女神転生・影【デスゲームサマナー】   作:どくいも

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最近書くごとに話が長くなるから初投稿です


17話目

「で、実際問題できるの?

 悪魔プレイヤーの合体イベントなんて」

 

「出来らぁ!」

 

「それじぁ、やってもらおうか!

 一個人で大量悪魔プレイヤーの救済合体イベントを」

 

「え!一人で合体イベントを!?」

 

そんな茶番はさておき、さっそく始まった悪魔プレイヤー合体祭りであるが、実際そこまでの道のりは結構大変であった。

まずはたくさんの悪魔プレイヤーが移動そして集合できる場所の誘致。

場所を見つけた後はそこの土地を支配する地域オカルト組織の事前の説得とごまかし。

たくさんの悪魔合体をしても大丈夫なように複数の悪魔合体装置の準備とそれの運搬。

ゲートパワーや合体成功率上昇のための異界の建設に足りない人手の確保、etcetc……。

そんな困難の先にようやく開催されたのがこの【悪魔プレイヤー大合体交流会】であった。

しかし、ようやく交流会が始まったからと言って、そこで困難が終わると思ったら大間違いである。

むしろ、ここからが真の困難の始まりであった。

 

「アアァァァアァああ!!!!!

 まだ、まだなのか!、もゔ、もゔまじぎれんぞ!!!」

 

現在我々がいるのは六本木の地下の一角。

そこにある、はかせが作った簡易異界にて合体イベントを行っている。

そして、見渡す限り大量の悪魔悪魔悪魔。

しかも、誰もがプレイヤー悪魔のせいか、レベルは低くともレアな悪魔ばかりである。

 

「す、すいません!

 どうやらロリさんと相手の方がまだ合体先について協議中のようでして……

 大丈夫です、ちゃんとちゃんとみんなの分の素材悪魔はありますので!

 ですから、きちんとお待ちいただければ……」

 

「あおおおおん?

 舐めてるのか!こちとら、悪魔合体回数に制限があるのなんてお見通しなんだよ!!

 こちとら、人間をやめた悪魔だぞ!!

 そんな下らん嘘をつくなら殺すぞ!」

 

そして、その悪魔プレイヤーは何故か苛立っている人(悪魔)が多かった。

……いや、理由は分かる。

そもそもここに集まった悪魔プレイヤーは自我崩壊の危機だったり、強さの頭打ちだったり、単純なQOLの問題など、どいつもこいつも切羽詰まった状態のやつばかりなのだ。

それでようやく今回合体しにきたのに、待ち時間が10時間近く、その上はかせの気分次第でいつ終了するかもわからないのだ。

そんな状態で長時間待たされて、苛立たないわけもない。

一応現在はアルバイター達がなんとか鎮めようとするものの、状況はあまりよろしくない。

 

「ああああああああああ!!!

 満月、マンゲツ!!まっかでまあるい!!

 わおおおぉぉぉぉん!!あっはははははははははは!!!!」

 

「うわわぁぁ!!

 はっ、発狂者!発狂者が出たぞ!!

 食い止めろ!!」

 

「ヒャハハ!死ねぇ!

 俺以外の悪魔プレイヤーはみんな死んでしまえ!

 そうすりゃ、ちょっとは俺の番が早くなるだろ!!」

 

そうして、そんな状態で月齢が満月に変わるのだ。

月齢……それは天に登る月とはまた別の、小さな暦。

数時間ごとに変わるそれは月に擬えて新月から満月まで時間ごとに変わり、悪魔に心理的影響を及ぼす。

そして、月齢が満月になるとどうなるか?

その結果がこの地獄絵図であった。

 

「俺はあっちの魔人を沈める!

 ノブさんはあそこの骸骨騎士を頼む!」

 

「へいへい、了解ですよっと」

 

はかせの雇った他の暴徒鎮圧用プレイヤーに混ざって自分も暴れる悪魔Pの一人へと駆け寄る。

するとそこにいたのは火のように赤い馬に跨がり、巨大な剣を持つ悪魔の姿があった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪魔人≫レッドライダー(真名・赤松・マスクド・海苔太郎) Lv13

【相性】 火炎・破魔・呪殺無効 氷結弱点

【スキル】???

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ハハハハハハハハ!

 血ガ滾ル 月スラ 鮮血ヲ 求メテイルゾォ!

 世界ヨ 染マレ! 爛レシ 紅ニ!!」

 

そこにいたのは、終末の四騎士、第二の封印こと【魔人・レッドライダー】となった悪魔プレイヤーであった。

どうやら、彼もこの月齢の魔力からは逃れられなかったのだろう。

その手に握る剣が一度払われるたび、斬撃や炎が飛び交い、周囲が血と火の地獄へと変わる。

周囲の無力な悪魔プレイヤーやアルバイターが燃え千切れ、そしてその命を落とす。

 

「クソ猫!!」

 

「アイアイ、【リカーム】【リカーム】!

 おら、雑魚はさっさと生き返って、ケツまくって帰ぇるニャ!」

 

悪魔の暴動に巻き込まれ、死亡した悪魔プレイヤーをさっさと生き返らせて速やかに避難させる。

……暴動を抑えてから蘇生させてもいいが、それでリミットが切れたら怖いからね。

 

「オオ!我ガ裁キヲ 邪魔スルトハ!

 マズハ 貴様カラ 血祭リニ 上ゲテヤロウ!!

 喰ラエ! 我ガ剣技【テラーソード】!!」

 

そして、目の前でチョロチョロしていたからだろう、ようやく魔人の標的がこちらへと移る。

その魔人の剣から放たれた斬撃は轟音を上げながら真っ直ぐとこちらの首目掛けて飛んできた。

 

「よっと」

 

「なにっ!!」

 

しかし、そんな見え見えの攻撃に当たってやる道理はない。

一直線で首だけを狙ってるとわかれば、避けることは然して難しくもない。

いい感じに硬直しているその魔人に向かって一気に走って距離を積める。

 

「クッ!

