天元の花、零の先へ   作:新川翔

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時間がないなぁ(言い訳すな)。
本当に申し訳ありません。
遂にセイレム
来年は直ぐに2部が始まるのかな?


その4

「………………」

 

もしかしたらこの世界は剪定事象なのかもしれない。

そう、思いついた。

今、俺と武蔵ちゃんは今デオンさんとその部下達によって取り調べの様なものを受けている。

1秒が10秒に感じるくらいの緊張の中俺たちは打開策を模索していた。

この時代の日本は鎖国中だ。

それでなぜに日本の人がロンドンに居るのか。

正直言ってどうやっても弁解できない。できる気がしない。

 

だから、そんなことを思いついた時、ニヤリと笑った。

 

確かに、もしここが剪定事象で世界から切り離された世界なら抑止力の力も及ばない…のかもしれない。

元々、どうなっても分岐しない線なのだから、多少ズレがあっても、何もしない。その分のエネルギーは勿体ないということなのだろうか。

 

剪定事象とは、道を外し過ぎた並行世界。と言えば説明がつくだろうか。

編纂事象という史実、歴史のメインルートから大きく外れどんな形であれ完結してしまった世界。

また、剪定事象というのは『何を選択しても変わらない』世界とも言える。

メインルートから外れ過ぎた為、多くの分岐の可能性(この世界は深山繰達によって新たな分岐ができてしまうかもしれないが)が無くなってしまって行き止まりにたどり着いてしまう。

きっとこの世界は大国が独立しなかったり、何かしらの革命が起きなかったり、もしくはもっと恐ろしい事が起きて行き止まってしまうのだろう。

 

ならこの世界に長居する必要もないのではないだろうか。

余りにも短すぎる滞在だったもうこの世界から出ることにしよう。

 

(武蔵ちゃん)

 

(ん?何?)

 

コソコソと武蔵ちゃんに話しかける。

 

(少しここにいる全員と相手してくれる?)

 

(は?何言ってんのいきなり!)

 

急に俺は立ち上がり『手繰る魔眼』は発動しながら空間に指を突っ込む。

が、

 

「グギュグバァッ!」

 

あの時のように空間に指は入らずとんでもない痛みが目に走った。

思わず今まで発したことのない奇妙な奇声を発してしまった。

 

「繰君!?」

 

俺が『どうにかする』みたいな発言をした途端コレなので武蔵ちゃんは拍子抜けしている。

 

俺は某大佐が3分間待った結果崩壊の呪文を言われたみたいに目を抑えている。

あまりの痛さに俺は膝をつきそのままバタン、と倒れてしまった。

 

「え?繰君!?」

 

「誰か彼を看病してやってくれ」

 

最後に心配する武蔵ちゃんの声とデオンさんの声が聞こえた。

 

 

また、夢を見た。

 

また、世界の悲鳴が、世界の歓声が。

 

流石に飽きてきたこの夢は俺に何を訴えているのか。

 

「グッナイ!こんばんは!マーリンお兄さんの夢の世界へ!」

 

そんな中、奴が現れた。景色は何処かの塔の上、その下には地平線まで花畑が広がっている。

 

「はじめまして、かな?それにしてもレム睡眠というか、気絶というか、よく()()で済んだね君は!普通そんなこと《別の世界線への移動》なんて試みて突っ込んだら死んじゃうんだけどね。まぁ、良かったよ」

 

「良くはないでしょう」

 

「ん?生きてるんだからいいでしょ」

 

彼はさっき自身の事を『マーリン』と言った。

マーリンと言ったら、『アーサー王伝説』のマーリンだろう。なんで生きてるんだ?

 

「えっと、マーリンってあのマーリンですか?」

 

「うん、『アーサー王伝説』で有名なお兄さんさ!」

 

正直言って一切信頼できないが、俺を拘束していないところから見て、敵ではないのかもしれない。

俺は魔術回路をフル回転し、すぐに逃げられるように準備する。

いや、この高さから落ちたらどうあがいても死ぬか。

 

「何か用なんですか?」

 

「そう、君に忠告をする為に君を掬い上げたのさ」

 

「掬い上げた?」

 

「うん、言っただろう。君は次元の壁に穴を開けようとした。その結果、中途半端に開けてしまったせいで、魂だけがポイっと肉体から飛び出してここに辿り着いてしまったというわけさ。元々、その魂はその肉体のものではなさそうだしね。でも、大丈夫、魂は無意識の内に戻っていくからね」

 

「本当に大丈夫なんですか?」

 

「そこは保障しよう。で、その間、私とお話ししようか」

 

マーリンと名乗るものは続ける。

 

「私は千里眼ってのを持っていてね。その千里眼で君を見てみた。私の千里眼はね時代の万象全てを把握できてその顛末も知れるものなんだけど。結論から言うと君の顛末は最悪だ。想い人に思いを伝えず別れて、さらに過労ギリギリまで働かされるだなんて残念過ぎる。私はバットエンドってのが大嫌いでね。

