もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第126話 「対決!ジースとバータ!!」

「よし、いくぞッ!!」

 

「おうっ!!」

 

ジースとバータは、ふたり同時にターレスへと向かっていく。

そしてターレスを挟み込むようにして立ち、彼の逃げ場を塞ぐ。

 

「教えてやるぜ、ギニュー特戦隊をナメるとこういうことに…」

 

バチッ

 

だが次の瞬間、ターレスは軽いパンチをジースの顔面に浴びせた。ジースはよろりと後ろへ移動し、鼻から垂れる血をぬぐった。

 

「き…キサマ…!」

 

「どうでもいいが、お前らの相手は俺じゃない。おい、お前たちの力を見せてやれ」

 

「なに?」

 

その時、バータの背後から一発のエネルギー弾が飛んできた。

 

「うおっ!」

 

自慢のスピードでかわすバータだが、その先にはウスターがおり、その身体に激突して弾きとばされる。バータは頭をさすりながら距離を取り、驚いた顔をする。

 

「貴様はこの俺が相手だ」

 

「な、なにを~…!」

 

「バータ!」

 

ジースはバータに加勢しようと飛び立つ。だがその行く手を、ナッパとラディッツが塞いだ。

 

「お、お前の相手は俺たちだぜ…!!」

 

「猿野郎風情が…!!」

 

ターレスは両者が戦いだしたのを確認すると、残りふたつの神精樹の種を持ってピッコロとベジータに近づいていく。ピッコロに種を食わせ、ベジータに種を投げてよこす。

それをかみ砕いて食したふたりは体力を元通り回復させた。

 

「やっと来たのか…」

 

「ああ。ダイーズたちはどうした?」

 

「さァな…そこのベジータに全員殺されたはずだ」

 

「…それは本当か?ベジータ王子…」

 

ターレスに睨まれたベジータは身をすくませる。

 

「し、仕方ないだろう…!戦闘服とスカウターをつけていたからフリーザの手下かと思ったんだ!」

 

「…まあいい…今は、俺たちの仲間に付け。ヤツは徒党を組んだサイヤ人を怖れていたのは知っているはずだろう?」

 

ターレスはウスターたちの戦闘に目をやる。

ウスターはバータとの激しい空中戦を繰り広げている。バータの肘打ちを受け止め、そのまま脇腹へ蹴りを放つ。苦しげな顔をするバータだが、猛烈なスピードで円を描くように飛びウスターの背後から突撃をしかける。

 

「はあっ!」

 

そして殴りかかるが、ウスターは左腕でそれを受け止める。続いてのバータのもう片方の腕による攻撃を片足で防ぎ、次に繰り出された右足の蹴りを、ウスターはもう片足で止めた。

が、しかし、残された左足による強力な蹴りは止められずにその腹に叩きつけられる。怯んだウスターのスキを突いて、バータは顔面に連続してパンチを浴びせる。

 

「オリャア!!」

 

吹っ飛ばされ、空中でうなだれるウスター。

 

「どうした?さっきまでの威勢は何処へ行った?右腕が無いんじゃあ、俺の攻撃を全てさばけるわけはないぜ」

 

バータは腕を組みながら勝ち誇った。

 

「はっはっは…この右腕は8年前に失った。そしてこの俺は、いつまでも弱点をそのままにはしておかない…」

 

「あ?何を言ってやがんだ?」

 

「はああああ…!!」

 

ウスターは額に血管を浮かばせて力んだ。その身体を熱気の様なオーラが覆う。すると、肘から先の無い右腕付近のオーラが分離し、濃い紫色に変色する。そのオーラは見る見るうちに大きな右手へと形を変えた。

 

「なっ、何だと!?」

 

ウスターはオーラで造り上げた右手を握り、ニヤリと笑う。これは前々からウスターが密かに考え練習していたもので、宇宙船内の修行においてようやく完成させたものだ。

 

「喰らえ!」

 

その拳をバータに振りかざす。受け止めるバータだが、あまりの威力で繰り出されたパンチに押され、軽く吹っ飛ばされる。

 

