もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第115話 「神の食物!神精樹の実!」

天龍や美鈴たちがフリーザらと激突していたころ、ナメック星到着まであと数日と言ったところにまで迫っていたターレスやカカロットたち。

 

「あの星ならよさそうだな…」

 

ターレスは自室のモニターに表示されたどこかの惑星の映像を見てそう呟いた。先ほど射出した探査機がとある惑星に辿りつき、そこの映像を送っていたのだ。その目的は、フリーザとの戦いに備えて神精樹の実を確保するための質の良い環境の星を探すためである。

手に持っていたコントローラーをいじると、探査機は小さな爆弾を前方へ放ち、地面に大きな穴とひびを入れる。そこへ何やら歪な形状の物体…神精樹の種を投入する。

 

「おい、例の星でとまれ」

 

宇宙船の操縦室に行き、運転をしていた科学者とパラガスにそう命令する。すると、宇宙船は進路を変え、ターレスが指示した星に向かっていく。

 

 

「あぁ?どこに行くんだ?」

 

ブルマの父親に頼んで作ってもらった重力トレーニングルームで体を鍛えていたナッパがそう言った。

ここでラディッツやカカロットも宇宙船が進路を変えた事に気付き、20倍に高めていた重力を元に戻す。カカロットは界王星で修行していたころにとっくに10倍の重力は克服し、サイヤ人の故郷である惑星ベジータも地球の10倍の重力があった。なので3人はそれよりもつよい20倍の重力をものにするために修行に励んでいたのである。

 

「確かにな…おいターレス、何をするつもりだ?ナメック星はまだ先だろう?」

 

カカロットは置いてあったスカウターを装着し、ターレスにそう通信を入れた。このスカウターはターレスが改造したスカウターで、同じ型のものとしか通信はできないので敵に会話を聞かれる心配が無く、既存のスカウターよりもはるかに高い戦闘力を計測可能だ。

 

「ちょっと寄り道をさせてもらうぜ。神精樹の実を喰わせてやる」

 

 

一行は種を植えた星に接近する。

宇宙から見てもはっきりとわかるほどに巨大な木が大地から生い茂っているのがわかる。

 

「あれが神精樹ってやつか?いくらなんでもデカすぎる…」

 

「ああ…俺がある惑星の神から奪った、本来ならば神しか口にできない実の種だ。植えるとその星の滋養を全て吸い取って巨大に成長し、挙句赤茶けた乾いた星に変えてしまう。俺が地球に植えなかったことに感謝するんだな」

 

宇宙船はいよいよ星の大気圏内に入り込み、カカロットたちは窓から神精樹を眺めた。先ほどターレスが探査機を使って種を植えてからは2時間ほどしか経過していないが、たったそれだけの時間でこれだけ成長してしまい、さらに今この瞬間にも大きな根を各地へ伸ばし続けている。

 

「あそこに降りろ」

 

ターレスが指差したのは、丁度大きな枝の上の平らな部分だ。宇宙船をそこに着陸させ、ターレスは早速降りて木の上を歩いていく。

 

「数はそこまでじゃないがまあいいだろう」

 

木に実って垂れさがっている、赤いトゲトゲした見た目の実をもぎ取り、集めていく。結果、最終的には20個ほどの身が収穫できた。

 

「これだけあればお前らがフリーザと戦って生き延びれる確率がぐんと上がる」

 

ターレスは皆が見ている前で実をひとつ手に取り、齧ろうと口元へ持っていく。

 

「よくそんな体に悪そうな、得体のしれんものを食えるな…」

 

とウスターが呆れ気味に呟いた。

そしていよいよ実をひとくち食べたターレス。すると、カッと一瞬目を見開き、同じく一瞬だけ体の筋肉が膨れて元に戻る。

カカロットはターレスが身を食べる前と後では明らかに気の大きさが倍近くに増えていることを感じた。

 

「す、すげぇ…それが神精樹の実の効果か…!」

 

「ひとり2つ食べても余る数はある。だがあらかじめ説明しておくが、神精樹の実は間隔をあけずに短期間で2つも3つも食べると戦闘力が増える量が大幅に下がっていく。せいぜい3日ほど間を空けないと神精樹の真の効果は得られないんだ。俺の考えでは、今ここでひとつは食べてしまい残りはナメック星へ着いて戦いの最中に食べるといい」

