もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第114話 「サイヤ人積年の怒り爆発!!」

「よう、ずいぶん久しぶりだったなドドリアさんよ」

 

「こ、この俺を不意打ちしやがったのはテメェかベジータ…!」

 

「貴様とザーボンはいつもフリーザとつるんでやがるからな。単独になるのを待ってたんだ。フリーザさえ居なければ何とかなりそうだからな」

 

「な、なにぃ?サイヤ人如きがずいぶん生意気言ってくれるじゃねぇか…!お、おとなしくそのスカウターを俺に渡して消えるんだな。そうすりゃこの場だけは見逃してやるぜ」

 

そう言うドドリアであったが、正直言ってベジータとの戦闘はなんとかして避けたい…そう思っていた。

 

「そうか、急に音声だけが途絶えたからもしやと思ったが、やはり貴様らスカウターを全て無くしたようだな。はっはっは、こりゃいいぜ…これで俺が近づいてもわかりはしない、ぐっとチャンスが巡ってきたわけだ」

 

「なんだとぉ…!?」

 

「惑星フリーザにスカウターを取りに行くには日数がかかる…コイツが欲しかろう」

 

ベジータはそう言うと、装着していたスカウターを外し、地面に落とした。

 

「渡す気になったか…へっへっへ、今ごろ恐れをなしやがって…!これで運が良ければ命だけは助けてもらえるかもしれんぞ」

 

しかし次の瞬間、ベジータは不敵ににやりと笑うと、落としたスカウターを踏みつけて粉々に破壊した。すっかりスカウターを受け取るつもりで安心していたドドリアは面食らった。

 

「なっ、なんてことを…ベジータ!気でも違ったのか?何で壊しやがった!?」

 

「オレにはもう必要が無くなったからさ」

 

「なんだと?きさまもドラゴンボールを集めるんじゃなかったのか?スカウターが無ければフリーザ様やナメック星人の居場所も分からないだろう!?」

 

「残念だったな、このオレは地球という星に行ってスカウター無しでも強さや居場所をわかることを知った…地球人に出来るなら俺にだってできる筈だろ?」

 

信じられないと言った様子で唖然とするドドリア。

 

「コツさえつかめば簡単な事だったぜ。テメェ達やフリーザのようにパワーだけに目がいってるようじゃ無理だがな…もっとも今までの俺もそうだった…」

 

「わかったぞ~、あの逃げたふたりは地球人だな?キサマ地球人と手を組みやがったな…!」

 

「地球人?ああ、あのザコ共か…ドラゴンボールを狙う敵同士だ、次見つけたら殺してやるつもりだ」

 

「そんなことはどうでもいいっ!殺されたくなかったらここから消えて無くなれ!見逃してやろうというんだ!有りがたく思え!!」

 

「くっくっく…何をそんなに怯えてる…なんでさっさとかかってこないんだ?わかっているぞ、キサマは俺とキュイとの戦いでこのオレが以前よりはるかに強くなったことを知り恐れているんだ…見たんだろ?俺の戦闘力を」

 

「あんな数値はマチガイだ!故障だ!!この俺を見くびるなよ─ッ!!」

 

ドドリアはそう怒号を轟かせると、両腕を振り上げる。そこに最大のエネルギーを溜め、振り下ろすと同時に特大の気功波を撃ちだす。

 

「うがががが──ッ!!」

 

さらにエネルギー弾を連続して撃ちだす。

だがベジータは既にドドリアの背後に移動していたのだった。

 

「見くびるなってのはこっちの台詞だぜ、そんな技が今のオレに通用するわけないだろう!」

 

ドドリアはベジータへ向けて裏拳を繰り出す。しかしベジータはそれを簡単に掴むと、続いて繰り出された蹴りをもジャンプで避け、ドドリアのもう片方の腕を掴んで背後で締め上げる。

 

「ぐお…がぐぐ…!!」

 

