もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第124話 「対リクーム!ベジータの速攻!!」

「俺の勝ち~!」

 

次に誰が戦うのかジャンケンで決めていた残りの特戦隊メンバー。どうやら次に出てくるのは、ベジータと戦う予定のリクームのようだ。

 

「さ~て、俺が相手だよベジータちゃん!」

 

リクームがベジータに近寄っていく。

 

「ギニュー特戦隊!!リクーム!!とうっ!!!」

 

独特なポージングを決めるリクーム。一瞬、あたりは凍り付いたように静まり返るが、溢れんばかりに解放されたベジータの気が地面を捲り上げる音にかき消される。

 

「かああああああ…!!」

 

「ほお!」

 

ベジータの戦闘力を見た特戦隊は驚きの声を上げる。

 

「ベジータの戦闘力が3万近くまで上昇した!まだまだ上がるぜ!」

 

次の瞬間、ベジータは地面を蹴って飛んだ。猛烈なスピードでリクームへ向かっていき、彼がまだ反応できないうちにその顔面を思いきり殴りつけた。

さらに後ろへ倒れるリクームの背後へまわり、その頭部へ拳を振り下ろして地面へ叩きつける。だがまだベジータの猛攻は終わらない。腹へ飛び乗って踏みつけ、片足を掴んで持ち上げるとそれを投げ飛ばし、近くの岩山に衝突させた。岩山が砕け散り、ガラガラと崩れ落ちた。

 

「うおおおお…!!」

 

両手を広げてエネルギーを溜め、その手を前にかかげてくっつける。そうして合わさったエネルギーを、特大の気功波として前方へ発射した。

 

「ふ、伏せろ!」

 

天龍がそう言うと、美鈴と一緒に頭を伏せた。

そしてベジータの一撃が着弾し、遠くからでも一目瞭然な巨大な爆発が巻き起こる。だがそれでもベジータは追撃の手を緩めなかった。連続でエネルギー弾を放ち、さらにその地点へ執拗な攻撃を加える。

 

「はあ…はあ…!」

 

そこでさすがのベジータも息を切らし、攻撃をやめる。

 

「すごいな…やはりベジータは強い!一瞬で決めやがった…!」

 

「…いや、奴の気はほとんど減っていない。まだ生きてるぞ」

 

そう言った天龍に対し、ピッコロが冷や汗をかきながら言った。

ベジータも反応を感じて額に血管を浮き上がらせる。

 

「…ハーイ!!」

 

煙が晴れると、そこには戦闘服のアーマーが完全になくなり、頭髪もボサボサになったものの肉体的なダメージはほとんど受けていない様子のリクームが…まるでバレリーナのように両足をクロスさせたポーズで立っていた。その顔には笑みを浮かべており、あれほどの息もできないような猛攻を受けてもまだまだ余裕があることを思い知らされる。

 

「な…なんてやつだ…!!」

 

「準備運動はここまでだ!さぁ、そろそろ本番始めようぜ!!」

 

次の瞬間、リクームは軽くジャンプした。

 

「リクーム…キック!!」

 

そのまま高速で飛び、一瞬でベジータに迫ると、顎に強烈な膝蹴りを浴びせた。口から血を流しながら吹っ飛ばされるベジータが目の前を通過するまで、天龍や美鈴には何が起こったのかわからなかった。

 

「ぐうっ!!」

 

ベジータは地面のちょっとした盛り上がりにぶつかると何とか態勢を戻し、そこを蹴ってリクームへ反撃を仕掛ける。

 

「うおおあああああ!!」

 

全身に気を纏いながら殴りかかるが、リクームは難なく左腕でそれを受け止める。そして右腕で肘打ちを繰り出し、ベジータが振り下ろそうとしていた左腕とぶつかった。

両者の激しい肉弾による攻防戦が繰り広げられ、周囲にはスパークが飛び散る。

 

「いいぞ!なかなかいい!思ったよりやるじゃないのベジータちゃん!」

 

だが次の瞬間、リクームの振り下ろした拳がベジータの後頭部に当たり、ベジータは地面へ叩きつけられる。そこへ追撃のパンチをお見舞いしようとするが、ベジータは間一髪で空中へ飛ぶことで逃れた。

が、リクームの目は逃げるベジータを離さない。すぐに追いかけていく。

 

「はっ!!」

 

ベジータは向かってくるリクームへエネルギー弾を撃ちこむが、なんとリクームはそれを避けると同時にさらにスピードをグンと高め、一瞬でベジータに接近した。

 

「やっほー!」

 

