東方鞍馬録   作:Etsuki

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お待たせしました。後編です。
最近になってようやく艦これがスマホでもできると知ったザックです。
しかし、放置ゲームは好きじゃないんです(ワガママ)
だから皆さん、バトオペ2しましょう(錯乱)



吸血鬼異変 後編

 side 紅美鈴

 

 なんて末恐ろしい子供達なんですか…

 あんな重い攻撃をもろに喰らってしまうとは、それも二発。

 思っていたより重いダメージですね。

 

 恐らく後ろで見ている天狗の威圧が凄まじくて、自分自身知らず知らずのうちに小さいから弱いだろうと舐めてかかっていましたね。

 

 ぐっ、体を持ち上げるのも辛い。

 

 しかし、お嬢様の為にも私が倒れる訳にはいかない。

 この門は私の誇りに掛けて死守しなければ。

 

 子供だからと言ってもう油断はしません。

 大人気ないかもしれませんが、全力を出させてもらいます。

 

 

 

 

 それにしても……あのドロップキック

 

 

私は悪霊ではないのですが…

 

 

 

 

 side 亜蓮

 

 

 有効打は最初に俺達がとった。俺の正拳突きもなかなかの威力だとは思うが、聖山と燕璃のダブルドロップキックはかなり効いただろう。

 

俺でも無邪気故に手加減を知らないあの二人の攻撃をモロに受けたくはない。

めーりんはなんとか立ち上がっているけど、闘えるのだろうか?俺たちみたいにあれぐらいの攻撃を受け慣れている訳じゃないだろうに。

 

 

 そう思っているうちにめーりんが立ち上がった。

 それもしっかりと立っている。

 

 これだけじゃ落ちないか。やっぱり妖力五割だけでは火力不足か、技もめーりんには通じにくい。

 

 

 まあ、けど、問題ないか。数打ちゃ落ちるだろう。

 

 俺達が闘えると分かった相手に手加減するだろうか、いや、絶対ないな。

 多分逆に苛烈さを増してめーりんを攻めるだろう。

 

 そう思っているとめーりんが膨大な気を纏う。

 

 そのエネルギーに反応して、俺たちは身構える。

 

「どれだけ強い気を纏っても」

 

「僕たちには絶対に」

 

「「敵わないもんねー!」」

 

「お前ら、目の前の敵に集中しとけ」

 

 俺は言ってからめーりんに意識を集中させようとする、刹那、めーりんが俺の目の前の現れる。

 

「さっきの意趣返しです」

 

 俺の踏み込みを真似しての高速で懐に入ってきたのか。

 

 

 めーりんの正拳突きが放たれる。

 くっ、速い!?

 

 俺はなんとかめーりんの拳を受け止める。

 それでも威力を殺しきれない、重心が後ろに逸れてしまった。

 

 俺は隙を殺しきれずにめーりんが更に放った蹴りを喰らって吹き飛んでしまう。

 

「亜蓮!!」

 

「おいっ!亜蓮!」

 

 義真と砕華が俺の名を叫ぶ。

 

「おっと、後方注意ですよ。鞍馬のちびっ子」

 

「なっ!?」

 

 次はめーりんが義真の後ろに高速移動する。

 

「これもさっきの意趣返しです」

 

 めーりんの回し蹴りがもろに義真に入る。

 

「ぐっつ!」

 

「義真っ!」

 

「次はあなたですよ」

 

 めーりんが砕華に踵落としを放つ。

 

「喰らうかああああああああ!!?」

 

 砕華は踵落としを受け止める。

 

「このおっ!!」

 

 砕華も蹴りでめーりんに反撃するが、体を上に逸らし避けられる。

 めーりんは宙に浮いたまま砕華に薙ぎ蹴りを放つ。

 砕華はその攻撃をガードするが、砕華も前蹴りを放った後であり体勢が不安定だった。そのせいで砕華は充分に踏ん張れず体勢を崩されてしまう。

 その間にめーりんは着地し、砕華にボディーブローを放つ。

 

 砕華はそれも手を当てることでなんとか防御するが威力を殺せずにぶっ飛んでしまう。

 

「僕たちは」

 

「簡単に」

 

「「やられないもんねーー!」」

 

 聖山と燕璃がめーりんに向かってストレートを放つ。

 しかし、めーりんはそれを余裕でかわす。

 

「やはり、体が小さいとリーチも短い。そんな腕で簡単に攻撃が当たるものですか」

 