「オレたちサイヤ人は闘うたびに強くなっていく…!相手が強ければ強いほどオレも強さを増していく…地球で死にかけた俺ははるかにパワーアップした…どれほどの戦いだったかはオレの顔の火傷を見ればわかるだろう?それが戦闘民族サイヤ人だ!貴様自慢のパワーも怠けていた所為でこのざまだ…次は働き者にでも生まれ変わるんだな!」

 

「ま、待てベジータ!このまま俺を離してくれれば、ある秘密を教えてやる!お前たちの故郷、惑星ベジータの事だ!!」

 

「なんだと?惑星ベジータの秘密?」

 

ベジータは思わず手を放してしまう。解放されたドドリアは素早く空中へ浮かび、ベジータを見下ろしつつ逃げられる態勢を作った。

 

「ふっふっふ…惑星ベジータは巨大隕石の衝突などで滅んだんじゃない…フリーザ様が消したんだ…!お前の父、ベジータ王を殺したのもフリーザ様…」

 

「知ってるさ」

 

しかし、ベジータはそう冷たく言い放った。

 

 

 

─それは何年も前、ベジータがナッパとラディッツとで3人で行動していた時の事だ。

フリーザから惑星シャーツという星の制圧を任された3人は、たったの3日でシャーツ星を降伏させた。しかしそれは屈強なサイヤ人にとっても少々無理が過ぎたような戦いだったようで、ボロボロで帰還することとなった。

傷の治療を終え、フリーザへ今回の事の報告をする3人。

 

「フリーザ様、惑星シャーツを3日で降伏させてまいりました」

 

それを聞いたフリーザは振り返りながら口を開く。その両側には、ニヤニヤ笑いながらベジータらを見ているザーボンとドドリアの姿があった。

 

「ふぅん、あんな星に3日もですか…。下がってください」

 

「なっ…それだけですかい!?」

 

しかし、何を不服に思ったのか、ナッパは声を荒げて前へ進み出た。

 

「俺たちはボロボロになりながら戦ったんだ!それを…」

 

「ザーボンさん、アナタならシャーツ星の制圧にどれぐらいかかりますか?」

 

「はい、ざっと1日あれば十分かと」

 

「そうでしょう、あんなちっぽけな星ですからね。ほっほっほっほ…」

 

「なんだとッ!?」

 

ラディッツも怒りに拳を握りしめながら立ち上がり、ナッパと共にフリーザの前に立った。

 

「まだ何か?」

 

「コノヤロウッ!!」

 

ナッパはズンズンと前に進み出ると、フリーザに殴りかかろうと構える。

 

「やめろナッパ!」

 

しかし、ベジータにそう一喝されると動きを止め、振り返って彼の方を見る。ベジータが頭を下げて下がっていくと、納得できない態度でふたりも後をついていく。

 

「猿野郎…」

 

最後にザーボンがそう呟くと、流石のベジータも頭に来たのか歩みを止めた。しかし、ここで暴れてもしょうがない、どうせ奴らには勝てない…そう思う事で怒りを静めた。

 

「ベジータ、悔しくねぇんですかい?」

 

建物の外を歩いている途中、ナッパはベジータにそう言った。

 

「聞けばベジータ星が消滅したのは隕石の所為なんかじゃねぇんだってよ…全てフリーザの所為だ!アンタの父、ベジータ王を殺したのも、俺たちの故郷を爆破させたのも、全部フリーザなんだ!」

 

「知ってるさ」

 

「し、知ってた!?知っててアイツのもとで働いてんのか…」

 

「オレのオヤジが誰に殺されようが、故郷が誰に滅ぼされようが…オレには関係ない。ただ感じるのは悲しさじゃあない…怒りだけだ」

 

 

 

「は!?」

 

ベジータのあっさりとした言葉に驚くドドリア。

 

「あばよドドリア!!オレの積年の怒りを思い知りやがれ!!」

 

ベジータは片手から全力の気功波を放つ。ドドリアは素早く飛んで避けようとするがあっさりと追いつかれ、それが直撃すると一瞬で消滅してしまった…。

 

「フリーザはサイヤ人の底知れぬ可能性を怖れている…!!」

 

ベジータもターレスと同じ考えにたどり着いた。

 

