もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第104話 「未知なる星、ナメック星!」

「さて、起きたかピッコロさんよ」

 

「む…!」

 

ターレスの宇宙船の中で目を覚ましたピッコロ。ガバッと起き上がって横を見ると、そこには栽培マンたちにやられたブルマがターレスに回収され、寝かされていた。そして少し離れた壁に寄りかかっているのはナッパ。あとはカカロットやウスターたちも彼の方を見ていた。

 

「どういうつもりだ」

 

ピッコロはターレスにそう言った。

 

「どうやら、お前はナッパやベジータ王子と戦ったようだな。お前にふたつ、言いたいことがある。ひとつめ、1年ほど前にラディッツというサイヤ人が来たはずだ。お前は天界とやらに封印してあると言ったな、こちらに引き渡してもらおう。そしてふたつめ…ベジータ王子を追い払えるほどの実力…お前も俺の仲間にならないか?」

 

「なんだと…?お前たちの仲間になるだと、このピッコロ様がか?」

 

「宇宙にはフリーザというそりゃ悪どい野郎がいてな…ソイツがいるんじゃどうも気に食わんのでぶっ殺すことにした。そのために一人でも多くの強い仲間が必要だ」

 

「バカバカしい…この私にはどうでもいいことだ。さぁ早く帰せ」

 

「そうはいかん…お前にはラディッツをこちらへ寄越してもらわねぇとな」

 

「だがずっと思ってたんだが、そのフリーザってのは何処にいるんだ?」

 

ウスターがふとターレスにそう尋ねた。

 

「ヤツが占領した星のどれかにいるだろうが…まぁそれについては問題ない。あっちの軍にも俺と手を組んだ協力者がいる、じきに情報をよこすだろう」

 

その時、ナッパが呟いた。

 

「フリーザはたぶん…ナメック星に向かうと思う」

 

「ナメック星…?」

 

それを聞いたピッコロも反応を示す。

 

「待て…さっきキサマは私を見て『ナメック星人だ』とかぬかしておったな…」

 

「なんだ、テメェ自分が何者かも知らねぇのか?会ったことはねぇが、ナメック星人ってのはモノづくりが上手くてよォ、だからこの星にテメェが作ったドラゴンボールがあるってことは、お前が本来故郷とするはずのナメック星にも似たようなボールがあると思ったのさ。きっとフリーザはオレやベジータとテメェとの会話をスカウターを通じて盗み聞きしてたはずだ。無線通信機の役割もあるし、フリーザは自在に会話に割り込めるからな。そして会話からさっきテメェが言った願いを叶えるドラゴンボールとやらがナメック星にもあることを突き止めているはずだ」

 

そう説明したナッパの言葉を聞いたピッコロが、驚きつつも何故か納得したように落ち着いた表情を見せる。

 

「私が宇宙人だったという事か…」

 

「通りで…神様もアンタも悪人面だったわけね」

 

今まで気を失っていたブルマは頭を押さえつつも目を覚まし、そう言った。

 

「ブルマ…目覚めたのか」

 

「何とかね」

 

融合した神の記憶も思い浮かべることができるようなったピッコロは、確かにいくら魔族とはいえ他の地球人と大きく姿も生態も変わり過ぎていることに納得がいった。遠い昔の記憶は失ってしまっていて存在しないが、たぶんナメック星からここへ移って来たのだろう。

 

「それにしてもナメック星か…俺は聞いたこともないな」

 

ターレスが腕を組んで首をかしげる。

 

「オレもそういう星と種族がいるって聞いてただけで、場所までは…」

 

「私は知っておりますぞ」

 

とその時、パラガスが名乗り出る。

 

「確か、この地球の単位でSU83方位の9045YXでございます」

 

「9045YXですって…?それじゃ世界最高のエンジンを使っても…えっと…最低4000年はかかるわよ…」

 

「だがお嬢さん、この宇宙船は地球で作れるような代物じゃない。フリーザ軍の持つ宇宙船や、そこのナッパくんが乗ってきたポッドだって1か月もあればナメック星まで行けるはずだ」

 

「うそ…そうだったの…」

 

「ちょっと待て、さっきドラゴンボールがどうたらと言っていたが、それは幻想郷に存在する願いを叶えるアイテムだぞ?」

 

とカカロットが発言する。

 

「簡単な事だ、地球のドラゴンボールは私が作った。幻想郷にもボールを作れる者が居たという事だろう。そして、ナメック星にも…」

 

ピッコロがそう返したとき、カカロットはまじまじとピッコロの顔を見る。

 

「…あ!!お前誰かに似てると思ったら!!シュネックだ!間違いない!ここに来るとき、シュネックは自分は遥か昔に地球に流れ着いた異星人だと言っていた…シュネックもナメック星人なら詳しい事が聞けるはずだ!」

 

「な、なに…シュネック…」

 

ピッコロはその名前を聞いても、その人物の顔や姿は思い出せなかった。しかし、その名前を聞くとなにか自分の中で妙な懐かしさを感じていた。

 

