拝啓 母上、近藤さんの道場に来てもう何ヶ月かしましたね。
母上はいかがお過ごしですか?僕は近藤さんの元で元気にしています。
父上は道場をせずに、しっかりと農業に勤しんでおりますか?また、道場を始めようとしていませんか?始めようとしていたら容赦はいりません。思いっきり殺っちゃってもいいです。農業に集中させてください。
それはそうと、僕の後に新しい門下生が入り、弟弟子?妹弟子?なんと言っていい感からないですがとにかく後輩ができました。彼女とは何故か同じ部屋ですが、彼女こと沖田くんは華奢な見た目に反して意外とやんちゃで手のかかる妹ができたみたいで楽しく生活させていただいています。
長々と書いてしまっても母上も疲れてしまうかも知れませんので今回はこの当たりで.......
お体に気をつけて元気にしていてください。
敬具
追伸
あのクソ親父が、何か理由を付けて道場を再開しようとしたら構わず殺っちゃってください。
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「.........ふう。こんなもんですかね。さて、さっそくこの手紙を出して「そーーじーーろーーくーーん!」......はぁー....」
宗次郎の言葉を遮りながら、ドタバタと廊下を走る音と宗次郎を呼ぶ声が道場一帯に響く。
手紙の文から分かるように、彼には後輩ができた。その後輩の名は.........
「どうしたんですか?沖田総司くん?」
ガラッと扉を開きながら、廊下を走っているであろう沖田に声をかける。
「あっ!宗次郎くん!!まだ部屋にいたんですね!」
宗次郎はいつもの事なので元気だなーと感じながら、
「ええ、親に手紙を書いていたので。あと、まだ朝早いのであまりはしゃぎ過ぎないでくださいね?」
「分かってますよー。....って、そんなことより近藤さんとししょーが呼んでましたよ!何でも朝練をやるぞーって」
「...あー、その事なんですが....今から手紙を出しに行くので遅れますと言っておいてもらえか?」
そう宗次郎が沖田にお願いすると、
「うーん、分かりました。帰りにお土産お願いします」
「はいはい」
そう言い終わると、宗次郎は手紙を出しに部屋を出る。
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昼
「ただいま戻りましたー」
宗次郎が道場に戻ると沖田が道場の前で待っていた。
「宗次郎くん!お土産を「はいはい」わーい!お団子だー!」
沖田にお団子を渡してから一緒に道場に入ると、何やら奥の方で師匠や近藤が集まっているのが見えた。
「あれ?どうしたんですか?」
そう沖田くんに聞くと団子を食べながら
「もぐもぐ。道場もぐもぐ破りのもぐもぐ果たし状がもぐもぐあったそうですよもぐもぐ」
「はぁ?道場破り?こんな道場に?」
この道場も虚空陣の道場に引けも劣らず大分人がいない。そんな道場になんで?と思っていると、近藤さんと師匠がこちらに気付いたのかこっち向かって来ながら話しかけてくる。
「お前らはこの噂を知ってるか?何でもこの辺りで栄えてるいないに関わらず道場破りをして回っている輩いるらしい」
「そいつは、確か...土方歳三って言ってやがったかな?何でもバラガキって言われてる奴でなたいそう強いらしい」
「もぐもぐ、もちろんもぐもぐ沖田さんは最強なのでもぐもぐ沖田さんの方が強いですがもぐもぐ....ごくん」
(土方歳三......ね。しかし道場破りって誰が相手するのかな?この道場で強いのは僕か沖田くん.........もしかして)
「因みにその道場破りの相手を宗次郎か沖田にやって「「嫌です!!」」.....おうふっ。そ、その理由は?」
宗次郎はやっぱりかと思いながら
「因みにその決闘何時ですか?」
ととりあえず答えた。
「いや、明日だけと.........」
「沖田さん、明日は新しく出来た甘味処に行かないといけないので無理です」
「僕は、行き付けの団子屋の娘さんにお出かけに誘われたので無理です。何でもお出かけに行ったことが無いとか言うので」
「えー、そうなの?.........ん?宗次郎!おまっ、今のなんて言った?」
近藤さんが聞き間違いを聞き直すように宗次郎に聞くと
「ですから、団子屋の娘さんに「団子屋ってあのべっぴんさん?あの?看板娘と逢い引き!?」.....違いますよ?」
「え?でも誘われたって.....」
「ですから、お出かけした事がないと言うことでしたので」
と言うと近藤さんら道場の人達が信じられないものを見る目でヒソヒソと話し始める。
(おい、コレって逢い引きであってるよな?)
(たぶん、本人はそれに気づいてないのでは?)
(アイツそういうのに疎そうだ。でも顔が良いからなー)
「まあ、そういう事ですので。あ、沖田くん明日お土産何がいいですか?」
「甘いもので!!」
目を輝かせている沖田くんと宗次郎は雑談をしながら部屋に帰って行った。
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次の日
沖田くんは昨日言った通り新しく出来た甘味処に行き、宗次郎は行き付けの団子屋の娘さんと着物屋にて彼女の着物を選んでいた。
「ど、どうで御座いましょう?」
少し顔を紅くしながら、宗次郎に聞く娘さんにニコニコと笑顔で柄を選ぶ宗次郎。
「うーん、こっちの桜吹雪もいいと思いますよ?」
「そ、そうでしょうか?」
「普段来てる仕事姿も充分素敵ですが、こう言った少し派手目のものもいいと思いますよ?」
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「き、今日はありがとうございます」
「僕も、楽しかったですよ」
そう言って娘さんと分かれると、沖田くんへのお土産である今川焼きを買って帰路に着く。
「ん?こんな所に店?」
普段通っていた道であったか、そこには新しく出来たらしい小物屋が出来ていた。
「いらっしゃいませ」
店に入ると同時に店員らしい人が挨拶をしてくる。
(ふーん、色々と置いているんだな......ん?あの紐は?)
「すいません、あの紐をください。」
「へいまいど」
宗次郎は黒い紐を買って道場にむかった。
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「ただいま戻りましたよー」
「おかえりなさーい」
道場に着くとさっそく沖田くんがお出迎えして来る。
「はい、今川焼き」
「おー、ありがとうございます!」
沖田くんにお土産を渡すと、先程買った紐を思い出して沖田くんを引き止める。
「あ、沖田くん。ちょっとこっちに」
「ふぁい?」
沖田くんはお土産をくわえながらこっちに来る。
「コレ、沖田くんに似合うと思うので買って来ました。結んであげるので僕前に座ってください」
「.....ゴクンッ、わーい!沖田さん宗次郎くんのお土産が沢山ですよ」
「はいはい、結うので大人しくしていてください」
沖田くんの髪を結終わると、沖田くんは満面の笑みを浮かべてはしゃぎ回る。
そこへ、近藤さんがこちらに向かって話しかけてくる。
「おー、お前達帰ってきてたのか?」
「近藤さん?どうしたんですか?」
「いやぁ、実は決闘明日に変わったからどっちか相手して」
「「.........え?」」