そして上から蹴りを食らわせ、ベジータを眼下に広がる湖に叩き落とす。勢いと衝撃で水が柱のように飛び散り、岸へ津波が押し寄せる。

 

「ひっひっひ…」

 

その光景を見て笑いを浮かべるリクーム。しかし次の瞬間、なんと離れた場所の水の中から飛び出してきたベジータの突撃が腹へめり込み、身体を曲げて悶絶した。ベジータは気配を消して水中を移動していたのだ。

 

「ぐ…おお…!」

 

が、リクームはにやりと笑うとベジータの身体を掴み、自分の頭の上へ持ち上げた。そして一気に地面へ向かって急降下していく。

 

「う…うわああ───ッ!!」

 

ドゴッ

 

急降下の勢いが乗ったまま地面に頭から叩きつけられたベジータは、両足を残して全身が地面に埋まってしまっていた。

 

「おいおい大丈夫だったか?まさかもうくたばったわけじゃないんだろ?」

 

その足を掴み、地面から引っ張り出してその顔を近づけて兆発の言葉を投げる。ベジータも片目をつぶり、額や口元から血を流してはいるが、突然に腕を掲げ、リクームの顔面目がけて気功波を放った。

それが顔面に直撃し、リクームは後ろへ倒れ込んだ。解放されたベジータは地面に着地し、息を切らす。

 

「や…やった…!」

 

美鈴が喜んだのもつかの間、リクームは素早く起き上がり、またも余裕の笑みを浮かべた。

 

「いいね!そうこなくっちゃ」

 

顔に煤がついてところどころから血を流しており頭髪が焼けて少なくなっているが、おそろしいことに戦いを始めた時からその気はまったく下がっていないのだ。

 

「アイツ嫌な性格だよな~」

 

戦いを見ていたバータが笑いながらそう言った。

 

「もっとビシッとした技は無いのか?無いんならそろそろ殺しちゃうけど、いいか?」

 

(化け物め…ち、チクショウ…!このオレがまるで赤ん坊扱いだ…)

 

「お命頂戴ッ!コイツでフィニッシュだ!」

 

リクームが気を減らしていないのとは反対に、ベジータはダメージと消耗によりだいぶ気を減らしていた。気が減るということは戦闘力もさがるということ…ベジータに次のリクームの一撃を避ける力は残っていなかった。

 

「リクーム…イレイザーガン!!」

 

またもリクームは独特なポージングを取ると、大きく開いたその口から膨大な威力を誇るエネルギー波を吐き出した。

スパークを帯びたその一撃はベジータへと一直線で向かっていく。

…だが次の瞬間、突然飛び出してきたピッコロがリクームの頭部に上から蹴りを加えた。口を閉じた事により行き場をなくしたエネルギーが鼻から噴き出し、攻撃が中断される。そして避ける余力の残っていないベジータを、天龍が抱きかかえるようにして移動させて回避した。

そして遠くの大地に当たって炸裂したリクームイレイザーガンは、地面を文字通り吹き飛ばした。クレーターなどというのは地面がすり鉢状に圧縮されてできることが多いが、そんなものでない…圧縮ではなく消し去ったのだ。

 

「邪魔だ…!余計なことしやがって…」

 

救われたベジータは天龍に文句をつく。

 

「オレを助ける暇があるならお前も攻撃すればよかったものを…」

 

ピッコロは前のめりに倒れ込んだ、リクームに蹴りかかり、トドメの一撃を放とうとする。しかしその時、リクームは突然むくりと起き上がると、ピッコロの足を掴んだ。

 

「ぐっ…!」

 

「今の不意打ちはなかなかだったぞ!真上から喰らって口が閉じちまった…おかげで歯が…ちょっと頭に来ちゃったかな…」

 

振り向いたリクームは怒りに目を血走らせながら笑った。前歯のほとんどが砕けてなくなり、口から血を流していた。

 

「お──い、バータ!ジース!残りもオレにやらせてくれ!なっ、いいだろ!?」

 

「ちっ…しょうがないな」

 

「あとで俺たちにチョコレートパフェを奢れよ!!」

 

ジースとバータは遠くからそう言った。

 

「そう言うことだぜ」

 

次の瞬間、リクームの渾身の頭突きがピッコロの額に命中した。後ろへよろめくピッコロ…そして次にリクームは高速で移動し、一瞬で天龍の背後へ立った。

 

「はっ!?」

 

「バカヤロウ、攻撃しろ!殺され──」

 

ベジータがそう言いかけた瞬間、今度はリクームの蹴りが天龍を思いきり突き飛ばす。ボキッという音が響き、天龍はズザーッと地面を転がる。

 

「天龍さん!」

 

