美食の島の赤龍帝〈リメイク〉   作:マスターM

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奪還

「今のはギャスパーの・・・」

 

「停まっているのはアーシアとソーナ達だけの様ね。かく言う私も一瞬滅びの魔力を纏ったけどね」

 

「私もデュランダルの力を盾に使った」

零が会議室を襲った時間停止はギャスパーものだと呟いていると、リアスが会議室を見渡し、アーシアとソーナ達・シントリー眷属以外は動けていると理解する零。

 

「これ揺れ攻撃を受けているのか?」

 

「ああテロだな。俺達の和平を邪魔したいみたいだな。」

零が聞くとアザゼルが答える。

 

「この時間停止はギャスパーの力だろうが、ギャスパーの護衛にはドーナシーク達がいる筈だが・・・」

 

「恐らく力を譲渡できる神器(セイクリッド・ギア)か魔術で護衛を倒し、ハーフヴァンパイアの小僧の神器(セイクリッド・ギア)を強制的に禁手(バランス・ブレイカー)状態としたんだろうな。一時的な禁手(バランス・ブレイカー)状態だろうが、それでも視界に映したものの内部にいる者にまで効果を及ばすとは・・・。あのハーフヴァンパイアの潜在能力が高いってことか。ま、俺達トップ陣を停めるには出力不足だったようだが」

 

「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている。どこで私の下僕の情報を得たのかしら。しかも、大事な会談をつけ狙う戦力にされるなんてッ!これほど侮辱される行為もないわっ!」

零がドーナシーク達がついていながら、ギャスパーが利用されている事に疑問をもつが、アザゼルが憶測を言うと、それを聞いたリアスは全身を紅いオーラがほとしばらせる。

 

「ちなみにこの校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全部停止させられているようだぜ。全くリアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい限りだ」

そう言いながらアザゼルが手を窓に向けると、外の空に無数の光の槍が現れ、アザゼルが手を下げると同時に光の槍が雨となってテロリストの魔術師達に降り注ぐ。

 

「この学園は結界に囲われている。それにもかかわらず、こいつ等は結界内に出現してきた。この敷地内に外の転移用魔法陣とゲートを繋げている奴がいるって事だ。どっちにしても『停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)』の効果をこれ以上高められると、俺達も停止させられる恐れがある。時間を停めて校舎ごと屠るつもりだろうな」

アザゼルの視線の先では校庭の各所で魔法陣が出現し、魔法陣から魔術師が出現した。

 

「ハーフヴァンパイアを奪い返さねえとな。おいヴァーリ」

 

「なにアザゼル」

アザゼルは後ろに控えていたヴァーリを呼ぶ。

 

「お前は外で敵の目を引け。白龍皇が前に出れば何か動くかもしれない」

 

「私がいることはあっちも承知じゃない?」

 

「注意さえ引き付けさえばいい。後は赤龍帝がやってくれるだろ?」

 

「まあ方法がないって訳じゃないがな」

 

「って事だ」

 

「了解」

アザゼルがヴァーリに気を引くように言うと、ヴァーリは自分がいる事は相手も知っているのでは?と聞くと、気を引いている間に零が何とかするだろうと言うと零は頷き、ヴァーリも同意した。

カッ!ヴァーリの背中に光の翼が展開する。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

Vanishing(バニシング)Dragon(ドラゴン)Balance(バランス)Breaker(ブレイカー)!!!!!!』

音声のあと、ヴァーリの体を真っ白なオーラが覆う。光が止んだ時、ヴァーリの体は白い輝きを放つ全身鎧(プレート・アーマー)に包まれていた。最後にマスクがシュバッとヴァーリの顔を覆った。

ヴァーリは零を一瞥したあと、会議室の窓を開き、空へと飛び出していった。

刹那━━━

ドドドドドドドドンッ!

外で巻き起こる爆風。ヴァーリは魔術師相手に一騎当千していた。

 

「へー強いのは分かっていたが、想像以上だな」

零はヴァーリを見ながらそう言った。

 

「で?赤龍帝ハーフヴァンパイアの救出はどうする?」

 

「ああ。こいつがいる」

アザゼルにどうやってギャスパーを助けるのかと聞かれると、零は足先で影をコンコンと叩くと、シーサーペントのような姿をした漆黒の蛇が出て来た。

 

「こいつは透影。人や獣の影に隠れ、長い舌で皮膚から栄養を奪う猛獣で捕獲レベル295。グルメ界に生息しており、様々な形態に姿を変え人や物を影で回収できる能力をもつ」

 

「成程。それでギャスパー君達を助けるという事だね」

 

「ああ」

サーゼクスの問いかけに零は答えた。

 

「回収しろ透影」

そう言うと透影は床に溶ける様に消えた。

 

 

 

 

数分後傷だらけのドーナシーク、カラワーナ、ミッテルトと拘束されているギャスパーに数人の魔術師が透影の影から出て来た。

 

「ヘアロック」

零は髪でノッキングをし魔術師を捕らえた。

 

「ドーナシーク!カラワーナ!ミッテルト!」

 

「ギャスパー!」

魔術師の確保を確認した夕麻は3人の元へ、リアスはギャスパーの元に駆け寄った。

 

「グッ・・・零様、レイナーレ様申し訳ございません・・・」

 

「いきなり魔術師達が襲ってきて・・・」

 

「強化され負けてしまったっす・・・」

 

「そんな事は言い。お前達が生きてただけで十分だ」

 

「零君の言う通りよ、よく頑張ったわ皆」

謝罪するドーナシーク達だったが、零と夕麻は咎めず、労った。

 

「ぶ、部長!」

 

「ギャスパー良かったわ。無事だったのね」

 

「は、はい。でもドーナシークさん達が僕を守るため傷ついてしまって・・・やっぱり僕は死んだ方がいいのです。僕を殺してください・・・。この眼のせいで、僕は誰とも仲良くなんてできないんです。迷惑ばかりで、臆病者で・・・」

 

「馬鹿な事言わないで。私はあなたを見捨てないわよ?あなたは私の下僕で眷属なのよ。ギャスパー、私にいっぱい迷惑をかけてちょうだい。私は何度も何度もあなたを叱ってあげる!慰めてあげる!決してあなたを放さないわ!」

 

「ぶ、部長・・・僕は・・・僕はっ!」

ギャスパーは自身のせいでドーナシーク達が傷ついた事でネガティブになっていて自信を殺すようお願いするが、リアスは決して見捨てないと言い、ギャスパーは嬉し涙を流す。

そして決心がついた顔で零の方を向いた。

 

「零先輩。ぼ、僕に血を分けてくれませんか?ぼ、僕も皆の為に強くなりたいです!」

 

「いいだろう。受け取れギャスパー」

零は左手をナイフで少し切り、血をギャスパーに飲ませた。

すると室内の空気が一気に様変わりした。不気味で言い知れない悪寒が駆け巡った。零の目の前にいたギャスパーは消えており、天井近くを無数のコウモリが飛んでいた。そして窓から出て魔術師達に襲いかかる。コウモリは魔術師の体を包み込んで、各部位を噛んで魔力を吸い出す。魔術師は魔術の弾を撃つが、全て空中で停止した。

 

『無駄ですよ。あなた達の動き、攻撃は全て僕が見ています。僕はあなた達を停めます!』

無数のコウモリが赤い瞳を光らせ、魔術師の時間を停止させる。

 

『零先輩!トドメを!』

 

「任せろ!ポイズンライフル!」

零は麻痺させる毒を停止している魔術師達に当て、停止から解放されるが、毒でその場に倒れた。

 

「一皮むけたなギャスパー」

 

『はい!』




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