「ドドリアは仕留めた…あれほどのパワーを誇っていたヤツをこうも簡単に…!やはりオレは格段に強くなっている…自分でさえも驚きだぜ。…しかしそれにしても、ドドリアは逃げた地球人がとか言ってたな…さっき取り逃がした男と女だろうが…いずれオレの邪魔となっては困るから消しに行くか…」

 

 

 

 

「とりあえず宇宙船がある場所に戻ろう…ターレスさんたちも宇宙船の反応を頼りにしているはずだし…」

 

「そうですね、あそこで待っていればすぐに助けが来ますよ」

 

ムーリとデンデを抱え、宇宙船のある場所を目指して飛んでいく天龍と美鈴。

 

「あ、あの、助けていただき本当にありがとうございます…私もデンデも飛べますのでこの辺で…」

 

「ああそうだったんですか?」

 

ふたりは自力で浮かび、天龍らと並行して飛行して見せる。

 

「私は長老のムーリといいます。いやぁ本当にかたじけない…何とお礼を言えばいいのか…」

 

「いや、ダイーズさんが居なければ俺たちはやられていた…それに…。…!?何かがとんでもないスピードでやって来る!」

 

「隠れましょう!はやく!」

 

4人は下へ降り、湖沿いの崖の影に身を潜めた。

完全に気を消し、これならば目視されない限り見つからないはずだ。

 

「ムーリさんも気を消せますか?」

 

「う、うむ…できる限り小さくしてみよう」

 

さっきのナメックの若者も気のコントロールを出来ていたのでもしやと思い聞いてみたら、さすがは老いてもナメック星人、ムーリは自分ができる限界にまで気を小さくして見せた。

 

「さっきのピンクのヤツが追い付いてきたのか…?ダイーズさんは…!」

 

しかし、頭上に現れた追跡者の姿はドドリアではなく、あのベジータであった。

 

「べ、ベジータ…!?」

 

「3つほどの大きなパワーが突然消えた…この辺りで…」

 

下を見渡すベジータだが、パワーを探る技には慣れていないせいかなかなか美鈴たちを見つけられない。さっきのドドリアとの戦いの前にスカウターを壊してしまった事を少し後悔し始めるレベルだ。

 

「だが…小さなパワーを感じるぞ、勘違いではない…一応探ってみるか…」

 

ゆっくりと降下するベジータ。

 

「そ、そうか…俺たちの気を消せてもデンデとムーリさんのわずかな気配が…!」

 

「こっちに来ますよ!」

 

ベジータは地面に降り立ち、ちょうど岩ひとつ隔てた向こう側にいる。ベジータはわずかな動きの気配を察知し、素早く岩の反対側を覗き込んだ。

…が、そこには誰もいない。ギリギリで天龍たちは岩の反対側へ移動…つまりベジータと位置を入れ替えたのだ。

 

「妙だな…」

 

だがベジータも念には念を…と探索を続ける。もう一度反対側へ戻ると、天龍達も正反対の場所へ移動する。すると、ベジータは今度は岩の上に立ち、下を見下ろそうとした。

 

(こ、今度こそ不味い…!戦うしかないのか…!)

 

しかしその時、湖の水面から巨大な爬虫類の様な魚が飛び出してきた。

ベジータは反射的にその魚に向かってエネルギー弾を撃ち、仕留めた。威力の衝撃で打ち上げられた魚の尻尾を掴み、片手で持ち上げる。

 

「気配はコイツだったか…。まあいい、のこりふたつ…いや、ひとつだけでもドラゴンボールを手に入れておくのが先決だ…それをオレにしかわからない場所に隠してしまえばフリーザは7個そろえる事が出来なくなる。そしてその隙にフリーザの持っている5個をいただく!ふっふっふ…このベジータ様に運が回ってきやがったぜ!」

 

ベジータはそう言うと捕まえた魚の肉をかじって豪快に食べながらその場を後にするのだった。

 

 

「た、たすかった…」

 

「とにかく…宇宙船へ戻ろう」

 

あの魚のおかげで難を逃れた天龍たち。しかし安心することはできない…このナメック星にいる限りは…。

 

 

 

 

 

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