もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第129話 「ギニュー痛恨の大誤算!!」

ターレスの膝蹴りを受けたカカロット…いや、カカロットと体を入れ替える事に成功したギニューは盛大に吹っ飛び、鼻血を噴き出しながらフリーザの宇宙船の壁に激突した。

 

「クソォ!」

 

追撃を仕掛けようと向かってくるターレス。ギニューはへこんだ壁を蹴り、それを迎え撃つ。両者は同時にパンチを繰り出すが、ギニューのパンチよりもターレスのパンチの方が素早く、やはり一方的に攻撃を受け続けるギニュー。

 

「これでも喰らえ」

 

地面に吹っ飛ばされ、倒れ込んだギニューに向かってターレスは手の平から連続してエネルギー弾を放ち、それを全て命中させていく。

 

「う…ぐふ…」

 

ギニューは爆発の衝撃に晒され、爆炎の中からはじき出されて地面を転がった。

 

「お、おいその辺でもういいだろう…!俺の体が死んじまうぞ…」

 

ギニューの体になってしまったカカロットはターレスにそう呼びかける。だがターレスはそんな言葉を無視するようにギニューに対して執拗に攻撃を加えていく。

全身ボロボロで傷だらけのギニューは倒れ込んだまま、呟いた。

 

「何故だ…!何故戦闘力15万以上のこの体でキサマに歯が立たないんだ…!!」

 

ターレスはギニューの前に降り立つ。

 

「簡単な話だ。お前じゃ戦闘民族サイヤ人の肉体を使いこなす事など不可能だからだ」

 

「なに…!?」

 

「細胞のひとつひとつが戦うために構成された…DNAの一片まで闘争を求めるこの神秘の身体…到底お前の様な下劣な宇宙人が使いこなせる代物ではないというということだ」

 

ターレスがそう言ったのは間違いではない。ただ、ギニューほどの戦闘力と才能を持つ者ならばサイヤ人の戦うための肉体をコントロールすることも不可能ではないはずだ。しかしそれが行えないという事は、カカロットが以前に食した神精樹の実の効果のおかげという事も含まれているかもしれない。

神精樹の効果によって強化された肉体は、いくら巨大な戦闘力を持つギニューと言えど使いこなすことができないのかもしれない。

 

「まあ、もっともお前がカカロットの肉体を完璧に使いこなせたとしても俺には勝てないがな」

 

追いつめられたギニューは必死に考えを巡らせる。

 

(クソ…俺のボディチェンジはもうあのターレスとかいうサイヤ人には通用しないだろう…かといってこのままにしていれば殺される…!かくなる上はもう一度元の体に戻るしか…。そうした方が今よりかは態勢を立て直せそうだ)

 

今の立ち上がる事すらできないダメージを受けた状態と、胸を抉ってしまったもののまだ多少は動くことのできる以前の肉体…それを比べた結果、ギニューは元の体に戻ることを選んだ。

 

「チェ…『チェンジ』!!」

 

ギュオン…

 

ギニューは目が合っていたカカロットと再び体を入れ替える。両者の体は元に戻ったが、カカロットはターレスに殺されかけた肉体に戻ってしまったため身動きが取れない。

一方ギニューは地球人などよりも生命力の強い元の肉体のおかげで多少は動けるようだ。

 

「…元の俺の体に戻れた…」

 

「半殺しにすればヤツもひとたまりもなく元の体に戻るだろうと考えたからな…。どうやら成功したようだ」

 

「だ…だがずいぶん派手に俺の体を痛めつけてくれたな」

 

ギニューは地面に降り、傷のある胸を押さえながら膝をついた。

 

「ターレスといったか…まさか奴こそ超サイヤ人なのか…!?カカロットを上回る驚異の戦闘力…!仲間の体を平気で痛めつけられる残虐性…!もしそうだとすれば…」

 

(油断しているな、決めた…次の身体は…)

 

「貴様だ!!『チェンジ』!!」

 

もう一度ギニューがそう発言した事に気付き、ターレスは驚いて振り返り、その身体をギニューと向かい合わせてしまった。

するとギニューの口から魂がエネルギーとして放たれ、ターレスに向かっていく。

 

「しまっ…!」

 

(まずい…!もしギニューがターレスの体を手に入れれば勝ち目はなくなる…何か手は…)

 

「…これだ!」

 

カカロットは寝そべった状態であたりを見渡すと、ちょうどその時自分の顔の横を尻尾と触角の生えたカエルが通過していったのを発見した。そのカエルを手で掴み、思い切りターレスの顔の前目がけて投げる。

カエルはギニューのボディチェンジを遮り、ギニューが目を丸く見開いて「しまった」と思った時には、すでに遅かった…。光があたりを覆い、すぐにそれが収まっていく。

カカロットが投げたカエルは地面に着地し、ギニューはカエルのように両手を地面に付けるとピョンピョンと飛び跳ねてどこかへと消えてしまった。

 

「や、やったぜ…」

 

「カカロット!大丈夫ですか?」

 

すかさず美鈴と天龍が駆け寄ってきてその肩を貸し、起き上がらせる。

 

「助かった…ギニューはカエルと入れ替わったようだな」

 

ターレスは自分らのすぐそばで悔しそうに鳴いているカエルとなってしまったギニューを見た。そして手を伸ばし、逃げようとするギニューを捕まえる。

 

「一応油断はできないな…捕まえておくか」

 

「ターレスさん、もう種はないんですか?」

 

「残念ながら残っているのは実だけだ…だが、今はまだ使えない。フリーザとの戦いで何があるかわからないからな。というわけで、このフリーザの宇宙船のメディカルマシンを借りてカカロットをフルパワーにしてやるとするか…。待機させているままのパラガスとブロリーも船ごと呼んでおこう」

