美食の島の赤龍帝〈リメイク〉   作:マスターM

34 / 41
天使長と龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣

アザゼルが帰った後匙の『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』の舌をギャスパーに接続し、余分な力を吸い取る吸引は可能だった。

零達が投げるバレーボールをギャスパーが視界に映した瞬間、停止させていく。停止された物体は大体数分間だけ動きを完全に停められる。

最初に比べるとマシになったがそれでも無意識で発動させてしまうので、その度に零以外の人物を停止させるとギャスパーは「ごめんなさいぃぃぃぃぃ!」と叫んで謝りながら逃げ出そうとしてその度に零に捕まってはまたギャスパーが無意識で停止さすというループが出来ていた。

 

「一旦休憩だ。リアスも来たみたいだからな」

 

「どう?練習ははかどっているかしら?」

リアスの手にはサンドイッチが入ったバケットを持っていた。

休憩しながらギャスパーの現状を話した。ついでにアザゼルが来たことも話した。

 

「アザゼルは神器(セイクリッド・ギア)について造詣が深いと聞くわ。神器(セイクリッド・ギア)についてのアドバイス・・・。知識を他者に助言するほど余裕ということかしら」

 

「そうだろうな。俺の対の白龍皇がいるのだからな」

 

「ギャスパーと匙くんの神器(セイクリッド・ギア)にも詳しかったのよね?」

 

「ああ。奴のアドバイス道理に確かに匙の神器(セイクリッド・ギア)停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)は抑えられるが根本的な解決は出来て無い。次の食材はアーシアとギャスパーの力が必要になるからな」

 

「次の食材と場所は?」

次の食材と聞き、匙とギャスパー以外零に視線を向けた。

 

「次のターゲットはサンサングラミー。そして修行と言えば滝、デスフォールだ。デスフォールはモルス山脈のふもとに位置しており、滝の裏にサンサングラミーの住む洞窟がある。膨大な量の水が流れ落ちる滝で、毎分1兆リットルという膨大な流水の爆弾が全てを粉々にしてしまうため、「処刑の滝」と呼ばれ恐れられている。 高圧の水は鋭利な刃物のように全てを切り裂くうえ、山のように巨大な岩や流木も水とともに流れてくる。 滝の厚みが1キロもあるためミサイルを何発撃ち込んでも通過することは無く、滝壺の水が滞留して巨大な渦ができているため水中からも入れない。 滝の上の川は水深1000メートルを超える激流で、それが放射状に流れ落ちるため、滝の側面の岩を掘って進むこともできない。 まさに侵入困難な天然の要塞だ」

 

「成程・・・確かにギャスパーの力が必要ね」

 

「私の今の釘パンチは15連が限界ですし・・・」

 

「流石にデュランダルのフルパワーでも斬るのは難しいだろうな」

と匙以外の全員がギャスパーに注目した。

 

「ヒィィィィッ!嫌ぁですぅぅう。そんなおっかない所行きたくないぃぃぃ!!」

案の定ギャスパーは怯えた。

 

「まあまずは食義を覚えるのが先決だがな。ギャスパーもキーだが今回は朱乃にある技を習得してもらう予定だ」

 

「私ですか?」

 

「そうだ。上手く行けばこの先の戦闘でも役立つはずだ」

 

「分かりましたわ」

その後匙は花壇の作業に戻り、零達はギャスパーの特訓を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここか」

数日後の休日零はある神社に到着した。

 

「いらっしゃい、零君」

零を出迎えたのは巫女衣装を身に纏った朱乃だった。

そう朱乃はここに住んでいる。裏で特別の約定が執り行われて悪魔でも入る事が出来る。

 

「それで俺に会いたいって言ってるのは本殿にいる奴か?」

零がここに来たのは朱乃を通じてある人物が零に会いたいと言った為である。その人物に零は当たりをつけた。

 

「彼が赤龍帝ですか?」

本殿に入ると輝くまでに金色の羽が舞う。端正な顔立ちの青年が零へ視線を向けていた。豪華な白ローブを身に包み、頭部の上に金色の輪っかが漂う。青年は優し気な笑みを浮べ、握手を求めてくる。

 

「初めまして赤龍帝、魔訶零くん」

 

「ああ、初めまして。天使長さん」

 

「驚きました。会うのが私と分かっていたのですか?」

そう零に会いたいと言ったのは天使長・ミカエルだった。

 

「先日アザゼルにも会ったからな。今度の三すくみの会談前に会いたかったんだろ?」

 

「その通りです。今日はこれを貴方に授けようと思いましてね」

ミカエルが指さす方には聖なるオーラが滲み出ている一本の剣が宙に浮いていた。

 

「これは聖剣か?しかも只の聖剣じゃないな、左腕いや赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が疼く。これは龍殺しの聖剣か?」

 

「はい。これはゲオルギウス。聖ジョージが持っていた龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣『アスカロン』です」

 

「何故、俺にこれを?」

零は何故自分にアスカロンを渡すか分からず理由をきいた。

 

「私は今回の会談、三大勢力が手を取り合う大きな機会だと思っているのです。このまま小規模な争いが断続的に続けば。いずれ三大勢力は滅ぶ。そうでなくても、横合いから他の勢力が攻め込んでくるかもしれません。その聖剣は貴方を通して悪魔サイドへのプレゼントです。今貴方は悪魔勢力と贔屓なので。悪魔側から噂の聖魔刀を数本頂きましたし。堕天使側にも贈り物をしました。過去に一度だけ三大勢力が手を取り合った事があったのです。それは赤と白の龍を倒した時です。あの時のように再び手を取り合う事を願って、あなたに、赤龍帝に願をかけたのですよ」

 

「そう言う事か。では白龍皇ではないのだ?」

 

「彼女は戦闘狂ですから、アスカロンを渡せば直ぐニ天龍の戦いが起こると危惧したので貴方に贈る事にしました」

 

「そうか。なら有り難く頂く」

 

「これは特殊儀礼を施しているので、ドラゴンを宿している貴方でも大丈夫ですよ」

そう言われ零はアスカロンに手を伸ばそうとすると、アスカロンの柄が零の方を向いた。

 

「!アスカロンが、貴方を担い手に認めた!?」

ミカエルが驚いたような声をあげた。朱乃も驚いている。

 

「俺と共にくるか?」

零がそう言うとアスカロンはカッと光った。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出現させ、アスカロンの柄を握った。

その瞬間聖なるオーラと龍のオーラが混ざり合う。そして混ざった瞬間先程より眩い光が本殿を覆った。

光りが治まると赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の甲の先端から刃を生やしていた。

 

「これからヨロシクなアスカロン」

 




如何だったでしょうか?

感想、評価お願いします!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。