What do you choose? 作:AugustClown
今回から少し書き方を変えています。
このままでいい、又は前のほうがいいなどご意見ありましたらお知らせ下さい。
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ずっとこうしてガイドさんの毛並みを撫でていたい。出来れば次に進みたくない。自分の言葉に嘘はない。小動物を見ればどうしてもワシャワシャしたくなる。然し、それ以上にそれ以上進みたくないと言う気持ちがジワジワと僕の心を浸食していく…
僕は何を恐れてるのだろう?この為にこの取引に応じたというのに…。
「11~15歳を上映しますが本当に6~10歳のを見直さなくて良いのですか?後、撫でるのそろそろ止めて貰えませんか?」
「見直さなくて大丈夫です。確かにごく一般的に考えれば未練とも呼べるようなものもあったかもしれませんが、そんなのは些細なことです。何方かと言えばこの後変更する出来事の方が僕にとっては重要性が高い案件なんです。因みにガイドさんを撫でるのは止めません。だってガイドさんの毛並みが気持ち良すぎるんですもん。」
「・・・さいですか。」
"それにこうでもしてないと正気を保っていられる自信なんて全然ありませんし…"
そう僕はガイドさんに聞こえないであろう位の声で言った。
何か言いましたか?と聞かれたが僕は横に首を振った。
そしてガイドさんの掛け声で上映が始まる。始まってしまう。
《Screening started》
上映が始まって数分、年代は僕が11歳ほどだ。実際この辺りの時代に未練はない。問題はこの後であるから見るだけ無駄というものだ。
「ガイドさん、僕が12歳の時の5月5日まで飛ばして下さい。」
「へぇっ?」
「聞こえませんでしたか?12歳の時の5月5日まで飛ばして下さいと言ったんです。この時代に未練はありません。」
「わ、分かりました…。」
そして僕の人生を映していた画面が暗転し、明かりが戻ると何度も夢でみた1日が上映され始めた。
「この日にどんな未練があるんですか?」
「もうそろそろ分かりますよ。」
そしてそれは起きた。ある三人家族が駅のホームに並んで立っており、母親であろう女性が子供に何かひと言言うと女性の隣りにいた男性と手を繋ぎ、電車が来る直前線路へと2人とも飛び込んだ。
「こ、これは投身自殺ですか…?」
「はい。」
「詰まり目の前で貴方の両親は…」
「はい。死にました。」
「何と身勝手で愚かしい…。」
愚かしい?今ガイドさんはそう言ったのか?
まあ、特に意味も考えずに言ったのだろう。そう、何も考えず、また知ろうともせずに。
-僕の頭の中でブチッと何かが切れる音がした。-
前にキレたのはいつだっただろう。覚えてないや、それにそんな事どうでもいい。
「まあ、そう思いますよね。何も知らない第三者から見たら…。」
「えっ?」
「分かりませんか?何も知らない奴が僕の親にとやかく言う資格があるのかって言ってるんです。」
「す、すいません…出すぎた事を言いました。宜しければ私に何があったのか、お話頂けませんか?」
「・・・こちらこそすいません。急に癇癪を起こしたりして…。しかし余りこれは他人に聞かせる様な、いや僕自身が話したくないと言うのが本当でしょうが、その場合は仕方が有りません。話しますよ。」
僕は所謂『トラブルメーカー』なんですよ。しかも何か馬鹿をやらかして問題を起こすのではなく、ただそこに僕が居るだけで自ずと問題が起きるというものでした。まあ、幸い命が関わった問題はプールの時くらいでしたが、それでも細かいのを含めたら数え切れない程でした。ましてや学校は共同生活を実地で学ぶ場、他人と触れ合う事が多い為、それだけ問題が多く発生するのは必然というものです。そしてその発生する問題にほぼ全て僕が関わっている。それを考えれば両親の苦労は計り知れないものだったでしょう。
そしてこの日、日頃忙しい父親が珍しく休みが取れた為、久し振りに家族全員で出掛けました。しかしその帰り、電車が来る前に母が
「お母さん達…もう疲れちゃった…。」
と僕に言い残して手を繋いでいた父親と一緒にホームに飛び降りました。奇しくもその日がこどもの日だったのが笑えない冗談でしたが。
「と、まあこれがこの未練のないようです。」
「そうでしたか。」
しかし内心この未練は変更してよいのだろうかと思っている自分がいる。もし変更して両親が生き続けたとして、それは両親に辛い思いをさせ続けることを意味する。しかし僕はこの未練を変更する為にこの取引を受けた。ならば今悩むのは愚考と言うものだろう。
「ガイドさん…。両親が死なない様に変更できますか?」
「はい、できますよ。但し使うポイントは4000ポイントです。それでもそれでも変更しますか?」
「勿論」
-はい-⇽
-いいえ-
何時もの選択肢僕はこの選択でいいえは1度も選択してない。しかし、後悔はしていない…と思う。
いや待てよ?両親が生き返るんだろ?
この時僕の頭の中である疑問が生まれた。
「あの…ガイドさん、疑問があるのですが…。」
「はい、何でしょう?」
「未練を解決したら、後の人生にも影響しますか?」
「はい、多少なりには。今回の様に人の有無等の箇所はそれなりに影響しますが、それ以外は似たような人生を過ごすことになります。」
詰まりこれをしてもあれは発生する可能性は高いという事か。まあ、いいだろう。まだポイントは残っているし。
「ほかに質問はありますか?無ければ変更を選択して下さい。」
-はい-⇽
-いいえ-
迷わず「はい」を選択する。
もう自分の中で、ではあるが問題は解決しているし、次に変更すべき事も分かっている。引き続き嫌なものを見ることには変わりない。そこら辺は我慢すればなんとかなるが、問題は残りのポイントで変更出来るかという点だ。
・・・・・・ガイドさんが撫でるのにポイントを請求してきたら終わるな…どうしよう…。
そんな事を考えていると1度聞いたことのある機会的な音声が聞こえてきた。
『選択受諾。Causal repairを開始します。完了まで、5、4、3、2、1、0。』
『Causal restoration complete』
そして僕の両親は生き返った。