み出した必殺奥義。

 防御壁によって形成された結界。その中に閉じ込められたアーサーパラティヌモン。今度はフェルグスが攻勢に出た。双刃の魔槍を煌かせ、聖槍ロンゴミニアドを弾き飛ばす。強烈な左薙が聖騎士王の胸部を斬り裂いた。

 

「何?」

 

「『アルビオン・ブレイズ』!!!」

 

 異様とも言える光景に、フェルグスは一旦後退して魔槍クラウ・ソラスを構え直す。今の一撃はそれなりにダメージを与えた筈なのだが、アーサーパラティヌモンは無傷だ。

 単純に硬いのか。それとも何か理由があるのか。その理由を考えている暇は、フェルグスには無かった。アーサーパラティヌモンの青い光の翼から、無数の砲撃が一斉に撃ち出されたからだ。

 フェルグスは『ゴッド・ブレス』を発動していた為、展開している眩い光の防御壁で次々と四散されていく。その間にアーサーパラティヌモンは聖槍ロンゴミニアドにエネルギーを集束させ、一気に突き出して黄金の光の奔流を放つ。

 

「『ロンゴミニアド』!!!」

 

「何!?」

 

 黄金の光の奔流が眩い光の防御壁を呑み込むと共に侵食し、光の粒子に分解しながら消滅させる。生前のアーサー王がヴォーティガーンやモードレッドを討つ時に使用したと謳われている聖槍。エクスカリバーと同等の性能持ち。

 聖槍から放たれる攻撃は全てを破壊し、消し去る光の一撃。しかもノルン・イグドラシル自らが制作した神造兵器。並大抵の武器では防ぐどころか、破壊する事さえも出来ない。

 

「な、何と……“最強の盾”が“最強の槍”に消されたとは……」

 

「さてここから……どうやらお目当ての相手が来たようですね」

 

「フェルグス! 助けに来たぞ!」

 

 そこに現れたのはエグザモン・パージヴァル。右手に巨大なランスーアンブロジウスを携え、背中に意思を持った巨大な翼―カレドヴールフを生やした赤い竜のような姿をした聖騎士。強硬派に所属している。

 アーサーパラティヌモンとフェルグスの戦闘に気付き、駆け付けて来たようだ。余力を残している聖騎士王はそのまま戦闘に突入し、エグザモン・パージヴァルを撃破した。

 

 




LAST ALLIANCEです。
今回も後書きとして、本編に出たデジモンや内容の裏話を話していきます。

・オメガモン同士の戦闘

オメガモンVSオメガモンXは前に書いた小説でも実現しましたが、ここでも実現させました。

・喫茶店『ブライアン』

料理が美味しいと噂の喫茶店です。マスターはデジタマモン。

・マキ・イグドラシルの正体

ミレニアモン=秋山千冬。彼女の設定は『シン・ゴジラ』の牧悟郎を参考にしています。
何気に単体で世界を滅ぼした経験のある凄い人です。
経緯は経緯で、事情は事情だけど行き過ぎた考えを持ち、行き過ぎた行動を取っているのが失敗する所。もし違う運命を歩めたらオメガモン達と仲良く出来ます。

・パラティヌモン復活!

ガンダム・バエルからガンダム・キマリスヴィダールになって復活。
オメガモンらしい見た目からアルファモンっぽい見た目になりました。
武器はロンゴミニアドとエクスカリバーとかなりシンプルになりました。

裏話はここまでになります。完結まで残り数話となりました。
皆さん。よろしければ感想・評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメント、アドバイスやモチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が究極進化します。
そしてこれからもよろしくお願いします。

それでは次回をお楽しみに。LAST ALLIANCEでした!


次回予告

いよいよマキ・イグドラシルとの決戦に挑むオメガモン達。
そこに立ち塞がるのはオメガモンX・ランスロット。
2体のオメガモンによる一騎打ち。その勝者は!?

第37話 限界突破
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