 聖山と燕璃のはその機動力と小回りを活かした攻撃を仕掛けるが全てめーりんに避けられてしまった。

 

「鬱陶しいぞー!」

 

「喰らえーー!」

 

「「正拳突きー!!」」

 

 二人の正拳突きが放たれるが、めーりんは至って冷静であり避けようともしない。

 

「その短い腕で私を殴れるものですか!」

 

 めーりんはそのまま二人にクロスカウンターを仕掛ける。

 放たれためーりんの拳はそのリーチの長さと速さが二人の拳を上回り、二人の顔にめーりんの拳が突き刺さる。

 

 

 クッソ、まさかここまでやる奴がいたとは。俺たちが妖力五割縛りしているからと言ってここまで押されるとは思ってもいなかった。

 

 めーりんは体術などの技量もそうだか純粋なパワーやスピードもかなりの物だ。

 それは多分、妖力か気を本格的に使い始めてからだろう。

 初めに戦った時はそこまで身体能力が高いとは感じなかったからだ。

 

 しかしそうだとしたらかなり妖力や気の扱いが巧いということになる。

 

 へー、ならいいじゃん。身体能力だけを頼りになにも考えずに攻めてくる奴等よりずっとワクワクする相手だ。

 

「鞍馬の坊やたち、私の程度の能力は気を使う程度の能力。あなた達みたいに妖力を最大限に扱えないような者が私に勝てる道理はありません。さっさとお家に帰るかあそこの青年と選手交代したらどうですか?」

 

 言ってくれるじゃん。

 別に妖力を全開で使えないからと言って、勝てない道理もないだろう。

 しかたない、個人で対処できると思っていたが、全員でかからないといけないだろう。

 

「義真!砕華!」

 

「おう!」

 

「ええ!」

 

 吹っ飛ばされた後すぐに体勢を立て直し戻ってきていた義真と砕華が答える。

 

「いくぞ!!」

 

 三人でめーりんに迫り先制攻撃として砕華と義真が息ピッタリの連撃を放つ。

 しかし、めーりんはその連撃を的確に対処する。

 

 俺はその隙を狙ってめーりんの後ろに回り込む。

 しかし、めーりんは俺の位置が分かっていたようで後ろに肘打ちを放つ。

 

「チャンス!」

 

 俺はその攻撃をわざと受け止め肘をがっしりと掴み、めーりんの片腕を拘束する。

 

「今だ!!」

 

「「ナイスッ!」」

 

 二人が攻撃を仕掛ける、が、めーりんはこの攻撃にも的確に対処する。

 

 義真の放った拳を受け止め、突っ込んできた勢いそのまま後方に放りなげる。

 

 砕華は顔を狙った前蹴りを放つが、めーりんは顔をずらして避ける。

 

「これが本当の蹴りですよ」

 

 めーりんが砕華の胴体に前蹴りを放つ。

 砕華は未だ脚を振り切った状態だったため、上手く防御できずにまたもや飛ばされる。

 

「あなたも離れなさい!」

 

 めーりんは腕を思いっきり振って俺を吹き飛ばす。

 

「強いなめーりんは、あんまりしたくなかったけど、俺たちも力で突破するか!いくぞ!!聖山!燕璃!」

 

「「おうよ!兄ちゃん!!」」

 

 俺が吹き飛ばされた先には聖山と燕璃が俺を受け止める体制でスタンバっている。

 俺はそのまま二人の手に足を乗せる形で着地する。

 

 俺は脚に力を込める。

 聖山と燕璃も体全体に込めて、しっかりと踏み込んでいる。

 

「兄ちゃん!」

「日頃の恨みも込めて!」

 

「「吹っ飛べ―!!」」

 

 手に乗せていた俺の足を思いっきりめーりんの方向に吹き飛ばす。

 俺もその力を使って加速する。

 

 もともとの速さに加え、聖山と燕璃の腕力がプラスされ、妖力五割では出すことのできない速さと力をたたき出す。

 

 

 その技の名を、名付けて

 

 

「二倍推力!ロケットォォオパァァアアアアアアアアンチ!!」 

 

 

 俺は超スピードでめーりんに突っ込んでいく。

 そして、俺は腕に妖力五割全て流す。空飛んでるから踏ん張る必要ないしな。

 けどそのおかげで今までにないぐらいの力を出せるぞ!!

 

「そんな子供騙しみたいな技が、私に効くものですかっ!!」

 

「子供なんだから、子供騙しでも別にいいだろォォオオオオ!!」

 

 

 ドカッツン!!