「ぐっ…!」

 

バータはそのままギュインと音を立てながら高速で空中を旋回し、ウスターへ背後から接近する。そして殴りかかろうと腕を振りかぶり、それに気付いたウスターは回し蹴りを繰り出す。

が、すでにその場所にはバータは居らず、前方へ突然現れてウスターの顔面に肘鉄を食らわした。

 

「へっ!やはりオレ様の全力のスピードには敵わねぇようだな!このままじわじわといたぶり殺してやるぜ」

 

もう一度ウスターを錯乱させようと距離を取り、旋回するバータ。しかし、ウスターはじっとそれを見ると、作り出した右手を動かし、なんと自身の身体から遠く離れた場所にまで射出し自在に操ったのだ。

その手はバータのスピードをはるかに追い越し、その足をがっしりと掴んで離さない。

 

「なっ…なんで宇宙一のオレ様のスピードについてこられるんだ!?」

 

「さァな…じゃあお前は宇宙一じゃないってことだ」

 

ウスターはそう言うと、左手の拳を握り、大きく振りかぶる。力を込めると腕の筋肉が膨張し、血管が浮き出る。

一方拘束され動けないバータは、もがいて振りほどこうとするがそれも意味を成さない。ウスターは全力でバータへ急接近し、左腕でその胸を殴り抜けた。

 

「が…!!」

 

目を丸く見開きながら気を失ったバータを地面へ投げ捨てる。

 

 

「バータ!!」

 

彼がやられたことに驚き、そう声をあげるジース。

 

「よそ見してる暇なんかねぇぜ!」

 

その時、ナッパがジースに殴りかかった。応戦するジースだが、横から迫っていたラディッツの飛び蹴りを肩に受けて吹っ飛んだ。

 

「小賢しいッ!!」

 

ジースは一発のエネルギー弾をラディッツに向けて放つ。それを間一髪受け止めるが、あまりの威力によって徐々に後ろへ押されてしまう。

 

「むおお…!!」

 

何とかはじき返すことに成功したが、直後に目の前に迫っていたジースのパンチを腹に受ける。だが次の瞬間、ナッパがジースの足を掴んで振り回し、遠くへ投げ飛ばした。

 

「ナッパにラディッツ…!なぜたかがサイヤ人であるはずのお前らがこんなパワーを…!!」

 

「俺たちはフリーザを倒すために修行しながらここへ来たんだ、今までの俺らだとナメてもらっちゃ困る」

 

直後、ラディッツとナッパは同時にジースへ攻撃を仕掛けた。何とか反応し、初撃を受け止めるジース。さすがはギニュー特戦隊のメンバーというべきか、ふたりがかりの攻撃とほぼ互角に渡り合っている。

しかしその時、ナッパらの背後から飛び出してきた影がジースに接近した。

 

「なにっ!ベジータ!?」

 

「ちゃあああ!!」

 

ジースの頭に両手を合わせた拳を叩きつける。ジースは痛みに顔を歪めながら下へ落下していく。ベジータはすぐさま後を追い、ジースが落下する地点に先回りし、その背中に強烈な蹴りを浴びせた。

上へ吹っ飛ぶジースに向かって、片腕から強力なエネルギー波をはなつ。リクームに散々殺されかけたあとに神精樹の種を食べて体力を元通り回復させたベジータは、ザーボンにやられた時のように復活パワーアップを遂げていた。よって、有無を言わさぬベジータの怒涛の攻撃はジースに何をさせる暇も与えず、彼を木っ端みじんに吹き飛ばしたのである。

 

「キサマら…生きてやがったと思ったらふたりがかりで手こずりやがって…!」

 

「お、おう…相変わらずだなベジータ…」

 

「おい!ターレスと女!!そこに伸びてるバータとリクームもさっさとトドメを刺してしまえ!」

 

ウスターは気絶しているバータの前でチラリとターレスを見た。

 

「いや…もうコイツらはどうでもいい、ほうっておけ。もう一度俺たちに襲い掛かろうと、もはや敵ではない事は証明された」

 

