もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第132話 「フリーザ恐怖の超変身!!」

ターレスの放った拳による一撃はフリーザの顔面にめり込んだ。拳と顔との隙間から血が噴き出し、ターレスがさらに前へ踏み出すとフリーザは地面にその背中を打ち付けた。

 

「ぬおりゃああ!!」

 

ターレスはさらに力を込め、フリーザを地面に埋め込むように押していく。そして軽く飛び跳ねると、両足を伸ばして急降下しフリーザの腹へ強烈な蹴りをお見舞いした。

 

「ぐは…あ…!」

 

これには流石のフリーザもたまらず苦しみ喘ぎ、追撃を放とうとターレスが浮かんだ瞬間に横へ飛びのいてその攻撃を回避する。

 

「逃げるなフリーザ!!」

 

ターレスは両手の間に赤黒い大きなエネルギー弾を作り出した。黒い電気の様なスパークを纏ったそのエネルギー弾を投げ飛ばし、フリーザへと向かわせる。

フリーザは間一髪その一撃を両手で受け止めた。だが、ターレスはにやりと笑い、さらに気を送り込む。すると放った気弾がその場で爆発を起こした。

 

「す、すごい…ターレスさんが圧倒的に押してる…!3人がかりでならだって…?ひとりでも十分じゃないか」

 

「これならフリーザを倒せますよ!」

 

美鈴と天龍のふたりはターレスの戦いぶりを見ながらそう言った。

フリーザを襲った爆発が収まると、そこには傷を負いボロボロになったフリーザが立ち尽くしていた。着用していた戦闘ジャケットは砕けてなくなり、その下の白い外殻の様な素肌が露わになっている。

 

「く…!こんなことが…!!」

 

フリーザはわなわなと震えた。

 

「ははははは!!どうだフリーザ…跪いて命乞いをするなら楽に殺してやるぞ?」

 

「ふ…ふっふっふ…!命乞いか…まさかこの私がそんな事を言われるとは全く思っていなかったぞ…。まったく癪に障る野郎だ。だが…その妙な威勢もそこまでだ」

 

「なに?」

 

「そこまで死にたいのなら見せてやる!私の変身をな…!」

 

「変身だって?」

 

「その通りです。滅多にみられるものではありませんから、あの世へ行ってもいいようによく目に焼き付けておきなさい」

 

だが、ターレスは大した変化はないはずだと高を括った。

 

「ふん、そこまで劇的な変化が訪れるわけではないだろ?程度が知れてるんだよ」

 

「果たしてそうでしょうか?昔に惑星ベジータをサイヤ人ごと消したときに王と戦った場合もまったく変身する必要もなく勝ってしまいましたからね…」

 

フリーザはそう言った時、ある姿が脳裏によぎった。確か、その時に最後まで抵抗したひとりのサイヤ人が居たはずだが…そのサイヤ人とターレス、どこか面影がある…。

 

(気のせいか…)

 

「…はあああああ…!!」

 

次の瞬間、フリーザは全身に気を込め始める。

 

「き、気がどんどん強くなっていく…!」

 

フリーザの体がピンク色の淡い光を放つと、その胴体のみが巨大に膨れ上がった。さらに続いて両腕が巨大化し、その変貌ぶりはフリーザ本人でさえ目をつぶり反動に悶えているほどだ。

 

「かああああ…!!」

 

両足が太く長く、より筋肉質になり、最後に頭部と首もその巨躯に見合った大きさに変わる。真っすぐだった角は牛の角のように湾曲した。

結果、フリーザは以前よりも2倍以上の身長と体格と手に入れ、その全身からもやもやと放たれるオーラは以前の比ではなかった。変身が大したことはないと思ったターレスでさえも、その圧倒的な暗黒のパワーを感じ後ろへ後ずさる。

 

「はあっ、はあっ…」

 

フリーザはよろよろと立ち上がり、首をボキボキと鳴らした。

 

