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とある日の昼下がり。
小さな少女が、母親の言いつけを破り、神社の外で遊んでいました。
この時代は戦争真っ只中の昭和。小さな少女が、安全な神社の外で遊ぶなど以ての外です。
その時、少女がいない事に気づいた姉が、少女を見つけました。
姉は、少女の元に駆け寄ります。
「お母さんに言われたでしょ」と姉は、少女に言い聞かせます。
その瞬間、少女の姉は木の影に誰かが隠れているのを見つけます。
それは、銃を持った人間達でした。
姉は、少女の手を引いて神社に逃げようとしますが、小さな少女と毎日鍛えている軍の男とでは、身体能力に差があります。
少女とその姉は、簡単に捕まえられてしまいます。
姉は、少女を庇って人間達に暴力を受けます。
ふわふわの青い髪を引っ張られ、泣き叫びます。その間にも、人間達の暴力を受けます。
少女は普段強い姉が、人間達にいとも簡単に襲われているのに、驚愕し、そこから1歩も動けません。
神社の中にいて娘達の異変に気づいた母親が、駆け寄ります。
そして、娘達の手を引いて神社の中に逃げようとします。
ですが、急に一方の男に足を掴まれ、転んでしまいます。
その瞬間、母親は一方の男が自分に向かって銃を振りかぶっているのを見てしまいます。
母親の頭の中に、ある考えが思い浮かびます。それは自分の能力……幻術で人間達を石に変えてしまおうと。
母親の青い目は光り、幻術は発動され、計画は成功します。
ですが、母親のその石に変える能力はとても反動の大きいもので、危険そのものでした。
その反動により、母親は娘達の目の前で命を落としてしまいます。
自分の前で、母親が死んでしまうということは、娘達にとっては物凄くトラウマとなって遺ります。
そのトラウマは、自分の心に深く深く突き刺さります。
姉も、残念な事に、その枠に外れませんでした。
姉は、母親が死んだと悟った瞬間、その目からは大粒の涙が流れ始めます。
泣き叫びます。自分がとても非力な存在なのだ、と知ってしまいます。
少女は、目の前で起きたことを全く理解しようとしませんでした。いや、出来なかったのです。
何故なら、能力の熱気に充てられて気を失ってしまったから。
少女は幸せです。母親の残酷な死に際を見なくて済んだのだから。
少女は不幸せです。母親の事を忘れてしまったのだから。
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「おかーさん、私達はずっと一緒だよね!」
「おかーさん、おとーさんは?」
「お母さん、私の妹が生まれたわ!」
「お母さん、大変……飛洋が、風邪みたい!」
「……」
「お母さん……」
「お、かぁ……さん……やだ、逝かないで、逝かないでよぉ……死んじゃやだよ……」
〜とある海神少女の逸話〜