 

ターレスはパラガスに通信を送ると、カカロットらをつれてフリーザの宇宙船の中に入った。

中にあったメディカルマシンにカカロットを入れ、治療を開始する。

 

「旧型しかないようだな…だがお前なら30分もあれば出られるだろう」

 

「ピッコロやウスターたち…それにベジータはどうするんだ?」

 

「さぁな…何を道草食ってるのやら。いちおう連絡は入れておくか…。さて、お前たちは戦闘服に着替えろ」

 

「へ?戦闘服ってそういう服か?」

 

「そうだ。防御面に関しては大分マシになるはずだ」

 

ターレスと美鈴、天龍は戦闘服が収納してある部屋まで行く。そこには様々なサイズの戦闘ジャケットが用意されているのだった。

 

「お前たちにちょうどいいサイズは旧型だけか…」

 

ターレスは自分やナッパたちが着ているような肩や腰にアーマーがついている新型ではなく、それらが無い旧型をふたりに渡した。デザインが異なるだけで性能は新型と変わりはないからだ。

 

「すごい軽さだな…まるで重さを感じないぞ」

 

「本当ですね…何着か貰ってこれで門番をやりたいくらいですよ」

 

戦闘ジャケットは超質ラバーという強靭だが軽くてやわらかくどこまでも伸びるゴム素材を使っており、一見着にくそうに見えても簡単に腕や肩を通すことができる。

 

「それで、これからどうしましょう?」

 

「ああ…さっきギニューがドラゴンボールを7個持って行った…それを探してみるか」

 

 

 

「最長老の家はもう少しだ!」

 

最長老を守るため、そして願いを叶える合言葉を聞くために彼の家へ向かうベジータ、ナッパ、ラディッツ、ウスター、ピッコロの5人。

高速で飛行していると、ベジータが前方から弱いがハッキリとした気が近付いてきていることに気付いた。ベジータは他のメンバーを置いてひとりスピードを高め、その気の目の前で止まった。

 

「ひっ!」

 

「ナメック星人のガキか」

 

ベジータと鉢合わせてしまったデンデは、驚いた様子で怯えた。

 

「おい、何をしようとしていたんだ?正直に言わないと死ぬことになるぞ」

 

「…さ、最長老様に言われてドラゴンボールの合言葉を美鈴さんと天龍さんに…」

 

「なに?それは好都合だ…俺はあのふたりの仲間なんだ。俺と一緒に来い」

 

「お前は…デンデか」

 

ベジータに追いついたピッコロがそう言った。

 

「ピッコロさん…!」

 

「ベジータとか言ったか?サイヤ人…」

 

ウスターがベジータにそう話しかける。

 

「貴様が不老不死になってフリーザと戦うのは勝手だがくれぐれもあの美鈴たちに危害は加えるなよ…そうすればカカロットは貴様を殺すぞ」

 

「へっ、よくわからねぇデカ女が戯言を抜かすな…カカロット如き下級戦士がオレの相手になるはずがない。さぁ行くぞ、願いを叶えるのはこのオレだ」

 

ベジータは半ば強引にデンデを連れて今来たルートを戻っていった。

 

「私たちは引き続き最長老のところを目指そう」

 

 

 

一方、最長老を守るためフリーザの足止めを買って出たネイル。しかし、フリーザは残忍な余裕の笑みを崩さないのに対し、ネイルは既に全身が打撲や骨折と言った重症を負い、血にまみれていた。

 

「はあっ、はあっ…」

 

それに体力も限界…立っているのがやっとのことに見える。

 

「いい加減に喋ったらどうですか?左手しか使ってないのにそのザマじゃ勝てる訳がないでしょう?教えなさい…ドラゴンボールの願いの叶え方を!」

 

しかし、ネイルは返事の代わりに左手からの強力な気功波を放つ。発射地点から扇状に広がる気功波は容易にフリーザを包み込み、ネイルも確かな手ごたえを感じた。

…だが煙が晴れると、そこには何ともない様子のフリーザが立っていた。彼が立っている地面以外の場所が吹き飛んでいることから、相当な威力であったことは間違いないはずだ。

 

「!!」

 

「ずいぶん無駄な努力をするんですね…そんな攻撃が私に通用するはずがありませんよ。どうしてそう負けると分かっているのに逆らおうとするのか理解できませんね…仲間を殺されたからですか?それともただの意地という奴でしょうか?」

 

フリーザは一瞬で消え、ネイルの目の前に背を向けた状態で現れる。そして左腕の裏拳をネイルの顔面にヒットさせ、ネイルは後ろへ倒れて悶絶する。

 

「あっ…あぐぐ…が…!」

 

「これが最後の警告にしましょう。いい加減にドラゴンボールの願いの叶え方を教えなさい!死ぬことになりますよ!」

 

「ふ…くっくっく、キサマがそれを知ったところでもう遅い…」

 

「え!?」

 

「デンデが既に地球人たちの元へ向かった…お前が知りたがっている合言葉を教えにな…!」

 

「な、なに!?あ…アイツか!」

 

フリーザは先ほどナメック星人の子供とすれ違った事を思い出した。

 

「お、おのれ───ッ!時間稼ぎだったのか!!」

 

フリーザはそう叫ぶと、瀕死のネイルを無視して空へ飛び立っていった。

 

「ギ、ギニュー特戦隊の反応が変だ…!リクームとバータは死にかけ…それ以外は反応が無い!や…やられたというのか…!彼らに一体何が…そしてドラゴンボールは…!!おのれぇ──ッ、願いを叶えるのはこのフリーザ様だ!貴様ら下等生物なんかではな──い!!!」

 

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