「…チッ、テメェは前からそうだったな…戦闘種族でありながら必要以上の無駄な戦闘は好まん…」

 

「楽に生き延びるための手段さ」

 

「だが証明されたことはもうひとつある…お前は本能で殺戮と破壊を好む超サイヤ人ではなかったということだ」

 

「なに?超サイヤ人…?」

 

「圧倒的に強くなりそこそこな連中を仲間にしたのが自慢らしいがそれでフリーザに勝てると思ったら大間違いだぞ!ヤツを倒すにはそれだけじゃあ足りん!!それこそ不死身になるか伝説の超サイヤ人にでもならん限りな!!」

 

「しばらく見ない間にそんな夢物語を信じるようになったのか?超サイヤ人などという不確かなものをあてにするより確実性を選んだだけだ」

 

「…ふん、だがもう遅い。今頃フリーザは奪ったドラゴンボールで不老不死になってしまったはずだ。これでどう考えても勝ち目はないぞ」

 

「いや、ヤツは恐らくまだ願いを叶えてはおらん」

 

ピッコロがそう言った。

 

「どういうことだ?何故わかる?」

 

「もしもこのナメック星のドラゴンボールが、私が作った地球製のものと同じ性質を持つとすれば神龍のようなヤツが出てきて空が暗くなるはずだ」

 

「え?空が暗く…?」

 

天龍と美鈴が不思議そうな顔をする。

 

「お前たちの知る幻想郷のドラゴンボールが特殊なだけだ。本来は7つ集めなければ願いを叶えられん」

 

「そ、そうだったのか…てっきり1個のボールでは力不足だから7個集めようとしているのかと…」

 

幻想郷のドラゴンボールは7個それぞれに龍神が宿っており1個だけでも願いを叶えることは可能だが、その叶えられる願いの範囲は狭い。だが7個集めた時、幻想郷を崩壊させるほどのパワーを持つ龍神の顕現と引き換えにその願いの力は計り知れなくなる。

 

「何を言っているのかさっぱりだ!7個そろえると何かが出てくるのか?」

 

「フリーザは合言葉も知らないに違いない。まだチャンスはあるということだ」

 

「合言葉だと…そんなものが…」

 

その時、ピッコロは何かに感づき、焦りの表情を浮かべた。

 

「向こうの遠い位置に高速で移動中の強い気を感じる…」

 

「カカロットではないか?さっきターレスがギニューとやらの場所へひとりで向かわせただろう」

 

「…いや違う!これはフリーザだ!」

 

美鈴もそれに気づいた。

 

「きっと願いを叶える方法を直接最長老さんに聞きだしに行ったんですよ!そして聞き出し終えたら絶対にヤツは最長老さんを殺しますよ!!」

 

「そうだ、最長老が死ねばこの星のドラゴンボールも消えてしまう…それも知らないはずだ」

 

「な、なんだと!?」

 

それを聞いたベジータは驚愕する。

 

「おい!そうならそうと早く言え!オレはその最長老とやらのところへ行く!不老不死の願いを叶えるのはこのオレだからな!!」

 

「ならばナッパとラディッツ、そしてウスターとピッコロはベジータについていけ!俺と美鈴、天龍はカカロットに加勢してギニューを片付けてから様子を見てからすぐに向かう…いよいよフリーザとの決戦となるかもしれんぞ」

 

ターレスはギニューが得体の知れない技を持っているという噂を聞いていたので、カカロットの事が少し気になっていたようだ。

最長老の元へと向かうフリーザ、そして同じくその場所へ向かい最長老から願いを叶え方を聞き出そうとするベジータと、それについていくクラッシャー軍団のメンバー。いよいよ、決戦の時は近い…!

 

 

 

「あそこですね…ふっふっふ…」

 

スカウターに表示された位置情報を頼りに、ついに最長老のいる家が建っている高い山を発見したフリーザ。ベジータ達がはやく到着しなければ、最長老はフリーザに…!

 

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