私の転生物語 〜海神としての生〜   作:夜刀神 闇

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第5話 生命の証

突然じゃなく、その日はやってくる。

それは、それは ̄ ̄唐突に。

 

 

 

 

 

 

 

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ルナside

 

私は、神社の縁側で寝転がって一人感慨にふけっていた。

 

 ̄ ̄月移住計画の事。

 ̄ ̄秋葉の事。

 ̄ ̄都市に妖怪が攻めて来た時の事。

 

どれも、どう対処するのか分からない。

私も私とて、万能じゃないのである。

 

秋葉「ねぇ、ルナ。何か、手伝う事無い?」

 

 ̄ ̄秋葉か。最近、なんかずっとこんな感じなのである。

共に住んでばかりの頃は、私を嫌っているような感じだったんだが……どういう風の吹き回しだ?

 

「そう……だな。別に、今はないかな……あっ、そうだ。桜花の手伝いをしてきてやってくれ。桜花、最近忙しそうだからな……多分、境内にいると思うぞ?」

秋葉「そう……分かったわ、行ってみるわね。」

 

秋葉は、縁側からそのまま、境内に向かって走っていった。……本当に、なんだったのだろうか。

最近の秋葉は、本当にどこかおかしいのだ。何か、あったのだろうか?……まぁ、いいや。また今度聞くとしよう。

 

 

「誰にも分からない、迷いなど消えない、ゲームの世界ではない……いい歌詞だな、本当に……」

 

私は、前世で好きだった曲を口ずさんでいた。

 

楔、迷路……良い曲ばかりだ。

 

 

 

 

 ̄ ̄この時の私は、後に自分の身に起こる悲劇など知る由も無かった ̄ ̄

 

 

 

 

 

 

sideout

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とある森の中。

とある大きな影が一つの小さな影を見つめていた。

 

「……」

 

大きな狐。それは、それは大きな狐……尻尾は九本、ひと目でその狐が何か分かる様な姿形をしていた。

 

 ̄ ̄九尾の狐。

一度は、聞いた事のある名前であろう。

如何なる妖怪よりも強大な妖力を持ち、金の穂よりも美しい黄金色の体毛、九本の尾を持つ妖獣……

 

その妖獣が、一人の少女を見つめていた。

 

「ほう……我が真の姿を見ても逃げんとは。通常の人間であれば、命乞いをして皆逃げていったぞよ?」

「うん……今も、すこしだけこわいかな。でも、あなたいい狐さんでしょ?わたしが手当てしてる時、私を食べなかったもんね!」

 

そうか……と九尾は言い、少女に話しかけた。

 

「じゃが、其方は人間。其方の様な人間が何故、此の森に?森には、危険な妖怪がいると母上に教わらなかったのか?」

「……わたしね」

 

九尾が問うと、少女が口を開いた。

 

「……お母さんとお父さん、いないんだ。わたしを産んですぐ、死んじゃったんだって。そう村の人たちが言ってたのを聞いちゃったんだ……」

 

「だから、わたしには仲間もいない。忌み子……っていうものらしいんだって。きっと、わたしは村の人たちに捨てられちゃったんだね。だから、わたしは逃げてきたんだ」

「……」

 

 

……九尾は、この話を淡々と話す少女を見つめながら聞いていた。

それはそれはまるで、子を見つめる母親のように……

 

「……なんと、壮絶な話じゃ……物心付く前から、両親がいないとは。さぞ、辛かったじゃろうに。」

 

「人の子よ。其方の名は何と言う?」

「わたしの、名前?そんなものないよ。村の人たちがね、わたしのことずっと忌み子って言ってたから……自分の名前、分からない。」

 

暫くの静寂。九尾は少女を見つめ、考えた。

 

 

 

「そうじゃな……むぅ…………そうじゃ!其方の名は、白狐。」

「……え?」

「じゃから、今日から其方は白狐じゃ!じゃから、其方も今日から白狐と名乗るが良い。白く美しい狐の様になれ。わらわが、其方を家族に迎え入れてやろう!」

 

少女は、あまりにも驚く発言に戸惑っていた。

なんせ、九尾の狐に突然名を与えられたのだから。しかも、家族になるなんて……

でも、少女……白狐は、驚きもあるがそれよりも嬉しさの方が勝っていた。

 

白狐「……いいの?」

「ん、何がじゃ?」

白狐「わたしを、家族に迎えてくれるの?村の人たちに捨てられた、わたしを。」

「……あぁ、その事か。……はぁ、決まってるじゃろ?」

 

九尾は、満面の笑みでこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

「良いに決まってるじゃろ?白狐よ。今日から、わらわの娘と名乗るがいい。」

 

 

 

 

 

 

 

……あまりの発言に、白狐は涙を止めどなく流していた。

白狐「ありがとう、ありがとう……!こんなわたしを、受け入れてくれて……!」

「ハァ、礼を受け取る程の事でもなかろう。」

 

自身の体が、少女の涙等で汚れるも、九尾は何も言わなかった。

自身の体に、白狐が泣きついてくるのをじっと見守っていた。

そんな事等よりも、心の中が人間への怒りの感情で満たされていた。

 

「(何故、人間共はこの様な事が出来るのじゃろうか?こんな可愛う娘を捨てるなど……それにしても、忌み子とは……許せぬな、人間。)」

 

 

 

 

 

 

 

 ̄ ̄この九尾が、後のスキマ妖怪の式の先祖になるなど、この時は誰ひとりとして知る者はいなかった ̄ ̄。

 

 

 

 

 

