「ほら、走れ。デイウォーカーなら日中でも走れるはずだ」
「ヒィィィィッ!デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇぇッ!」
夕方に差しかかった時間帯、旧校舎近くで
傍目から見れば完全に吸血鬼狩りだな、っと零は思った。デュランダルも『ブゥゥゥゥンッ!」と危険な音を立てながら聖なるオーラを放ち続けている。そのせいかギャスパーも必死に逃げている。
何故このような事になったかと言うと、ゼノヴィア曰く「健全な精神は健全な肉体から」らしくて、ギャスパーの体力から鍛える事に決めたらしい。しかもいい笑顔で追いかけまわしている。これもゼノヴィア曰く「沢山運動した後のプリン山は格別に美味い」とのことらしく、張り切ってギャスパーを追いかけ回している。
「・・・ギャーくん、ニンニク食べれば健康になれる」
「いやぁぁぁぁん!小猫ちゃんが僕をいじめるぅぅぅぅ!」
更に小猫が両手にニンニクを持って、ゼノヴィアに並んでギャスパーを追いかけていた。
「う~ん・・・メテオガーリックでも食わしたら、克服と健康になるか・・・」
「レイさんメテオガーリックってなんですか?」
零の呟きが聞こえたアーシアが聞いてきた。
「メテオガーリックとは、隕石が落ちた土地に稀に生える不思議なにんにくだ。土壌の栄養をすべて吸いつくし育つため滋養強壮成分が半端では無く、食べれば途端に筋肉質な体になり1ヶ月不眠不休で動けるほどの力が得られる。そのため別名ドーピングガーリックとも呼ばれる。食べられるところは実の中心のほんの一部であり、周りの実は高温で熱して弾き飛ばさなければならない。隕石のように硬い実が夜空で弾ける姿はまさに流星そのものである為そう名付けられた」
「へー凄いです!」
アーシアは目を輝かせた。
「おーおー、やってるやってる」
そこに匙が現れる。
「おっ匙か」
「よー、魔訶。解禁された引きこもり眷属がいるとかって聞いてちょっと見に来たぜ」
「今ゼノヴィアに追いかけ回せれてるのがそうだ」
「おいおい、ゼノヴィア嬢、伝説の聖剣豪快に振り回してるぞ?いいのか、あれ。おっ!てか、女の子か!しかもアーシアさんと同じ金髪!」
ギャスパーを見て嬉しそうな匙に、零は残酷な真実を告げる。
「残念だが、あれは女装男子だ」
それを聞き、心底落胆した様子の匙。
「そりゃ詐欺だ。てか、女装って誰かに見せたい為にするものだろ?それで引きこもりって、矛盾すぎるぞ。難易度高いなぁ」
「似合ってるのがまたなんとも言えんからな。そう言う匙は何をやっているんだ?」
匙はジャージに軍手をして、花壇用の小さなシャベルを持っていた。
「見ての通りだ。花壇の手入れだよ。一週間前から会長の命令でな。ほら、ここ最近学園の行事が多かっただろう?それに今度魔王様方もここへいらっしゃる。学園をキレイに見せるのは生徒会の『
と胸を張った。
「ん?」
零は数日前に出会った人物の気配を感じた。
「へぇ。悪魔さん方はここで集まってお遊戯してるわけか」
「なんだアザゼルか」
浴衣を着たアザゼルがいた。
「よー、赤龍帝。あの夜以来だ」
突然現れたアザゼルに全員が怪訝そうに見つめていたが、零がアザゼルの名を言うと空気が一変する。
ギィン!
ゼノヴィアがデュランダルを構える。匙も驚愕しながらも右手の甲にデフォルト化したようなトカゲの頭を出す。
(あれが五大龍王の一角
と、零は観察していた。
「やる気はねぇよ。赤龍帝以外束になっても俺に勝てないのはわかるだろ?ちょっと散歩がてら悪魔さんのところに見学だ。聖魔刀使いはいるか?ちょっと見に来たんだが」
「嘘は言ってねえよ。構えをとけ、お前ら」
零が言うと匙と木陰に隠れているギャスパー以外は構えを解いた。
「おい魔訶何故アザゼルが嘘言ってないってわかるんだよ!?」
「匙先輩、零先輩が五感が鋭いのはご存知ですよね?」
「あ、ああ。それ、関係あるのか?」
「零は地獄耳で嘘はすぐ見破られる。実証済みだ」
匙が何故アザゼルが嘘をついてないかと聞くと小猫とゼノヴィアが理由を言って、匙も構えを解いた。
「祐斗は今いねえよ。タイミングが悪かったな」
「そうか、聖魔刀使いはいねえのかよ。じゃあそこで隠れてるヴァンパイア」
零が言うと今度はギャスパーに目を向けた。隠れていたギャスパーはビクッと慌てふためく。
「『
ギャスパーの顔というより両目を覗き込むアザゼル。ギャスパーは堕天使のトップの顔が近づいてきてブルブル震えてる。
「それ、『
アザゼルはこちらに振り返り匙を指さして言う。
「へ?俺の
「匙、ティアマットが言ってただろ?お前の
「そう言えばそうだったな」
匙は自分の
「ったく、これだから最近の
「そうだが?」
アザゼルはティアマットの名前に驚き、零に聞き零は答えた。
「今ティアマットは
「何故ティアマットは
アザゼルはティアマットが何故
「使い魔の森に行った時に会って、ティアマットから使い魔になるって言われたが、俺は人間だからな、仲間として迎えたんだ」
「成程な・・・。おいヴァンパイア、
アザゼルはそう言うと、一瞥してこの場をあとにしようとする。しかし、一度だけ立ち止まり、零の方に顔を向けた。
「ヴァーリ。うちの白龍皇が勝手に接触して悪かったな。さぞ驚いただろう?なーにあいつは変わった奴だが、今すぐ赤白ライバルの完全決着をしようなんて思っちゃいないだろうさ」
「正体語らずに俺に接触したあんたは謝らないのか?」
「そりゃ、俺の趣味だ。謝らねぇよ。それに会ってすぐ俺の正体に気付いたなら別にいいだろう?」
「そうだな」
アザゼルは零の返事を聞いて学園から出て行った。
如何だったでしょうか?
感想、評価お願いします!!