練習も兼ねて頑張ってはみました。
地区大会当日。
ロアは、三和を始めとするカードキャピタルの常連たちに誘われて会場まで応援に来ていた。
開会式ではMCミヤが「ヴァンガードチャンピオンシップ関東第三地区大会、いよいよ開幕です!」と宣言した。
そこで、応援席で何やら準備をしていた森川が「こら、アイチー!」と叫んだ。
森川は、『Q4ファイト!! by最強森川と弟子一同』と書かれた応援旗(?)を周囲も巻き込んで掲げている。
「このが森川様がせっかく応援に来てやったんだ。勝たねーと承知しねぇぞぉ!」
しかしそこで照明が落ちる。
舞台上に現れたのは、ヴァンガードチャンピオンシップ公式応援キャラクター、アイドルユニット・ウルトラレアだ。
3人ともがタイプの違う美少女で、森川はコーリンのファンだった。
森川は隣の三和、井崎に自分と同じ応援用衣装を着せると、裏返した応援旗の『ViVa ウルトラレア コーリンちゃんLove』の面を掲げた。
……用意周到なことだ。
もはや慣れっこなのか、周囲は苦笑いだ。
一応有名人ということで、地味な色合いのパーカーのフードを深く被ったロアは「周囲に存在がバレないように」という
◇◆◇
ついに試合が始まり、ファイトが次々に展開されていく。
ロアは、Q4の試合の順番がまだ先であることを確認してから休憩のために席を立った。
そのままふらふらと会場の玄関ロビーまで歩いてきたところで、Q4の面々を階下に見つけた。
どうやら試合に出る順番を決めていたらしい。
「櫂さん?」
ロアは、チームの輪から少し離れたところにいる櫂に声をかけた。
櫂は、何か気になることがあるのか少し気が立っている様子で、ロアにはそれが気になった。
「……ロアか。何の用だ?」
「いえ、少し休憩に立っただけですが。大丈夫ですか?何だか、いつもよりも……」
その先を言葉にせず、ロアは櫂に心配げな視線を向けた。
さすがに「いつもより雰囲気が刺々しくて怖い」と本人に向かっては言えず、ロアは黙り込む。
そんなロアを見て、櫂はため息をついて意識を切り替える。
「お前が気にすることじゃない」
そのまま、ロアの頭に軽く手を乗せて撫ぜると、チームの方へ歩いていった。
ロアは、櫂が「頭を撫でる」というとても想像できない行動に出たことに驚き、数十秒はそこで固まっていた。
◇◆◇
チーム・フレグランスとの先鋒戦。
アイチはクリティカルトリガーを引き当て、見事勝利した。
しかし、ベンチに戻る途中でふらついて倒れかけてしまった。
その様子を見て、ミサキが「そういえば、前にもこんな事が……」と呟く。
それに反応したのは櫂だった。「いつだ」と鋭く問う。
「雀ヶ森レンのファイトを見たあと、頭が痛いって……」
「レン……!?」
「雀ヶ森、レン……!?」
続くミサキの言葉への反応は2種類あった。
1つは驚きに満ちた声、もう1つは感情を押し殺したように囁き声で発せられたもの。
ロアの声は、誰にも届くことはなかった。
そのため、誰もロアが深く被ったパーカーのフードの下、目を見開いて硬直していたことに気が付かなかった。
◇◆◇
試合は進み、医務室で休むアイチを除いたチーム・Q4のメンバーは決勝に駒を進めた。
しかし、決勝での再戦を約束していたというチーム・男前は、別のチームに敗れてしまった。
チーム・男前をやぶり、決勝に勝ち進んだのはチーム・アヴェンジャーズだ。
チームの中心であろう人物が口を開き、そのニット帽をとる。
そこにいたのは、全国大会で櫂に敗れ、AL4どころかFFを除名された矢作キョウだった。