永琳「それでは、海神様vs.ツクヨミ様の模擬戦を始めます。両者、準備は宜しいですね?」
永琳が、対峙している私達に向かって話しかけてくる。
……両者、どちらも手加減は無用と言いたげな目つきをしていますね。私が言えた立場ではありませんが……
ルナ「あぁ、私は構わないが。」
「えぇ、私も準備万端ですよ。」
永琳「それでは。 ̄ ̄ ̄スタートッ!!」
その瞬間、私の視界に入っていた海神様が消えた。……消えた?
ルナ「先行は貰った!!」
気が付くと、私の腹に拳を叩き込もうとしている海神様が見えた。
「ッ!!」
私は、それを間一髪で避ける……が、それだけで見逃してくれる程海神様は甘くないだろう。
ルナ「私のコレを避けるなんて、君は中々の反射神経だな!気に入ったぞ!」
今度は、私の右側頭部に強烈な蹴りを放ってきた。……私も、2度はかかりませんよ?
「私だって、同じ手にはかかりませんよ!!」
私は、咄嗟にしゃがみ、それを避ける。そして、バックステップの要領で海神様との距離を取る。
ルナ「避けているだけじゃつまらないぞ、ツクヨミ!!そっちからも何か、仕掛けてきたらどうなんだ!!」
「えぇ、わかっていますとも!……はッ!」
……さっきまで避けてばっかりで私もそろそろ仕掛けたいと思ってた所だ。海神様がそう仰って下さったので、遠慮無く攻撃が出来る。
「ムーンライト・アイ!」
私は、その月のような色の目を月明かりの如く光らせ、光の様に速く大量の弾幕を放つ。
ルナ「……ほぅ?月明かりの力を借りたか。さすが、月を司る女神だな!」
「いえ、それ程でも……ありませんよッ!!」
……この方は、接近戦が好きなのだろうか?さっきからやたらと体を使った攻撃をしてくる。
そして……ついに。
「かはっ!?」
腹に1発、食らってしまった。
流石、身体能力が龍神のお姉様並にあると言うだけ、重い一撃だった。
「うっ、ぐぅ……!」
海神様は、私の体へと着実に攻撃を入れていく。
この方は、本当に容赦が無い。私も、海神様も容赦は要らないと言っただけ、本気だ。
……いや、海神様は本気では無いのだろう。あの大きな体で、本気で蹴られたらと思うと……いや、想像などしたくない。
ドォン!!!
蹴り飛ばされた私の体が、壁にぶち当たる。
海神様がこちらに向かって歩いてくるのを見つけた。
「うっ、ぐ……ふふ、ふふふ。私は、負けました。さぁ、好きにして下さい。」
両手を広げて壁にもたれかかる私の姿に、海神様はその青い瞳で見つめる。
ルナ「……私は、君に認められたのか?」
「……えぇ。貴方様の実力は、あの白狼妖怪に挑まれるには御十分です。……でもあの時、海神様は全力を出されていなかったのでしょう?私は、全力を尽くして海神様に挑みました。それでも、私では海神様の全力には辿り着けませんでした。」
「全力の限りを尽くしたのにも関わらず、です。この戦いは、戦う前から決着が着いていました。私如きが、海神様に敵う筈がありません。まぁ、何はともあれ、海神様は私に勝ったのです。」
ルナ「……それじゃあ、白狼妖怪に戦いを挑んでも良いって事か?」
海神様が、私に問いかけてくる。……当たり前じゃないですか。貴方は、私に勝ったのですよ?