 

 

 鈍いが、かなり大きな音をだし俺の拳がめーりんの拳に突き刺る、受け止められてしまったがこれも想定済みっ!俺はこのままめーりんの腕をそのまま引き剝がす!なぜなら俺の加速された勢いはまだ、死んでいないからっ!!

 

「オッッツラアアアッ!!」 

 

 俺の拳は強引にめーりんの防御を突き破り、めーりんの腹に俺の拳が突き刺さる。しかし…

 

「威力不足ですね、鞍馬の坊や」

 

 俺の拳はめーりんの防御を突き破った時点で勢いのほとんどを失っていた。ゆえに、めーりんへの攻撃もその本来の威力を発揮することができない。

 けど、残念ながら…

 

「別にいいんだよ、これで」

 

 そう、俺の拳がとどいて、明確な隙を晒したという事実があれば、

 

「僕を!」

「私を!」

 

「「忘れるなあああああああっ!!」」

 

 

 後ろから迫っていた義真と砕華がめーりんに跳び蹴りを放つ。

 

 かなり勢いがついていた二人の蹴りは先ほどの蹴りよりもずっと鋭く、めーりんの胴体の二人の攻撃が叩き込まれる。

 

 めーりんはその攻撃を後ろに跳ぶことで威力を軽減することで精一杯だ。

 

 

 が、残念ながらそれは悪手だ。

 今の最善手はこの技を止めることだったな。めーりんなら俺たち一人一人の五割の力は超えている、この技を掛ける前に崩しにくればこれを喰らうこともなかったはずだ。

 

「全員!集合ぅ!!」

 

「「「「OK」」」」

 

 聖山、砕華、聖山、燕璃が集合する。

 

「最後の詰めだっ!!行くぞっ!!!」

 

 俺の掛け声と共に燕璃と聖山が飛びあがる。

 聖山と燕璃が押し蹴りの為に力を込める。

 俺は四人が蹴りやすい(・・・・・)位置に跳ぶ。

 

 四人はそのまま俺の足の裏を狙って蹴りを放つ。

 俺はその蹴りの勢いを使って跳びめーりんへと自身を撃ち出す。

 

 聖山と燕璃が俺を撃ち出した時よりも高い威力をもった、義真と砕華も加わった発射台は五割という制約の限界を軽く超え、めーりんに突っ込んでいく。

 その力は二倍の先の四倍、いや蹴りで八倍以上の限界まで跳ね上がる。

 

 

「!」

 

 

 まだめーりんの体勢が整ってないが僅かに反応している。けど、防げるかな?

 いつも一緒にいる俺たちだからこそできる最高の必殺技を。

 

 

「限界推力ぅぅ!!!」

 

 

「「「「「ロケットォォオパァァァァァアアアアアンチ!!!!」」」」」 

 

 

 俺は最高速度で空を掛け、最高の一発をぶち入れる為に足を引き、思いっ切り撃ち出す!!

 めーりんは防御が間に合わずに、俺の足を思いっきりその体で受け止める事になる。そしてめーりんは苦悶の表情を浮かべながら、最後の一言を叫んだ。

 

 

「それは!キックだあああああああああああああああああああああああああ!!!

 

 

 門に向かってめーりんの体がぶっ飛ぶ。

 めーりんの体は門にぶつかり門の鉄を歪ませ、その扉を開けさせる。奇しくも、門番が門を開ける形になった。

 

 しかし、必殺技までださせられたが、勝つことができた。

 めーりんは相当の実力者だったし、武術、気の扱い方まで達人と言っていいレベルだった。

 けど俺たちの方が強い。チームワークって大切なんだな。

 

「兄ちゃん、終わったよ」

 

 俺たちは終わった事を兄ちゃんに報告する。

 

「んん、お、おう、お前ら早かったな…」

 

「そうかな?結構苦戦したと思うけど?」

 

 実際ロケットパンチ(キック)をだすつもりは全くなかったし、一発も貰うつもりもなかった。それでもあそこまでやられたんだから、外の世界の武人も凄いものだ。里のやつらは強すぎるけど。

 

「あまり苦戦してるようには見えなかったけどなあ、それじゃあお前ら、今回の戦いでは色々と学べたことは多かったかな?」

 

「「「「「うん!」」」」」

 

「それは良かった、丁度役者も揃ったようだし、そろそろ俺たちも引き継ぐかないといけないかな」

 