 【テラーソード】!!【テラーソード】!!」

 

それでも正気を取り戻したのだろう。

そのレッドライダーは二発三発と続けて技を放ってくる。

しかし、その攻撃はどうにも素人臭さが抜けていない。

フェイントすら挟まない先読みすらして無い遠距離攻撃など、少し姿勢を低くするだけで難なく回避できる。

そして、あっという間に数mの距離まで接敵し、既にこちらの首狩りスプーンの射程圏内に入れることができた。

そのことは向こうも悟ったのだろう、魔人はその当たらない剣技を止めて、最後の大抵抗を行ったのであった。

 

「魔人相手に 接近戦を挑むトハ 愚かナ!

 その傲慢 身ヲ持って 償うガイイ!

 【ト リ ス ア ギ オ ン】!!!!!!」

 

そう!その赤の騎兵が繰り出すのは火炎系魔法の最大呪文!

空を焼き、鉄すら蒸発する筈の業火を繰り出そうとして……。

 

 

 

 

 

▶︎しかし、MPが足りなかった

 

 

 

「ふふふ、運が良かったな。

 今回はこの辺にしておいてやろう」

 

「そうか、じぁあ死ね」

 

かくして、自分は無事に本日二十九匹目となる魔人討伐に成功。

【魔人スレイヤー】の称号を手に入れる事になるのでしたとさ、まる。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

【ロリネキ主催】悪魔P合体オフ会実況part4

 

 

78:名無しの赤騎兵

というわけで、首狩りスプーンで首を跳ねられたけど

一瞬だけどすっげ―痛かったゾ

 

79:名無しの悪魔

↑成仏してクレメンス

 

80:名無しの悪魔

ギロチンが人道的処刑は嘘

はっきりわかんだね

 

81:名無しの悪魔

それは首切られた程度では死なない悪魔だからだろw

 

82:名無しの悪魔

それよりも、仮面ライダーBLACKさんのリボルケイン挿入→爆破の方が辛いんですが

 

83:名無しの悪魔

ゴリラによる撲殺に比べればどれも優しい件

 

84:名無しの悪魔

何でこいつらはこんなに喧嘩売ってるんですかね?

 

85:名無しの悪魔

取り敢えず、ほぼ全ての警備員に喧嘩売ってしまった俺がレビューするぞ〜

【警備員敵対絶望度ランキング】

【GOD】仮面ライダーBLACKさん>>(永遠に勝てなさそう)>>ファーブニール・ゴリニキ>(レベル100なら)>なのDeath・夏盛>(瞬殺の壁)>コスプレガチ勢&造魔>(全然勝てないの壁)>ヘラニキ含む有能バスター&悪魔>(勝率半々の壁)>ハイテクサマナー含む自称戦闘員>(ぺっ!雑魚が!)>バイター(うんこ)

 

86:名無しの悪魔

なんぞwwwこれwww

 

87:名無しの悪魔

なのですさんとノッブたけぇなw

そして、へらさんぇ……

 

88:名無しの悪魔

なのですさん機龍より下とかにわかか?

 

89:名無しの悪魔

ハイテクサマナー、だらしねぇな♂

 

90:名無しのサマナー

↑バスター以上に本体がくそ雑魚+生身の人間だからね

ちかたないね

 

91:名無しの悪魔

ヘラニキ……w

あんなにゴリマッチョなのに見せ筋で草

 

92:名無しのバスター

ゴリラつえぇぇw

初めはネタ扱いだったのにw

 

93:名無しの悪魔

ゴリラとヘラクレス……どこで差がついた

 

94:名無しの悪魔

↑慢心、環境の違い

 

95:名無しの悪魔

そも月齢が変わる度に暴れる事自体アレだからな?

その辺分かっているんだよな?

 

96:名無しの悪魔

こちとら悪魔なんだからしゃーねーだろ

 

97:名無しの悪魔

こんな時に暴れるなんて、お前ら悪魔か!←悪魔なんだよなぁ

 

98:名無しのぷらずま

お、粛清ですか?

デビルバスティングの時間なのですか?

あと、>>85は絶対に許さん

 

99:名無しの悪魔

ゴメンなさい

 

100:名無しの悪魔

ひえっ

 

101:>>85

ちよーしこきましたぁぁぁぁ!!

すんませんっしたぁぁぁぁぁ

 

102:名無しの悪魔

>>85 死んだなw

 

103:名無しの悪魔

とうとうイベント初の完全ロストきちゃうか?

 

104:名無しの悪魔

大丈夫大丈夫、いくらなのですさんでもそこまで鬼畜ではないやろ

 

105:名無しのぷらずま

関係ないですけど、フルムーン時に悪魔合体すると合体事故が起きやすいとのことなのです!

更に、死亡した状態での悪魔合体で事故率が倍ドン!

トドメに、狂神招来せずに悪魔合体して貰えばほぼ確実に合体事故からのスライムになれるのDeath

 

106:名無しの悪魔

ごめんなさい!!!

 

107:名無しの悪魔

全部、全部>>85って奴が悪いんだ!!

 

108:名無しの悪魔

やめろー!!ヤメローー!!

ここまできて、退化するのはいやダァァォア!!

 

109:名無しの悪魔

(そこまで分かっているのに何故暴れるのか、それがry)

 

110:名無しの悪魔

というか、自制が効かないなら普通に封印されながら待ってればええやん(封魔管で待機勢並感)

 

111:名無しの悪魔

>>110いや、いきなり封印待機する?と言われてOKというのはきついだろw

 

112:名無しの悪魔

でもまさか封魔管内にいても掲示板は使えるとはな

俺も下手に暴れてパト体験するくらいなら、封印待機の方が良かった(ガチ死亡数回経験)

 

113:名無しの悪魔

いや、でもこれ入れ物の当たり外れがあるから微妙やぞ

なお、自分は炊飯器型封魔管……ヌカ臭い!!!