 

「どれ、本当に強くなるのか俺にも食わせてくれ」

 

ナッパが実を鷲掴みにし、1個丸ごと口に入れて食べた。次の瞬間、ナッパにも同様に変化が訪れる。

 

「おおっ!確かにこりゃすげぇぜ!力が吹きあがってくるみてぇだ!」

 

「なにいっ!?俺もだ!」

 

ラディッツも実にかじりつくと、その力をアップさせた。

 

「だがいいのか?この星をこんなに変えちまって」

 

カカロットがふとターレスに聞いた。

 

「この星は廃墟だ。過去にフリーザ軍が制圧したな」

 

「何…?」

 

「言っただろう、フリーザ軍は環境の良い星の住民を殲滅して他の異星人に提供していると。この星はその被害に遭った成れの果てさ。大方、フリーザから星を買って住み始めたはいいが民族同士で戦争がはじまり、住めなくなったので捨てられた…そんな感じだと思うがな」

 

「…そうか」

 

神精樹の実の効果をその目で見た一行は収穫した実を宇宙船へ乗せ、もう一度ナメック星目指して出発するのだった。

 

 

「…」

 

壁に寄りかかりながら、ウスターはもらった実を手に持って眺めていた。

 

「食わないのか?」

 

とその時、ターレスが前からやってきて言った。

 

「ふん、見た目がグロテスクでな…気が引ける」

 

「食って損はねぇぜ。俺だってそれを喰い続けてここまで強くなった…手っ取り早く圧倒的なパワーが手に入るんだ。それに、女が食えば肌艶が良くなり…強さ以外のもろもろも良くなる。それとも、お前は良い女だから必要が無いか?」

 

「本気で言ってるのか?この俺を口説こうとした男は少ないが、全員俺の経歴と戦いぶりを見て離れていったぞ」

 

「サイヤ人は戦闘種族だ…本能で気の強い女を好む傾向がある。俺もそうだ。これからも俺の軍団に入って暮らせ。そうすればお前は最強の力に酔いしれることができる」

 

「…今から酒をのんで酔っ払えば、この実もお前の事も受け入れられそうだ」

 

その会話の様子を遠くから見ていたカカロット。

 

「…俺もこれ食ってみるか」

 

カカロットは神精樹の実を齧る。すると、一気に全身に気が満ち、さらに湧き上がってくる感覚を覚えた。スカウターで対象を自分にセットして計測してみると、確かに以前よりも格段に戦闘力が増していた。

 

「確かにこりゃすげぇ…!よし、この調子で特訓続けるか」

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、ナメック星。

壊れた宇宙船が置かれたままの場所へ戻って来た天龍と美鈴、そして助けられたムーリとデンデ。

 

「よし、この場所はまだ奴らに見つかってないようだな…」

 

「…あ、アレを…!」

 

その時、美鈴はそう言いながら向こうを指差した。その先を見ると、血だまりが擦れた後が長く残っていた。たしかあの位置は…

 

「あの場所は…ピッコロが倒れた場所だ…!血の跡と足跡が動いてる…移動した…つまりピッコロは生きてたんだ!」

 

それを聞いた美鈴は複雑な表情を浮かべる。

 

「で、ですが一体ピッコロは何処へ向かったのでしょうか?足跡は向こうまで続いていて途中から消えている…おそらく空を飛んでどこかに移動したのでしょうか」

 

「そうだと思う。だがピッコロも気を消しているはずなので探しようがないな…」

 

「もし…ピッコロという者は誰なのです?そして貴方がたは一体何者で…?」

 

後ろからムーリがおずおずとそう聞いた。

 

「ああ…俺は豹牙天龍、こっちは紅美鈴。この星で暴れてるフリーザって奴を倒しに地球からやって来たんだ。強い仲間が後から来るまでこの星でナメック星人たちに事情を説明して協力してもらおうと思ってたんだが一足遅かった…」

 

「ピッコロという人は私たちと一緒に地球からやって来たナメック星人です」

 