「へ…へへ…気を付けろよ、こうなってしまったら前ほどやさしくはないぞ」

 

「こ、これほどまでとは…」

 

「何しろパワーが有り余っていてちょっとやりすぎてしまうかもしれん…。ちなみに、戦闘力にしたら100万以上は確実か」

 

ターレスは、フリーザの口から発せられた驚異の自己申告を受け入れざるを得なかった。何故なら、ターレスの装着していた高性能のスカウターは確かにフリーザの戦闘力を100万以上計測していたのだ。

 

「は、ははは…戦闘力100万だって?ターレスさんの言う通りハッタリが過ぎるな…。なぁ美鈴…?」

 

「ええ…いくらなんでも…」

 

天龍と美鈴は冷や汗を流しながらそう口々に言った。

 

「いかん、飛べお前ら!」

 

「ばっ!!!」

 

ターレスが危険を感じ、そう叫んだ瞬間、フリーザは掛け声とともに左手をクイッと上にあげた。すると、フリーザを中心に地面が捲れ上がり、大爆発を起こす。

 

「うわあああッ!!」

 

「デ、デンデ…!」

 

美鈴は辛うじて吹っ飛ばされるデンデを庇い、飛んできた岩塊に激突してしまう。

爆発は今まで彼らが立っていた陸地を吹き飛ばし、一瞬で海に変えた。その中心でフリーザは腰に手を当てて笑っていた。

 

「はっはっは!さすがに逃げ足は速いな。だが今のはほんのあいさつ代わりだ。これくらいの事はやろうと思えば貴様らでもできることだ」

 

「くそっ…」

 

「美鈴、大丈夫か!?」

 

美鈴は頭から血を流していた。

 

「これくらい平気です…」

 

「情けないツラだなターレス!お前もあの妙な食い物で戦闘力を上げたようだが、今のオレには敵わんようだな」

 

そう言われたターレスは苦虫をかみつぶしたような顔で拳を握りしめた。

 

「さーてと、どいつから地獄を見せてやろうか」

 

フリーザは空に浮かんだままこちらを見下ろし、怯えた表情をしているターレス達をざっと見渡した。

 

「決めた!」

 

そして、一気に空へ跳躍し、誰も認識できないほどの速度で襲い掛かった。

…フリーザが狙いを定め、初めにその凶牙にかけられたのは、この中で最も戦闘力が低いデンデだった。フリーザはデンデに頭突きを喰らわせると同時にその頭部に生えた角で体を貫いていたのだ。

 

「な…デンデ…!!」

 

「あ…ああ…が…!」

 

デンデは声にならない声で苦痛にうめくと、すぐに目を閉じ、動かなくなった…。

 

「は、はやい…この俺でさえ見えなかった…!」

 

「おっと、すまんすまん。やはり自分でもうまくパワーをコントロールできないようだ。頭突きで吹っ飛ばすつもりが、ついうっかり刺殺しちまったようだな」

 

フリーザは頭を振り、息絶えたデンデを捨てた。

 

「デンデ──ッ!!」

 

天龍は落下していくデンデを追いかける。が、フリーザはその前に先回りし足を止めさせる。

 

「もうドラゴンボールが使えなくなった今ナメック星人など生かしておく価値は無いからな。そして次はお前の番だ」

 

「ぐっ…!!」

 

「天龍、退いてください!!」

 

その時、天龍の背後から声が聞こえた。振り向くと、美鈴が両手を合わせて四角形を作り、そこに白いぼんやりとした気を溜めていた。

 

「『気功砲』!!」

 

美鈴はかつて習得した諸刃の大技、気功法を放った。天龍は慌てて距離を取って巻き込まれるのを回避するが、フリーザは咄嗟の事に反応できず、もろに気功砲に包まれた。

 

ドムン

 

しかし、気功砲はフリーザに命中するとすぐにかき消されてしまった。

 

