もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第109話 「ついに到着!ナメック星!」

ナメック星へと向かう、ピッコロや美鈴たち一向。彼らはターレス達よりも6日ほど早く旅立っており、既にナメック星は目前へと迫っていた。

また、ナメック星で隠密行動をするために必要な気のコントロール技術の無いターレス軍団のメンバーたちのために、天龍はそれの指導を行っていた。

 

「まさかもう気のコントロールをマスターしてしまうとは…。特にダイーズさんが一番上手い」

 

すでに気のコントロールを極めつつあるターレス軍団たち。戦闘力の上げ下げはもちろんのこと、完全にとはいかなくとも気を消すこともできる。その中でも特に目覚ましいのはダイーズで、誰よりも早くマスターしてしまったようだ。

 

「当然だ」

 

ダイーズは自慢げにそう言った。

 

「それはお前がもとから高い戦闘力を持っていたからでっせい」

 

「…君らはなんでターレスの仲間になったんだ?」

 

天龍は思い切ってそう聞いた。

 

「俺はもとはカボーチャ星プキンパ王朝の王子で、ターレス様と対立していたが実力を見込まれて仲間になった。俺には堅苦しい王とやらよりもこういう生活の方が性に合ってたらしい。アモンドはナッツ星に収容された凶悪犯罪者だったがターレス様がナッツ星を襲撃した騒ぎに乗じて脱獄し仲間に加わった。このカカオはイコンダ星における星間戦争で造られたサイボーグだ。戦争が終わると賞金稼ぎとして宇宙を渡っていたがターレス様と出会った。レズンとラカセイは古代ビーンズ人という大昔の種族だったが、ある星でミイラ化しているのをターレス様が復活させたのだ」

 

「そうなんですね」

 

「ところで、お前の連れの女はずっとあんな調子だな?」

 

「連れの女?ああ、美鈴さんの事…」

 

天龍はダイーズが顎で指した先にひとりでいる美鈴を見た。美鈴はきびしい形相をしながら単独で修行に励んでいる。

天龍はこの宇宙船で地球を発った初日の事を思い出す。

 

 

…───

 

ピッコロが宇宙船を操縦していると、その横で美鈴がじっとピッコロを睨んでいた。ピッコロはしばらくそれを無視していたが、やがて振り向いて口を開いた。

 

「何か用か?」

 

「昨日まではあえて言わなかったけど…私の事を覚えていますか?」

 

美鈴はそう言うとするどい目つきでピッコロを睨みつける。

 

「…紅美鈴…武泰斗の弟子のひとりか。亀、鶴…そして龍の美鈴はピッコロ大魔王を倒した後、それぞれが別の道を歩んだ」

 

「…!」

 

「私が覚えていたのではない…私と融合した地球の神の記憶を見たのだ」

 

「ええ、ナッパさんと…ベジータさんという方を倒すために神と同化したと…」

 

「神は私と関わったお前の事を天界から見ていたのだろう。だが、私自身はお前を覚えてなどおらんかった」

 

そう言った瞬間、美鈴は怒りに任せてピッコロの顔面に素早く殴りかかった。しかし、全身の気を込めた一撃であったが、ピッコロは目すらも合わせず片手だけで攻撃を掴んだ。

突然始まろうとした争いに反応し、ターレス軍団の面々が黙ってそれに目を向ける。

 

「ぐっ…!」

 

美鈴はもう片方の手の平をピッコロの顔へ向け、そこへ気を溜め始める。

 

「やめておけ。ここで戦えば宇宙船に被害が出るぞ」

 

「そんなこと…わかってる…!」

 

「なら手の力を抜いて離れろ」

 

美鈴は悔しそうな顔を浮かべ、手の力を抜き、溜めた気を解く。するとピッコロも手を放し、美鈴は睨みつけながら後ろへ下がった。

 

「私は許せない…何故師匠を殺し、殺戮を繰り返したお前が今もこうして生きているのか…!」

 

美鈴は今度こそ誰にも負けないように己の武術を極め続けてきた。その中でもとりわけピッコロ大魔王に対する負けん気は強かっただろう。当然、仇を目にした今、その怒りを抑えることができなかった。

 

「私にも不思議でならない。このピッコロ大魔王様を殺したいのならばそれで構わん…だが今はそんな事をしている場合ではないはずだろうということがわからんか?」

 

「くっ…!」

 

 

 

 

 

「ハッキリ言って、今の美鈴さんとピッコロとでは力量の差は歴然だ。全てが終わった後の戦いの為に、少しでもそれを埋めておきたいんだろう」

 

天龍は小さな声でそう言った。

 

「まもなく目的地のナメック星へ到着する。降りる準備をしておけよ」

 

ピッコロが全員にそう呼びかけた。やがて宇宙船は急降下を初め、適正する地形へ向けて着陸を始める。

一瞬だけドンと強い衝撃が響いたが、何事もなく到着できたようだ。ピッコロたちは宇宙船を降り、新たなる戦いの地、ナメック星の大地を踏みしめた。全員が気配を消し、万が一の探索を逃れている。

 

「ここが…ナメック星…」

 