「地球…?聞いたことがある…確か最長老様が昔そんな事を言っておられた…500年前にこの星で起こった大災害の直前、ふたりの兄弟が宇宙へ逃げたと…!」

 

「そう!そのふたりはシュネックとピッコロといって、ピッコロがいれば貴方たちナメック星人は私たちの事を信用してくれるだろうという事で連れてきたのですが…今はどこかへ行ってしまったようです」

 

「そうだったのですか…」

 

「でもここじゃ危険そうだな…宇宙船から必要な物を持ってあそこの洞穴に隠れよう」

 

 

 

 

一方、ドラゴンボールを持っているナメック星人を探して空を飛び回っていたベジータは、遠くの方に無数の気を感じて立ち止まった。20体ほどの強めを気を感じる。

 

「ふははは!感じたぞ、大きめのパワーだ!ナメック星人に違いあるまい…たぶんドラゴンボールを持ってるはずだ!確か奴らの会話によれば村の長老がボールを持ってるんだったよな…」

 

ベジータは飛ぶ方向を変え、全速力でその方角へと向かう。

しばらくすると、やはりナメック星人の集落が見えた。村には、何も知らないナメック星人たちが畑仕事をしたり、家を作ったり、子供たちを遊ばせたりしていた。そんな平和な村にベジータは早速降り立つ。

 

「なんだ…?異星人だ…!」

 

ベジータの姿に気付いた住民たちが口々にそう喚く。

 

「長老って奴はいるか?このオレがドラゴンボールを貰いに来てやった!」

 

「なんだと?」

 

ざわめく村人たちの間を縫って、杖をついた背の高い丸顔の老人が姿を現す。

 

「わたしが長老だ。きかせてくれぬか、何故お主はドラゴンボールを…」

 

「いいからさっさとよこすんだ!あるんだろ?」

 

しかし、ベジータは長老からの質問を強引に遮ってそう言った。

 

「帰るがよい…ドラゴンボールを渡すわけにはいかん。お主からは邪悪なものを感じる…」

 

「じゃあ…死ね!」

 

ベジータはそう言い放ち、ゆっくりと村人に近づいていく。ざわめく村人たちに向かって跳躍し、拳を振り上げて今にも攻撃しようとする。

 

「待て」

 

その時、聞き覚えのある声が聞こえた。ベジータは動きを止め、その声がする方を見つめる。ある家の中から、他のナメック星人と比べていくらか背の高い人物が姿を現す。

 

「貴様は…生きていやがったのか、ピッコロ…!」

 

「ふっ、生憎にな」

 

なんと出てきたのは生きていたピッコロであった。あのベジータとの戦いで両腕を失い、殺されたかに見えたピッコロであったが、実際には死んではいなかったのだ。確かに重症ではあったが、ナメック星人特有の再生能力で動ける程度に体を直し、彷徨っていると偶然辿りついたこの村での手厚い治療で復活した。

 

「くっくっく…だがさっきの戦いでキサマがオレには敵わんという事は証明されたはずだ…」

 

「ふん、私がここに出てきたのはお前と戦うためではない」

 

「なに?」

 

「長老よ…どうかドラゴンボールを素直に渡してはくれないか?」

 

ピッコロは長老にそう言った。

 

「地球からお越しくださった我らが同胞、ピッコロ殿…それはどうしてだ?」

 

「このサイヤ人の男は強力だ…逆らえば私もろとも皆殺しにされる。だから、生き延びたいのであればボールを差し出した方が賢明だ」

 

「し、しかし…」

 

「この村の、いや、星の掟があることは重々理解している。どの道、さっき話したフリーザという奴に奪われるくらいならこいつに渡した方が危険は少なくて済む」

 

「…そういうならば仕方ない…ま、待っておれ…」

 

長老は家の中に入り、壁に飾ってあった4つ星のドラゴンボールを差し出した。ベジータはそれを受け取ると、にやりと笑った。

 

「賢明な判断だな…最初からそうしろ。それに免じて殺さずにはおいてやる…」

 

そう言ったベジータだが、突然手からエネルギー弾を放ち、建物や畑を無差別に破壊していった。

 

「な、何をするっ!?」

 

「これだけで許してやるって言ってるんだ」

 

ベジータは再び全身にオーラを纏い、空を飛んでいった。

 

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