「な…!?」

 

かつての幻想郷一武道会で、武舞台を丸ごと綺麗さっぱり消し飛ばした威力の気功砲…それを今の美鈴が放てばさらにとんでもない威力になっていただろう…しかし、それすらもフリーザの前ではもはや無意味であった。

 

「何だ今のは?まさかこの程度が攻撃だというんじゃないだろうな?いいか、攻撃ってのはこうやるんだ」

 

フリーザは一瞬で美鈴の背後に移動し、その背中を蹴りつけた。そして吹っ飛ばされる美鈴の前へ先回りし、尻尾でそれを撃ち返した。

 

「トドメだ!」

 

美鈴へ向けた指先からレーザーのような細いエネルギー光線を発射する。が、その時突然フリーザはガクンと後ろへ引っ張られ、攻撃を外した。

ターレスがフリーザの首を腕で絞めながら後ろへ引っ張ったのだ。

 

「完全に気配を消して背後に回ったか」

 

しかし、フリーザは苦しむ様子を見せない。見かねたターレスは身をひるがえし、足を振り上げてそのまま首を固定し、関節技を仕掛けた。

 

「そうだ、そこで左足をオレの首に回し肩の関節を外しに来る、と」

 

だがフリーザは全てを読んで、あえてターレスの攻撃を受けていたのだ。強靭な肉体は技をかけられても少しも動じず、逆にターレスの足を掴んで無理やり引き剥がし、ぶら下げたまま顔面に強烈な膝蹴りを喰らわせた。

 

「ぶはっ…!」

 

顔を真っ赤にし、鼻血が流れ出す。

 

「なにが!命乞いをすれば!楽に殺してやる、だ!!猿野郎如きが随分となまいきな事を言いやがって!」

 

フリーザは怒りに身を任せながらパワーを込めた攻撃でターレスを痛めつける。

 

「ふう…そろそろトドメを刺してやるか。どう料理して欲しいか言ってみな」

 

「ハッ…うるせぇ…死ぬのはお前だぜ…」

 

フリーザの頬へ唾を吐きかけるターレス。フリーザは静かに青筋を浮かべ、掴んでいたターレスを振り回して地面へ向かって投げつけ、激突させる。すかさずフリーザもそこへ降り、大きな三本指の足でその頭を蹴り、踏みつける。

 

「ぐ…あ…!」

 

「どうした雑魚共!!このサイヤ人を助けんのか!」

 

フリーザは天龍と傷を負った美鈴にそう呼びかけた。

 

「あ、あんな化け物を前にどうしろってんだ…!」

 

「ふ…さて、そろそろ終わりだな。ぶっ潰してやるぞ!」

 

踏みつける足を力を強めると、ターレスの頭がミシミシと悲鳴を上げ始める。

 

「お…あ…おおお…!!」

 

「フィニッシュだ!」

 

 

 

ギュイン

 

「む!?」

 

その時、フリーザに向かって謎の紫色の物体が高速で飛んできた。フリーザはしゃがんでそれを回避するが、その物体は空中で向きを変えると再びフリーザに向かっていく。

物体はよく見ると巨大な人間の右手のような形状で、フリーザに掴みかかろうと自在に動き回っている。

 

「なんだコイツは!?」

 

そして動き回る右手に気を取られているフリーザに接近していた人影がその顔面に飛び蹴りを喰らわせた。倒れ込もうとするフリーザに、連続してエネルギー弾の追撃が襲い掛かる。

 

「あ!あの人たちは…!!」

 

「お、お前ら…」

 

駆け付けたのは、最長老の家から大急ぎで向かって来たウスター、ナッパ、ラディッツの3人であった。ウスターが気で作った右手を使って攻撃を仕掛け、そこをナッパとラディッツのふたりが猛烈なエネルギー弾の嵐を浴びせたのだ。

 

「ようターレス!加勢するぜ!」

 

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