 

114:名無しのメシアン

wwwww

 

115:名無しの悪魔

何というピッコロ大魔王

 

116:名無しの悪魔

まあいいや、それより合体だよ合体

お前ら結局何になるのか決まった?

俺はやっぱり妖精さんになるつもりだけど

 

117:名無しのガイアーズ

森の妖精♂

 

118:名無しの悪魔

またも妖精族か

でも安定なんだよなぁ

 

119:名無しの悪魔

オススメが地霊と妖精らしいからな、それならやっぱ妖精選んじゃうよなぁ

……何故かピクシーだと高確率で♀になっちゃうらしいけど

 

120:名無しの悪魔

ピクシー、男女比1:8らしいぞ

 

121:名無しの悪魔

きつぅい!

 

122:名無しの悪魔

でも、同じ妖精でもゴブリンなら8:1で男になれるそうだがな

 

123:名無しの悪魔

ソースは?

 

124:名無しのガイアーズ

♀のゴブリン……ありだな!

 

125:名無しの悪魔

お、おぅ(困惑)

 

126:名無しの悪魔

むしろその辺は固定化できないんっすかねぇはかせさんよぉ

 

127:名無しのバスター

名前は出すなよ

 

128:名無しのぷらずま

ロリネキ曰く「時間がねぇんだから文句言うな」だそうなのです

 

129:名無しの悪魔

ですよねー

 

130:名無しの悪魔

まだ2日目なのに既に合体数100超えてるんだっけ?

そりゃそうも言うわ

 

131:名無しの悪魔

今回の合体集まった人数が多すぎなせいで基本一人につき合体一回までだからな

合体予想は一応はしてくれるらしいが、男女や細かいビジュアルまではむりらしいし

 

132:名無しの悪魔

つら

 

133:名無しのぷらずま

性別固定がいいなら、女神で♀固定やカクエンで♂固定みたいな方法もあるのです

と言うか、性別如きでぎゃーぎゃー騒ぐな、思春期か

 

134:名無しの悪魔

そうだよ(真顔)

 

135:名無しの悪魔

リアル厨某でしたがなにか?

 

136:名無しのぷらずま

あ、ごめんなのです……

 

137:名無しの悪魔

素直かww

 

138:名無しのサマナー

若いのにこんなのに巻き込まれて可哀想

 

139:名無しのぷらずま

取り敢えず、お詫びに今し方ロリさんや同僚と話してまとめた合体指標的なのをまとめとくのです

・個人的悪魔P合体の勧め(基礎編)

①取り敢えず迷ったらN_NかN_Lになれ!

まず基本時に【ロウ(LAW)】属性や【カオス(CHAOS)】属性はその名の通り、このタイプの悪魔になると、否が応でも思想が秩序や混沌思想に偏る。

だから変化先悪魔は【NEUTRALーNEUTRAL(完全中庸)】や【NEUTRALーRIGHT(中庸にして善)】がおすすめなのです

ダークいろんな意味でやめとけとの事

②単一悪魔系はやめておこう

基本的に、大元が1柱の悪魔、特に強大とされているはやめておくのが正解なのです。

そもそも低レベル高位悪魔は同レベルと比較してステータスやスキルこそ有用ですが、そのための維持コストMAGも必要経験値も高いのです。

その上で、普通より強い悪魔の方が精神汚染が強いらしいのです、

例えば【ベルゼブブlv1】さんや【マーラさまLV10】などはどうやら悪魔の本体?からやばいくらい精神汚染の精神攻撃を喰らったそうです。

……むしろ、それでよく無事でしたね。

③出来れば自分のスタンスにあったのを

言わずもがな、朝形の【夜魔】や男の【地母神】とか辛さの極みなのです。ちゃんと自分の趣味に合った種族にしようね!なのDeath

 

140:名無しの悪魔

突然の優しみ!!

 

141:名無しの悪魔

でも基本的なことばっかやな

 

143:名無しの赤騎士

②はまじでよくわかる!!!

ほんとこれ大事、自分も本体から終末終末迷惑メール並に洗脳音波飛んでくるからな

 

144:名無しの悪魔

ここに来るの大体②が嫌な奴が多いだろ

まじで今の悪魔は高位悪魔になるメリットないからなぁ

修正はよ

 

145:名無しの悪魔

同じニュートラルなのにNーDはダメなの?

 

146:名無しのサマナー

>>つ【NーD】属性悪魔

【死神】【妖虫】【妖獣】【邪鬼】

 

147:名無しの悪魔

おh……

 

148:名無しの悪魔

死神ワンチャン……と思ったけど、低レベルでも30スタートか

こりゃ無理だな⭐︎

 

149:名無しのぷらずま

あと、dark属性は悪魔本体の精神汚染が実に遠慮ないとのことなのです

完全に同調できるか逆に押し返せる自信がない限りやめておくのです

 

150:名無しの悪魔

ですよねー

 

151:名無しの悪魔

はーい

 

152:名無しの悪魔

具体的に何がいいとかはないの?

