もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第110話 「急襲!ベジータとのバトル開幕!!」

「キュイの野郎め、やつもドラゴンボールを狙っていやがるとはな…しかも仲間が居やがったか」

 

キュイよりも少し前に到着していたベジータは、離れた場所の崖の上から予備としてポッド内に常備してあるスカウターを使ってキュイの会話を盗み聞きしていた。

 

「よし…いずれ俺の邪魔になるはずだ…始末するか」

 

ベジータはそう言うと、崖の上から高速で飛び立った。

 

 

 

「む…誰か来ます!」

 

その時、美鈴が近づいてくる悪の気の反応を敏感に感じ取った。

 

「この感じは…ナメック星人とやらじゃないようですね…キュイさんと似た雰囲気です」

 

「この辺だぜ」

 

「む、なんだありゃ!」

 

湖の細くなっているところの対岸にある岩陰から姿を現したのは、白く長い髪と髭を蓄えていて角の生えた男と、まるで骸骨のように見えるような顔をした男だった。どちらもキュイと同様に戦闘服を着用しており、フリーザ軍の兵士であるとすぐに気付いた。

 

「フリーザ軍か…!」

 

天龍がそう呟く。

 

「あれは…キュイ様だ!」

 

「本当だ、キュイ様!どうやらキュイ様とわが軍の兵士たちがナメック星人と怪しい異星人を捕まえたみてぇだな」

 

兵士二人は、上司に各当するキュイと、一緒にいたアモンド達を見てそう言った。アモンドらに関しては、同じく戦闘服を着ていたので仲間だと思ったのも無理はない。

キュイは、どうする…?と言ったように仲間たちをチラリと見た。ダイーズが首を横に振ると、キュイはにやりと笑いながら腕を向けた。

 

「へ?キュイ様…」

 

「悪いが俺はたった今フリーザ軍を抜けた。よってお前たちをここから生きて帰すわけにはいかん」

 

「なっ…!」

 

直後、キュイの放ったエネルギー弾がヒゲの兵士に直撃した。兵士は爆発で粉々に吹き飛び、残った骸骨顔の兵士は驚いたような怒ったような顔になり、左腕にはめていたビームガンの装置を構えた。

 

「裏切者めっ!くらえ!」

 

そして兵士はビーム光線を放ち、キュイを狙った。だがキュイはそれを躱し、空を飛びながら兵士の元へ迫る。兵士は無茶苦茶に光線を撃ちまくり、なんとそのうちの一発がピッコロの顔面に命中した。

怒りで血が上ったピッコロが敵に向かっていくキュイよりも先に、目から放った念力によって兵士を爆散させた。

 

 

 

 

ピ…

 

「む…」

 

その時、フリーザと行動を共にしていたザーボンのスカウターがわずかな反応を察知した。

 

「どうしました?ザーボンさん」

 

フリーザがそう尋ねる。

 

「はいフリーザ様、先ほどの偵察にやらせた件ですが…どうやらただ者ではないようです。また戦闘力が一瞬上昇し、偵察の二人を倒した後再び消えました」

 

「ほう、それは妙ですね…ベジータでもなさそうですし」

 

「はい、ベジータとは反応が違います。ナメック星人と似ているようですが異質で、しかも現在その付近にはキュイがおります」

 

「キュイさんが?それまたさらに妙ですね…もしかしたらキュイさんが偵察隊と共に行動していたのかもしれませんし…ですがそれではベジータの始末に向かったはずのキュイさんの動向に疑問を感じますね。ところで戦闘力はいくつでしたか?」

 

「2000ほどです」

 

「2000ですか…大したことは無さそうですが態度が良くありませんね…今度見つけたら殺してしまいなさい」

 

 

 

 

「何か来る…この反応は…ベジータか?」

 

偵察兵を倒し、安心したのもつかの間、キュイのスカウターがベジータの接近を示した。

 

「ベジータだと?」

 

ピッコロは少し驚きながらそう言い、組んでいた腕を解いて少し警戒した。

 

「まぁ安心しろ…どうやら今日のベジータは調子が悪いらしい。いつもは俺と互角だが、俺よりも弱くなっている…やって来たとしても俺たちでなら返り討ちに出来るはずだ」

 

次の瞬間、オーラを纏いながら飛行してきたベジータの姿が見えた。

ピッコロたちは急いで宇宙船の影に隠れ、様子を伺う。やがてベジータは地面に降り立ち、キュイの方を見た。

 

「ようベジータ。奇遇だな…実は話があったんだ。聞いていけや」

 

「俺もお前に話したいことがあってな…まずはお前の方から聞こうじゃないか」

 

「フリーザを裏切らねぇか?実は秘密裏にフリーザを倒すための組織が出来ていて、俺はその一員になった。お前もフリーザの事は気に入らなかったはずだろ?」

 

「なるほど…キサマがドラゴンボールを集めようとしているのはフリーザの野望を阻止するためだったか…」

 

