もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第112話 「進撃フリーザ!村での攻防戦!」

「おそらくフリーザの野郎どもが次のドラゴンボールの在り処を見つけたか…?」

 

「そうだとしたら、急いで後を追わないと!」

 

「そうですね…なるべく気をおさえながら行きましょう」

 

三人はフリーザ一味が飛び去っていった方を目指して走り出した。

十数分ほど移動すると、一味の気を感じるようになった。かなり近くにまで追いついたようだ。

 

「気を完全に消して歩いて近づこう」

 

崖を上り、その上から身を潜めて下を見下ろす。

すると、ちょうど自分たちが乗って来た宇宙船と同じようなデザインの家が立ち並んでいた。数人の兵士がいて、さらにそのボスであるかのような雰囲気を醸し出している三人組は他と比べ物にならない程強く、とくに丸いポッドに乗っている者はけたはずれだと見抜く。

 

「あれがフリーザだ」

 

「あれが…」

 

「ん?見ろ美鈴、あの両脇に抱えてるボール…でっかいが間違いなくドラゴンボールだ!」

 

天龍はドドリアとザーボンがわきに抱えていた球を発見する。オレンジ色で、中に星マークが見えるボールは間違いなくドラゴンボールだ。

 

「む?」

 

しかしその時、ドドリアが何かの気配に感づき、こちらを振り向いたので三人は慌てて顔を伏せて身を隠した。

 

「どうしました?ドドリアさん」

 

「いえ、わずかな何かの気配がしたもんですから…。今は消えてます、まあ小動物か虫でしょう」

 

「フリーザ様!5人だけ見つかりました!残りの奴らは出かけているようです」

 

「おい、さっさと出るんだ!死にたくなかったらな!」

 

兵士に連れられて家の中から出てきたのは、緑色の肌をして額から2本の触角を生やした人間だった。

 

(ピッコロやシュネックさんにそっくり…!な、ナメック星人だ!)

 

全部で5人、そのうち3人は肌がくすんだ緑色になっておりしわが目立ち、残る二人はあざやかな黄緑色でかなり小さい。おそらく、老人と子供だろう。

 

「ほらほら、もっと前に出ろってんだ!ぐずぐずするなよ」

 

兵士に追い立てられるようにして5人はフリーザの前へ立たされた。

 

 

「アイツら、ナメック星人をどうするつもりなんでしょう…」

 

「ターレス様が言ってただろう、『環境の良い星に住む者を全滅させて異星人に高値で売る』と…おそらくこのナメック星も標的にされたんだ」

 

と、ダイーズが答えた。

 

 

フリーザと向かい合ったナメックの老人は、ドドリアとザーボンが抱えていた4つのドラゴンボールを見て苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべる。

 

「ごらんのように、私は貴方たちのドラゴンボールとやらを集めているフリーザという者です。ところで他の方々はどうしたのですか?調べによりますと10人はいたと思うのですが」

 

しかし、老人たちはフリーザを睨んだまま口を開かない。

 

「何もしゃべらないつもりですか?殺しますよ」

 

「…!…~~~~、~~~~~…」

 

すると正面に居た老人が全く聞き取れない言語でそう語る。

 

「ふふ…ナメック語ではなく私たちにも分かる言葉でお話なさい。喋れることは知ってるんですよ」

 

フリーザがそう言うと、老人たちは目を合わせ、仕方なく普通の言語で喋り始める。

 

「ほ、他の者は野良仕事へ出かけた…残っているのは我々老人と子供だけだ」

 

「そうですよ、そういうふうに素直に答えていただければ何もしませんからね。では続けて答えていただきましょう。ドラゴンボールはどこですか?ここにもひとつあると思うのですが」

 

「し、しらん…そんなものはここにはない!」

 

それを聞いたフリーザは不敵に笑う。

 

「ふっふっふ…ドドリアさん、たしか二人目に殺したナメック星人さんが面白い事を言っていましたね」

 

「ええ、確か…ドラゴンボールは認められた勇者にしか渡すことはできん、とか」

 

「そうそう、その人はとてもガンコでしてね、なかなか協力していただけないものですから見せしめにひとり殺して差し上げましたらね…」

 

それを聞いたナメック星人たちは驚愕の表情を浮かべる。

 

「そうしたら色々と喋っていただけましたよ。ドラゴンボールを作ったのはこの星の最長老で、7個それぞれ星に住む7人の長老が大切に持っていると…そのひとりひとりと知恵比べをしたり力比べをしたり、願いの理由を話したり…。そしてそれぞれの長老に勇者と認められてようやく手に入れることができるらしいですね」

 

 

「幻想郷でドラゴンボールを手に入れるやり方と同じなんだな…」

 

「シュネックさんも故郷と同じ入手法を採用したんですよ」

 

幻想郷のドラゴンボールも、それぞれのボールを所持する賢者の試練を越えなければならない。ナメック星出身のシュネックも故郷でのやり方をあえて利用したのだろう。

 

 

「ところが私が言われた通りにしようとしたのですが絶対に渡せない…なんて言うものですからね、つい殺してしまったのですよ。ですから最初の一個は見つけるのに苦労しました」

 

「な、なんということを…!それに素直にだと?嘘を言いおって…」

 

「そ、そうだ…他の長老たちがきさまなどにボールを渡すわけがない!」

 

「いえいえ、こうしたら素直になられましたよ。ザーボンさん、見せてあげなさい」

 