もっとわかりやすい指標が欲しいんだが

 

153:名無しの悪魔

我がままかw

 

154:名無しの悪魔

どうせ、いざ自分の番がきたら迷うのに

 

155:名無しのぷらずま

>>152 そういうと思ったのです

取り敢えず簡単にまとめたのです

●変化先悪魔おすすめランキング

①【妖精】【地霊】【珍獣】

ど安定 低レベルなら大体こいつらで問題ないのです

妖精は【ナパイヤ】【ピクシー】【ゴブリン】地霊も【ドワーフ】

【ノッカー】【カハク】、珍獣は【マメダヌキ】と二足歩行飲食可五感あり精神汚染もほぼなし、厄介な悪魔習性なし、人間からも嫌われにくいし、野良悪魔の群れに溶け込みやすくもある。田舎でも消費MAGが増えないとかなりお得なのです。

一部【スダマ】や【チュパカブラ】といったハズレもあるけど致命傷にはならないし、これになれたらなっとくべきなのです。

②【魔獣】【龍王】【聖獣】【神獣】【精霊】

属性的精神汚染は軽度。でも身体は完全に獣なのです

二足歩行のプライドを捨てれるならこれ

【精霊】もなった本人的には悪くはないらしいんですが、どうも自我そのものが薄くなってるみたいなので、傍目にはおすすめ出来ないのです

③【妖鬼】【夜魔】【幻魔】【天女】【妖魔】【妖鳥】

ここからは属性侵食や悪魔本体の影響をある程度受ける種族なのです。

でも、この辺は二足歩行五感飲食可能なのが多いので人によってはこっちの方がいいかもなのです。

なお、【幻魔】がこの順位なのは結構大元が強力な悪魔が多いからなのです。

でも、本体が人間にフレンドリーな悪魔が多いので精神汚染は勘弁してくれる場合が多いみたいなのです。

④【地母神】【女神】

マザコンワンチャン枠

属性はどっちも偏っていて、本体もガチで強いですが、この2種族は母性と良識があるので気に入られればママ味で優しく世話をしてくれる……かもしれない

大体こんな感じ、残りはやめとけかそもそもなれないかのどちらかなのです

参考になれば嬉しいのです

 

156:名無しの悪魔

サンキュー!!

 

157:名無しの悪魔

思ったより、ガチの回答でびっくり

なのDeathさんの優しみ

 

158:名無しの悪魔

魔神はダメなの?NーLじゃないの?

 

159:名無しのバスター

魔神……何がいたっけ?

トートとか?

 

160:名無しのぷらずま

>>158 ゲートパワーが低い&そもそも今回提供できる素材レベル的に魔神レベルの悪魔にはなれないそうなのです

 

161:名無しの悪魔

ですよねー

 

162:名無しの悪魔

しってた

 

163:名無しの悪魔

魔人プレイヤーの合体についても教えてください!!

なんでも島村!

 

164:名無しの悪魔

結局素材悪魔はどこらか仕入れたの?

流石に100以上の悪魔をこんな恒常的に連れてこれるとは思えんのだが

 

165:名無しの悪魔

つ悪魔全書

 

167:名無しの犬

ヒント・悪魔全書

 

168:名無しの悪魔

答えじゃねーかwww

 

169:名無しの悪魔

あー、なるほどそれがあったか。

それさえあればマッカさえあれば再召喚し放題だもんな。

 

170:名無しの悪魔

悪魔全書持ちのハイテクサマナー確保したか?

 

171:名無しの悪魔

普通に前回のイベ報酬で確率でゲットしてそう

 

172:名無しのメシアン

あの人なら元から持ってても驚かんぞ

 

173:名無しの悪魔

なんだよ!なら実質素材は只みたいなもんじゃなーか!

ならもう少し合体費用安くしろよ!

 

174:名無しの悪魔

>>173 あほ

 

175:名無しの悪魔

やめろ

 

176:名無しの悪魔

この混雑ぶりを見てそれをいうのか?

 

177:名無しのロリ

 

178:名無しの悪魔

ひえっ

 

179:名無しの悪魔

>>177 !!!

 

180:名無しの悪魔

ロリネキ!ロリネキじゃないか!!なぜここに!

今は合体作業中では?

 

181:名無しのロリ

飯休

つかれ

 

182:名無しの悪魔

お疲れ〜

というか、かなり疲労気味?さすがにこの数はロリネキで予想外だったのか

 

183:名無しの悪魔

まー、さすがにこっそり告知だったのに拡散された結果1000近く集まるのはアホかとは思うのはわかる

確かイベント日数は当初は2日予定だっけ?

これ間に合うの?

 

184:名無しのロリ

延長決定済み

今日来たのまでは意地でも全部やる

だから暴れるな

>>182 当たり前 罠疑えよボケ

 

185:名無しの悪魔

おけ

 

186:名無しの悪魔

よっしゃゃあああ!!

本人からの証言とったあああぁぉぉあ!!

 

187:名無しの悪魔

ロリネキ神神神!!!

 

188:名無しの悪魔

>>184 いやいや、もうすでに限界だったから罠とかそれ以前だからw

 

189:名無し悪魔

と言うか、ロリネキにしては親切過ぎでは?

もしや偽物か?()

 

190:名無しのロリ

怨怨怨

 

191:名無しの悪魔

ひえっ

 

192:名無しのバスター

こらっ!

思っててもそう言うの言わないの!

 

193:名無しの悪魔

お前も大概やぞw

 

194:名無しの悪魔

と言うか、まじで疲れてるのにやるのな

なんか理由でも

 

195:名無しのぷらずま

ここだけの話、1日目の終わりに例の彼の人がここに来て応援と釘差しに来たので……

 

196:名無しの悪魔

あっ(察し)

 

197:名無しの悪魔

さす肉眼鏡

 

198:名無しの悪魔

肉眼鏡はライト&カオス&母性

肉眼鏡は地母神だった……?

