もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第130話 「ベジータ死す!怒りのフリーザ!!」

「こ…こんなことになるとはな…あの時、地球人に合言葉を教えていれば…。ネイルもひどい目に遭わせてしまった…頼む…急いでくれ…どうやら寿命が近づいてきたようだ」

 

最長老は超能力でネイルの戦いの様子を見届けると、自らの寿命も残りわずかに迫っていることに気付き、そう嘆いた…。

その時だった。最長老のもとへ到着したピッコロたちが彼の目の前に現れた。

 

「最長老…無事であったか」

 

「貴方は…ピッコロ…」

 

「コイツが最長老か?」

 

ナッパとラディッツは巨体を誇る最長老に圧倒される。

 

「地球の魔族に…ふたりはサイヤ人ですね?しかし貴方たちに我々に対する敵意は感じられません…きっとあのフリーザという悪を倒すおつもりで参られたのでしょうか」

 

「そうだ、さっき到着した私の仲間たちだ。私たちはお前を守るためにやって来た」

 

「そのようですね。ですがもうその役目は必要ありません…既にネイルは私を守るために敵の足止めをし、瀕死です。そして私の寿命も、あと数分と言ったところでしょうか」

 

「…それは本当か?だとしたら困る!お前はこの私にドラゴンボールの作り方を教えなければならない!前に約束しただろう!」

 

「ええ、もちろんそれは教えます…。ですがまず、私は死ぬ前にふたつのやることができました。ひとつめは、地球の戦士とサイヤ人の戦士の眠れるパワーの開放です」

 

最長老は、まずナッパとラディッツに自分の両脇に来るように手招きする。ふたりが言われた通りにすると、その頭の上に手を置き、その眠れる力を解き放った。

ふたりの全身から眩いばかりの純白の気が迸り、あまりの変化に本人たちでさえも驚きを隠せないでいる。

 

「なんだこのパワーは…!!」

 

「ああ…あり得んぞこんなパワー…聞いたことが無い!!おいラディッツ、俺の戦闘力を計ってみろ!ターレスがくれたスカウターなら100万程度まで計測できるはずだ!」

 

「もうやっている…!す、凄まじい…戦闘力22万!!」

 

「そう言うお前は戦闘力15万もあるぜ!!」

 

「ふふふ…サイヤ人という種族は面白い…とても私では引き出せない程の膨大な力がまだまだ隠されてらっしゃる。それはいずれ貴方たちが自らで覚醒させていくべきパワーでしょう」

 

次に、最長老はウスターにも同様の潜在能力開放を施す。

 

「…確かに、こいつはいいな…最強の魔人にふさわしい力だ」

 

「3人の戦士よ…貴方たちはもう行ってくだされ…今、ネイルが時間稼ぎをしていたと気付いたフリーザは大急ぎでドラゴンボールの元へ向かっています。恐らくそこには地球人がいるはず…その力で彼らを守ってあげなさい」

 

「ああわかったぜ!ありがとよ最長老さん」

 

ナッパ、ラディッツ、ウスターの3人はピッコロよりも一足先に、これから起こるであろう戦いの舞台へと急ぐ。

残されたピッコロと最長老は、お互いに向かい合う。

 

「私にできたやること…そのふたつめを今から行います」

 

「早くしろ。そしてドラゴンボールの作り方を私に教えるんだ」

 

「ピッコロよ…いや、カタッツの子…500年前の天変地異を生き延びし古のナメック星人よ。この私と同化するのです。さすれば、貴方は引き継がれた私の記憶を見てドラゴンボールを作ることができる」

 

 

 

それより少し前の時刻、フリーザの宇宙船。

到着したパラガス、ブロリー、そして彼らが連れていた科学者。

 

「どうだ、このフリーザの宇宙船はまだ使えそうか?」

 

「ええ、この私が見た限りでは動力が破壊されているだけで、我々の宇宙船の動力を引っ張れば動かせますじゃ」

 

「そうか…。む!何か強い気が向かってきている…ベジータか」

 

ターレスは宇宙船の外にベジータの気を感じ、美鈴と天龍と共に宇宙船を出る。すると、デンデの服の背中を掴んだベジータがその場に現れた。

 

「ようターレス。コイツがドラゴンボールの願いを叶える合言葉を伝えに来てくれたらしいぜ。ギニューが持ってきたドラゴンボールはどこだ?」

 

「ベジータ王子…確かお前の願いは不老不死だったな?お前の願いを叶える前に条件がある…それをのんでもらう」

 

「なに?」

 

「どうやらナメック星のドラゴンボールは3つまで願いを叶えられるらしいな?はじめのふたつは俺たちに使わせろ。それができなければお前に願いを叶える機会は与えん」

 

「…いいだろう、不老不死さえ手に入れば文句はない。で、ドラゴンボールはどこだ?はやくしないとフリーザが来ちまうぞ」

 

「ああ…おいギニューさん、お前が隠したドラゴンボールの場所を教えな」

 

ターレスは手に掴んでいたカエルになってしまったギニューを握る力を強める。ギニューは慌ててある方向を指差し、しきりにゲコゲコ鳴いた。

 

「そこか」

 

美鈴と天龍が示された場所を掘り返すと、確かに7つのドラゴンボールが隠されていた。

 

「ありました!」

 

「よしよし…フリーザはこの宇宙船に戻ってくるはずだ。離れた場所で願いを叶えるぞ」

 

ターレスとベジータ、天龍と美鈴の4人はそれぞれボールを持って離れた場所へ移動した。

そこへ7つのボールを並べる。

 

「おい、ナメックのガキ!はやくしろ」

 

「は、はい…!」

 

デンデはボールの上に手をかざし、ナメック語を発する。

 

「タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ!!」

 

するとボールが発光し出し、空が急に真っ暗になった。

 

「空が暗くなった…」

 

次の瞬間、ボールがすさまじい閃光を放ち、その光は巨大化しうねりながら空へ登っていく。

そして彼らの見ている前で、ナメック星のドラゴンボールの龍神…ドラゴンがその姿を顕現させた。その大きさは幻想郷のドラゴンボールの龍神たちや地球の神龍よりもはるかに大きく、麗しい両腕を伸ばし、その顔には触角などといったナメック星人に似た特徴が付与されている。

 

「あれが本場の龍神か…」

 

「ここではポルンガといいます…『夢の神』という意味です。ボ、ボクも見たのは初めてですけど…」

 

「ドラゴンボールを7個そろえし者よ、願いを言うがいい。どんな願いも3つだけ叶えてやろう」

 

ポルンガはデンデやターレス達を見下ろしながら低い声を響かせた。

 

「はやく貴様らの願いを叶え終えろ!!残りはオレの願いを叶えるという事を忘れるなよ!」

 

「じゃあ私の願いを!叶えさせてください!」

 

「…いいだろう」

 

「この星で殺されたナメック星人の方たちを、全員生き返らせてください!」

 

「美鈴…!」

 

「そう伝えます…この星で殺されたナメック星人を全員生き返らせてください!」

 

デンデは願いの内容をナメック語に変換して伝えた。

 

「それは無理な願いだ。一度に生き返られるのはひとりずつだけだ、他の願いを言うがいい」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「どうやらそうみたいです…」

 

「何をグズグズしてやがる!ダメなら先にオレの願いを叶えさせろ!いいか、オレを不老不死にしろと伝え…」

 

ベジータがそう言いながらデンデに掴みかかった瞬間、彼の首筋をどこかから放たれた光線が狙い撃ち、貫通した。ベジータは口から血を吐き、デンデの襟を掴んだまま倒れ込む。ヒューヒューと首の穴から息が漏れ、そこを塞ごうとするがもうすでに手遅れだった。

 

「ベ、ベジータ…!」

 

流石のターレスも動揺しながら彼に近づくが、ベジータは向こうを指差したまま震えるばかりだ。

 

「フ…ザ…」

 

最後にそう呟き、ガクンと事切れた。

ターレスが恐る恐るベジータが指していた方向へ顔を向けると、その先には…煙が上がっている指先をこちらへ向けているフリーザの姿があった。

 

「フ…!フリーザ…!!」

 

ターレスは狼狽え、美鈴と天龍も震えだす。

 

「どうやら間に合ったようですね…。邪魔なベジータもこれで始末できましたし、あとは私にこそ不老不死が与えられればいいわけです」

 

崖の上に立っていたフリーザはジャンプして飛び降り、ターレス達の前に立ちはだかる。

 

「見ていましたよ…さぁ、ナメック語で伝えなさい。このフリーザに永遠の命を寄越しなさい、と」

 

「いや、コイツの願いなど叶えさせる必要はない」

 

ターレスは慌てているデンデにそう囁いた。

 

「ようフリーザ…この俺を覚えているか?」

 

「何やらひとつだけ妙に大きなサイヤ人の反応があると思っていたら、貴方だったんですかターレスさん。もちろん覚えていますとも…今まで何をしていたんですか?」

 

「お前を殺すために準備をしていた」

 

「私を殺す…?ほっほっほ、面白い冗談じゃありませんか。さて…そこのナメック星人のお子さん、このフリーザの願いをそのドラゴンに叶えさせなさい。さもなくば、貴方たち全員死ぬことになりますよ」

 

「ならば…貴様が死ねぇ───ッ!!!」

 

次の瞬間、ターレスは雄叫びと共に一直線にフリーザへと迫り、拳を振りかざす。今は亡き、カカロットの父親でもあるバーダックの遺志を継いだサイヤ人がついにフリーザと相見える瞬間だった。

 

ガシィッ!!

 

ターレスが放ったパンチを、余裕の笑みを浮かべながら片手で受け止めるフリーザ。

 

「ぐ…く…!!」

 

「ふっふっふ…」

 

だがしかし、その時ターレスはさらに腕の力を強めた。ターレスの全身から激しい気が噴き出し、今の自分の全ての戦闘力を解放したのだ。

そして、もう片方の腕で掌底突きを繰り出すと、間一髪フリーザは手首を掴んでそれを防ぐ。ターレスが額に血管を浮き出させ、汗を流すほど全力の力を込めると、フリーザのスカウターが爆発して壊れた。さしものフリーザも笑みを崩し、足を開いて踏ん張った。両者のオーラがせめぎ合い、地面にはいびつな形状のクレーターが出来上がる。

 

「ふ、ふたりともなんてパワーなんだ…!!」

 

天龍が吹き荒れる突風を耐えながらそう言った。

 

「だが所詮はその程度…!願いを叶えるのはこのフリーザ様だ!!」

 

フリーザは少し浮かぶと、上からターレスを潰すように押し倒した。そして全速力でデンデの元へ向かっていくが…次の瞬間、ポルンガは一瞬で消え去った。

 

「え!?」

 

暗くなっていた空は晴れ、あたりは何事もなかったかのように静まり返った。

 

「な、何が起こったというのです!何故あのドラゴンが突然…!!」

 

フリーザはあたりを見渡しながら狼狽えた。

 

「最長老さまの寿命が尽き、たった今亡くなられたのです…」

 

「何ですって…!!」

 

ベジータやフリーザの望んでいた不老不死…永遠の命。それらを与える前に散っていったポルンガ…そして最長老。フリーザの野望は打ち砕かれたが、果たして…!?

 

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