「は!」

 

すると、ザーボンは飛び跳ね、一瞬でナメックの老人の横へ移動した。そしてすぐさま蹴りを繰り出し、反応できないでいるひとりの首に直撃させ、へし折った。血を流しながら倒れるナメック星人。

 

「お、おのれっ!!」

 

それに怒ったもう一人の老人が腕を振り上げる。

 

「ま、待て!」

 

仲間が止めようとするがそれを無視し、振り下ろした腕から気功波を放った。しかしザーボンは持っていたボールを高く投げると、自分もジャンプしてその攻撃をかわす。丁度背後にいた兵士にその攻撃が命中するが、ザーボンはそんな事など気にしない。

そして、それよりもさらに強烈なエネルギー波を撃ちだし、自分を攻撃しようとした老人にぶつける。老人は全身が焼け焦げ、倒れ込んで絶命した。

 

「なっ…!!!」

 

「いかがですか?少しは素直になられましたか?」

 

「ド…ドラゴンボールを集める目的は…?」

 

「なあに、つまらない願いですよ。私に永遠の命を頂こうと思っています」

 

「ふん、お前たちの様な奴には、死んでもドラゴンボールは渡さん」

 

「ほっほっほ!私に渡すくらいなら死を選ぶという訳ですか。この星の皆さんはやはり頑固なようですね…でもその子供たちの死を見ても頑固でいられますかねぇ?」

 

「な、なに!?きさまら子供まで…!」

 

残った老人はふたりの子供を自分へ寄せる。

それを見ていた天龍と美鈴は怒りに震えている。ダイーズはただじっと黙ってその光景を見守っている。

 

ピピピ…

 

その時、ドドリアのスカウターが反応を示した。

 

「強い戦闘力…?フリーザ様、あれを!」

 

ドドリアの見ている方へ視線を向けると、そこには三人ほどの若いナメック星人がこちらへ向けて飛んできている最中だった。老人は安心したような、感激したような表情を浮かべる。

 

「おおっ!来てくれたのか!」

 

三人の若者は地面に降り立ち、フリーザたちを睨みつける。そして殺された老人たちの亡骸を見て、悪態をついた。

 

「クソ、嫌な予感が的中しやがった…」

 

「なるほど、村を襲ってドラゴンボールを奪っている奴らがいるという噂は本当だったか!」

 

「許さんぞ貴様ら…ナメックの平和を踏みにじりやがって…!」

 

「ほう、闘うつもりですか。どれほどの戦闘力をお持ちかな?ドドリアさん」

 

「へっへっへ、がっかりしないでください…三人とも1000ほどです。俺たちが戦うまでもありませんな」

 

その時、老人はドドリアが装置を見て何やら喋っているのを見て気が付いた。

 

(そうか…!何故この広いナメック星に点在するわずかな村をあやつらが的確に見つけられるのか分かったぞ…あの機械で星に居る者を探すことができるのだな…!)

 

「笑わせやがって、戦闘力1000程度でこの俺たちとやろうってのか?」

 

5名ほどの兵士たちがゆっくりと近づいてくる。

 

「やっちまえぇ~~~!!!」

 

そして次の瞬間、兵士たちはナメックの若者たちに襲い掛かる。

しかし、若者の一人が短い掛け声とともに全身から気を解き放つ。一瞬で兵士の一人を蹴りつけ、勢い良く吹っ飛ばされた兵士は岩壁にぶち当たると潰れてしまう。

困惑する様子を見せる他の兵士だが、それを皮切りに次々と押さえていた気を解放する若者たち。ひとりは向かい来るふたりの兵士を同時に相手取り、もうひとりの若者は上から気功波を放ち、兵士をまとめて吹き飛ばした。

その威力で飛ばされた兵士がザーボンへ向かっていくが、ザーボンはその兵士を蹴り飛ばして湖へ突き落す。

 

「どうなってるんだ?あれが戦闘力1000だって?」

 

「おかしいぜ…いつの間にか3000にまで上がってやがる…!」

 

「なかなかやりますね。戦闘力を自在に操れるタイプだったということですか」

 

「滅多にいないタイプなんですがね」

 

ナメックの老人は、フリーザたちがそう会話している間にも慎重に周囲をうかがっていた。次々とやられ、気を失うが死んでいく敵の兵士たち。それらが装着していたスカウターの数を数えているのだ。最後にドドリアのスカウターを見る。

 

(よし、壊れていないのはアイツのを含めて3個か…!)

 

「子供たちよ、わしから離れておれ…はやく」

 

「情けねえ奴らめ、俺の手を煩わせやがって…!」

 

ドドリアは抱えていたボールを地面に置くと、戦闘の準備を始める。

 

「三匹ともやっちゃっていいすか?」

 

「ご自由に」

 

「つあっ!」

 

その時、老人は片手の指先から気の光線を放ち、ドドリアの着けていたスカウターを狙い撃った。スカウターは壊れて爆発ししてしまう。

 

「こ、このやろう…!そんな攻撃で俺を倒せるとでも思ったのか?えぇ?」

 

ドドリアは血管を浮かばせて怒る。

しかし老人はそんなことなど無視し、空中へ飛び上がると倒された兵士が着けている残りふたつのスカウターすらも光線で破壊した!

 

「しまった!ヤツの狙いはスカウターだったんだ!」

 

「うおおおお!!皆殺しにしてやるゥ~~!!!」

 

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