 

199:名無しの悪魔

愛は地球を救う

はっきりそうわかんだね

 

200:名無しの悪魔

でも、肉眼鏡は巨乳が好きと

悲しいなぁ

 

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さて、そんなこんなもあって、ようやくイベントも最終日。

途中で悪魔合体装置がいくつか爆発したり、そのせいで異界維持用ターミナルが壊れかけて、危うく会場が魔界に落ちかけるなどのハプニングも起きたが、概ね問題なくイベントは進行した。

問題ないったらないのだ。

 

「……にしても、PK。

 随分となれちまったなぁ……」

 

「ウホ」

 

ここは異界中の警備員室。

現在自分とこのゴリさんが休憩中であり、一緒に話しながら間食を楽しんでいるところだ。

 

「というか、こっちは向こうを殺したのに。

 まさか、殺された本人から感謝されるとなぁ

 ……倫理観おかしくなりそう」

 

「ウホ」

 

ゴリラがバナナを食べながら頷く。

今回このイベントに集まった悪魔プレイヤーはどいつもこいつも基本精神力が限界のやつばかりであり、基本何かあると発狂したり、暴走するのが常だ。

しかし、そんな発狂したプレイヤー達が正気に戻るのが殺され、蘇生されたその瞬間との事だ。

……話で聞くのは本当かよと思うが、実際に感謝された時は思わず呆気に取られたものだ。

このコロッケ美味いな。

 

「でも、ま、そうだよな。

 そうだよ、蘇生という概念があるんだから、同じプレイヤーでも手加減は不要……か」

 

「ウホウホ」

 

ゴリラが次のバナナを剥きながら頷く。

これは限りなく現実である、怪我をすれば痛いし、傷つき過ぎれば死ぬ。

これは限りなくゲームである、死んでも蘇生できるし、死が必ずしも人生の終わりを意味しない。

要は程度の話だ、たしかに相手を気遣って殺さないか悩むのは大事だ。

が、この世界ではそんなのより我が身の無事の方が大事なのだ。

少なくとも、取り返しが付くうちは、だ。

 

「ん、覚悟完了。

 もう悩まない、多分」

 

「ウホ!ウホホホホ!」

 

ゴリラが3本目のバナナに突入する。

決意も固まり、この合体イベントも残りわずか。

最後に有終の美を飾るべく最後の警備へと向かうのであった。

 

「……ところで、一方的に話しておいてなんだが、自分の話通じてた?」

 

「ウホッ」

 

ゴリラから中島へ、筋まで綺麗に取られたバナナが差し出された!

中島のゴリラへの好感度がグンと上がった!

中島とゴリラの関係が【親友】になった!

 

 

 

「……まあ、こんなあっさり終わるとは思ってもなかったけどね」

 

「ヒャッハー!!おらぁ!これ以上暴れられたくなければ、俺も合体させろぉ!もしくは責任者をよベェ!!」

 

「な〝ず は ぎ ら い〝 な の で ず」

 

そうして、最終日の見張り。

ここでもやはり問題は発生した。

丁度自分が休憩が終わり、持ち場へと向かうとそこには修羅場が広がっていた。

具体的には既に受付が終了した筈なのに、無理やり外部から悪魔プレイヤーがこの異界の中に入り込んできて、暴れていたのだ。

その暴れっぷりたるやアルバイターは勿論、周囲の合体待ちの悪魔プレイヤー、さらにははかせに雇われた凄腕のはずのデビルバスタープレイヤーも仕留められているくらいだ。

……幸い、半分くらいは命は取られていないようだが、麻痺して動けなくなっている上に投網までかけられているので無効化自体はきっちりされている。

勿論、安全第一にこっそりとその乱入者にアナライズを仕掛けてみる。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【NAME】≪幽鬼≫ガキ Lv25

【相性】 氷結耐性 呪殺無効 火炎・破魔・衝撃弱点

【スキル】???

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

(……これで良く襲撃しようとしたな、おい)

 

なお、アナライズ結果はなんかこう、思ったよりもしょぼいものであった。

たしかにレベルは高い。

只のガキとは思えない20レベルオーバーは、ここに来た悪魔プレイヤーの中でもトップクラスであることは間違いない。

だが、それでも火炎弱点と破魔弱点はあまりにも脆すぎる。

よくその種族でそこまでレベルを上げられたなと感心すらする。

 

「……でも、現にこうやって襲撃を成功させてるってことは何かあるのか?

 ……クッソ、出来ればもっと慎重に攻めたいが仕方がない」

 

だが、此方もいつまでも隠れて様子を見ているわけにもいかない。

犠牲者が出ている為、早く蘇生しなければ間に合わないかもしれない。

ならばせめて、気づかれないうちに一撃で仕留める!

そう覚悟を決めて、標的が別の方向を向いた瞬間に一気に接近、その首を刈り取らんと首狩りスプーンを払った。

 

「……!!!ゲット、ライド!!!」

 

「はああぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

しかし、なぜかその必殺の一撃ははずれてしまった。

理由は簡単だ、なぜか此方が相手の首を切り落とすよりも早く、標的の首が【自分から】千切れたからだ。

 

「ハッハー!!こちとら元絞首刑霊(ガロット)よ!首なんぞ自分で外せるわ!」

 

「その理屈はおかしい」

 

「うるせえ!出来てるんだからしゃーねぇだろ!

 喰らえ!【麻痺ひっかき】&【切なさ乱れ撃ち】!!」

 

「ちょ!?おま!うおおおお!!!」

 

そうして、此方の一撃が外れた隙をついて今度は向こうがその体幹側は【麻痺ひっかき】を、その取れ落ち浮遊している生首の口からは【切なさ乱れ撃ち】の一人波状攻撃を繰り出してくる。

幸い、今回は向こうの姿勢も悪かったからだろう、此方はそれをきちんと防ぎ、躱しきることが出来た。

が、流石にこれをもう一度やれと言われても無理だ。

 

「という訳で、出番だ!【ケットシー】!【ユニコーン】」

 

「ニャニャー!おいらの出番かにゃ!」

 

「ブルルルルゥ!!」

 

ならば此方も肉盾と手数を増やす。

という訳で【銃耐性】持ちの元カブソと【バットステータス無効】の聖獣のユニコーンを召喚し、なんとか対応しようとした。

……が、どうやら召喚は自分の専売特許ではないようだ。

 

「なら俺様もぉ!《限定召喚》!【レギオン】!【コープス】!!」

 

「ちょ!まじか!!」

 

そうして、侵入者側である餓鬼プレイヤーもまた悪魔を召喚する。

しかし、幸いというかやはりというか、召喚してきた悪魔の属性は【悪霊】に【屍鬼】と色々と偏っている。

しかも本人も含めて弱点は【火炎】【破魔】、これなら自分の【ファイアブレス】とユニコーンの【ハマ】でなんとかなりそう……。

 

「【スクカジャ】」

 

「【テトラジャ】」

 

「ざけんなぁ!!!」

 

全体回避率アップと【破魔】無効とかちょっとインチキが過ぎるだろ!!

