もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第111話 「絶望!恐ろしきベジータ!」

「だがここで戦わねば間違いなく殺される…!もはやあんなのは仲間になどしなくても良い!!」

 

ピッコロはそう言うと、ベジータに対して格闘の構えを取る。

 

「この顔の火傷はお前にやられたんだ…。はあああああ…!!死んでしまえぃ!!」

 

ベジータはピッコロへ突撃し、パンチを放つ。ピッコロは両腕をクロスさせてそれを受けるが、足がズルズルと柔らかい地面の上を滑っていく。

やがて両者は浮かび上がり、ピッコロはベジータをはるかに上回る巨躯から強烈な蹴りを放つ。

 

「!?」

 

しかし、すでにそこにはベジータは居らず、ピッコロの攻撃は空を突いた。気配を感じて後ろを振り向いた時には、既にベジータが右腕にエネルギーを溜め乍らこちらに向かっていた。

 

「戦闘力が上がったという事はスピードも上がったという事だ!」

 

「くっ!」

 

ピッコロは両腕から連続でエネルギー弾を放ち、それが次々と命中する。地面がボコボコに抉れるほどの威力で、ピッコロの額に血管が浮かんでおり息を切らしている様子から相当本気で撃ちこんだに違いない。

 

「これを喰らってはひとたまりもあるまい…!」

 

「どこを狙ってやがんだ?」

 

頭上からベジータの声が聞こえ、驚いて上を向くピッコロ。そこではベジータが両腕を横に引き、手の平に紫色の気を充てんさせていた。

 

「サイヤ人は戦闘種族だ!なめるなよ─ッ!!」

 

そして、ベジータは近距離からのギャリック砲を放った。ピッコロは両腕を上へ向けて防ごうとするが、圧倒的すぎるギャリック砲の火力はその両腕を吹っ飛ばし、ピッコロに直撃し絶大なダメージを与えた。

 

「ぐあああああああ…あああ…!!」

 

ピッコロは衝撃に巻き込まれ、吹っ飛ぶと地面に激突する。開いた口からは血を流し、白目をむいてしまっていてピクリとも動かない。

 

「ぴ、ピッコロが…!」

 

美鈴が驚愕し、わなわなと肩を震わせる。

 

「…死んだか。さて、次は貴様らだ」

 

「くそっ!やるしかない、いくぞ!!」

 

全員はいっせいに気を解放し、自分の最大の戦闘力をもってベジータとぶつかり合う。余裕の笑みを崩さないベジータは、最初に向かって来たアモンドと格闘戦を繰り広げる。だがその全ての攻撃をかわし、顔面を蹴りつけた。吹っ飛ぶアモンドの背後からカカオがロケットを噴射し猛スピードで向かってくるが、ベジータは片腕でそれを受け止める。

 

「ンダ!?」

 

「まずはテメェからだ」

 

カカオの頭頂部を掴んだままアッパーを繰り出し、カカオの胴体を拳で貫いた!

 

「ダ…!!」

 

貫かれた穴の部分から電気が漏れ出し、カカオの目が真っ黒になり、機能を停止して動かなくなる。ベジータは死んでしまったカカオを捨て、両サイドから迫っていたレズンとラカセイとぶつかり合う。

 

「「うおおおおお!!」」

 

さらに復帰したアモンドと、ダイーズも加わり、4人での猛攻を仕掛けた。

 

「へっ、その程度のパワーじゃ今のオレの相手になどならん!ちゃああああ!!」

 

しかし、ベジータは全身から球状の衝撃波を放ち、全員を吹っ飛ばす。だがその攻撃後の油断のスキを待っていたかのように、美鈴と天龍が攻撃を構えていた。

 

「『華光玉』!!」

 

「『豹牙螺旋弾』!!」

 

七色に輝く気功波が捻じれながら迫り、回転する青い気弾がベジータに襲い掛かった。だがベジータはその場から素早く消えると、背後から美鈴と天龍を殴ろうと拳を振り上げる。が、後ろからアモンドがその巨体を生かして羽交い絞めをし、動きを押さえる。

 

「チッ、邪魔だ!」

 

ドスッ

 

「うぐあッ…!!」

 

ベジータの強烈な肘打ちがアモンドの鳩尾にめり込み、痛みと苦しみに思わず前のめりに倒れ込む。そして、ベジータはアモンドへ腕を向け、強烈な気功波を撃ちこんだ。

 

カッ…

 

大きな爆発が発生し、それが収まった時には、すでにアモンドは息絶えていた…。

 

「ア、アモンド…!!くそ、このやらァ~!!」

 

ズタボロになったアモンドの亡骸を見たダイーズは怒り狂い、ベジータへ殴りかかる。

 

「おっと」

 

だがベジータは全てのダイーズの攻撃を避け、顔面に強烈なカウンターを繰り出した。ダイーズは後ろへ下がり、鼻を押さえる。

 

「悪い悪い、殴ってほしそうに近づいてくるからよ」

 

「く、クソ…!喰らいやがれ、『メテオボール』!!」

 

ダイーズは右腕に赤いエネルギー弾を作り出し、それをベジータへ向けて投げつけた。

 

「ふん」

 