「役者?」

 

 その言葉に反応し、門が続いている道の向こう側を見る。

 

 するとそこには、中華風の服を着た、九つの尾を持つ狐の妖怪と巫女の服を着た女の人がいた。

 

 

 side 天鴎

 

 

 どうやら役者がそろったらしい。 

 といっても、俺たちはこれから引っ込まないといけないけど。

 

「ねえ、兄ちゃん、あの人たち誰?」

 

 亜蓮が聞いてくる。亜蓮はまだ藍にあったことなかったっけ?博麗の巫女のはあったことはないとは思うけど。

 

「あの狐の女の人は紫の式で藍って名前だ、その隣の巫女さんは博麗の巫女だよ」

 

「博麗の巫女?」

 

「この幻想郷の治安維持をしている人だよ」

 

「へー、そうなんだ」

 

 そのような話をしていると、藍が話しかけてくる。

 

「すみません、天鴎様、敵拠点周りの掃討を担当してもらって、おかげで助かりました」

 

「いや、今回はこいつらが頑張ってくれたからな」

 

 そう言って俺はチビ達はを指さす。

 

「こんな小さな方達が敵を全て倒したのですか?」

 

「ああ、俺はずっと見てただけだ、なにも手はだしていないな」

 

「鞍馬の天狗というのは、いったいどこまで」ブツブツ

 

「なんかいったか?」

 

「いえ、特にありません、どちらにせよありがとうございます、これでいくらか楽になります」

 

「俺たちはまだすることある?」

 

 多分、ないとは思うが、一応聞いてみる。

 

「いえ、大丈夫です。ここからは私達が解決すべき問題、手出しはしないで欲しいです」

 

 やっぱりな、やることはないと思ってたよ。

 

「しかたないな、チビ達、消化不足だろ?後は俺が相手してやるからよ、帰るぞ」

 

「ありがたいです。私達にもメンツがありますから、全て持ってかれたら困ります」

 

「おいおい、流石に全て持ってかないぞ?」

 

「本当にそうなのでしょうか?」

 

 そう言って藍は俺の後ろにいる亜蓮たちを見る。

 

「「「「「ブーブー!!もっと暴れたーーい!!」」」」」

 

 おっと、亜蓮たちが後ろでスゴイ騒いでいるようだ。それもちょっと物騒な内容だ。

 

「大丈夫大丈夫、ちゃんと俺が連れて帰るから」

 

「お願いしますよ、こちらが引き連れてきた妖怪の軍勢まで殲滅されそうですから」

 

「はあ、チビ達は元気が有り余ってて困るな~」

 

「ちゃんとこの子達をコントロールできるんですよね?」

 

「ああ、勢いでなんとかなるよ」

 

「勢い…?」

 

 さてと、さっさとここから帰りましょうか。

 長居のし過ぎは紫の怒りを買うだけだ。

 

「ほら、皆、家に帰ってさっきの戦闘の反省会だっ!!」

 

 俺は勢いよく飛び出し、チビ達五人を抱る。

 そのままギャーギャー騒ぐチビ達を抱えたまま空中に滞空し、藍の方を向く。

 

「それじゃあな、藍さん、紫のヤツによろしく言っといてくれ。くれぐれもヘマするんじゃないぞ」

 

「ヘマはしません、私は紫様の式ですから」

 

「ま、頑張れよー!」

 

 俺は体の向きを俺の家に変え、一気にスピードを上げ飛び去る。

 

 さてと、文の作ったご飯でもこいつらに食わせながら反省会だな。

 

「兄ちゃん、家に帰ったらまずは模擬戦するからあねええええええええええええ!!!!!!!?」

 

「亜蓮、最初に飯にしないか?」

 

 チビ達はまだまだ元気過ぎて、ご飯にありつけるのは大分後になりそうだな。 

 

 

 

 後日、紫から聞いた話によると、藍と博麗の巫女のコンビはしっかりと紅魔館を制圧したそうです。

 まあ、あの流れで制圧できなかったら、ねえ?

 

 それに紫からの話で今回の事件の名前も知れた。

 吸血鬼異変だそうだ。

 吸血鬼とは戦ったことがない。

 いつかお相手願いたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あっちは願い下げなんだろうなぁ。




個人的にとても出したかったロケットパンチ(キック)
キックの方はあれですね、これゾンを意識しています。
元ネタ分かるかな?これゾンはいいぞ?

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