と、素早くその補助魔法を使った相手の仲魔をファイアブレスで沈めようとしたが、どちらも弱点の攻撃を1回受けた程度では沈まなかった。

くっそ、よく鍛えられているじゃないか。

 

「でも、ここで無理にでも仕留めなきゃ、だるい事になる。

 こうなりゃ、被弾覚悟で無理やり止めを……!!」

 

そうして、自分が敵陣のど真ん中に突っ込もうとしたその瞬間、背筋に嫌なほどの汗が噴き出した。

そう、それは必殺の一撃、致命傷への予感である事は間違いなかった。

 

「(【ムド】か?いや、それなら今の装備で無効化できる筈。

 なら、隠された高威力技?……それでも先の打ち合い的にあんまり【力】のステータスは高くない筈)」

 

それは理性的に考えれば杞憂に終わるはずであった。

相手は自分よりもレベル面では格下。

向こうの即死魔法は既に対策済み。

状態異常でも最悪自分だけなら、【ケットシー】の【道具知識・癒】があるので何とかなるはず。

ここで一旦引くよりは相手の仲魔に止めを刺す方が正解のはずなのだ。

 

「……っち!!」

 

しかし、今回は自分の直感を信じた。

いったん相手への接近を取りやめ、敵の攻撃の回避に専念することにした。

 

 

 

 

「進撃のダブル【マッカビーム】!!!」

 

「うわわわわわあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そして、その自分の直感は正しかった。

 

「あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝!

 私の所持金とマッカが0に〝ィィィィィィ!!!!!!」

 

「ぷ、プラズマさーん!!!」

 

運悪く、自分の躱した先にいた警備仲間の一人に2本のマッカビームが直撃し、悲しみの怒号が響き渡る。

なお、この【マッカビーム】という特技、使われると本来なら回避不能で所持マッカや所持金が強制的に半分になる極悪技なんだって!

そして、このガキさんはそれを2発同時に放つことで相手の有り金を全て奪う技を身につけたみたいだね!

……ファッキー!!!

 

「くっはっはっはっ!安心しろ、同じプレイヤー同士、命まではとらねぇよ!

 ……でも、わざわざロシアからやってきたんだ。

 合体させてくれねぇんなら、替わりにマッカ位なら頂いてもいいよなぁ?」

 

「な ん と い う 身 勝 手」

 

そんなクソみたいなことを言いつつも、さらっと仲魔の回復と補助を重ねがけする自分とガキP。

……というか、この状況思った以上によろしくない。

向こうの高性能かつ的確に弱点を埋める行動。

予測不能ながら確実に此方の嫌がる選択をする思考。

何よりこいつ、ものすごく戦闘慣れしているせいか手傷を負わせるなら、確実に此方も向こうの攻撃を受けるだろうという現実。

 

「いいのかな〜、チラッ、チラッ、別に俺は既にそこそこの現金収入を得たから帰ってもいいんだぜ?

 ああ、勿論!合体してくれる様に説得してくれるなら、奪ったマッカも現金ものしつけてお返ししますゼェ!ゲッヘッヘッヘッ!」

 

唯一幸いなのは向こうが本気での殺し合いを望んでないことくらいか。

……いや、寧ろ半端に交渉する気があるせいで、周りの麻痺して動けないプレイヤーがガキPの意見に折れつつあるからマイナスかもしれない。

 

「……」

 

「ちょ!流石に周りにまだ生きてる人がいるのに、火炎マシンガンはまずいのです!」

 

「……ダメ?」

 

「可愛らしく言われてもダメなもんはダメなのです!

 死体を燃やし尽くしたら、バスターでも蘇生は厳しいのです!」

 

少しだけ、被害者共々【伝説のフレイムケース】で焼き尽くすという危ない思考も出たが、これもダメと。

……意外と使いにくいなぁ、仕込みマシンガン。

 

「でも、となると交渉、交渉かぁ……

 なんかいい方法が……あ」

 

そしてその瞬間ふと頭に浮かぶ。

そう言えばこんな時のために業魔殿で買っておいたアイテムがあったなと。

 

「ゲッヘッヘッヘッ?

 何だあ?もしや金か?それとも施餓鬼米かあ?

 そんなのが効くほど、俺様は安くは……あ」

 

そして、そのアイテムをCOMPから取り出した瞬間、明らかに相手の動きが止まった。

自分の予想は正しかった様だ。

これなら最悪、向こうの動きを止めることぐらいはできるだろう。

 

「ほ〜れ!

