もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第134話 「衝突!大魔王vs帝王!!」

ピッコロは腕を組んだままフリーザとウスターの間に入った。フリーザはピッコロとぶつかった頭を押さえ、わなわなと震えながら顔を上げた。

 

「ナ、ナメック星人…!だが、これまでのナメック星人とは何かが違う…何者だ?」

 

「この私はピッコロ大魔王だ」

 

ピッコロはただそれだけ言うと、フリーザを置いてゆっくりと降下し、土塊の山に埋もれるようにして横たわっていたラディッツとナッパのもとへ降りた。

 

「何をするつもりだ…?」

 

フリーザがそう呟いた。

ピッコロはふたりのサイヤ人の体へ触れ、淡い光のようなエネルギーを送り込んだ。すると、彼らはものの数秒すると身体の傷を回復し、意識を取り戻して起き上がった。

 

「これは…」

 

「お前はピッコロ…いつの間にこんな事が出来るように…」

 

その光景を見たフリーザは驚いた。

 

「何だとッ!?なぜあのふたりが何事もなかったかのように…!そうか…そういう超能力を使えるタイプのナメック星人だったということか…」

 

次にピッコロはターレスの元へ移動し、同じく彼を回復させた。様子を見ていたフリーザは気に入らない顔で腕を組んだ。

 

「ピッコロ…よく来たな」

 

「ああ…あとは私に任せろ。フリーザは私が倒す」

 

「はっはっはっは!!このオレを倒すだと?とんだ馬鹿者がやって来たな…」

 

フリーザはそう言いながら近くに降り立った。

 

「そ、そうですよ…いくらピッコロと言えどあのフリーザには勝てない…!」

 

美鈴がそう言った。

 

「いや、私は貴様に勝つ。何故なら、私は地球でドラゴンボールを作ると約束したからだ。だからフリーザ…ここで貴様を倒し、我々は無事に地球へと帰る!」

 

「ほざけウジ虫が!!」

 

フリーザは激昂し、ピッコロに飛びかかった。伸縮する尻尾による一撃を繰り出すが、ピッコロはそれを掴んだ。フリーザが振りほどこうとするが、まったく離す気配はない。

そして、ピッコロはフリーザを振り回して空へ投げ飛ばした。

 

「小癪な!」

 

しかし、フリーザは空中へ身をひるがえし、もう一度ピッコロへ向かう。ピッコロは横へ飛んでそれを躱し、肘打ちを横っ腹へ命中させた。苦し気に顔をしかめるフリーザだが、すぐに蹴りによる反撃に出た。

吹っ飛ぶピッコロを追いかけ、上から思い切り踏みつけた。右足で顔面を覆い、左足を胸に押し付け、地面にめり込ませる。そしてそのまま密着させた両足から連続でエネルギー弾を撃った。その場でエネルギー弾は爆発し、フリーザはその威力による反動で徐々に浮き上がっていく。

 

「きえええええィ!!」

 

あたりを爆炎が覆い、フリーザがある程度の高さまで持ち上がると彼は下を見下ろした。

 

「ふっふっふ…口ほどにも無い…」

 

「その言葉、そのままお返ししてやる」

 

「!?」

 

だが、なんとピッコロは既にフリーザの背後へ移動していたのだ。驚くフリーザに対して、ピッコロはパンチを放つ。

拳はフリーザの顔面に命中し、下へ向けて吹っ飛ばされる。すかさずピッコロはそれを追い、落下するであろう地点へ先回りした。

 

「ハッ!!」

 

そして右腕を大きく振りかぶり、雷のようなエネルギーを溜める。その腕を思いきり振るうと、突風のごとき巨大な衝撃波がフリーザを襲った。

フリーザは再び上空へ向けて吹っ飛ばされた。が、空中で全身から気を放って踏みとどまると、わなわなと震えた。

 

「く…こんなことが…!ナメック星人如きがこのオレさまに敵うか──ッ!!」

 

怒りに燃えるフリーザは全身にオーラを纏い、ピッコロへ向けて急降下の威力を乗せた突進を仕掛けた。

だがピッコロは冷静にそれを見据えると、次なる技の構えを取った。両腕を顔の前へ移動させ渾身の気を込める。

 

「ぬおおおおお…!!」

 

そしてその腕を腰の横へ引き、手の中にエネルギー弾を作り出す。そして腕を前へ突き出し、溜めたエネルギーを気功波として一気に放出した!

