もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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本来、この作品とは別の作品として続編を投稿していたのですが、訳あってこちらの方で初めから再連載させていこうと思います。よろしくお願いします。


第二部 【The Legend vs. Strongest】
第172話 「いつか途切れた夢の続き」


惑星ベジータがフリーザの手によって破壊された、運命の日。大爆発を起こし消滅する寸前の惑星ベジータから、主に3つの物体が宇宙へ飛び立っていた。

ひとつは、バーダックに逃がされたターレスの乗る小型ポッド。ふたつ目は、潜在能力が発揮されたブロリーとパラガス。そして、最後はカカロットが乗せられた小型ポッドだった。

 

「ご覧なさい、ドドリアさん!ザーボンさん!こんな素晴らしい花火ですよ!!」

 

フリーザは消えゆく惑星ベジータを見ながら、狂気ともとれる笑いを上げていた。ドドリアとザーボンは怯えたような、あるいは奇異を見る目でフリーザを眺めているしかなかった。

 

 

 

そして、そんなフリーザ一行をさらに監視する者たちが居た。彼らはフリーザが乗っている宇宙船と同じタイプの大型船に乗っており、操縦室で巨大なモニターを介してフリーザが惑星ベジータを破壊する様子を見ていた。

 

「さすがはフリーザ様だ」

 

「ああ、これでサイヤ人も終わりだな」

 

その場にいるうちの2人が、エネルギー球一発でサイヤ人もろとも惑星を破壊するフリーザの姿を見てそう会話を交わす。しかし、もう1人が目ざとくモニターを見ていると、そのすみに何か小さなものがいくつか飛んでいるのを発見した。

 

「なんだ、あの物体は…モニター拡大!」

 

するとモニターは別々のある地点を3つ拡大して映し出した。そこにはそれぞれ、驚くべきものが確認できた。

ひとつのモニターにはサイヤ人の赤ん坊が入ったカプセルが、もうひとつはサイヤ人の男が乗るカプセル、そして最後に、カプセルではなく特殊なオーラの膜を張り自身らを防護する、サイヤ人の男と赤ん坊の二人組。

 

「どいつもサイヤ人のようだぜ。赤ん坊だけは行き先が分かった、遥か辺境の…地球という星だ。それ以外の反応の向かう先は今のところ不明みたいだ」

 

「撃ち落とすか?」

 

と、ひとりが口にしたその時だった。低く、冷徹な声が部屋に響いた。

 

「放っておけ」

 

部屋に居た者たちは即座にひざまずき、同時に上の階から降りてきた浮遊ポッドにこうべを垂れた。

 

「ここはフリーザの任された地区…自分で蒔いた種は、自分で刈らせろ!」

 

ポッドはゆっくりと移動する。

 

「オレたちは今日中に7つの星を、制圧しなければならないからな」

 

ポッドがモニターの前にたどり着くと、乗っていた人物はそこに映4人のサイヤ人を観察する。

 

「しかし…うち2人が赤ん坊とはいえ、4人ものサイヤ人を逃すとは…、この4人がいずれ団結し、我が一族に牙をむく可能性もある。…そして、サイヤ人を全滅させ、この地域を制圧するという任務が遅れているのも、全てフリーザの傲り昂ぶりの所為…。フリーザも、まだまだ甘い!」

 

 

 

 

────────────

 

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カカロットと霊夢、そしてその仲間たちの活躍によってフリーザが倒されてから1年が経過していた。

外の世界では、かつて世界を7年近くもの間支配していたピッコロ大魔王が亡くなったという事を、側近であったピアノが全世界へ告げ、世界の王は前任者に戻された。ただ、ピッコロの手によって世界の情勢や各国の治安などは見る影もないほど崩れており、全てが元に戻るには時間がかかるだろう。

 

一時はブルマの家で匿われていた生き残ったナメック星人たち、そしてフリーザ軍から離反したリクームとバータや階級を失ったスカッシュやダイザーも、いよいよ滞在していた地球を離れる時が来た。ブルマは幻想郷に残された2隻のフリーザ軍の宇宙船を回収し、カプセルコーポレーションの手で改造したものをリクームらに渡した。

もうブルマたちにも十分悪意はないと信頼されているが、一応は残党扱いの彼らが万が一にも変な行動を起こさないための監視役としてブロリーも同行した。

 

 

「なぁ、途中で寄る予定のサービスエリアとやらはまだなのかい?アタイはもう退屈で死にそうなんだが」

 

宇宙船を操縦しているブロリーの肩に手をかけながら、スカッシュはそう言った。

 

「うるさい、気が散る。あと少しくらい待て」

 

ブロリーはうっとおし気にイライラとそう言った。スカッシュはちぇっ、と口を尖らせると腕を組みながら部屋をウロウロ歩き出す。

 

「そうだぞスカッシュ、まだ1週間ほどしかたってない。これでは目的のナメック星までの1か月の旅路も先が思いやられるな」

 

