「む!何か来る!」
フリーザにドラゴンボールを守っているように言いつけられたギニューは、何かこちらへ近づいてくる戦闘力反応をスカウターで探知した。
「この反応は…サイヤ人?まさかベジータに仲間がいたのか?どちらにせよこのドラゴンボールを狙っているに違いない…埋めて隠してしまうか」
ギニューは指先から衝撃波を放って地面に穴を空け、そこに7つのドラゴンボールを入れて埋めた。できるだけ以前の地面の状態に近くし、ここに隠されていると感づかれないように…。
その時、空に紫色のオーラが見えた。オーラは流星のように尾を引きながらこちらへ接近し、やがて地面に降り立った。
「お前がギニューか」
「如何にも、この俺こそギニュー特戦隊隊長ギニュー!そう言う貴様は何者だ?」
「俺はカカロット。お前をぶっ倒しに来た」
「やはりサイヤ人か。ベジータの仲間か?」
「さぁな…」
カカロットは格闘の構えを取り、ギニューに戦いを挑む。
「戦闘力5000程度か…だが俺はスカウターの数値に頼る戦い方はしない。正々堂々戦おうではないか」
「見た目と違ってフェアプレイを好むんだな」
「ギニュー!参る!!せやっ!!」
ギニューはファイティングポーズをとると、地面を蹴って前方へ飛び出した。勢いを乗せた肘打ちを繰り出すが、カカロットは膝蹴りでそれを防ぐ。さらにカカロットのパンチがギニューを襲うが、彼もまた片腕でそれを受け止める。
(なるほど…スカウターでも拾いきれない程の一瞬のみ戦闘力を上昇させているのか…俺の見立てでは戦闘力6万ほどまで引き上げているだろう)
ギニューはカカロットの拳を掴んだまま空中へ投げ上げ、そこへ先回りしてサマーソルトを喰らわせた。さらに上空へ吹っ飛ばされるカカロットだが、一発の気功波を撃って反撃に出る。
「だがたった6万では俺の相手にはならんぞ!」
片腕で弾き飛ばし、ギニューはカカロットへ接近する。そして両者は同時に攻撃を繰り出し、空中で激しい攻防戦を繰り広げる。
その時、ギニューのスカウターに写るカカロットの戦闘力が見る見るうちに上昇を始めた。
(戦闘力2万…4万…6万…!まだ上がるだと!?7万!!)
「おりゃああ!!」
カカロットの蹴りがギニューの顎にヒットし、さらに追撃のパンチを頬へ喰らった。もう一度攻撃を仕掛けようと接近するカカロットだが、ギニューはカッと目を見開くと全身から衝撃波を放ち、その動きを止めた。
その間に地面へ降り立ち、カカロットも同じくギニューの正面に降りた。
「ふっ、その程度か。悪いが一気にいかせてもらうぜ」
カカロットはそう言った。
「いまの少しの太刀合わせでその自信を持ったとしたらとんだウツケ者だな…実はこの俺様も戦闘力を自在に変化させられるタイプの人間なのだよ」
次の瞬間、ギニューの全身にオーラが纏われ、左腕をカカロットへ向けた。
そして一発の巨大なエネルギー弾が放たれた。さすがにこれを喰らってはやばいと思い空を飛んで避けるカカロット。そのエネルギー弾が地面へ着弾すると、とてつもない爆発と衝撃が発生し、地形が大きく変わってしまった。
つぶてと突風が吹き荒れる中、カカロットはギニューの頭上へ接近して蹴りを放つ。だがギニューはそれを分かっていたかのようににやりと笑うと瞬時に消えてかわし、カカロットの正面から現れ殴りかかった。
「ぐっ…!」
両者はもう一度激しい打ち合いを展開する。ギニューはもう一度先ほどの様なエネルギー波を放つために空中へ飛んで距離を置こうとする。だがふと下を見下ろすとそこにはすでにカカロットはおらず、それに気付いた時には上へ先回りしていたカカロットの蹴りを喰らい、下へ吹っ飛ばされた。
しかし、地面へぶつかる寸前で受け身を取り、地面を蹴って再び飛び跳ねた。今度は先ほどとは打って変わった凄まじいスピードで、それに面食らったカカロットの腹へ強烈なパンチを叩きつけた。
「ごふ…!」
追撃を喰らうと思い警戒するカカロットだが、ギニューは動かなかった。
「カカロットとかいったか…サイヤ人。正直言って驚いたぞ…お前の戦闘レベルはサイヤ人としてのレベルをはるかに超えている。だが、キサマはさらなる力を隠しているな!気がつかんとでも思ったか…!おそらくフリーザ様との対戦に備えてパワーを温存しておくつもりだったのだろうが…このオレ様をなめるなよ!珍しく楽しめそうな戦いにワクワクしてるんだ…つまらんマネはよせ」
「…ワクワクしてる、か…。そう言うなら仕方ない、本当の力を見せてやる」
「そうした方がよかろう…力を出し切らんうちに死んでは死にきれまい」
「そのスカウターで俺の力をよく見てやがれ!」
(ふっふっふ…おそらくヤツの戦闘力は10万前後まで上がるだろう…)
そう思い込んで高を括るギニューだが、次の瞬間に表示された戦闘力数値を見て震えあがった。
カカロットが力を込めると、あたりが蜃気楼のようにぼやけ始め、カカロットがほんのりと紫色に発光する。
「きゅ、9万…?10万…11万…!馬鹿な、まだ上がる…!!」
カカロットの発光がおさまり、完全な紫色のオーラとしてその肉体を覆った。
