今回、東方Projectで二次創作を書かせて頂きます。もちろん、他の作品の更新をやめる気はありません。ですので、お目汚しになるかも知れませんが、よろしくお願いします。
気がつくと、見覚えのない部屋に居た。
壁は白く、床も白い。文字通り真っ白な部屋。
そんな部屋に、僕……
……え!?ちょっと待って理解が追い付かない!なんでこんなところにいるのさ!?
いや、こういう時こそ冷静にならなくっちゃいけない。深呼吸を一回……二回……。よし、いや全然良くないけどよし。
考えられる可能性は、誘拐ぐらいしかない。ならなぜ誘拐されたんだろう?僕は医者の息子だとか、ましてや政治家の息子という訳でも無い。身代金目的では無いだろう。
……うーん、考えれば考えるほどわかんなくなってきたぞ。にしても僕、よく落ち着いていられるなぁ。アレか、『驚きすぎると一周まわって落ち着く』ってヤツか。
ガチャン。
背後で物音がした。
振り返るとそこには……僕がいた。いや、比喩ではなく。
「やあ、随分と混乱しているようだね。まあ、それも無理はないか」
頭がパンクしそうな僕を尻目に、
「さて、理解が追い付いていないキミのために、いろいろ教えてあげようじゃないか、水上凪くん?」
こいつ、なんで僕の名前を……?
「『こいつ、なんで僕の名前を……?』ね、はは、そりゃそうだ。いきなり初対面の人に名前を呼ばれたら誰だって戸惑うよね」
「……っぁ」
声が、出ない。今気づいた。
「お、その様子じゃあ、声が出せないのに気がついていなかったのか」
何なんだ、こいつは。いきなり出てきて勝手に話して、その上僕の名前を知っていると来た。
得体の知れないやつだ。
「『得体の知れないやつだ。』ね、はは、否定出来ないけど、少し傷つくね」
いや、それだけじゃない。こいつはさっきから僕の考えを読んでいる。
「どうやら察しがよくないわけじゃないみたいで安心したよ。さて、そろそろ自己紹介をしなくっちゃね」
そして
「どうも、神様です。よろしくね」
と言いながらそいつは、キザったらしく礼をした。
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「……で?あんたは本当に神様なの?」
「だからそう言ってるじゃないか。そろそろ信じてもらえないかな?」
「じゃあなんで僕の姿形、そして声をしているのさ」
「神様っていうのは、相手によって姿を変えるんだよ。今回、というかこういう場合は相手の見た目、声、そして話し方をトレースした形だね」
「……神様っていうのはおじいさんみたいなイメージだったんだけど」
「僕もたまにそういう格好はするよ。主に人間界に顕現するときにね」
神様って、結構アバウトなんだね。
「うーん、アバウトっていうより、不定形っていったほうが正しいかな?」
自称神様が腰に手を当て、僕を見る。
「そろそろ本題に入ろうか。察しのいいキミなら気づいているだろ?」
何も無い部屋。そして神様。
「僕は、死んだのか」
何故か、納得した。
「だーいせーいかーい」
神様が意地悪に笑う。
「水上凪くん。キミは自宅の最寄りの本屋へと向かい、そこから帰る途中、信号無視で突っ込んで来たトラックに撥ねられ、死亡した。即死だったよ」
ああ、だんだん思い出してきた。横断歩道を渡ろうとしたら、光が視界いっぱいに広がって……。
「で、ここからが本題なんだけど」
「え?」
悪い顔をした神様が、悪い声で告げる。
「おめでとう!水上凪くん!キミは抽選で『転生』の権利を手に入れた!」
「転……生?それって、二次創作とかでよくある『神様転生』っていうアレ?」
「そうそう。『なろう』とか『ハーメルン』とかで流行ってるでしょ?」
なんてこった。あんなのは創作物の中だけの話だと思っていたのに、本当にあるとは……ん?抽選?