壁を背にしゃがみ込んで、岩のようにじっと動かずにしていたダイザーが口を開いた。

 

「うるせぇなァ~、テメェはアタイの親か?”極所重力軽減装置”がないと乗り物に乗れねぇデカブツがよぉ」

 

総体重9トンを超えるダイザーを移動させるには、コルド軍に居た頃から使用されていた特別な機械が必要であり、これが無いと何かに搭乗ことは許されていなかった。

 

「あのふたりを見ろ、この一週間、文句言わずにできる範囲で遊びまくっている。お前も混ざってくればいい」

 

ダイザーが指差した先には、ソファに座って携帯ゲーム機で遊んでいるリクームとバータの姿があった。

 

「…けっ、アタイはああいうゲームは好きじゃねぇの」

 

「好きじゃないんじゃなくて、得意じゃないんだろ」

 

「うるっせ!」

 

「よし、お待ちかねの星が見えてきた。あそこでしばらく休憩しよう」

 

宇宙船は目の前に見えた豊かそうな惑星目指して速度を上げていった。

 

 

 

──惑星キーパング。宇宙旅行者やその星の住民はそう呼んでいる。もともとは生命の住まない荒野の惑星であったが、ある資産家が莫大な金を賭けて星の環境を改善し、主に旅行者や宇宙業者をターゲットにしたサービスエリアとして栄えさせた。宇宙船の燃料や電池を補給できるのはもちろんの事、しばらく滞在するための快適なホテル街も点在しており様々なサービスが受けられる。

 

「よっと」

 

宇宙船から降りた一行は外の空気を吸った。

 

「はあぁぁ…」

 

「よし、これからここで1日ほど休息をとる、皆存分に好きな事をして休んでくれ。ただし、これを身に付けてだ」

 

ブロリーは一向に腕輪のような機械を付けさせた。

 

「これは?」

 

「ブルマさんが用意してくれたものだ。スカウターを応用したいわゆる発信機のようなもので、不審な行動をとればすぐに俺が持っているこの本体のスカウターに通知が来る。強引に取り外そうとした場合も同様に通知が届き、次第すぐに俺が行く…いいな?」

 

「わかったわかった!じゃあアタイはどこか運動場で体を動かしに行くかなぁ~!」

 

「よっしバータよ、ここには美味いハンバーガー屋はあると思うか?」

 

「オレはチョコレートパフェが食いたいぜ、地球のと同じくらい美味ければいいが」

 

スカッシュやリクームたちはすぐに賑わう街の中へと消えていった。

 

「あ、あのう…」

 

その時、おずおずとした様子で20名ほどのナメック星人がおりてきて、ブロリーに話しかけた。

 

「ん?ああ、貴方らに限ってはあり得ないと思うが…それでも腕輪をつけていてくれ」

 

 

…この時の彼らは知る由もなかった。1年前に拭い去ったはずの恐怖が、もう一度迫っていることに…。

 

 

 

 

翌日。

天気は良く晴れ、少々強い風が吹く日だった。

 

「…よし、全員いるようだな。今からナメック星へ向けての移動を再開するぞ」

 

ブロリーが全員にそう呼びかけ、点呼をとりながら宇宙船に乗り込ませる。そして、先にナメック星人たちが乗り終えたその時だった。さっきまで彼らがいた街が突如起こった爆発に包まれた。とてつもない衝撃と爆風が発生し、吹っ飛ばされた車や建物の残骸が飛んできた。

 

「な、なんだ!?」

 

「攻撃か!?」

 

「行ってみるか」

 

ブロリーやダイザーたちは街の方へ移動しようと身構える。が、ブロリーは今のが何の爆発なのか、もしかすれば何者かの手によって行われた物なのか、気を探ることで判明させようとする。その間にダイザーやリクームらは街の方へ飛んでいった。

ブロリーは爆発が起こった場所の近くに数名の大きな気、そしてもうひとつのとてつもなく巨大な気を察知し…後者はどこかで感じた事のある嫌な予感がし、それはそうこうしている間に自分のすぐ近くにまで迫っていて…。

 

「キサマ、何者だ?」

 

「…!?」

 

背後から聞こえた声に驚いたブロリーは後ろへ振り返ると、さらに驚愕の顔を浮かべる。

 

「フ、フリーザ…!!?」

 

その者は紫色の皮膚を持ち、頭部や胸、足や腕を覆う白い甲殻はあのフリーザを彷彿とさせた。顔つきや身長は違うが、それでも気の質や雰囲気はフリーザにそっくりだ。

 

「俺の弟であるフリーザが、どうかしたのか?」

 

「弟…?ではお前は…!」

 

「オレの名はクウラ。尻尾は見当たらないが、その黒髪と黒い瞳…そして何よりその反抗的な目…サイヤ人だな。それにしてもキサマのような猿がまだ生き残っていたとは…これもフリーザの甘さが招いたことか」

 

フリーザの兄を名乗るクウラという男は、薄気味悪く笑いながらじっとブロリーを見据えた。

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