「えぇ、当たり前じゃないですか。」
私は、満面の笑みでその言葉に返す。
ルナ「そうか……ありがとな。良い戦いだった、また君に挑ませてもらうよ。」ナデナデ
「はっ、はいぃ///ひゃぁん……♪///」
そっ、その笑顔と頭を撫でるのは勘弁して下さいよぉ……貴方は、自覚が無いのかもしれませんが、こっちは大変になってしまうんですからね///
❁❀✿✾
ルナside
私は今、ツクヨミから聞いた白狼妖怪の所へと向かっている。
聞いた話だと、白狼妖怪はとてつもなく危険とのこと。神であるツクヨミさえも、負けてしまうんだとか。……神が妖怪に負けるってどんな状況なんだよ。滅多にないぞ、そんな時。
「……それにしても……白狼妖怪は、何処にいるんだ?ここら辺に出るって聞いたんだが……」
辺りは木、木、木。木だらけで何も無い。確かに、妖怪が好みそうな所だが……
?「あら?見ない顔ね。もしかして、新入りかしら?」
「ッ!?」
後ろから突然に聞こえてきた声に驚く。
?「あら、そんなに驚かなくても。私は、別に危険じゃありませんわよ?」
……振り向くと、そこには"人"が立っていた。人かどうか、今は分からない。
妖力を隠した妖怪かもしれないので、注意は怠らない。
「君は……誰だ」
?「あら、まだ名乗っていなかったわね。私は……」
目の前の白髪が、不気味な笑みを浮かべて、こう言った。
?「……白狼妖怪、八百万 秋葉よ。」ニィ
咄嗟に、私はバックステップの要領で後ろに逃げた。
秋葉「あら、これを避けるだなんて……貴方が初めてよ。中々、やるじゃない?クフフ……」
「そりゃあ、嬉しい事で!!」
秋葉は、私へと殴る、蹴る等を繰り返す。
私は、それを避ける。
秋葉「あらあらあら、避けてばかりじゃつまらないわ!それと、貴方の名前を、教えて下さる?私しか、名乗っていないでしょう?名前は、自分から名乗るものでしょう?」
「そうだな……すまない。私の名前は、海月 ルナという。海を統括する、海神だよ。どうだ?私は、人間じゃないぞ。食べたく無くなったろう?」
自分の名前を名乗ると、秋葉と名乗る白狼妖怪はあら、と言って驚いた。
秋葉「クフフフ、そんな事ないわよ?ますます貴方を食べたくなってきたわ♪海神だなんて、そんな強大な方に会えるだなんて。ルナ、貴方を食べたら、さぞ私の力は強くなるのでしょうね?だから、早く私に食べられて下さる?」
秋葉はそう言うと、爪を私の方へと振り下ろす。
「うぉっと!?危ないなあ、それを食らってたらひとたまりもないぞ!?」
早く食べられてくれだなんて、無理がある。人は誰だって、生きるのを優先する。……まぁ、どっちも人外の類なんだが。
……はぁ、こんな事を繰り返すのももう飽きたな。気絶させて、私の神社へと運ぶか。遊びに付き合うのは嫌じゃないんだが、場所が場所だ。つまり、時と場合によって変わる。
早く、終わらせないと。秋葉にとっても立場が悪くなってしまう……
そう思いながら、私は最高速で秋葉の懐に潜り込む。
秋葉「あら?どこに……かはッ!?」
秋葉の腹をちょっと弱めて"殴る。本気で殴ってしまうと、秋葉の腹から上と下がサヨナラしてしまうだろう。
っていうかそんな経験何度もしてるし、その度に学習はしてる。"闇以外"、本気で殴ってはならないと。
「よっと。……すまないな秋葉、少し我慢してくれ。」
気を失い倒れていく秋葉を抱きかかえ、空を飛び立つ。
ツクヨミに、一言言っておいた方が良かったかな。
……でもまぁ、いいか。また今度、いいに来ればいいか。
……それにしても、秋葉って結構可愛いな。口に生えてる牙や爪を除けば、美少女の類に入るだろう。
身長は、高い方が低い方なのか分からないな。だって、自分の身長が高すぎて最近、分からなくなってきてる気がするんだよねぇ……
結構整ってる顔してる……って、ここ"東方project"の世界だったわ。さっき永琳いたしね。多分、東方の世界だろう。じゃなかったら何の世界なんだよって感じだわ。
幻想郷の住民って、結構顔が整ってるんだよね。……何でだろうね?
