授業参観の次の日の放課後零達は旧校舎一階の「開かずの教室」とされていた部屋の前に立っていた。
この部屋は外からも厳重に閉められており、中を見る事が出来ない。
ここには『
リアスの話ではその能力が危険視され、リアスの能力では扱いきれない為、上から封印をするように言われたそうだ。
昨夜、サーゼクスの話ではライザーとのレーティングゲーム、コカビエルとの一戦でリアスが高評価され、封印の解除の許可が出たのだ。
『KEEPOUT!!』のテープが幾重にも貼られており、呪術的な刻印も刻まれている。
「ここにいるの。一日中、ここに住んでいるのよ。一応深夜には術が解けて旧校舎内だけなら部屋から出てもいいのだけど、中にいる子自身がそれを拒否しているの」
と、リアスは言い、扉に向けて手を突き出して魔法陣を展開していた。
「引きこもりか?」
零の言葉にリアスはため息を吐きながら頷いた。
「中の子はパソコンを介しての契約で、眷属一の稼ぎ頭ですの。パソコンでの取引率は新鋭悪魔の眷属の中で上位に入る程の数字をだしているのです」
リアスを手伝いながら朱乃は言う。
「-さて、扉を開けるわ」
扉に刻まれていた呪術的な刻印も消え去り、ただの扉となっていた。リアスが扉を開く。
「イヤァァァァァァァァアアアアアアアアアッッ!」
とんでもない音量の絶叫が中から発せられてくる。
リアスは驚くことなく、ため息を吐くと朱乃と共に中へ入って行った。
『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』
『な、な、何事なんですかぁぁぁぁぁ?』
中でのやり取りが聞こえてくる。この声の感じは・・・
『あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私達と一緒にでましょう?』
朱乃が優しい声で接している、が・・・
『ヤですぅぅぅぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅぅぅぅ!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!』
重症だな。俺、アーシア、ゼノヴィアは首を傾げ、疑問符を浮べている。裕斗と小猫は事情を知っているのか、祐斗は苦笑し、小猫はため息を吐いていた。
俺を先頭に部屋に足を踏み入れ、部屋の様子に視線を向けた。
カーテンが閉められた部屋。薄暗い。部屋は意外にも可愛らしく装飾されていて、女の子の部屋みたいだ。ぬいぐるみとかもある。部屋の一角に葬儀に使いそうな棺桶が一つあった。更に奥に行けば、金髪と赤い双眸をした人形みたいな端正な顔立ちをした美少女だった。床にへたりと力なく座り込み、リアスと朱乃から逃げようという構えだった。凄く震えていた。
「見た目は美少女だが、男だなソイツ」
零の言葉にアーシアとゼノヴィアは驚いた。無理もないだろ見た目は完全に美少女なのだから。
「よく気が付いたわね。そうこの子は紛れもない男の子よ」
「女装趣味があるのですよ」
リアスが言い、朱乃が付け足した。
「しかしよくわかったね?」
「男性ホルモンの匂いに骨格で判るだろ?ついでに言えば電磁波」
『『『それはレイ/零(君・さん・先輩)しかわからないよ/わよ/です!!』』』
祐斗の疑問に答えた零に全員がツッコミをいれた。
「しかし、引きこもりに女装趣味とは誰得だ?」
「だ、だ、だ、だって、女の子の服の方が可愛いもん」
零が聞くと女装男子は可愛く言った。
「う~ん・・・見た目は完全に美少女な分残念だな・・・」
「人の夢と書いて、儚いですよ零先輩」
「その通りだな小猫」
仕草は女子なので零が残念がっていると小猫はポツリと言い、その言葉に零は同意した。
「と、と、と、ところで、この方達は誰ですか?」
女装男子がリアスに聞くとリアスは俺とアーシア、ゼノヴィアを指さして言う。
「貴方がここにいる間に増えた部員の魔訶零とアーシア・アルジェント。そして眷属で『
