やはり、寄せ集めの青春ラブコメは間違っている 作:苦土重焼燐
翌日の奉仕部終了後―――
雪ノ下「では、私は鍵を返してくるわね」
由比ヶ浜「ゆきのん、あたしも行くよ!」
雪ノ下「ちょっと、由比ヶ浜さん。抱き着かないで欲しいのだけれど」
俺がいるはずなのに、俺が居ないかの如く扱われ、あまつさえ精神に多少のダメージが来てると言うのに、あいつらは百合ワールドを展開している。
まぁ、仲間外れなんてよくある話ではあるし、寧ろ最初から入って居ないまである。
大体、ぼっちとか言いながらなんで、こんなワケわかんない部活に入っているのか。
それも全て、独裁的で、独創的で、独身的な、恩師的であり、独神こと平塚静現国教師のせいである。
あの人が体現してんじゃん、一人最強説をさ。
ほんと腑に落ちない、ちょっと捻くれてて人との距離感を離しているだけなのに、なぜ暴力を振るわれ且つ強制的に時間を費やさなければいけないの。
俺以上に、口を開けば毒舌を吐き周りから一つ二つ浮いている国際科の天才であるが、人と言うルールを都合よく使う絶壁(何がとは言わない)、頭髪を桃色に染めるってだけでも頭のネジがぶっ飛んでるのに、何かにつけて理不尽な怒り方をするミスパイオニア(意味深)
もしかしてだけど、俺にこいつらを何とかして欲しかったんじゃないの?
俺はポケットに手を入れたまま、オレンジ色の光が窓から差し込み人が少なくなった廊下を幻想的に映し出している。そんな気紛れオレンジロードを目を腐らせつつ歩いていく。
八割くらい被害妄想なのかもしれないが、強ち間違いでは無いんじゃないか。
八幡「さて、帰って『這い寄れ!馬鹿とテストと生徒会役員達』でも見るか」
大半が下ネタなのは、この際内緒にしておく今期にやったアニメの総オマージュらしいが、当たりなのかどうかが問題だ。
原作も見てみたが、疾走感がヤバイ。原作でもそれなんだから、オマージュはもっとヤバイだろう。
目がもう二つほどあればな……。
いや、腐った目がもう二つついたら、そろそろ人外認定されそうだ。
千葉辺りから。
くだらない事を考えている内に、下駄箱にまで到着していた。
やはりアニメって凄いな(?)
上履きから自分の靴に履き替え、夕映えで煌めく玄関を俺は通り抜けた。
これがゲートとなり、異世界への転送術式が発動している光だとも知らずに。
爽やかな風が俺を置いて駆け抜けていく、木々は揺らめきワルツを踊っているかのよう。
ジャリッという大地を踏み締める音が、やけに心地好く耳に、体の内側の方へと届く。
青春ラブコメなんてくそくらえだ。
目が腐って無かったら、それもまた一つの物語として紡げたのかもしれない。
しかし、現実と言う奴は言うことを聞かない且つ残酷である。
コミュ障、根暗、目が腐る、その内一つでもあれば社会の壁、もしくは対人の壁になり、人生がハードモードになると言うのに、俺はその三種の神器(?)が揃ってしまった。
それが、後の完全究極体『ぼっち』である
。
なんだよ、これ。
ハードモードってレベルじゃねぇぞ。
エクストラ? ルナティック?
断じて、そんなちゃちなレベルで済む話ではない。
やはり凄いと言う代名詞で使われる事が多い、『ゴッドモード』なのではないか?
やだ、なんか凄そう(小並感)
大分、話が逸れてしまったな。
玄関を出たとしても、俺の視界に広がるのは異世界等ではなく、いつも通りの代わり映えのない世界である。
ただ、少しばかり現実から逃れたくなったのも事実。
三浦「ヒキオ、遅いし」
遠目で見ても、十人中十人があーしさんと答えるくらい、その存在が認知出来ていたから。
八幡「何で、待ってるんですかねぇ……」
三浦「メールしても返ってこないし、もしかして忘れったん?」
八幡「忘れたかったのは事実だが、普通に奉仕部終わって真っ直ぐ来たんだけど」
スマホを確認してみると、メールが十件も……。
しすぎだからぁ!(何ヶ浜感)
内容は、『どこ?』とか『見てんの?』とか、絵文字がなく単純明快で解りやすいが、一分ごとに送ってくるのは、些かやりすぎだと俺は思います。
八幡「っていうか、今日は三浦だけなのか?」
三浦「あに、あーしだとなんか不都合でもあんの?」ゴゴゴゴ...
八幡「な、ないでしゅ」
何気無く聞いたつもりだったが、あーしさんの反応はそれ以上で、一歩間違えば俺の霊圧が消えるとこだった。
三浦「くだんこと言ってないで、さっさ行くよ」
八幡「どこいくんだよ……」
三浦「どこでもいっしょ」
金色のやm、げふん、金色の髪を靡かせ先導するあーしさんに声を掛けてみたが、適当な返事しか返ってこなかった。
短編なのに、長くなって参りました(悲壮感)