もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第121話 「怒るベジータ!昂ぶるカカロット!」

ピッコロは、ベジータが殺せるはずだったザーボンの命を救い、それにより気を損ねたベジータとの戦闘を開始した。しかし、回復パワーアップで予想以上に強くなったベジータは、眠れる力を呼び覚ましたはずのピッコロを上回っていた。

その時、なんとピッコロは腕を伸ばして素早く美鈴の持っていたドラゴンボールを掴んで奪った。そしてそのボールを、あろうことかベジータに差し出したのだ。

 

「あっ!?何を!!」

 

「これで私たちを見逃してくれ」

 

「ピッコロ…どういうつもりだっ!」

 

美鈴と天龍が問い詰める。

 

「ここでボールを渡さねば、私たち全員が死ぬことになる」

 

「…ふっふっふ、キサマはよく分かっているようだな…さっきもそうだった。オレにボールを差し出す事が寿命を延ばす方法だと知っている」

 

ベジータはピッコロからドラゴンボールを受け取った。そして次の瞬間、ピッコロの顔面を思い切り蹴りつけた。ピッコロは地面を滑り、盛大に吹っ飛ばされた。

 

「この最後の1個のドラゴンボールさえ手に入れば貴様らのようなザコと遊んでいても面白くない。オレが不老不死に成ってフリーザを倒した暁には、今度こそキサマと地球を木っ端みじんにしてやるぜ」

 

そう言うと、ベジータはどこかへと飛び去っていった。

 

「おいピッコロ!あんたなんてことをしてくれたんだ!せっかく美鈴が持ってきたボールをみすみす渡すなんて…!」

 

天龍はピッコロの胸ぐらを掴んでそう怒鳴った。

 

「ぷうっ」

 

しかし、そう口をとがらせて息を吐いたピッコロは全くダメージを負ってはいないように見えた。

 

「まあそう怒るな…。奴は絶対にドラゴンボールをそろえる事などできん」

 

「何を言ってるんだ…ベジータは今ので最後の1個だと言ってたじゃないか!」

 

「最後の1個はこれだ」

 

ピッコロは口から例の4つ星のドラゴンボールを勢いよく吐き出した。ボールはゴロンと地面に転がり、ちょっとヨダレに塗れている。

 

「これはどこで…?」

 

「湖に沈められていたのを発見した。おそらく、ベジータが村から奪ったものを隠しておいたのだろう。これを私が持っている限り、ベジータは絶対に7個すべてを集めることはできない」

 

「で、ですがもう一度ベジータに襲撃されれば今度こそ…」

 

美鈴にそう言われたピッコロはにやりと笑う。

 

「バカが。この私も最長老に力を呼び覚ましてもらったのだ、わざと手加減して負けを演じたに決まってるだろう。あそこでベジータの奴を殺してしまってもよかったが、あの男は利用できる…上手く扱えればフリーザ軍と衝突させ互いの戦力を削ぎ疲弊させることもできるはずだ」

 

「なるほど…流石だな。それにしても、さっきも美鈴が言っていた最長老という人に会えばそんなに圧倒的なパワーが手に入るのか?」

 

「ええそうです…私もそれで以前の数倍は強くなりました」

 

「俺もその人に会いたい…この星で生き延びたいからな…」

 

「だが美鈴よ、さっきは浮かれ過ぎたな…さっきのようなペースで行けばもう一度ベジータに見つかるぞ。時間はかかるが、気を消してゆっくり行くべきだな」

 

「そ、それはそうですね…」

 

「だが洞穴にいるムーリさんと…そしてお前が寄越したこのザーボンとやらはどうするんだ?」

 

「そうだな…そう遠くない所にまだ住民が存在する村がある。そのふたりはそこへ預けよう。ザーボンは一命をとりとめた程度だ…まだ動けるはずはない。一緒に連れて行こう」

 

ピッコロが地面に寝かせられたザーボンを見ると、既に変身が解除され元の姿に戻り、苦しそうな表情で眠っている。

 

 

 

 

その頃、ベジータは村の住民から奪った4つ星のドラゴンボールを探して、隠した場所の目印となっている一本の大きな樹木を発見した。

 

「よし…さっき隠したのを合わせればオレに永遠の命が…くっくっく、ザマァ見ろフリーザめ、宇宙を支配するのはこのオレだ!」

 

ベジータはそう言うと湖の中へ潜った。

そして辺りを探るが、ドラゴンボールらしい物体は見当たらない。

 

(おかしいな…確かこの辺に…)

 

頭上を見上げ、ここが樹木の下であることを確認し、もっと周囲を探す。

 

(なっ、ない!!バカな…!…まさか!!…さっきピッコロが現れた方角はここと同じだった…そして簡単にドラゴンボールをこちらへ寄越したあの態度…!あの野郎!!)