紹介されたので3人揃って「よろしく」と挨拶するが、女装男子は「ヒィィィ、人がいっぱい増えている!」と怖がってる。
「お願いだから、外に出ましょう?ね?もう貴方は封印されなくてもいいのよ?」
リアスが優しく言うが・・・
「嫌ですぅぅぅぅ!僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁぁぁぁっ!怖い!お外怖い!どうせ僕が出てっても迷惑をかけるだけだよぉぉぉぉぉっ!」
くだくだ言って段々とイライラし始めた零は女装男子に近づき、腕を引く。
「くだくだ煩いな。外に出るぞ」
「嫌ぁぁぁぁっ!」
零に腕を引かれ女装男子は絶叫し、同時に世界が停止した。
「・・・何が起きた?お前の仕業か?」
「な、なんで動けるのですかぁぁぁ!?」
女装男子がアーシア以外の全員が動ける事に驚いたように叫ぶ。
「ギャスパー私達は強くなったの、そのおかげで貴方の『
「で、でも、どうやって?」
女装男子・ギャスパーは自分の神器が効かない事に少し安心したが、何故リアス達がこの短時間に強くなったか疑問に思った。
「レイのおかげよ」
「え?」
ギャスパーは思わず零を見た。零はギャスパーの目線に合わせる為に膝を着いて、改めて自己紹介をした。
「改めて魔訶零だ。今代の赤龍帝でグルメアイランドの主だ」
「ぐ、ぐ、グルメアイランドの主ぃぃいい!?ほ、本当ですか!?」
ギャスパーは興奮気味に零に詰め寄った。
「あ、ああ。リアス達はグルメアイランドで修行して強くなったんだ。だからお前の神器が効かなかったんだ」
「そ、そうだったんですね・・・あ、あの魔訶先輩!」
「零でいいぞ。それよりお前の名前教えてくれないか?」
零が優しく言うと、ギャスパーは深呼吸して名乗った。
「は、はい零先輩!ぼ、僕はギャスパー・ヴラディって言います!よろしくお願いします!そ、それで、ですね・・・じ、じ、実は結構多くの人から、グルメアイランドの食材を食べたいって依頼が、あるのですが・・・分けてくれませんか?」
「駄目だ」
ギャスパーのお願いを零は一刀両断した。
「ど、どうしてですか!?」
「俺も、リアス達も修行して自分達で食材を捕獲しているからだ。命を頂くのに、その命を軽く見る事は許さんのだ」
「・・・」
零の言葉にギャスパーは零の言葉の重さに黙った。
落ち着いたのか、アーシアが動きはじめた。アーシアは何が起こったか分からず困惑したがゼノヴィアが状況を説明して納得した。
「ギャスパー。グルメアイランドの食材が欲しいなら、自分で捕獲に行くんだ」
「ぼ、僕には無理ですぅぅぅぅ!第一外に出たくないぃぃぃぃ!!」
零が言うがギャスパーは涙を流しながら首を振った。
「リアス何故ギャスパーはこんなにも外の世界と人に恐怖を感じてるんだ?」
「それはね・・・」
零がリアスに聞くと、リアスはギャスパーの過去を話始めた。
ギャスパーは名門の吸血鬼を父に持つが、母が人間で妾だったため、悪魔以上に純血に拘りを持つ為、たとえ親兄弟であっても扱い方は差別的で、ギャスパーは幼い頃から腹違いの兄弟達にいじめられ、人間界に行ってもバケモノとして扱われ居場所がなかった。しかし、ギャスパーは類希なる吸血鬼の才能と、人間としての才能・神器を両方兼ね備えて生まれてきてしまった為、望まなくともその力は歳を取ると共に大きくなっていったそうだ。
「上の話では将来的には『
「成程な・・・」
リアスの話で零は納得した。
「話は分かった。よし行くぞ」
突然ゼノヴィアがギャスパーの襟首を持って部屋を出た。
「嫌ぁぁぁぁぁ!!」
ギャスパーの悲鳴が遠ざかっていく。
「おいゼノヴィア!」
零が追いかけようとすると、リアスに止められる。
「レイ!ギャスパーの事頼んだわよ!私と朱乃は会談の打ち合わせをしてくるから。それと祐斗、お兄様が貴方の
「了解!」
「はい、部長」
2人は返事をし、零とアーシア、小猫はギャスパーとゼノヴィアを追った。
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