零達が学園に着くと木場を除くグレモリー眷属と生徒会が集結した。現在匙がリアスに現状報告している。
「私と眷属はそれぞれの配置について、結界を張り続けます」
「ありがとう、ソーナ。あとは私達が何とかするわ」
「リアス、相手は桁違いなバケモノですよ?」
「グルメアイランドの九王達には及ばないわ。それに私達はレイに修行をつけてもらったのよ、そう簡単にはやられないわ」
「俺もいるしな」
ソーナのバケモノ発言にリアスは九王を引き合いに出し、簡単にやられないと言った。零も自分もいると言うとソーナは呆れた表情をして零達に任せた。
校庭に入ると、校庭の中央に四本の剣が神々しい光を発しながら、宙に浮いており、それを中心に怪しい魔法陣が校庭全体に描かれていた。
「これはいったい・・・」
「四本のエクスカリバーをひとつにするんだよ」
零の疑問に魔法陣の中央にいるバイパーが答えた。
「バルパー、後どれぐらいでエクスカリバーは統合する?」
「五分もいらんよ、コカビエル」
「そうか。では、頼むぞ」
宙で椅子に座っているコカビエルが聞くとバルパーは五分と答えた。
「サーゼクスは来るのか?それともセラフォールか?」
「いいえ。貴方の相手は私達よ。お兄様達の手は煩わせ・・・」
リアスがそう言い終わる前にコカビエルは巨大な光の槍を体育館に向かって投げたが・・・
「そう簡単にはいかないぞ」
零が裏のチャンネルを使い光の槍を止めた。
「ほう。人間にしてはやるではないか」
「敵の親玉に褒められても嬉しくねぇーよ」
「人間風情が・・・まあいい。余興として地獄から連れて来た俺のペットと遊んでもらおうかな」
コカビエルが指を鳴らすと魔法陣から三つの首を持つ犬が複数現れた。
「「「ギャオオオオオオォォォォンッッ!!」」」
犬達が同時に吼え、辺り一帯を震わせた。
「━━━ケルベロス!」
「ほう、地獄の番犬か。お前達は下がっていろ」
リアスの言葉でその犬の正体を知り、零はリアス達に下がるように言った。
ケルベロス達は一斉に零に襲い掛かろうとした。
「俺と
零がグルメ細胞の悪魔と威嚇するとケルベロス達は悲鳴を出しながら我先にと魔法陣に走って行く。
「ふん、他愛ない。ん?」
ケルベロス達が魔法陣に詰めかけているのを見ていると一匹だけ震えながら零に近づいてきた。
「キャン」
ケルベロスは零の前に立つと、仰向けになり腹部を差し出した。それの意味はつまり・・・
「服従か」
そう言いながら零はケルベロスの腹を撫ぜた。
(俺の威嚇に震えながらも逃げないとは・・・こいつは化けるかもな)
と零は心の中でそう思った。
「・・・驚いたな。まかさ威嚇だけでケルベロス達を退けるとはな」
コカビエルが感心した風に言った。
「加勢に来たぞ」
「遅くなってゴメン」
聞き覚えの声が聞こえ振り返るとゼノヴィアと裕斗が聖剣と魔剣を携えて歩いてきた。
「━━━完成だ」
バルパーの声が聞こえそちらを見ると、四本のエクスカリバーがあり得ない程の光を発し始めた。
「四本のエクスカリバーが一本になる」
零達が身構えているとコカビエルは空中で拍手をしそう言った。
光りが収まると、校庭の中央に青白いオーラを放つ一本の聖剣があった。
「エクスカリバーが1本になった光で、下の術式も完成した。後二十分もしない内にこの町は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」
バルパーが衝撃的な事を言った。
「フリード!」
コカビエルがフリードの名を呼ぶ。
「はいな、ボス!」
暗闇の向こうから、白髪の少年神父・フリードが歩いてきた。しかし服装は神父服でありながら防具を着用していた。
「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。4本の力を得たエクスカリバーで戦って見せろ」
「ヘイヘイ。まーったく、俺のボスは人使いが荒くてさ。でもでも!チョー素敵仕様になったエクスカリバーちゃんを使えるなんて光栄の極み、みたいな?ウヘヘ!ちょっくら、人外と悪魔でもチョッパーしますかね!それに″最強の防具″があるし!」
イカれた笑みを見せながら、フリードが校庭のエクスカリバーを握った。
「リアス・グレモリーの『
「いいのかい?」
「最悪、私はあのエクスカリバーの核になっている『かけら』を回収出来れば問題ない。フリードが使っている以上、あれは聖剣であって、聖剣ではない。聖剣とて、普通の武器と同じだ。使う者によって、場合も変わる。━━あれは異形の剣だ」
「バルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残りだ。いや、正確には貴方に殺された身だ。悪魔に転生した事で生き永らえている」
至って冷静に告げる裕斗だったが、その瞳は憎悪の炎が宿っていた。
「ほう、あの計画の生き残りか。これは数奇なものだ。こんな極東の国で会う事になろうとは。縁を感じるな、ふふふ。━━━私はな。聖剣が好きなのだよ。それこそ、夢にまで見るほどに。幼少の頃、エクスカリバーの伝記に心を踊らせたからなのだろうな。だからこそ、自分に聖剣使いの適性が無いと知った時の絶望といったらなかった」
小馬鹿にしたかのような口調の後に急に自身の昔を語り始めた。
「自分では使えないからこそ、使える者に憧れを抱いた。その想いは高まり、聖剣を使える者を人口的に創りだす研究に没頭するようになったのだよ。そして完成した。君達のおかげだ」
「何?完成?僕達を失敗作だと断じて処分したじゃないか」
眉を吊り上げ、怪訝な表情で裕斗は言った。
「聖剣を使うのに必要な因子かある事に気づいた私は、因子の数値で適性を調べた。被験者の少年少女、ほぼ全員に因子があるものの、どれもこれもエクスカリバーを扱える数値に満たなかったのだ。そこで私は一つの結論に至った。ならば『因子だけを抽出し、集める事はできないか?』━━━とな」
「成程。読めたぞ。聖剣使いが祝福を受ける時、体に入れられるのは━━━」
「そうだ。聖剣使いの少女よ。持っている者達から聖なる因子を抜き取り、結晶を作ったのだ。こんな風に」
ゼノヴィアの言葉を肯定したバルパーは懐から光り輝く球体を取り出した。
「これにより聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。それなのに教会の者共は私だけを異端として排除したのだ。研究資料だけを奪ってな。貴殿を見るに私の研究は誰かに引き継がれているようだな。ミカエルめ。あれだけ私を断罪しておいて、その結果がこれかまあ、あの天使の事だ被験者から因子を抜き出すにしても殺すまではしていないか。その分だけは私よりも人道的と言えるな。くくくくくく」
愉快そうにバルパーは笑う。
「━同士達を殺して、聖剣適性の因子を抜いたのか?」
裕斗が殺気の籠った口振りでバルパーに訊く。
「そうだ。この球体はその時のものだぞ?三つほどフリード達に使ったがね。これは最後の一つだ。この因子は貴様にくれてやる。環境が整えばあとで量産できる段階まで研究はきている」
裕斗に向かって因子の結晶をバルパーは放り投げた。裕斗は静かに屈みこんで、それを手に取った。
「・・・皆・・・」
裕斗の頬を涙が伝っていく。その表情は悲哀に満ち、そして憤怒の表情も作り出していた。
その時、裕斗の持つ結晶が淡い光を帯び始めた。光は徐々に広がって行き、校庭を包み込むほどに拡大した。校庭の地面、その各所から光が浮いて来て。少年少女のカタチを成していく。
「皆!僕は・・・僕は!・・・ずっと・・・ずっと、思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていいのかなって。僕より夢を持っていた子がいた。僕より生きたかった子がいた。僕だけが平和な暮らしを過ごしていいのかなって・・・」
『自分達の事はもういいよ。君だけでも生きてくれ』
魂だけの少年の一人が微笑みながら、裕斗に何かを訴えていた。口をパクパクしているだけで言葉は聞こえないが零達には分かった。
魂の少年少女達が口をパクパクとリズミカルに同調させている。歌を歌っているようだ。
「━聖歌」
アーシアがそう呟いた。
『僕らは一人ではダメだった━━』
『私達は聖剣を扱える因子が足りなかった。けど━━』
『皆が集まれば、きっと大丈夫━━』
『聖剣を受け入れるんだ━━』
『怖くなんてない━━』
『たとえ、神がいなくても━━』
『たとえ、神が見ていなくても━━』
『僕達の心はいつだって━━』
「一つだ」
彼等の魂が天に昇り、ひとつの大きな光となって裕斗の元へ降りてくる。やさしく神々しい光が裕斗を包み込んだ。
『相棒』
「ああ」
ドライグの言葉に零は頷いた。
『あの「
「懐かしい感覚だな」
闇夜の天を裂く光が裕斗を祝福している様に見えながら零とドライグは話した。
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