もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第122話 「接近する邪悪なパワー!!」

フリーザは、壊れかけの自らの宇宙船の部屋の中から、腕を組んで外を見ていた。

 

「4日ほども経つ…。ザーボンさんが帰ってこないところを見ると逃げたか殺されたか…。こんなことになるなら最初からギニュー特戦隊を連れてくるんでしたね」

 

そう言いながら指でイライラと腕を叩く。

 

「しかしそれも、間もなくスカウターを持って到着する…。幸いにも何事も起こっていないところを見ますとベジータも7つそろえることができていないようですね。覚えていらっしゃい…スカウターさえあればどこにいようが探し出せるんですよ!」

 

 

 

一方、いまだ最長老のもとへ向けて移動中のピッコロ、美鈴、天龍、そして死にかけのまま気を失っているザーボン。

彼らはベジータに気付かれないように、極限まで気配を消して移動しているのですでに4日も経過してしまっていた。

 

「もう4日近くになるがまだ遠いのか?」

 

「あと少しだ、我慢しろ」

 

「ですが最長老さんの寿命が心配ですね…」

 

3人は宇宙船から持ってきた食料を食べた。

 

「なぁ、さっきデンデとムーリさんが言っていたがナメック星人は水しか飲まないんだろ?なんでピッコロは普通にモノを喰うんだ?」

 

「さぁな…普通のナメック星人じゃないからかもしれんな」

 

「思い切って飛んでみませんか?ここまで遠くに来ればあのベジータも気付かないと思います」

 

「そうだな…もうすぐカカロットが来る頃だし、いざとなれば助けてくれるだろう」

 

全身にオーラを纏って全力で飛んでいく3人。

 

「この調子ならあと1時間もしないで着くな!」

 

 

「!!」

 

しかし、美鈴たちの考えは甘かった。天才戦士ベジータは常に精神を集中させ、感覚を研ぎ澄ませてこの瞬間を待っていたのである。

 

「ついに見つけたぞ…!気配がひとつふたつ…いや、3つか。女と男とピッコロか?しかしオレのドラゴンボールを狙ってくると思っていたがずいぶん遠いところにいやがる。なんのつもりかわからんがこの機を逃しては残り1個の在り処を吐かせるチャンスはないだろう…」

 

そう言いながらベジータは置いてあった6個のボールのうち、1個を手に持った。1個さえベジータが持っていればもしフリーザかボールを狙った何者かがこの場所を突き止めようとも7個そろえることはできないと考えたからだ。

それを脇に抱えると、ベジータも全力のスピードでピッコロたちの気の場所へ飛ばす。

 

「今度こそ許さんぞ…覚悟しておけ!はあああああ────!!」

 

 

「見えてきました!あの高い山の上ですよ!」

 

ようやく、最長老の家が存在する高い崖のような山が目の前に見えてきた。しかし次の瞬間、美鈴は背後から物凄い勢いでせまる大きな気を感じて立ち止まった。

 

「気です!後ろからとてつもない気が…!」

 

「まさか、ベジータが…!?」

 

「天龍さんとピッコロは先に行ってください!私が時間を稼ぎますから…」

 

「あ、ああ…!」

 

天龍とピッコロは美鈴を残して飛び去る。すると次の瞬間、既に目の前にまでやって来ていたベジータがオーラを解き、急ブレーキをかけるように立ち止まった。全身から白い煙が立ち上り、とてつもないスピードで飛んできたためかほのかに熱を帯びていた。

 

「ベ、ベジータ…!よく私たちを発見できましたね…」

 

「当たり前だ、貴様らとは出来が違うんだ。さあ、ピッコロとやらが盗んだはずの4つ星のドラゴンボールを返してもらおうか、なめた真似しやがって…」

 

「何のことですか…!」

 

「とぼけていろ…すぐに喋らせてやるぜ。…ん?なんだ?ピッコロと男が逃げたあの山…他にも何かいやがる。ボールを隠したのはあそこか…」

 

「ち、ちがう!!あそこには何も…」

 

しかし、ベジータは美鈴の言葉を聞き終わる前に彼女を追い越して山へ向かっていった。

 

「あっ、ま、待て────ッ!!」

 

 

 

一方、既に最長老の元へたどり着いた天龍は彼の手を頭に乗せられ、今にも眠れる力を呼び覚ましてもらおうとしていたところであった。

 

「これはすごい…素晴らしい潜在能力をお持ちだ…」

 

「す、すみません、急いでいただけませんか!」

 

「…もうここに来ています」

 

