もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第135話 「超決戦開幕!カカロット復活!」

「さようなら」

 

フリーザは5本の指からぞれぞれ光線を放った。それは的確にピッコロの急所に狙いを定めていた。

が、次の瞬間、空からフリーザへ向かって巨大な赤黒いエネルギー弾が飛んできた。フリーザがそれに意識を向け、体の向きを変えた事で間一髪、光線はピッコロに当たる前に逸れた。

 

「なにっ…!!」

 

フリーザは両腕を広げ、全身でそれを受け止める。

 

「こんなもの…ッ!!」

 

四肢の力を使い、それをはじき返す。だがその時、両側から高速で接近してきた影がフリーザを殴りつけた。フリーザは顔を歪ませ、目を見開く。

 

「…御安心なさい、すぐに殺して差し上げますから」

 

ピッコロの超能力で復活したナッパとラディッツがフリーザに攻撃を仕掛けていたのだ。だが、回復したことで力を増したはずのふたりの一撃はフリーザの手によって阻まれていた。それほどまでに、フリーザの変身によるパワーアップは大きかったのだ。

最初のエネルギー弾を放ったターレスも、にやりと笑ったフリーザに見据えられて息を呑んだ。

 

「サイヤ人は1匹たりとも生かしておきませんよ…。超サイヤ人などという馬鹿げた伝説は信じていませんが、現にアナタ方サイヤ人はここへきてますます強くなっていますからね…。ですが、今ので確信しました。これ以上の変身は必要ありません、この姿のまま土塊のようにアナタ方を粉砕して差し上げます!」

 

「くっ…」

 

次の瞬間、フリーザは一瞬でターレスの目の前にまで移動した。そしてするどい蹴りを繰り出し、そのまま足を手のように器用に使いターレスの顔面を鷲掴みにした。急降下し、岩山の斜面へ叩きつけ、グイグイと岩の中へ食い込ませていく。衝撃によって大地が揺れ、その地点から縦真っすぐに亀裂が走り、その先にあった海が割れた。

 

「そいつを離せ!!」

 

その時、フリーザの背後からウスターが飛びかかる。オーラの腕を振り下ろした攻撃に出るが、それを繰り出したときにはその場にフリーザはいなかった。ハッとして振り向いたとたん、背後から頬へ強烈な肘打ちをもらった。

 

「きえェイ!!」

 

そして手の平から衝撃波を撃ち、ウスターを空高く打ち上げた。すかさずそれを追おうと跳躍するフリーザ。

しかし、そこへ現れたナッパが拳を振りかざしてフリーザを攻撃した。が、ナッパの拳は虚しく空を突いた。そして彼の目の前には逆さまのフリーザの顔が出現し、驚いたナッパは後ろへ下がった。

 

「…チッ!」

 

全身からオーラを噴出し、距離を取るナッパ。が、いつの間にかその背後にフリーザが腕を組んで立っていた。もう一度遠くへ行っても、行く先々にフリーザはナッパを待ち構えていた。

 

「やれやれ…もはやサイヤ人など私の敵ではないのです。それがまだ理解できませんか?」

 

「く…!!」

 

「どうせならこの私の真の姿を見せて差し上げたいところですが、アナタ方を殺すにはその価値すらないようですから…ここですぐに殺してしまいましょうか」

 

その時、フリーザの気がまた増えた。

 

 

 

 

(なんだ…またフリーザの気がグンと大きくなった!)

 

カカロットはそう感じ取ると同時に、メディカルマシンのカプセルの中で目を見開いた。それを見ていた、パラガスの連れていた科学者は驚いて様子を見る。

 

「パ、パラガス様…もうカカロット様が回復なされましたですじゃ…!」

 

「なに!?想定していたよりもずっと速いな」

 

パラガスはそう言いながら、マシンの中を満たしている液体を退かせるスイッチを押した。同時にカプセルが開き、呼吸用のマスクを外したカカロットが出てきた。

カカロットはしずかに体を拭き、首の骨を鳴らした。

 

「俺の服は何処だ?」

 

「あ、ああ…破れてボロボロだったので用意した戦闘ジャケットを着てくれ」

 

「わかった」

 

カカロットはパラガスからたたんである戦闘服とスパッツを受け取った。

 

「お前の父親、バーダックが愛用していたジャケットと同タイプの物を用意した。是非これでフリーザとサイヤ人との因縁に…決着をつけてほしい」

 

肩のパッドが無い形状のジャケットに腕を通し、カカロットは軽く腕を振る。そして目を瞑り、今のナメック星の状況を探った。

 

「…パラガスとブロリー、悪いがこの宇宙船が動くようになったら、このナメック星で生き残っている奴たちを乗せてくれ。少数ながらナメック星人が生き残っているようだ」

 

「だが、なぜそんなことを?」

 

「決まってるだろ?俺がフリーザの野郎をぶっ倒して、今生きてるみんなで無事に帰るからさ」

 

