裕斗が合流し『聖剣計画』の責任者の名を明かされてから、裕斗からある事を聞いた。
「先日襲撃されただと?しかもエクスカリバーを持っていたのか」
「うん。相手はフリード・セルゼン。この名に覚えは?」
裕斗の言葉にゼノヴィアとイリナが同時に目を細める。
「成程、奴か」
「フリード・セルゼン。元ヴァチカン法王庁直属のエクソシスト。13歳でエクソシストとなった天才。悪魔や魔獣を次々と滅していく功績は大きかったわ」
「だが奴はあまりにやりすぎた。同胞すらも手にかけたのだからね。フリードには信仰心なんてものは最初から無かった。あったのは化け物への敵対意識と殺意。そして、異常なまでの戦闘執着。異端にかけられるのも時間の問題だった」
「話はここまでだ。とりあえず、エクスカリバー破壊の共同戦線といこう」
そう言いゼノヴィアはメモ用紙にペンを走らせ、連絡先を零に渡した。零も同じように連絡先をメモ用紙に書き、ゼノヴィア達に渡した。
「食事の礼、いつかするぞ。赤龍帝の魔訶零」
そう言って2人は出て行った。
「・・・零君。どうしてこんなことを?」
「同じ食卓で飯を食った仲間だろ?捨ておけるかよ」
「・・・私もです。私は裕斗先輩がいなくなるのは・・・寂しいです。・・・お手伝いします。・・・だから、いなくならないで」
小猫は少し寂しげな表情を浮かべ裕斗に言った。
「ははは。まいったね。小猫ちゃんにそんな事を言われたら、僕も無茶出来ないよ。分かった。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな」
「裕斗二つ言っておく。怒れしかし冷静にな、そして感謝を忘れるな怒れる事に感謝するんだ。この意味はお前は分かっている筈だ」
「そうだね」
「なぁ木場とエクスカリバーがどう関係してるんだ?」
手を挙げながら匙が訊いてきた。
「少し話そうか」
コーヒーに口をつけたあと、裕斗は自分の過去を語った。
カトリック教会が秘密裏に計画した『聖剣計画』。聖剣に対応した者を輩出するための実験が、とある施設で執り行われていた。
被験者は剣に関する才能と
来る日も来る日も辛く非人道的な実験を繰り返すばかり。
散々実験を繰り返され、自由を奪われ、人間として扱われず、裕斗達は生を無視された。
彼等にも夢があった。生きていたかった。神に愛されていると信じ込まされ、ひたすら『その日』が来るのを待ち焦がれた。
特別な存在になれると信じてー。聖剣を使える者になれると信じてー。
三百六十五日、毎日毎日何度も何度も聖歌を口ずさみながら、過酷な実験に耐えたその結果が『処分』だった。
「・・・皆、死んだ。殺された。神に、神に仕える者に。誰も救ってはくれなかった。『聖剣に適応できなかった』、たったそれだけの理由で、少年少女達は生きながら毒ガスを浴びたのさ。彼等は『アーメン』と言いながら僕らに毒ガスを撒いた。血反吐を吐きながら、床でもがき苦しみながら、僕達はそれでも神に救いを求めた」
逃げおおせた裕斗は、死ぬ寸前でリアスに出会い今に至ると言う。
「同志たちの無念を晴らしたい。いや、彼等の死を無駄にしたくない。僕は彼らの分も生きて、エクスカリバーよりも強いと証明しなくてはいけないんだ」
「うぅぅぅ・・・」
裕斗の話を聞き終わるとすすり泣く声が匙から聞こえた。
号泣しており、ボロボロ涙を流して、大泣きしていた。匙は裕斗の手を取り言う。
「木場!辛かっただろう!キツかっただろう!ちくしょう!この世に神も仏もないもんだぜ!俺はなぁぁぁぁ、今非常にお前に同情している!ああ、ひどい話さ!その施設の指導者やエクスカリバーに恨みを持つ理由もわかる!わかるぞ!俺はイケメンのおまえが正直いけ好かなかったが、そう言う話なら別だ!俺も協力するぞ!ああ、やってやるさ!会長のしごきをあえて受けよう!それよりもまずは俺達でエクスカリバーの撃破だ!」