と、ネイルがベジータの気を感じて静かにそう言った。ネイルが家の外に出ると、案の定、ドラゴンボールを持ったベジータが迫っていた。

 

「帰れ。中には入れさせんぞ」

 

「ほう、死にたいようだな…」

 

自信あり気にそう言い返し、両者の間に火花が散る。ベジータは戦闘の構えに入りはじめ、ネイルもゆっくりと後ろで組んでいた手を解こうとする。

だが次の瞬間、すぐ近くから突然大きな反応を感じ、ベジータはそちらを向いた。

 

「誰だ?この家の中から急に強いパワーが…!」

 

すると、ドアの中から天龍が出てきた。見た目こそ何も変化はないが、最長老に潜在能力を開放してもらったおかげでベジータですら気付かない程に強くなっている。

 

「お前か…なぜ急激にこれほどまでの変化が…?中で何をした…!」

 

 

「…!」

 

その時、部屋の中にいた最長老は何かに感づき、冷や汗を流した。

 

「デンデ、外にいる方たちに伝えなさい…この星に何か得体の知れない大きな力が接近していると…」

 

「は、はいっ!」

 

 

「ね、ねえっ!何者かがこの星に近づいてるって最長老様が…!」

 

デンデは外にいるネイルたちにそう告げた。

 

「ほ、本当だ!カカロットが来ているんだ!」

 

「確かに!複数の気を感じます…ターレスさんたちも…!」

 

「カカロット…ターレスだと…?」

 

ベジータは不思議そうな顔をすると、自分もそれを確かめようとする。しかし、その近づいている何者かのパワーを感じた瞬間、その顔は蒼白した。

 

「まっ…まさか!!ギニュー特戦隊!?」

 

思わずそう叫ぶ。

 

「1…2…3、4、5…間違いない!フリーザの野郎、ギニュー特戦隊を呼びやがった!!」

 

今までにないほどのベジータの焦りように美鈴たちは驚いた。

 

「おい!このオレに隠したドラゴンボールをよこせ!!」

 

ベジータは切羽詰まった様子で天龍にそう怒鳴りかけた。

 

「い、いやだそんな事!」

 

「約束する、もしオレが不死身の力を得ても貴様らには手を出さん!さっさとせんと取り返しのつかんことになるぞッ!!」

 

「だ、騙されるものですか…!そんなことしたらあなたの思う壺に…!!」

 

美鈴がそう反論する。

 

「よく聞けよクソ野郎ども…!フリーザの呼んだギニュー特戦隊ってのは今のこのオレ…いや、それ以上の連中が5人もいるんだ!奴らは最新のスカウターでオレや貴様らなどすぐに見つけて殺しに来るぞ!」

 

「まさか…そんな…」

 

「奴らのパワーを感じないのかッ!!道はたったひとつしかない、オレが不死身となって奴らを倒す道しかな!」

 

「コイツの言ってることは本当かも知れん…確かに邪悪な大パワーが5つ…」

 

ネイルも神妙な面持ちでそう言った。ネイルがそういった事で、ようやく天龍と美鈴もこの接近しているパワーが本当にベジータですら恐れる戦士の集まりなのだと悟った。

 

「だがドラゴンボールで叶う願いは3つだ。その者を不死身にしてしまってもまだチャンスはある」

 

「えっ、3つも…?」

 

「ゴチャゴチャ言ってないではやくしろッ!!間に合わなくなってもしらんぞ──ッ!!」

 

「わ、わかった…!ピッコロ、出てきてくれ!」

 

そう言うと、家の中からピッコロが姿を現した。

 

「本当にコイツにドラゴンボールを渡してしまうのか?」

 

「貴様が持っているのか?さっさと渡せ!!」

 

「残念だがボールは私の腹の中だ」

 

「ならば貴様も直接ほかの6個の隠し場所へ来い!!急げ!!」

 

ベジータ、ピッコロ、美鈴、天龍の4人は急いで飛び去っていった。

 

 

「いったようですね…」

 

家の中で、最長老はネイルとデンデにそう言った。

 

「はい。ですが上手くいったとしても勝算は低いでしょう…」

 

「ネイル、お前も行ってあげなさい…少しでもお役に立てるでしょう」

 

「ですが最長老様は…ピッコロが連れてきたその敵もおりますし…」

 

ネイルは目でザーボンを示した。すでに意識が戻っているが、部屋の壁に寄りかかり、完全には治癒していない腹の傷を押さえている。

 

「この者はまだ動けはしない…私の寿命もあとわずかは持つでしょう」

 

「わかりました」

 

 

強くなったベジータですら恐れるギニュー特戦隊とは一体…!?

 

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