それを簡単にはじき返すベジータ。すると、それにより発生した煙の奥から美鈴と天龍が迫って来て攻撃を仕掛けた。

…が、ベジータはそれが読めていたかのように腕で軽く防ぎ、強力なパンチをふたりの顔面に浴びせた。

 

「ごふ…!」

 

「あが…!」

 

ふたりは口から血を流しながら気を失い、地面へ転がるように倒れ込む。

 

「もう終わりか?もっとオレを楽しませてくれよ」

 

その時だった。レズンとラカセイのふたりが素早くベジータに近寄り、その背中と腰にぴったりと貼りついた。驚いたベジータは引き剥がそうとするが、ふたりはそう簡単には動かなかった。

 

「この…はなしやがれ!」

 

「へっへっへ…残念ながらそうはいかねぇってもんよ!」

 

「おいダイーズ!」

 

ラカセイはダイーズにそう呼びかける。

 

「ターレス様が来るまでお前らだけは死んじゃあいけねぇ!このベジータと俺たちのことは諦めてさっさと逃げるんだな!!」

 

「…そうか…」

 

「「だあああああああ…!!」」

 

レズンとラカセイのふたりは、全身から気を放出し、自爆した。あたりを強烈な閃光が包み込み、炎と煙が吹きすさぶ。

このスキに、ダイーズはまだ息のある天龍と美鈴をかつぐと気を消し、走り去っていく。気を消した状態では、飛行することができないためだ。

 

「くっ、小賢しい真似しやがって…!」

 

爆発が収まると、そこには戦闘服は破損してしまったがほとんどダメージを受けていないベジータの姿があった。ベジータはあたりを見渡し、横たわっているピッコロ、カカオ、アモンドが死んでいること、そしてレズンとラカセイが自爆で跡形もなく消え去った事…そしておそらくダイーズと美鈴たちが逃げた事を理解した。

 

「…身の程知らず共が…逃げた奴は今はどうでもいいか…。それよりフリーザたちのスカウターでオレの行動は筒抜けだ…うかつに近づいてもザーボンやドドリアはともかく、フリーザにはさすがに勝てん。スカウターから聞こえたフリーザたちの通信によればドラゴンボールは7個集めんと効果が無いらしい…よし、オレはひとつだけ探し出しておこう。やつらが残りの6個をそろえた時点で隙を見て奪う。うまくいってすべてそろえばオレに永遠の命が手に入る…そうなればフリーザを倒すのも夢じゃない…!やつさえ消えれば俺がナンバーワンだ!全宇宙はサイヤ人のベジータ様が支配してやる!!」

 

 

 

 

「ベ…ベジータの24000てえ数値は本物だぜ…あっさりとキュイのやつを殺って…続いて現れた8000から18000程度の奴らを何人も相手に殺しやがった…」

 

ドドリアはスカウターを覗きながら驚いている。

 

「どうってことないでしょう」

 

しかし、フリーザは何ともないようにそう言い放つ。

 

「さあさ、5つ目のドラゴンボールを探しますよ」

 

「あちらの方角に10匹ほどの反応が」

 

「わかりました。持っているといいですね、ドラゴンボール…。一応油断はしないでくださいね、他にも妙なのがいるかもしれませんので」

 

 

 

 

「ハア…ハア…!!」

 

ダイーズは美鈴と天龍を担ぎながら純粋な走りだけでかなり遠くまで移動してきた。しかし、途中で息を切らし、ふたりを取り落として地面に膝をついた。

 

「くっ…生きていたのは…俺とコイツらだけか…!なさけない…!!」

 

ダイーズはベジータに殺された仲間たちの事を思い出し、拳を固めた。

 

「う…うう…」

 

「一体…俺たちは…?」

 

その時、美鈴と天龍が目を覚ました。痛む傷跡を押さえ、当たりを見渡す。

ダイーズは事情を話し、計画が進められないことを告げた。

 

「ピッコロまでも死んでしまった今、ナメック星人からの信頼は得られない…!ドラゴンボールの在り処も教えてもらえないかもしれんぞ」

 

「そうですか…。それにしても、てっきりターレスさんの言う通り仲間になってくれると思っていたベジータがまさかあんな人だったとは…」

 

「…!何か怪しい気がこっちに来る!!」

 

天龍が遠くを確認すると、無数の気がこっちに迫ってきているのを感じ取った。

 

「いそいで隠れよう!あの数じゃ勝てないぞ…!」

 

三人は気を消し、洞穴のようになっていた岩の影に身を潜めた。しばらくすると何人もの異星人たちが全身にオーラを纏いながら高速で飛行してきた。

彼らは丁度隠れていた岩の隣をビュンビュンと通り過ぎていき、幸いにもこちらには気付かなかったようだ。

しかし、美鈴と天龍は腰を抜かし、ガクガクと震えながら冷や汗を流した。

 

「ハァ…ハァ…!い、今のは…?」

 

「あ、ああ…特に2番目にいたヤツ…とんでもない邪悪なパワーを秘めていた…!他にも凄い奴がいたようだがアイツはけた違いだった…!」

 

「アイツがフリーザ…俺たちが倒さなければならない悪の親玉さ」

 

 

挑もうとしている敵の巨大さを思い知った…。

 

 

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