気を消している美鈴たちがごくりと生唾を飲んで見守る。

 

「だが残念だったな…お前レベルの奴がいくら集まったところでフリーザに勝てるものか!それにキサマにドラゴンボールを集められるとオレが困るんだからな」

 

「そうかい…じゃあ力づくでって訳かい。へっへっへ…やっとライバル同士決着をつける時が来たようだな。お前は腕を落としたようだな…そんな戦闘力じゃ俺に勝てないぜ」

 

キュイはベジータの戦闘力を測定しながらそう言った。

 

「ライバル同士だと?笑わせやがる。じゃあいいものを見せてやろう、このオレが地球に行ったときに面白いものを学んだ…」

 

「けっ!逃げ足の速さをか?」

 

「戦闘力のコントロールをだ!!」

 

自信あり気にそう言ったベジータの周囲にオーラが立ち込め、その額に血管が浮かぶ。

 

「なんだと…?」

 

「そのスカウターでオレの数値をよく見てみやがれ」

 

数値をはじき出したキュイの表情が驚愕に歪む。

 

「馬鹿な…!もともと俺とお前は互角だったはず…!!」

 

「マヌケめ!このオレは絶えず実戦を繰り返していたんだ!地球じゃ死にかけたほどの戦いだった!フリーザのところでぬくぬくとしていたキサマといつまでも互角だと思うか!?…かああああああ…!!!」

 

「19000…20000…!21000…22000…!!?」

 

しかし、キュイのスカウターは22000と測定した辺りで壊れて爆発してしまう。しかし、それでもキュイの戦意を喪失させるには十分だった。

 

「ひ、ひいい…!」

 

 

 

 

ボンッ

 

「!?」

 

同じく、ザーボンの使っていたスカウターも突然爆発を起こしてしまう。

 

「ん?どうしたザーボン」

 

ドドリアが振り返ってそう言った。

 

「故障だとは思うが…ベジータにセットしたスカウターの数値が22000を超えたあたりで…」

 

「にっ、22000だと!?そりゃホントに故障だぜ、おまえのスカウターは旧型だからな。新型の俺ので正しい数値を調べてやる」

 

そう言いながらスカウターを起動させるドドリア。ザーボンと同様にベジータを対象にセットし戦闘力を計るが、その結果に驚きの表情を浮かべる。

 

「数値は…?」

 

「そんなばかな!俺のも故障か?に…24000にまで上がっている…!!」

 

「24000…?我々の戦闘力を上回るというのですか…!?」

 

「ま、まさか…!ヤツは18000がやっとだったはずだぜ…!」

 

話を聞いていたフリーザ。

 

「おどろくことはないでしょう。ベジータは絶えず最前線で戦ってきたわけですしね。地球ででも何かのコツを掴んだのでしょう。しかしたかが24000です。あなたたちふたりで戦えば十分に勝てる数値じゃありませんか…ふふふ…」

 

ザーボンとドドリアを上回るというベジータの数値を聞いても特におどろく様子もないフリーザからは、彼が想像もつかない程の戦闘力を持っているのではということを示しているに他ならなかった。

 

 

 

 

「まぁ待てよベジータ…!そんな高い戦闘力を持ってるなら、なおさら俺たちの仲間にならねぇか?」

 

「そんなでまかせ言いやがって…とことんムカつくヤロウだぜ…!」

 

「嘘じゃねぇって…!ターレスが宇宙中から強い仲間を集めてんだ…フリーザを倒すためにな!」

 

「ターレス…?くくくっ、はーっはっはっは!こいつは面白いぜ、ターレスは20年も昔に死んでるさ」

 

ベジータはキュイに素早く接近し、腕を振り上げた。キュイはそれに反応できず、遅れてベジータを見上げた。

 

「あとで地獄に行くフリーザにそのことを言ってやったらどうだ?キュイさんよ」

 

振り下ろした腕が命中し、キュイは地面に叩きつけられる。上空に舞い上がったベジータは人差し指と中指をキュイに向け、強烈なエネルギーを衝撃波として放ち、キュイの肉体を爆散させた。

その攻撃の余波が宇宙船にまで及び、宇宙船は倒れ込むとバチバチと電気を放ちながら壊れてしまう。

 

「ふん…こんなものか…。ん?ほほう、どうやらキュイが会話していた仲間はキサマたちのようだな」

 

「くっ…」

 

隠れ場を失ったダイーズたちはやむを得ずベジータの前に姿を現す。そしてベジータはその中に混じっていたピッコロを発見した。

 

「お前はあの時のナメック星人だな?まさか来ていたとはな…丁度良かったぜ、今のオレ様のパワーで今度こそ殺してやる!」

 

ベジータは全身にオーラを纏い、ピッコロに向けてそう言い放つ。

 

「ど、どうするんだ…?俺たちじゃヤツには敵わん…!」

 

ダイーズがそう弱音を吐く。

 

「だがここで戦わねば間違いなく殺される…!もはやあんなのは仲間になどしなくても良い!!」

 

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