 とってこ〜い!!」

 

そして、その取り出したそれを、異界の天井ギリギリ誰もいない方向に向かって投げつける。

 

「……!!!ふぁおおおおおお!!!」

 

自分の狙い通り、その自分の投げたものに向かって、全速力で追いかけるガキPとその仲魔達。

先程までの隙のない佇まいとは違う、その隙だらけの様子に思わずニヤリと笑みが浮かぶ。

そして、その無防備な背中にトドメの火炎弾を撃ち込もうとして……それは取りやめた。

 

 

「うおおおおおお!!!俺にもよこセェェェェ!!」

「グキァォァァあおおおおお!!グキャオオオオ!!」

「俺のだ!み〜んな俺様のものだ!!」

「はああぁぁぁぉあ!!ふざけんな!!これは俺様が頂いたもんだぞ!」

「ダディバナダァァーン!ナズェミテルゥンディスカァ‼︎」

「うるせぇぇ!テロリスト!これは手前にはもったいなさ過ぎるもんだろ!ガキは犬の糞でも食ってろ!!」

「アッバタケッターブラァ‼︎」

「あ〜!!言っちゃったな、それ言っちゃったな!俺はお前をヌッコロす!!」

 

自分の投げた先には、何故か今まで日和見を決めていた悪魔Pを含め大量に群がる悪魔プレイヤー達の姿が!

そしてそれは既に既にこの場にいなかったはずの悪魔プレイヤーを含めてその数をどんどんと増していく始末。

あ、やべ、殴り合いの殺し合いが始まった、これは止めた方が……いや、いったん落ち着いてからでいいな、死んだら蘇生させればいいし。

 

「……取り敢えず、今のうちに死亡者や麻痺して動けないやつの回復をしておくか」

 

「い、いや、それはいいんですが……

 あれは何を投げ込んだのです?見たところそんなに凄いものには見えなかったのですが……」

 

「ああ、あれ?たしか【ムーンハイド】だっけな。

 シェ・ムラマサ一押しの悪魔専用のご馳走だとよ」

 

どうやら【dark悪魔】ですら一発で仲魔になるの謳い文句は嘘ではなかったらしい。

まあ、文字通り【餓鬼】であるガキPには特効するだろうなとは思ったが、まさか周りにいる無関係な悪魔Pも狂わせるとは、あんまり考えなしに使うのも良くなさそうだ。

そんなことを考えながら、犠牲者の蘇生をしつつ、ことの顛末を見守るのであったとさ。

あ、ガキP、乱入した巨大ファーブニールPに潰され死んだ。

 

 

 

 

「うぇ〜、もうしばらくは合体したくない……」

 

「お疲れ様でしたはかせ、蒸しタオルをどうぞ」

 

さて、ガキ騒動もひと段落し、ようやく全ての悪魔合体待ちもいなくなった。

はかせも疲労困憊しつつ、こちらへとやってきて、それは即ちこの悪魔合体オフの終了を意味していた。

 

「……で、なんか騒がしいけど何かあったの?」

 

はかせがそう尋ねてきたので、自分は今現在判決が行われているその場に向かって指を向ける。

するとそこには無数の荒縄で雁字搦めにされたガキPの姿が!

 

「おふっ……おふっ……」

 

「おら!!何勝手に満足した顔で逝こうとしたんだ!!

 おら!死ぬくらいなら、さっさと奪ったマッカを返しやがれ!

 いや、早く返してください!!まじであれが全財産なんだから、早く、早クゥゥ!!」

 

「……ゲッヘッヘッヘッ!!

 残念だったな、既に貴様らのマッカは、別異界にある俺のアジトに転送済みよ!

 俺のCOMPを弄っても何もでねえぜ?残念だったな!」

 

「ぐっ!な、ならさっさとその場所に案内しろ!

 そうして、所持金共々お前の持ち物を奪い去り……」

 

「ギャッハッハッハッ!

 お前ら雑魚如きが俺のアジトに来る度胸が本当にあるかぁ?

 来たきゃきても良いが、命までは保証しないゼェ?」

 

なお、現在のガキPは既にHPもほぼなし、MPもなし、電霊や魔人プレイヤーの異能でアイテムや召喚も使用不可の完全詰みの拘束状態である。

 

「……そんなこと言って良いのか?

 俺達はお前を痛めつけることはできるんだぜ?」

 

「完全ロストはご法度でそこまでできない根性なしばかりなのにかぁ?

 なら怖くないね!今の俺は最強に満たされてるからな!」

 

何故か四面楚歌のはずなのにニッコニコのガキP。

周りの怒りに満ちた悪魔プレイヤー達がそのガキPに向かってこう告げる。

 

「なら、せめてもだ。

 今から俺達はお前をリンチするわけが……何か最後に言い残すことはあるか?」

 

「あのご飯は今までの全人生悪魔生の中でも、最高のご飯でした☆キャハ♪」

 

「よし、氏ね」

 

そうして、執行されるガキへの集団リンチ。

まあリンチと言っても、蘇生あり拷問なしのぬるめのもので、リンチを受けてる筈の本人は笑っちゃうくらいの余裕は見せてはいるが。

 

「……ん、なら問題ないね!

 それにしても、ノブちゃん、良い顔になったね!」

 

「そうか?

 PKに慣れた酷い顔だと思うが?」

 

「いや違うね!

 割り切りながらも、きちんと優しい心も持ってる、そんな素晴らしい顔だよ♪」

 

ガキPがボコボコにされてるのを背後に、はかせがそう言う。

中々にカオスな光景だが、ある意味では今の自分たちにはふさわしい光景なのかもしれない。

 

「よ〜しよし!いい娘だいい娘だ!

 ノッブちゃん大好き♪」

 

「へいへい、私も大好きだよ」

 

はかせが造魔におんぶされながらもこちらの頭を撫でる。

なので、お返しにこちらもはかせの頭を撫でた。

お互いの頭を撫で撫でられつつ、今回のはかせの依頼とイベントを振り返る。

確かに初めは無理やり連れられ始めさせられたイベントではあった。

が、結果的にはこちらは対プレイヤー戦という得難い経験を此方の心にダメージが少ない形で得ることができた。

そして、それに付随するいくつかの人脈に依頼報酬。

これらを考えれば今回のイベントは結果だけを見れば悪くなかったのかもしれない。

 

「……でも、今度こそ騙し討ちじゃなくてまともな依頼を持ってきてくれ」

 

「えー、別に普通の依頼ならノッブちゃんに頼む必要はないかなって」

 

「ははは、殴るぞ」

 

そんな軽口を叩きながら、このイベント会場から撤収を始めようとする。

……そして、そんなふうに油断した時だからこそ、それは起こったのだろう。

 

「あ」

 

「あ」

 

「おおおおおおお!!!きたきたきたぁぁぁぁぁ!!!