「匙もやる気になって何よりだ。明日の放課後に公園に集合しろ。フリードを炙り出すぞ」
「でもどうやってだ?」
「それは考えている。兎に角リアスと会長にバレないようにしろよ」
零の言葉に3人とも頷いた。
余談だが会計の時金額を見て3人共酷く驚いた。特に小猫と匙は何割かは自分たちなので、申し訳なさそうな表情となった。
翌日の放課後零達は公園に集まった。
「よし、集まったな。では全員これを着ろ」
そう言い出したのは神父やシスターの服だった。
「着替えたな。よし、手分けして探すぞ」
「戦力を考えるなら零君一人にしても、僕達全員でも過剰だよね・・・」
「・・・そうですね」
「今回は3チームに分かれる。一組目は教会の2人。二組目は悪魔の3人。そして三組目は俺一人だ」
「君一人で大丈夫なのか?」
零が組み合わせを言うとゼノヴィアが聞いてきた。
「この前の事忘れたか?俺は一人で十分だ。それにフリードの匂いは覚えているからな」
「匂いだと?」
「ああ。俺は五感が良いからな、奴の匂いを覚えているんだ」
その後3チームに分かれ人気のない場所を回る事になった。
時間は過ぎていき裕斗達は人気のない路地にいた。
「・・・裕斗先輩」
先頭を歩いていた裕斗が立ち止まり、小猫も何かを感じた。
「上だ!」
匙の叫びに全員が上空を見上げると、長剣をかまえた白髪の少年神父が降って来た。
「神父の一団にご加護あれってね!」
ギィィィン!
佑斗が素早く魔剣を創り出し、少年神父ーフリードの一撃を防いだ。そこに小猫が釘パンチを繰り出したがフリードは裕斗達の前に移動し釘パンチを避けた。
「伸びろラインよ!」
ビューッ!
匙の手元から黒い細い触手らしきものがフリード目掛けて飛んでいく。
「うぜぇっす!」
フリードは薙ぎ払うが軌道を下に変え、フリードの右足に張り付き、そのままグルグルと巻き付いた。
その好機を裕斗は
次に裕斗は腰に差していた竜王と騎士の特性のスピードで仕掛けた。
「俺さまのエクスカリバーは『
「隙ありだ!」
一瞬の隙を見逃さず匙の手の甲のトカゲの舌がフリードの体を引っ張り、同時にトカゲの舌が淡い光を放ち始めフリードの力を吸収していく。
「ほう、『
佑斗がエクスカリバーを破壊しようとした時第三者の声がして、そちらに視線を送れば、神父の格好をした初老の男が立っていた。
「・・・バルパーのじいさんか」
「・・・バルパー・ガリレイッ!」
憎々しげに裕斗はバルパーを睨む。
バルパーの指摘でフリードは匙の拘束を解き逃げようとすると、佑斗達に援軍が来た。
「逃がさん!」
援軍の正体はゼノヴィアとイリナだった。
「バルパーのじいさん!撤退だ!コカビエルの旦那に報告しにいくぜ!」
そう言いフリードは閃光弾使い逃げた。
「追うぞイリナ」
「うん!」
「僕も追わせてもらおう!逃がすか、バルパー・ガリレイ!」
ゼノヴィアとイリナ、それに裕斗がこの場を駆け出した。
「たく、あいつ等深追いはするなって言ったのにな」
「魔訶!?」
「零先輩!?」
更に零も合流した。
「魔訶あいつ等を追わねえと!」
「いや。説明が先だな」
「そうね。しっかり説明してもらうわねレイ」
零が何を言っているか分からなかったが、聞こえて来た声に小猫と匙はビクッと震えた。そして恐る恐る振り返ると険しい表情のリアスと会長の姿があった。
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