「一度幻想郷へ戻ってシュネックに聞かねぇと…本当にナメック星にもドラゴンボールが存在するのか」

 

「幻想郷…幻想郷…そうか、思い出したぞ。天界には地球に存在する数々の異界への入り口が有るのだが、先代の神から幻想郷への入り口も教えてもらっていた。天界であのサイヤ人を渡すときに行ってみるがいい」

 

 

ピッコロとブルマ、そしてナッパを加えた一行はピッコロの指示のもと天界へ辿りついた。普段はジェット機などでそこまで上がろうとしても防衛機能が働き、雷によって頂上へは行けない仕様になっているのだが、それは神、つまりピッコロの意志で自由に停止できるようだった。

 

「ラディッツはこっちだ」

 

「神様…いや、ピッコロ…よく帰って来た」

 

ピッコロたちをミスター・ポポが出迎えた。かなり心配していた様子で、神と同化したピッコロの元へ歩いてくる。

 

「うむ。だが今はまだ忙しい…詳しい話は後だ」

 

ピッコロはターレスを連れて神殿の奥へと進んでいく。ポポはフラフラと宇宙船から降りてきたブルマを見て尋ねる。

 

「ピッコロ、サイヤ人に勝ったのか?今の後ろにいた奴、サイヤ人か?」

 

「ええ、話せば長くなるんだけどね…」

 

 

ピッコロとターレスは神殿にあるとある一室へとたどり着いた。不思議な水の張った壺や観葉植物が置かれている以外は何の変哲もないただの空間だ。その壺の間にひとつの小瓶が置かれていた。瓶には「大魔王封じ」と書かれていて、光り輝く鎖で縛られている。

 

「この中にラディッツはいる…当時の私の実力ではヤツを倒せなかったので封印させてもらった」

 

「ほう…」

 

ピッコロは鎖を千切って小瓶を手に取り、フタを開ける。ポンッと気味の良い音を立てて空気が抜け出し、同時に緑色の淀んだ煙が立ち込めてくる。今のピッコロ、そしてターレスの実力ならば、ラディッツが途端に暴れたとしても何てことはないだろう。

気が付けば、その煙の中にあのラディッツが立ち尽くしていた。自分が外に出られたことを信じられないとでも言うように目をぱちくりさせ、両手を開いたり握ったりしている。

 

「俺は…出られたのか?」

 

「そうだ。私が封印を解いた」

 

「キサマは…!」

 

ピッコロがそう言うと、ラディッツはそちらに振り向く。その時、同時に視界に入ったターレスを見てひどく驚いたように声を上げる。

 

「な…ターレスまで!お前は死んだはずじゃなかったのか!?」

 

「よう、ラディッツ。お前には俺の仲間に入ってもらう。すでにカカロットやナッパも加わっている」

 

「なん…カカロットが…!?」

 

「実は、俺たちでフリーザの野郎を倒そうと思ってな…」

 

ターレスはラディッツに惑星ベジータが消えた経緯やその他もろもろの情報をラディッツに明かした。幻想郷という地で弟が暮らしていたことも話した。

 

「し、知らなかった…通りでナッパとベジータのやつ、たまに妙な事を話していたわけだぜ…。い、いいだろう…サイヤ人がそこまで揃っているなら勝機はあるはずだ…俺達サイヤ人をそんな目に遭わせたフリーザ様…いや、フリーザなど生かしておけんな」

 

「決まりだな」

 

ラディッツもターレスらの仲間に加わった。

 

「…ところで、カカロットはどこだ?一目姿を見たいぞ」

 

 

一方、ピッコロに天界から幻想郷へ通じる部屋の入り口を教えてもらったカカロットは、その入り口を通じて幻想郷へいったん戻ることにした。

ちょうど入り口を通った先は天人たちが住む天界で、シュネックが普段暮らしている御殿のすぐ近くだった。

 

「カカロット!?お主、何処から来た?昼間に出ていったばかりではないか?」

 

「おう、そうなんだが、実はアンタに聞きてぇことができたもんだから外の世界の神殿って場所から来た。シュネックはさっき自分は異星人だって言ってたな?もしかして、そこは”ナメック星”か?」

 

「!!?」

 

シュネックは驚愕の表情を見せる。

 

「な、何故それを…!」

 

「実は外の世界にアンタそっくりなヤツがいてよ、詳しく聞いてみたらどうやらそいつはナメック星ってとこから来たらしいんだ。それで、教えてやったフリーザはもしかしたらナメック星にもドラゴンボールが有るんじゃないかと踏んでそっちに行くかもしれないんだが…本当にナメック星にもドラゴンボールがあるのか?」

 

「…ある。是非私もそのナメック星人に会わせてくれ…もしかすれば…」

 

 

ピッコロとシュネック、カカロットとラディッツ…今、ふたつの兄弟が運命の邂逅を果たそうとしているのだった。

 

 

 

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