 飯のお陰で、全身に力が湧くぅぅぅ!!!新しい俺様に目覚めちゃううう!!」

 

リンチされている筈のガキPが突然騒ぎ、その体が輝やかせ始めた。

一見意味不明な光景だが、自分は一度似た様なものを見たことがあり、おかげでこの発光がいったい何なのか理解することができた。

 

「悪魔プレイヤーでも【ハイレベルアップ】ってしちゃうのか。

 ……でも、【ガキ】の上位個体の悪魔って何?」

 

「え〜と、たしか【エンク】じゃなかったっけ?

 あの汚っさんと赤さんと火男(ひょっとこ)餓鬼(ガキ)の汚い部分だけを混ぜて悪魔合体させた感じの」

 

「なんだ、その悍ましい生物は」

 

焔口(エンク)】、それは餓鬼(ガキ)と同じ【幽鬼】に位置する悪魔の一種。

飛んでくる虫を、口から吐いた火で焼いては食べるが、その限りない飢えを満たすことはできないという。

「少財餓鬼」とも呼ばれ、不浄なものであれば少しは食べることを許されている、俗に言う文字通り餓鬼の上位種に当たるとされている悪魔だ。

つまり、今目の前で上位種に【ハイレベルアップ】仕掛けている目の前の彼は、順当に行けば何も食えないから少しだけなら汚い食べ物を食べれる悪魔に変わるわけだが……。

 

「あ」

 

「あ」

 

そうして、その光がまし、ガキPの体が違う悪魔へと変化していた。

それは長い白髪に痩せこけた頬。

身に纏うボロ布の麻服に、人より大きなひょろ長い体格。

何より特徴的なのは、何故かその悪魔は天地逆転しおり、まるでそれは懐にある金を全部落としてしまうかと思えるもので……。

 

 

 

 

 

「ふっひっひぃ、目覚めちゃった♪

 新しい俺様は、【魔人・ビンボウガミ】

 コンドトモヨロシク……ふひぃ♪」

 

「ひえっ」

 

「ひえっ」

 

それは自分たちが予想していたよりも、はるかにやばい悪魔であったのは言うまでもない。

というか、あれはいかん!エンガチョ、エンガチョ!!

 

「ひっひっひっい♪

 ところで、早速目覚めて何だけど、何故か今俺様は、とってもさぁむいの。

 だから誰か温めて欲しいなぁ♪」

 

「ひえっ」

 

元餓鬼現在貧乏神Pがそう言った瞬間、一斉に逃げ始めるプレイヤー達。

飛び交う悲鳴と怒号、逃げ悶える人外と人間。

 

「……あ♪そう言えば、さっき俺様のお腹の中を暖かくしてくれたサマナーには、まだ御礼が出来て無かったかなぁ?」

 

「やったね!ノッブ!

 ご指名だよ!依頼主命令だ、ちょっと言ってデータ取りと足止め宜しく!」

 

なお、自分もこっそりその群衆に紛れて逃げようと思ったが、残念ながら既に目をつけられてしまっていた模様。

当然こんな状況ではイベントも流れ解散。

そんな中自分は嫌になる程たっぷりビンボウガミPに絡まれてしまった。

ざけんな。

 

「なぁんで…そんなに…つれないのぉ…

 俺様……あっためてほしいだけなのにぃ……」

 

この後は何とか【吟醸ゆめざくら】3本含む悪魔用の酒とつまみと土下座をする事で、見逃してもらえましたとさ。

 

「いらねぇ……貧乏神の連絡先とか、持ってるだけで運気下がりそう。

 捨てたい、切実になかったことにして捨てたい」

 

「え〜?せっかくの仲魔チャンスだったのにもったいない!

 それに雇えばそれだけで一発でダークサマナーとして大成できそうだったのに」

 

「じゃあ、はかせが仲魔にしろよ」

 

「NO THANK YOU」

 




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
【NAME】≪幽鬼≫ガキ(真名・小暮 修) Lv25
【相性】 火炎・破魔弱点 氷結耐性 呪殺無効
【スキル】 ・麻痺ひっかき
      ・切なさ乱れうち
      ・咳き込み
      ・丸かじり
      ・氷の乱舞
      ・マハムド
      ・獣の眼光
      ・限定召喚《悪霊・屍鬼》(2体)
      ・マッカビーム
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

○(元)ガキPの簡易ステータス
幾多のメシアンとガイアーズに喧嘩を売ったスーパー餓死ニキがノブ凪と戦った時点でのステータス
ミルコメレオのときから【切なさ乱れうち】を継承、ガロットからは【咳き込み】を継承。
さらっと【獣の眼光】や【マッカビーム】などの敵専用スキルもあるが、これは現地メシアンガイアーズの討伐クエスト報酬で得たもの。
どうやら運営もメシアンガイアーズ狩りを推奨している様だ、やったぜ!
なお、彼の仲魔の【レギオン】は【テトラジャ・マカジャマ・ザンマ・道具知識:癒・自爆】【コープス】は【スクカジャ・麻痺噛み付き・ムドオン・道具知識:攻・自爆】。
やけに有用なスキルを持っているのはこれは彼が現地メシアンやガイアーズを素材に作られたから。
普通に強いし、いざと言う時は容赦なく自爆するため逃走にはうってつけとの事。

前回は沢山の感想ありがとうございます!
今回も感想を頂けると幸いです。

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