「そう、抽選。そもそもこの制度は試験的に導入されたものだし、いくらなんでも死んだ人間をやたらめったらに転生させるわけにはいかないしね」
「え、どうして?」
「どうしてって……そりゃあ、人が多すぎると監視できないし、なにより人数が多いってことは、その世界を大きく変えてしまう可能性があるだろう?この制度はあくまで『試験的』なものだ。世界の流れを変えるわけにはいかない」
「なら、その許容範囲っていうのは、一体どれぐらいまでなの?」
「んーそーだねー……世界によって違うんだけど、キミがこれから行く世界は、『事象への介入』、『語られていない場所の変更』、『生存・死亡の判定(ただし許容範囲内に限る)』ってとこかな」
「……思ったより少ないんだね」
「いや、結構多いよ?他の所だと、『事象への介入』しか認められていないってことも結構あるし、少ない所……非協力的な所に至っては、本当にただ世界に入れるだけみたいなこともある。キミ、結構恵まれてるんだよ?」
ふーん、神様転生も結構シビアなんだね。ああいう小説って、「キミ、転生ね!」「よっしゃ、チートしてハーレム作ったろ!」みたいな感じだし。いやまあ、偏見なのかもしれないけれど。
「そういえば、その僕が行く世界って、一体どこなの?」
「はは、それはお楽しみってやつさ。ああそうだ、その世界に君以外に転生する人はいないから、安心して転生ライフを楽しむといい」
一人だけ……か。気楽だけど、少し寂しいな。
それにしても、僕って本当に死んだのかなぁ。まだあまり実感が無い。
「まあ、実感なんてあとからついてくるものさ。今は新しい世界で生きることだけ考えるといい」
まあ、それもそうか。終わったことをいつまでも言っていたって仕様がない。
「あ、そうそう、こういう転生には付き物である『特典』なんだけど」
「特典?え、貰えるの?」
「そりゃそうでしょ。特典も何も無しで事象の介入が出来るわけないでしょ?」
「別に介入する気ないんだけど……」
「それでもだよ。規則なんだから」
そう言いながら、穴が空いた箱を取り出す。……今のどこから出てきたの?何も無いところから出てきた気がするんだけど。英雄王かな?
「一応『特典』も抽選でね。中に紙が入ってるから一つだけ選んでよ」
「は、はぁ……じゃあ……」
これも抽選か、ガチャ要素強いな。ガチャで転生ライフが全て決まるって、めちゃくちゃ恐ろしいな。
「よい、しょ……8?」
僕が取り出した紙には、数字の『8』が書かれていた。
「あ、8番か。となると……ああ、あの能力か。」
「えーと、結局どんな特典なの?」
「はは、それもお楽しみだよ。楽しみは取っておかないとね」
「不安すぎるんですけど!?」
どこに転生するかも分からない、特典も不明。こんな状態で転生ライフを楽しめるわけないだろ!いい加減にしろ!と叫びたい。
「はは、まあそんなに怒らないでよ。……ん?もうこんな時間だ。そろそろ転生しなくっちゃね」
「え、ちょっと待っ───」
「───じゃ、グッドラック♪」
「てぇぇぇぇええええぇぇぇええ!!」
僕は床に突然現れた穴に吸い込まれ、瞬く間に落ちていった。
......................................................
そして今。
無事に転生し、僕は新しい世界に踏み込んだ。
ここ……『東方project』の世界、つまり『幻想郷』に転生したのだとわかったのは、生まれてから5000年以上経った時だった。
生前、というか転生前の彼の性別はまだ男ですが、転生後は女です。まあ、だからといって口調が変わるとか、そういう訳ではありませんが。
(今のところ、特に恋愛要素は)ないです。女の子だからね。当たり前だよなぁ?百合がみたいなら、こんなクッソ汚い作品なんか見ずに他の作品見て、どうぞ。
さて、あとがきはこの辺に。
なんだかんだ見てくれた人達、ありがとナス!
ではここらで。