 

sideout

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 ̄ ̄海の神。一度は聞いた事のある言葉だろう。

海の神。その名の通り、海を統括、司る神の事だ。通称海神と呼ばれる。

 

海神は、初代から次代へと受け継がれ、そして我等人間が生きる平成の時へと受継がれるのだ。

 

海神は、普通の神と違って寿命は短い。長くても百年程度しか、生きられないのだ。

しかし、魂の寿命は長い。よって、歴代の海神が遠い年月を掛けて次代の海神へと転生する場合もありうるのだ。

 

……まぁ、転生の仕事を担っているのが龍神王か龍神なので、その場合は殆どこの者達の仕業である。

海神は、比較的高貴な神であるとされている。

身体能力も他の神より比較的高く、というより初代の身体能力が龍神より上回っているという常識外れな身体能力の為、次代に受け継がれていった海神達の身体能力が他の神よりも、比較的高いという結果になっているのである。

 

……しかし、そんな夢の様な話ばかりではない。

古代の都市にて起こった人妖大戦。初代海神も参加していたと言われるが……それは、真か否か。

古代の時から生きる者しか知らない。だが、その者達は口を揃えてこう言う。「あの惨劇を忘れる者はいない……」と。

古代の時に何か、あったのだろうか。皆はそう思う事しか出来ないが、初代海神の身に何か起こった事は確かであろう。

 

 

 

 

 

 

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ルナside

 

秋葉「はいルナ、お茶よ」

「あぁ……ありがとう。」

 

秋葉がお茶を運んできた。……もはや、妖獣では無くここの巫女かと思ってしまう位、よく働いている。いや、もう巫女に転職したら?って思ってしまう位にね。

 

そんな事は置いといて……私は今、技作りに励んでいる。

「よし……こんなもんでいいかな?いや、もうちょい弾幕の密度を高めた方がいいかな……ま、こんなもんでいいかな。よし、この技の名前を考えなきゃ」

……基、後にスペルカードと呼ばれるものである。

スペルカード自体は、闇が既に作っているのだが……私も、真似てみた結果である。

 

「海符 泡沫の生命」

 

これは、水面に浮かぶ泡の様に消えてゆく生命を模したものである。

儚く消えてゆく生命を思い浮かべれば想像は容易いだろう。

 

「今日は、こんなものでいいかな……」

 

私は、縁側に寝転がった。

今はまだ、お昼時である。

……神社内に吹く風が気持ちいい。

こんな時が、いつまで続くのかな……ずっと、ずっと永遠に続けばいいのにな……

 

そう思っても、非情にも時は流れていく。

戦争も起こるだろう。大きな災害等が起こり、多くの人が亡くなるだろう。

……でも、それも自然の摂理。生命は、それに抗う事は出来ない。そんな事が出来るのは、龍神王と龍神だけ。……私は、ただの海神。海を司るだけの、海の神だ。人によっては、"ただの"とは付かないかもしれないが……

 

しかし、な……私の海神としての生はいつまで続くのかな……

闇が言ってた……海神の寿命は短いと。だから、私もその内寿命で死ぬのだろうなぁ……と思うことしか出来ない。

寿命を延ばす事も出来ない。自分を死なない体躯にするなど……

 

だがしかし……自然は美しい……そして残酷。

人間、妖怪、妖精、神仏、天人、仙人、閻魔……種族など、数え切れない程あるのだ。

人間が妖の類を恐れ、妖怪は人の意を喰らい、閻魔は人の道を選び……

自然に生きる者全てが、自分の仕事を持つ。

 

 

私は、自分に、人の為に何が出来るのだろうか……?

 

 

「っとと、考え事してたら結構時間経っちゃってるな。ったく……私ってどんだけ考え事が好きなんだろうな……」

闇からくれた時計を見てみると、数十分も経っている事に気が付いた。

 

つくづく思う事なのだが、私は考え事が好きだ。これは前世でもそうだったのだが、つい考え事が長くなって時には一時間程経過してた時もある。それが、私の考え事最高時間である。

 

「とまぁ、そんな事言ったって私にはまだ時間があるんだ……その時間を、ゆっくりのんびり過ごそうじゃないか!ん〜、いい天気だ!」

私は、立ち上がり背伸びをする。

今日は、本当にいい天気だ……洗濯物が良く乾きそうだな。

 

そういえば、月移住計画はどうなったんだろうか?妖怪が攻めて来るとかなんとか言ってたが……まぁ、それは都市の人間だけで充分だと思うけど。ヤバくなったら、助けに行くぐらいはしようかな?

 

 

約一ヶ月後に実行される月移住計画。月読命が計画しトップに立ち、八意永琳がロケットを開発。

月に移住。それは至難の業であり、リスクも大きい。それを成し遂げようとする都市の人間は、とても勇気のある者達だ。

 

しかし、その当日に妖怪が攻めて来ると予想されている中……

都市の兵士達は、どの様にして妖怪達を防ぐのだろうか……

月読命は、どの様にして人々を導くのだろうか……

 

その事を、知る者はいない。

だが、人妖大戦で犠牲者を出すとしたら……

 

 

 

……それは、✕✕✕✕✕であろう。

 

 

 

 

 

 

sideout

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 ̄ ̄タイムリミットまで、後一ヶ月。




どうでしたでしょうか……
今回は、少し重いというかシリアスな話でしたね。

時々、ギャグかなんかを入れようと頑張っているんですが…… 
でも、どうしてもどう頑張ってもシリアスな展開になっちゃうんですよね〜。

駄菓子菓子!シリアスな展開の後には、必ずギャグが来る!
ご安心下さい。この月移住計画が終われば結構(多分)ギャグが来ると思います……?
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