 

「『爆力かめはめ波』!!」

 

橙色に輝くかめはめ波がフリーザと衝突する。

 

「ぐ…ぎぎぎ…!!」

 

一時は両者の攻撃が拮抗するものの、ピッコロの攻撃が勝った。かめはめ波はフリーザを包み込み、宇宙空間へ向けて光の筋を作っていった…。

ターレスや美鈴たちはフリーザに後れをとらないピッコロの戦いぶりを見て言葉を失っていた。そして、何とか命は助かったものの酷いダメージを負ったフリーザも。

 

「…まさか…こんなことになろうとは…」

 

フリーザは地面に降り立つと、よろよろと崩れて膝をついた。

 

「これが殺されたナメック星人たちの怒りだ!そしてこのままキサマを倒し、我々は地球へ帰る!」

 

「ふっふっふ…それで勝ったつもりか?」

 

しかし、フリーザは不敵な笑みを浮かべながらそう言った。

 

「なんだと?」

 

「さっきオレが『こんなことになろうとは』と言った意味を教えてやろう。だがそれを知った時、キサマは同時にどうしようもない絶望感を味わうことになる」

 

「ふん、負け惜しみを…」

 

「このフリーザは変身するたびに遥かにパワーを増す…その変身をあと2回も残している…理解できたかな?」

 

その言葉を聞いていたターレスは驚愕の表情を浮かべた。

 

「ま、まさか…そんなことが…!!」

 

「そのまさかだ!まさかこのオレが2度目の変身を見せることになろうとはな!光栄に思うがいい…この変身を見られるのはキサマが初めてだ!!」

 

次の瞬間、フリーザは両腕を振り上げると、今度は体を前に丸める。すると背中から3本の太い棘が伸びた。さらにフリーザが全身に力を込めると、肩の白い甲殻の様なパーツが伸び、大きくなった。

 

「ぬうううう…!!」

 

さらに次の瞬間、フリーザの顔つきが変化していく。鼻が無くなり、その後頭部が長く後ろへ伸びていき、無数の棘が生える。彼の周囲に漂い始めていた邪悪な気は煙のように空気と溶け込み、周りに流れ出した。

 

「ふうっ…お待たせしました…」

 

結果、フリーザは体格はそのままに全身から棘などのパーツを増やし、以前よりも不気味な外見に成ってしまったものの、戦闘力をまた上げたのだ。

それを見たピッコロは狼狽えた。

 

「さあて、第二回戦といきましょうか?」

 

「バ…バケモノめ…!」

 

「でも…さっきと変わってないんじゃ…?」

 

「バカめ…潜在パワーを探ってみろ…!さっきまでとは別物だぞ…!」

 

「し、しかも落ち着きを取り戻して冷静になった…」

 

「ああ…それに受けたダメージも全て回復してる…」

 

口々に喚くターレスや美鈴、ナッパたち。

 

「どぉれ、今の私とアナタ…どちらがお速いか試してみませんか?」

 

フリーザはそう言うと、勢いよくピッコロへ飛びかかった。咄嗟にピッコロは空へ飛んで逃げるが、フリーザはすぐにそれを追うように軌道を変える。

それに気付いたピッコロはさらに高速で移動し、さらに距離を取ろうとする。だが…

 

「む!?」

 

「これはこれはお久しぶりです」

 

正面を向いたピッコロの目の前には腕を組んだフリーザが何事もなかったかのように立っていた。

 

「そろそろ痛みを覚えていただきましょうか。…ひゃあ!!」

 

フリーザは手の指を2本伸ばし、そこから目にもとまらぬ速さで小さな衝撃波を撃ちだした。小さなといってもその威力は高く、ピッコロの肉体に傷を負わせるには十分だった。

衝撃波はピッコロの左足に命中し、そこから血が流れだす。

 

(は、はやい…!見えなかった…!)

 

さらに一発放つとピッコロの頬をかすめ、もう一発放つと腹へめり込んだ。

 

「うぐ…は…!!」

 

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ…!!」

 

フリーザは気味の悪い甲高い笑い声を発しながら、連続して指先から衝撃波を放ち続ける。そのすべてがピッコロにヒットし、ピッコロは成す術もないまま撃たれ続ける。

 

「ひゃひゃひゃ…!!」

 

「ぐ…!!」

 

ピッコロの全身から血が噴き出し、今にも限界が訪れそうになる。

 

「アナタはどうやら超能力で他者を治癒させることができるようですね…これからもそれを使われては面倒です、ここで始末いたしましょう!」

 

フリーザは片腕を前に出し、5本の指をピッコロへ向ける。そのそれぞれの指先から細いエネルギー光線を発射し、それは的確にピッコロの急所を狙っていた。

 

「さようなら」

 

 

 




フリーザは第二形態が一番好きです
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