もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第131話 「新生ピッコロ大魔王爆誕!!」

「なんだと…正気か最長老!」

 

ピッコロは、自分に融合を提案した最長老の言葉に驚きを隠せなかった。

その時、空が急に暗くなった。遠く離れた場所で、デンデがポルンガを呼び出したのだ。

 

「はやく…ご決断を。このままでは敵に願いを横取りされてしまいます…どうかその前に。私と貴方が融合すれば、私の作ったこの星のドラゴンボールは使えなくなります。ですが敵を倒した後、融合によって得た私の力をムーリという者に与えてくだされ。彼は私が一番最初に産んだ、私の次に年長であるナメック星人…だから彼こそが次期最長老に相応しい…」

 

「勝手に話を進めてくれて有り難いがオレ様は貴様と融合するつもりなどない!ただでさえ神のヤツと同化してるんだ…これ以上誰かを取り込めばオレは変わってしまう」

 

「そう…貴方は変わる。フリーザを倒すために生まれたたったひとりのナメック星人へと」

 

「だ…だが…!オレ様は悪のピッコロ大魔王様だぞ!!フリーザを倒した後、オレの魔の手は地球のみならず宇宙へと向き、第二のフリーザとなる可能性すらある…そうなればオレに力を与えた貴様の責任になるぞ」

 

「いいや、貴方は自分を絶対の悪だと思い込んでいるようですが…いや、思い込もうとしている。ここには貴方よりもドス黒い悪が多くやって来た…その悪党は良心の欠片もない者どもでした。ですが貴方は…他者への思いやりが枷となっているようです」

 

「何を愚かなことを…!オレは毎年多くの人間を殺してきた…楽しみの為にな!地球の人口は7割以下に減少したぞ!」

 

「気取っているようだが貴方はそれほど悪ではない…ここに来た悪は数日で我が星の民の9割を殺しました。それに比べれば小さな悪です。貴方は完全な悪ではない…慈愛の心を持った者と同化した時に善の心が芽生え始めたのだ」

 

「あり得ん!オレは完全に自分をコントロールしている!同化したアイツに支配されるなど…」

 

「支配ではありません…文字通りの同化です。そして変化でもある…貴方は同化したことにより善へと変化しており、それを自覚できていないので当然自分が悪だと思い込んでしまうのです」

 

「クソ…オレはブルマと約束した…ドラゴンボールの作り方を教わってくると。もはやお前にはそれを教える時間は無く、同化という手段が一番手っ取り早いというならば…お前と同化しよう。だがそれは決してオレが善の存在になることを認めたためではない!ただ己の欲の為だ…」

 

ピッコロは最長老の胸に手をかざす。

 

「ありがとうございます…ピッコロ。では、貴方の勝利を願います」

 

最長老は穏やかな笑みを浮かべると、その身体をまばゆく発光させる。あたりを激しい閃光が覆い、光と化した最長老の肉体、魂…全てがピッコロの腕を通じてその身体へと入り込んでいく。

 

「うおおおおおッ!!」

 

光が収まると、そこには最長老の姿は無く、相変わらず部屋の隅でうなだれているザーボンと、ピッコロだけがそこに立っていた。

今まで暗くなっていた空が元に戻った。最長老がピッコロと同化したことは彼の死であり、ナメック星のドラゴンボールも使用不可能になってしまったはずだ。

 

「…理解できた、ドラゴンボールの作り方…あとはオレの力でフリーザを倒し、地球へ帰る。だがそのためにはまだ力が足りない…」

 

ピッコロは宙に浮かび、一気に飛び立った。

 

「ネイル…死にかけた貴様の魂は無駄にせん…!」

 

向かう先は、フリーザに痛めつけられ瀕死となっているネイルの元だった。

ピッコロはすぐにネイルの居場所へたどり着いた。ネイルは酷い怪我で全く身動きを取れず、ただ己の死を待っているだけであるかのように静かに目を閉じていた。

 

「やはり死にかけか」

 

だがピッコロがそう声をかけると、ネイルは目を開けた。

 

「ピッコロか…随分とパワーが上がったな…そうか、最長老様と…同化したのか…」

 