見てしまったならしょうがない。君の人生をハッピーエンドで終わらせてあげようと思うんだけどどうだい?」

 

そして怪しげな魔術師は俺に手を差し伸べてきた。

 

「本当か?」

 

正直全くもって信用できない。

 

「もちろん」

 

初対面の人にそんな事を言われて、はい!と頷ける筈もない。

で、彼の言う俺の結末だが、想い人に思いを伝えられず別れるとか悲しすぎるだろ。そして、過労ギリギリまで働かされるって、ただの地獄ですやん。

でも、目の前の奴が怪しすぎて信用できないし、どうすれば、いいのだろうか。

 

「えっと」

 

「早くした方がいいよ。時間ないし」

 

「急かすな!」

 

必死に悩んだ結果、必死に思考した結果、必死に想定した結果、

俺はもう、どうでもよくなった。考えてるものを全てどっかに放り投げた。

どーでも、えーやー。

もうアホに成り果てた。

 

「もう、いいです何もしないでください」

 

「本当にいいのかい?私の言う結末になったとしても」

 

「必死に生きた先がその結末なら、後悔はしません」

 

「そうかい。それじゃあ、頑張ってね!」

 

白い靄が視界を埋める。あれだけ言ってたのに断ったらあっさりしてたな…やっぱ詐欺なんじゃね。

どうやら10分も満たない夢はもう目覚めの時のようだ。

 

「ああ、余計なお世話だけど君の魔眼を強化しておいた。くれぐれもバットエンドになってくれないでくれよ」

 

あとから武蔵ちゃんから聞いたがその時俺は死体が突然目覚めるように起きたという。

 

武蔵ちゃんが俺の頭を撫でながら今の状況などを言う。

因みに強化された俺の魔眼は彼女の次の動きを網膜に刻んでいた。武蔵ちゃんに撫でられたことが嬉しい余り話を聞けない。

だが、それよりもこの強化された魔眼だ。だって世界がブレているのだから。

この眼には映る全てのものの次の動きの影が鮮明に映し出されていて今すぐにでも酔いそうだ。実際今吐き気がしている。

なので、瞼を閉じてみる。

武蔵ちゃんが『ちょっと、聞いてる?』と言っているが一旦無視。

 

 

真っ暗な暗闇はブレる筈もなくとても落ち着く。

 

 

どうやら強化版の『手繰る魔眼』見えればその物体の次の行動を読めるらしい。

そして瞼を開く武蔵ちゃんは『どうしたの?』と俺の目の前で手をプラプラさせているがまだ無視。

それのおかげで新たなことに気付く。強化版の『手繰る魔眼』は瞬きでスイッチを切り替えれるらしい。確かに便利なのだが勝負の最中に瞬きをしてしまってそれが隙となったら弱点となる。

更にこんなチートな能力でデメリット存在しないはずがない。例えば、あと一年以内に死ぬとかそんなレベルのものがあってもおかしくない。おかしくないのにも関わらず、痛みもない。

脳を焼く感覚くらいあるだろう普通は。

そう思って魔術で身体中を検査する。

脳、異常なし、四肢異常なし、心臓、異常なし、肺、異常なし、その他器官、異常なし。細胞レベルで異常がない。

 

 

「おーぉーいーぃー」

 

武蔵ちゃんが俺の体をゆさゆさと揺らしたことでハッと我に帰った。

ブレない武蔵ちゃんの顔がとてつもなく近くにある。

 

「聞いてる?」

 

「……ごめん聞いてなかった」

 

俺は恥ずかしくなってボソッと答えた。

 

「もう、ちゃんと聞いてよね。ここはデオンさんが案内してくれたところで目が覚めたら呼ぶようにって。それにしても、アレどうしてできなかったの?」

 

アレというのは世界線の移動だろうか。

デオンさんと言ったということは名前でも聞いたのだろう。

 

「ごめん、分からない」

 

何か特別な力が働いているのか。それか何かしらの条件があるのかさっぱりだ。

 

「不思議ね…何かやるべきことがあるんじゃない?仏様からの試練?とか?」

 

「かもね。正直言って全くわからん」

 

その時、トントンと扉を叩く音と『失礼します』という言葉が聞こえた。

 

「あ、デオンさんの部下の人ね。ちょっと出てくるわ」

 

そう言って武蔵ちゃんは『はーい』と返事をし扉を開ける。

 

「ミヤマ殿。起きたのですか。今すぐデオン様を呼んできます」

 

そう言って使いの騎士は出て行ったのだが

 

「武蔵ちゃん?なんであの人こんなとこで甲冑姿なの?」




出来るだけ早く投稿できるように頑張ります。
しっかりとデメリットは存在しますので安心してください。戒めの通り、ただのチートなぞしねぇ!
まず……そもそも、ものを見てるだけで軽い吐き気がしてるのでとんでもなく辛いです。
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