やはり、寄せ集めの青春ラブコメは間違っている 作:苦土重焼燐
理由はないです。
戸部「ヒキタニくーん! 今日こそはカラオケいくっしょ?」
授業が終わると同時に、何故か戸部が話を掛けてきた。
なんでこんなに俺と関わろうとしてくるの? 友達と勘違いしちゃうだろ。
八幡「いや、悪い。あんまりそういうのは得意じゃないからな……他を当たってくれ」
戸部「そんな事いわずにさー、一回だけ! 騙されたと思ってさ!」
既に何か騙されている一歩手前だと思うんだが、俺の気のせいなのか?
八幡「し、しかしだな……」
何故、こんなにも戸部が食い下がってくるのか理由は解らないが、俺がこいつらのグループの入って行っても、確実に空気をぶち壊し、存在が浮くこと 間違いなしだ。
三浦「ヒキオ!!」
八幡「ひゃ、ひゃいっ!」
戸部をどう回避しようか悩んでいると、少し離れた所で様子を見ていたトップカーストの一人、三浦優美子が俺の名前を叫ぶ。
ビビって、噛んだのは当然の事だ。
しかし、ヒキオってあだ名どうにかならんのですかね……?
三浦「ごちゃごちゃ言わないで行く」
八幡「い、いやだからだな――」
三浦「あん?」ゴゴゴゴ...
八幡「よ、喜んで……」
三浦「じゃ、さっさと行くよ」
面子的には、俺、三浦、戸部、海老名さんの四人。
勿論、これから奉仕部があるから由比ヶ浜は居ない。
これは、明日きっと『堂々と無断で休むなんて程度が知れるわね、サボり谷君』っと、蔑まれるに違いない。
十ペリカ賭けても良い
カラオケ店にて―――――
三浦「ヒキオ、歌えし」
八幡「嫌だべんべん」
三浦「は?」
八幡「い、いやだからな……」ビクビク
何が悲しくて、この面子でトップバッターを担わないといけないんだ。
拷問かよ。
八幡「やっぱここは明るさが長所の戸部が良いんじゃないか?」
戸部「おっ、ヒキタニくんってばわかってるっしょ! 」
姫菜「トベ×ハチ、キマシタワー!」ブフッ
三浦「姫、擬態しろし。ヒキオも余計な事言うなし」
え、俺に発言権ないの?
じゃあ、なんでここにいるのん?
俺達の事は気にせず歌い出した戸部のお陰で、あまり追求されなかったのは助かった。
しかし、歌とは終わりが直ぐに来るものであり、戸部の歌が終了すると三浦はマイクを俺に手渡してきた。
三浦「ん」
八幡「俺、いれてないんだけど?」
三浦「早く入れろし、待ってっから」
八幡「えぇ……」
戸部「よっ、ヒキタニくーん、待ってたっしょ!」
選曲の段階から煽られるなんて人生で初めての経験だ。
三浦「これとかどうなん?」ズィッ
八幡「ち、ちょっと解らない」ヒキッ
三浦「逃げんなし、見えないっしょ」ズィッ
俺とピッタリくっつく位の距離で、あーしさんから距離を取っても、再度寄ってくるという謎な鼬ごっこ。
近い近い近い!
なに、リア充って距離感の掴み方下手くそかよっ!
これじゃないとリア充でないなら、俺はボッチで良い……。
距離の近いあーしさんに、どぎまぎしながら鳥の詩をチョイスする俺はぼっちの鑑であり、下手するとぼっちの最先端と言っても過言ではない。
戸部「良くわかんねーけど、ヒキタニくん上手いっしょ!」ウェーイ
三浦「ヒキオの癖にむかつく」
姫菜「優美子、まぁまぁ」
歌っている最中、あーしさんがまじまじと此方を見ているのが、違和感過ぎて集中できなかったのは言うまでもない。