 

ベジータは湖から飛び上がり、怒りに任せて全速力で今来た方向を戻っていく。

 

「クソッタレ共が舐めやがって!!許さんぞォ────!!」

 

ものの数分でさっきザーボンやピッコロと戦った場所へ戻って来たベジータ。まず転がっていた壊れた宇宙船にエネルギー波を撃ちこみ、粉々に爆破させる。破片が飛び散り炎に包まれる宇宙船だが、中に誰かが居る気配はない。

 

「どこだ!!出てこんと後悔するぞ!」

 

さらにあたりを見渡すと、付近に洞穴が見えたのでそこにも攻撃を撃ちこむ。岩山ごと洞穴を破壊するが、やはり何者の気配も感じない。

 

「クソォ、消えやがった後か…!何の気配も感じない…アイツら気配を0にコントロールすることができるのか…これじゃ見つかりっこないぜ…!生意気なマネしやがって…もしオレの持つ6個を奪いに来たときには容赦せん…」

 

 

 

 

ピッコロたちはムーリをツーノ長老たちがいる村へと預けた。そして、ピッコロ、天龍、美鈴の三人は最長老のもとを目指して飛んでいくのだった。

…美鈴は最長老にもらったたったひとつのドラゴンボールをベジータに明け渡してしまった…だがピッコロはベジータの持つボールを腹へ隠して盗んできたため、ベジータが7個集めて野望を叶えることはひとまず阻止できた。しかし当然ながらこのことは大いにベジータの怒りを買う事になり、三人はうかつに気を抑えているのを解除できなくなってしまった。

 

「なぁ美鈴…本当に俺がそんなに強くなれるのか?」

 

「私でさえここまで強くなれたんです…天才だった天龍さんなら私と同じかそれ以上になれるはずです」

 

「しかしこんなスピードじゃ着くまでに何日もかかるな…。万が一見つかっても私は負けないが、それでもターレスたちが来るまで無駄な戦闘は行いたくないからな」

 

 

 

そしてそのベジータも最長老のドラゴンボールを持って、フリーザから奪ったボールを隠した場所へ戻ってきていた。

合計6個となったボールを見張りながらその上に座り込み、感覚を研ぎ澄ませている。

 

(宇宙船の動力を壊しておいたからフリーザも動きが取れんはず…ヤツが無線でスカウターを持ってくるように言ったとしても3~4日はかかる。それまでには勝負を決めんと…クソッ、永遠の命さえ手に入れればいくらでもフリーザをぶっ殺すチャンスはある…だがそれもヤツがスカウターを手にするまでの間だ!)

 

ベジータは休息をとりながらもピッコロたちの気を探り続けた…。

 

 

 

 

さらに2日も過ぎた頃、宇宙では…。

 

「うおりゃああああッ!!」

 

宇宙船内部で20倍の重力に高めたトレーニングルームの中で、カカロットやナッパとラディッツ、そしてウスターの4人は激しい特訓を続けていた。

4人で休まず肉弾戦を繰り広げ続け、その肉体を疲弊させ、ボロボロに痛めつける。ナッパの攻撃をあえて受けるカカロットは、ラディッツを思いきり殴り飛ばす。勢い余って壁に激突してしまうが、すぐに壁を蹴って態勢を整えながら跳躍し、ウスターの腹へ拳をめり込ませる。

 

「ごはっ…!」

 

今のそれぞれの一撃により、ダメージが限界に達した。

 

「マ、マシンに…!」

 

「その前に重力のスイッチを切れ…!」

 

這いずるようにして、部屋に設置してあるメディカルマシンに入り、すぐさま液でカプセルを満たし治療に入る。

そう、ベジータがナメック星で死にかけ強くなり続けているのと同様に、カカロットたちもまた高重力のもとで戦って死ぬほどダメージを受けては治療を繰り返し着実と強くなり続けていたのだった。

 

(到着まであと2日…それまでにもっと強くなるんだ…)

 

そう考えているのは、カカロットやナッパ、ラディッツはもちろんの事、激戦を経ることで確実に微量ながらも力を付けることができるウスターも同じだった。

 

──そしてさらに1日が過ぎた…。

 

「うはははは、体がこれまでにないくらい軽いぜ!」

 

「これが本当に俺か?」

 

メディカルマシンによる治療を終えたナッパとラディッツは、これまでにないほど高まった戦闘力を自分でも信じられないと言った様子で実感していた。

 

「くっくっく…いよいよ明日がナメック星か…。これなら何の影響もなく10倍までの界王拳ならば使えるはずだ」

 

カカロットたちは気付いていなかった…。いつの間にかサイヤ人の限界レベルをも超えるほどのパワーを身に付けていることに…。

 

彼らのナメック星到着まで、あと1日を切った!

 

 

 

 

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