とまぁ、色々考え事してる内に私の神社に着きました。
闇「あら……お邪魔してるわ、ルナ。……と、そちらは?」
闇が、先に上がってたみたいだ。
「あぁ……この娘はな、八百万 秋葉っていう白狼妖怪だよ。」
私が、そう言うと闇は「へぇ……」と言いたげな顔をした。
……どこかで、聞いたことがあるのだろうか?闇なら、知ってそうだ。ていうか、闇の知っている範囲内ってどこからどこまでなんだろうか?闇は、龍神。計り知れない量の知識は兼ね備えているはずである。
闇「あら、白狼妖怪……ね。なんか、ツクヨミが言ってたわね。「最近、妖怪の件で疲れてるんですよ!」って。」
はは、そう言えばなんかツクヨミに会った時に言ってたな〜苦笑
でも、秋葉がいなくなった事で確実に白狼妖怪の群れは崩れるはずである。なんたって、秋葉は白狼妖怪のリーダーだけでなく、数名いる大妖怪の中で一番強いとか言ってたな。
他にも鬼子母神がいるとか言っていたが、それでもまだマシだろう。
闇「それで、その娘をどうするの?」
……そう、私の神社に連れてきたはいいがそこからが問題なんだよな。
それならあの時、秋葉を殺せば良かったじゃないかって話になるんだが……生憎、私は現代人である。そんな事は、慣れていないのだ。
「そうだな……ひとまず、ここで暮らさせようと思う。ここで暮らしてけば、人を襲うことも辞めるだろう。」
そんな自信がどこから出てくるのよ、と闇は溜息をつき、秋葉をじっと見た。
闇「それにしてもこの娘……どこかで、見た気が……」
「何か、知っているのか?」
闇「いえ、そんな気がするだけ。貴方は、気にしなくてもいいわ。」
「……そうか。」
秋葉「……んー」
「おっ、起きたか?」
闇「……あら。」
……どうやら、秋葉が起きたみたいだ。
秋葉「此処は……って、あら?貴方は……さっきの。」
秋葉が、こっちを見てその目でギロリと鋭い視線を送ってくる。……地味に、悲しくなる。
秋葉「私は、どうなったの?貴方に……負けたの?……悔しいわ、貴方如きに負けるだなんて。海神の力を、手に入れられる所だったのに。」
秋葉が、なんか悔しそうに目を瞑って手を握っている。……海神の力を、手に入れて何がしたいんだい?君は。
闇「それじゃあ、私はそろそろ帰るわね……って、秋葉まだ悔しがってるじゃないの」
秋葉「当たり前よ!こんなヤツと一緒に暮らさないといけないだなんて!死んでプライドを守った方がまだマシだわ!!」
……ルナさん、ちょっとガックリしてますナウなんで、その言動を辞めて頂いても……って、心の中で思ってたって意味無いや。
闇「……ふふっ。二人共、お幸せにね〜♪」
秋葉「アイツ、今度あったら喰らい尽くしてやるんだからぁ〜!!」
「辞めとけ」
秋葉、すっごい悔しそうなんでやめたげてくださいよ、闇さん。
そんな感じで1日を終える私達だった……
❁❀✿✾
秋葉side
なんで、あんなヤツと一緒に暮らさないといけないのよ!?
アイツの名前は、海月 ルナ。海を統括する、海神……らしい。
私は最初、ルナの事を人間だと思い、甘くみていた。
……その、驚異的な力を見るまでは。
その馬鹿げた神力。龍神をも超える身体能力。……そのどれもが、愛おしく思えた。
……その瞬間から、その力が欲しい。そう思ってしまった。
最初は、ただ喰おうとだけ思っていたのだが。
 ̄ ̄どうやら、私の判断が恐ろしく間違っていたみたいだ。
下手したら殺されていたかもしれないというのに。
……私は、ルナに助けられたのだ。ルナがいなかったら、私は死んでいただろうな。
本当は、あんな奴に感謝なんてしたくないが。……今回ばかりは、仕方ない。
 ̄ ̄どうやら、私はこれから忙しくなりそうだ ̄ ̄
ご静観ありがとうございました。
白狼妖怪、怖いですね。
神にも匹敵する身体能力、そして隠し能力……
そして、ルナの実力。
それでは、次回お楽しみに!アデュー!