そこへ美鈴が駆け寄る。

 

「ほ…骨が…!」

 

「ああ…たった一撃でこのざまとは…すごすぎる…こんなの有りかよ…せっかく最長老さんにあげてもらったパワーが意味ないぜ…」

 

天龍は起き上がれない程のダメージを負い、最早これ以上戦う事は不可能だ。

 

「ちっ、つい力が入っちまった~!もう少し遊ぶつもりだったのによ!」

 

「…やれるだけやってみます!」

 

美鈴とピッコロはリクームに戦いを挑むのだった…。

 

 

 

そのころ、最長老の命によりピッコロたちの助っ人に向かうはずだったネイルは…何故か途中で最長老のもとへと引き返していた。

妙な胸騒ぎがしたからである。ごく近い未来、最長老の身に悪の手が忍び寄る…ネイルはそれを感じ取っていたのだ。

 

(ゆるせピッコロたちよ…わたしには最長老さまを守る使命があるのだ…!)

 

 

 

「素晴らしいですよギニューさん…」

 

一方、ドラゴンボールをフリーザの元へと持ち帰ったギニュー。並べられた7つのドラゴンボールを見て、フリーザはギニューを賞賛した。

 

「こんなにはやくドラゴンボールを持ってきていただけるとは。やはり貴方たちギニュー特戦隊を呼んで正解でしたよ」

 

「フリーザ様にそう言っていただけるとは光栄です!」

 

「いよいよこれで永遠の命が手に入るのですね…素晴らしい喜びです!」

 

「よろしければわたくしが『喜びのダンス』を踊りましょうか!」

 

「そ、それはまた次の機会に…。こほん、夢にまで見た不老不死がまさか現実のものになろうとは…ついに私は完璧になれる!私ともあろう者が、ドキドキしてきてしまいましたよ」

 

フリーザは息を整え、揃ったドラゴンボールに叫んだ。

 

「さあドラゴンボールよ!このフリーザ様に永遠の命を与えなさい!!」

 

「うおおお!!」

 

そう願いを言ったフリーザ。これで自分は完璧な支配者として永劫に宇宙に君臨できる。そうすればもはや逆らうものを完全に潰えることができる。団結したサイヤ人も、伝説の超サイヤ人も怖るるに足らない。

しかし…

 

「…?何も起こりませんね…もう不老不死になられたのでしょうか?」

 

「い、いえ…そうは思えません。な…なぜ…」

 

ドラゴンボールはうんともすんとも言わず、自分に何か変化が起こったような感じもしない。

 

「…ま、まさか…!!」

 

 

『さ…さあ持っていくがいい…7つそろえたところで、どうせ貴様らには願いを叶える事などできんからな…!』

 

 

「た、たしか2個目のドラゴンボールを奪った村でナメック星人がそう言って…!ただの負け惜しみだと思ったのですが…”貴様らには”…確かにそう言っていた。”貴様らには”…」

 

その時、フリーザの頭にある可能性が浮かんだ。

 

「何か暗号があるのですね!?ナメック星人しか知らない、願いを叶える秘密の暗号が…!!合言葉?場所?それともボールの並べ方?それをナメック星人に聞きださなくては…!」

 

確かに、地球のドラゴンボールも幻想郷のドラゴンボールも、まずはその内に眠るドラゴンを呼び出すための掛け声が必要であった。ナメック星のドラゴンボールも同様だとすれば、それをフリーザは知らなかったのだ。

 

「ナメック星人はほとんど殺してしまいましたからね…1匹でも生き残っていればいいのですが…。この反応はベジータ達か…もしかしたら彼らが知っているかも…」

 

「え!?では部下に殺すのをやめさせますか?」

 

「お!ポイント8829401をごらんなさい…明らかにナメック星人だと思われる反応がふたつ…そしてそこへ近づいている反応がもうひとつ。こんな場所は攻めていませんからまだ生き残っていたんですね!」

 

「ではわたしが言って願いの叶え方を聞き出してきますよ!」

 

「いえ、有り難いですが私が直接聞いてきましょう。私の方がここの連中の扱い方に慣れていますからね。ギニューさんはここでドラゴンボールを見張っていてください」

 

「わかりました、お任せください!」

 

フリーザは移動用ポッドに搭乗すると、猛スピードでそれを飛ばした。

 

「さあ…飛ばしますよ!」

 

ギュン

 

もっとも恐れていた事であった。とうとう最長老の存在をフリーザに気付かれてしまったのである…!フリーザの乗ったマシンのスピードは強烈で、ぐんぐんとその目的地との距離を縮めていった。

 

 

 

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