「そうだ。だがフリーザを倒すにはまだ足りん…死にかけの貴様の力をよこせ」

 

「ふっ…まさかそちらから申し出てくれるとは思わなかったぜ…私は圧倒的にフリーザにやられはしたが、アイツの力はよくわかったつもりだ。お前が私と同化すれば必ずフリーザに勝てる…」

 

「同意と受け取っていいな?」

 

「もちろんだ…」

 

ピッコロは今までの同化と同様に、ネイルの胸に手をかざした。

 

「勝てよ…フリーザに…必ず…」

 

次の瞬間、ネイルとピッコロは光に包まれた。ネイルはピッコロと同化したのだ。

最長老と続いて同化し、驚異のパワーアップを遂げたピッコロは思わずその力の強さに感嘆する。

 

「…これがオレ様か…!うはははは!!新生ピッコロ大魔王様の誕生だ!!」

 

ピッコロはジェットのような気を噴き出しながら、戦いの場へと向かった…。

 

 

 

一方、ポルンガが消えてしまい不老不死の願いを叶えることができなかったフリーザはわなわなと震え、怒りを露わにしていた。

 

「よくも…このフリーザの願いを粉々に打ち砕いてくれましたね…。初めてですよ、この私をここまでコケにしたお馬鹿さんたちは…」

 

フリーザは拳を固め、その表情を一変させる。

 

「絶対に許さんぞ虫けらども!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!かあああああ…!!」

 

全身の気を解き放つフリーザ。びりびりと痺れるような気に晒され、天龍と美鈴は後ずさる。しかし、ターレスは逆にゆっくりと歩みを進め、フリーザに接近する。

 

「甘く見てもらっちゃ困るぜフリーザ…俺たち全員でかかれば貴様には勝てる」

 

「ほう?どうやらこの私の恐ろしさを忘れてしまったようだな…今思い出させてやるぞ!!」

 

フリーザはターレスに飛びかかり、その拳を振り下ろした。ターレスは両手でそれを受け止めるが、もう片方の手で繰り出された肘打ちを腹に受けた。

 

「ぐあ…ッ!」

 

だがターレスは一瞬でフリーザの背後へ移動し、その後頭部に向けて蹴りを放つ。それを裏拳で受けるフリーザだが、思ったよりもターレスの一撃は強力で腕が弾かれる。

続いて攻撃を繰り出すターレスに対抗しようとするが、先ほど弾かれた腕が痺れてしまい上手く動かせず、顔面にパンチを受ける。だがフリーザはにやりと笑うと、ターレスの顎を蹴り上げる。

 

「この程度!」

 

空中で体を丸めて回転し、態勢を整えるターレス。

 

「こんにちは」

 

「!?」

 

しかし、既にその背後にフリーザが先回りしており、腕を振るった一撃を背中に受け、地面へ吹っ飛ばされ激突した。フリーザはすぐさまそれを追い、起き上がろうとしていたターレスの頭を蹴りつけ、そのまま踏みつけた。

 

「はっはっは…大口叩いた割にそのザマかサイヤ人!」

 

その時、フリーザは自分に迫るふたつの気功波に気付き、ジャンプして躱した。

その先へ目を向けると、美鈴と天龍が腕をこちらへ向けて構えていた。

 

「蟻どもが…」

 

そう悪態をついたその時、ターレスが片手から放った軽いエネルギー弾が命中した。

 

「ふははは…これが何だかわかるか?」

 

そう言ったターレスは、どこからか取り出した神精樹の実を手に持っていた。

 

「あ、あれは…!」

 

「なんだそれは?」

 

ターレスはにやりと笑うと、その実をひとくち齧った。すると彼の体の筋肉が一瞬膨張し、身体にみなぎっていた気がさらに大きくなった。

 

「なに!?」

 

それに驚くフリーザに一瞬で接近し、拳を振り上げる。フリーザは驚いた表情を浮かべるが、彼の反応できる速度をはるかに上回ったターレスの一撃は…容易にフリーザの顔面を捕らえていた。

 

ドゴォ

 

倒れ込んだフリーザは無様に背中を地面に打ち付けた。

ついに…ターレスの攻撃がまともにフリーザにダメージを与えた瞬間であった。

 

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