「15万…!!?」
「どうだ…驚いたか?言っておくが瞬間的に出せる戦闘力はこれが限界じゃないぞ」
「くっ、あり得ん…!この俺でさえ最大戦闘力は12万だ…それを軽々超えるなど…!…はっ!?」
その時、ギニューは何かを思い出したかのように驚いた。
「ま、ま…まさか貴様は、ス…超サイヤ人なのか…?」
「超サイヤ人?なんだそりゃ」
「うおおお──ッ!なんということだ──ッ!!お前のような奴が、フリーザ様がただ一人怖れていた超サイヤ人だというのか…ッ!」
「…何を言ってるのかわからんが、もうテメェは俺には勝てねぇ。今すぐ消えるならテメェには手を出さないでやってもいいぜ」
すでに死を覚悟するほどの衝撃を受けていたギニューであったが、その言葉には疑惑を抱いた。
「な…き、キサマそれを本気で言っているのか?」
「本気さ。なかなかフェアな戦士のようだったからな…」
「バカなことを…超サイヤ人は血と殺戮を好む全宇宙最強の戦士のハズ…!そ、そうか!キサマは超サイヤ人ではないな!超サイヤ人に成りきれてはいないのだ!」
そう思ったギニューの表情は一変して、怪しく笑いだす。
「だが俺よりは強い…くっくっく、素晴らしいパワーだな…!」
一方その頃、最長老の元へと戻って来たネイルは、ドラゴンボールでの願いの叶え方を聞き出しに来たフリーザの邪悪な気を感じた。
「やはりとうとうここを嗅ぎつけられたようです。すぐそこまで…」
ネイルにそう言われた最長老は、そばにいたデンデの頭の上に手を置いた。美鈴や天龍、そしてピッコロにそうしたように、デンデにも眠ってる力を開放してやったのだ。
「あ…これは…?」
「行っておあげなさいデンデ…あの地球の方とサイヤ人たちはあなたを必要としています…。力を引き出しておきましたからわずかな時間で行けるはずです…」
「で、ですが…」
「はやく行くのです…!」
「わ…分かりました!さ、最長老さま…どうか死なないでください!」
デンデはそう言うと、以前まででは考えられない程のスピードで家を飛び出していった。
「殺されてしまうのが先か…寿命で死ぬのが先か…どちらでしょうかね…」
最長老は達観したように静かにそう呟いた…。
その時、既にフリーザは最長老の家の目前にまで迫っていた。その時、ちょうど家を出ていったデンデとすれ違ったが、フリーザはそれを無視した。
「ま、いいでしょう…チリのひとつくらい放っておきますか…」
家の前でポッドを停め、静かに地面へ降りる。すると、ドアを開けて中からネイルが姿を現した。
「何か用か?」
「わたくしはフリーザといって、あなたたちのドラゴンボールを集めてある願いを叶えたい者ですが…ドラゴンボールは7個すべてを揃えたのですがね、どうも願いが叶えられないようなのですよ…。そこで教えてほしいのです。どうすれば願いを叶えられるのでしょうか?」
しかし、ネイルはすぐに言い返す。
「お帰り願おう…邪悪な者に教えることはできない」
「素直になった方がいいと思いますよ。あなたを殺すぐらい訳はありません。あとひとり中にいらっしゃるんでしょう?その方に聞きだせばいい事ですから」
「ではそうするがいい。だが戦う前にこれだけは言っておく。家の中におられる方はこのナメック星の最長老さまだ。ドラゴンボールは最長老さまが作られたもの…」
「ほう!」
「頭に叩き込んでおけ!もし最長老様を殺せばドラゴンボールも消えてなくなるぞ!」
その言葉を聞いたフリーザは、そのネイルの発言を確かめようとした。目から光線を放ち、家の2階部分の壁を破壊し、そこから中の様子を見ようとする。
浮遊して覗きに行くと、たしかにそこには最長老らしきナメック星人が居た。
「なるほど、どうやら嘘ではないようですね…。確かに他のナメック星人とは違う…。おや?」
その時、フリーザは最長老が居る部屋の隅で壁に寄りかかり、腹の傷を押さえてぐったりといているザーボンを発見した。ザーボンは意識があり、フリーザと目を合わせているものの何も言わない。
「ザーボンさん…まさか生きているとは思いませんでしたよ。ですが、もう私に対する恩さえも忘れてしまった無能者は必要ありません…全てを終えたら殺して差し上げますから覚悟しておいてくださいね。…それで最長老さん、どうせ貴方も教えてはくださらないのでしょう?ですがこちらの人が殺されそうになっては言わないわけにはいかないでしょう?」
「お前が思っているほどネイルは容易くは倒せまい。彼はこの星で最強の戦士タイプのナメック星人だ。お前たちが殺してきたナメック星人のようにはいかんぞ…」
「…どうしても教えたくはないようですね」
(頼んだぞネイル…できるだけ時間を稼いでくれ)
(わかりました)
最長老とネイルはテレパシーでそう話した。
「いいでしょう…!それほどまでに意地を張るというのでしたら、全宇宙一であるこの私の恐ろしさを見せてあげましょう!」
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