カカロットはそう言うと、そばの台の上に置いてあった神精樹の実を手に取り、食べた。前に例の惑星で育ったものをターレスから貰い、この時まで取っておいたのだ。

その瞬間、カカロットの気が一気に増え、紫色のスパークを全身に纏った。宇宙船内の埃が突風で巻き上げられ、科学者は吹き飛び、パラガスとブロリーは腕で顔を覆った。

 

「…それが復活したお前の力か…!」

 

「それじゃ、そっちも頼んだぜ」

 

カカロットはそう言って振り向くと、一瞬で飛び去った。

 

 

 

 

 

「ひゃーっひゃっひゃっひゃ!!」

 

フリーザは向かってくるラディッツやナッパ、そしてウスターに細かい衝撃波を雨のように放ち、一切寄せ付けない。ラディッツとナッパはすでに全身に血が滲み、ダメージで限界が近づき何もできないでいた。

 

「くっ…!」

 

ウスターは巨大なオーラの腕を盾として使って攻撃をいくらか防いでいたが、やがてその腕もひび割れて壊れた。その瞬間、フリーザは一瞬でウスターに接近し、その顔面を蹴り飛ばした。続いてナッパの腹へ強烈なパンチをめり込ませ、そのまま体を回転させてラディッツにぶつけ、ふたりまとめて吹っ飛ばす。

 

「うおおおお!!」

 

その時、フリーザの目にこちらへ向かってくるターレスの姿が入った。しかし、すぐにフリーザは高速で背後へまわる。

 

「見えているぞ!」

 

後ろへ拳を振り下ろしフリーザへ当てるが、フリーザの姿がその場で歪み、消えた。残像を残す程のスピードでさらにどこかへと消えたのだ。

 

「ど、何処へ行った!?」

 

「はっはっは、ここですよ!」

 

遠くの方からそう声が聞こえると、ターレスはその方向を見た。すると、離れた場所の小島にフリーザが腕を組んで立っていたのだ。

 

「私が本気になったらまったくついてこられないようですね」

 

「…ふっふっふ…この俺を甘く見るな…!」

 

ターレスは無理に口元を笑わせてそう言った。不思議そうに顔をしかめるフリーザ。

すると、ターレスはどこからかあの神精樹の実を取り出したのだ。

 

「ターレスのヤツ、まだ隠していたのか…!」

 

しかし、それを見たフリーザはまたも驚異的なスピードで誰にも気づかれる事なくターレスに接近し、実を持っている手を掴んだ。

 

「ぐっ…!?」

 

ギリギリと締め上げ、ターレスは手の力が入らなくなり、実を地面の上へ落してしまう。

 

「もう分かってますよ…それを食べると戦闘力が増すのでしょう?それをこの私が許すとお思いですか?」

 

フリーザはターレスを投げ飛ばし、対岸の陸地の岩壁へ叩きつけた。そこはちょうど美鈴と天龍が居る場所で、フリーザはすぐに壁にめり込んだターレスの腹へ拳をめり込ませた。

 

「ゴ…ゴホッ…!!」

 

「つまらないですね…そろそろ殺してしまいましょうか」

 

フリーザは尻尾を上げ、その尖った先端をターレスの喉元へ突きつけた。近くで震えながら見ていた天龍と美鈴には静かに呟いた。

 

「助けたかったらいつでもどうぞ?」

 

(俺はここまでだ…!スマン、バーダック…お前の望みは達成できそうにない…)

 

ターレスも死を覚悟し、ようやく体を起こしたナッパやラディッツ、ウスターももうダメだと思った。打倒フリーザのために集った彼ら…しかし、フリーザの力は文字通り想像を超えていた。まるで次元の違うパワーの前に、金縛りにあったように何も動けなかったのだ。

 

 

ザッ…

 

 

だがその時、フリーザとターレスの間に誰かが割って入り、その尻尾の先を掴んで止めた。

 

「!?」

 

フリーザは驚き、少し後ろへ下がった。ターレスはその姿を見て驚愕した。間違いない、あの戦闘服…そしてこの雰囲気は…!

 

「バ、バーダック…!」

 

しかし、ぼやけていた目がはっきりしてくると、それはよく似ているが違う事に気付く。

 

「カカロット…か…」

 

「なんでぇくたばりぞこない…みっともねぇ姿だな」

 

「何者ですか貴方は…どうやら見たところサイヤ人のようで…」

 

「ル セェよ」

 

フリーザにそう声をかけられたカカロットは急に表情を変え、そう言い放ちながら睨みつけた。そして尻尾を握る力を強めると、フリーザは後ろへ飛んで距離を取ろうとする。

 

「は、離しなさい!」

 

カカロットはパッと手を放し、フリーザは汗を浮かべながらその尻尾を見た。握られた箇所が青く変色し、腫れていた。

 

「ここまで来てやったついでだ。何か頼まれてやってもいいぜ」

 

「そうか…だったら、頼む…!そのフリーザをぶちのめしてくれ!!」

 

「ああ、気が向いたらな!」

 

次の瞬間、距離を置いたはずのフリーザの目の前にカカロットが現れた。カカロットはグイッとその顔をフリーザに近づけ、にやりと笑った。

 

「キサマ…!速いな…!」

 

「ってわけらしいぜ。ま、仲良くしよーや」

 

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