ピッコロは意識しないままひとりでにそう呟く。ここに来た覚えや記憶はないが、何か懐かしい雰囲気を感じていた。

淡い青緑色の草原に、大きな湖、頂上部に葉の密集した形の木…。そして緑色の空はやはり地球とは異なっていた。

 

「それで、これからどうするんだ?」

 

「まずナメック星人を探して話を付けなければ。スカウターはもちろんあるが、ナメック星人の気を探るには俺たちの新たな技術の出番ってわけだな」

 

ダイーズが自信あり気ににやりと笑いながら言った。

 

「ああ…向こうに大きめの気が集中しているな。普通の気はナメック星人で間違いないだろうが、邪悪な気はおそらく敵だ…もうフリーザ軍はこの星に来ていやがったのか」

 

キーン…

 

その時だった。耳を突くような音と共に、空を小型宇宙ポッドが通り過ぎていった。

 

「あれは誰だ?」

 

「…サイヤ人…ベジータか…」

 

ピッコロはそのポッドに乗っているのが、地球で戦ったあのベジータだと気付く。こんな短期間であれほどの怪我が治ったとは驚きだ。

 

「ベジータだと?そりゃ好都合じゃねぇか、さっそく会ってターレス様の仲間に誘おうぜ」

 

レズンがそう言った。

 

「いや、あのベジータは噂通りの性格なら得体のしれない俺たちの言い分を素直に聞くとは思えないでっせい。ターレス様が来るまで奴との接触は控えた方がいいかもしれない」

 

キーン…

 

すると、また空を別の宇宙ポッドが通り過ぎていった。しかも今度はピッコロたちとほど近い場所に着陸したようだ。

 

「今度は誰だ…?」

 

天龍が固唾を呑んで見ていると、ポッドの激突でできたクレーターの端から現れたのは、紫色の肌で触角を生やした異星人だった。そう、キュイである。

 

「お前は…情報屋のキュイ?」

 

「ちょうどいいとこに居やがったな。なぁに、お前らから情報料をもらおうと思ってな…ターレスはいないのか?」

 

「ちっ、現金な野郎だぜ…今の俺たちが金を持ってるとでも思うのか?」

 

「まぁいい。それより、フリーザはこのナメック星の何でも願いの叶うドラゴンボールを狙ってるらしい。不老不死を手に入れるんだってよ」

 

「フリーザの願いは不老不死だったか…そんな事になったら手に負えなくなるぞ」

 

フリーザがドラゴンボールを求めてナメック星に来ることは突き止めていたが、まさかそんな願いを叶えようとしているとは…。ただでさえ絶大な戦闘力を持つフリーザが不老不死になってしまえば、永遠に宇宙は彼に支配され続けるだろう。

 

「そこでだ、先に俺たちでボールを集めちまえばフリーザは願いを叶えられないってわけよ」

 

 

 

 

 

一方そのころ、同じくナメック星のどこか。美鈴たちが乗って来た宇宙船とどこか似たデザインの家が立ち並んでいる村があった。ここはナメック星人の村で、争いごとを好まず温厚なナメック星人たちはこういった点在する村で平和に暮らしていた。

しかし、この村は既に惨劇に見舞われていた。地面に白目を向いて絶命した年寄りのナメック星人が倒れ込んでおり、戦闘服を着た異星人たちが闊歩していた。

 

「ありました、フリーザさま」

 

ある異星人兵士が家の中から持ち出してきたのは、赤い星マークの埋め込まれたオレンジ色の半透明な球…まさしくドラゴンボールであった。しかし、地球や幻想郷のそれと比べて一回りも二回りも大きく、サッカーボールほどのサイズがある。

 

「おうよしよし、これであと3つになりましたね」

 

宙に浮かぶポッドに搭乗した小柄な人物が丁寧な口調でそう言った。両側から短い角の生えた頭、ピンクと白色を基調とした肌の色、そして他の兵士と同じく戦闘服の様なジャケットを着用しており、背部から伸びる尻尾が搭乗ポッドから垂れている。

そう、この者こそターレスが目の敵にし、かつて惑星ベジータごとサイヤ人を滅ぼした宇宙の帝王、フリーザである。

 

「たいせつに持ってなさいドドリアさん。ベジータが狙っているらしいですからね」

 

フリーザの後ろに控えていた二人の側近のうち、棘の生えた頭をした太った方、ドドリアにそう命令した。ドドリアは地面に置いてあったボールを拾ってわきに抱えた。

 

「は!」

 

「フリーザ様、たった今ベジータを追ってキュイが到着したようです」

 

側近のもう片方、薄い緑色の肌、長髪を後ろで束ねた顔の整った男、ザーボンがそう報告した。

 

「やはり先ほど現れた複数の大きなパワーの反応は突然消えたままです。反応のあった地点を探させておりますのでまもなく正体が掴めるでしょう…」

 

「まあ、問題は私に逆らったベジータの始末ですけどね」

 

「キュイがそのまま始末に向かうでしょう。もともとあのふたりは嫌い合っておりましたので…。実力はほぼ互角の筈ですからベジータもただではすまないでしょう…」

 

 

今、帝王フリーザとの戦いの火蓋がそっと切られようとしていた…。

 

 

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