もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第173話 「クウラ機甲戦隊との戦闘 其の一」

「おっほっほっほ、さすがワタシね。一発で街を消し去れるなんて」

 

街が消え去った後の荒野に、見知らぬふたり組が降り立つ。ひとりは女っぽい男…もうひとりは小柄な半魚人のような異星人だった。

 

「あまり壊すなよ。この星を乗っ取れば新たなビジネスが確立できるかもしれんのだ」

 

「分かってるわよ。惑星キーパング…ここを乗っ取ればその利益は全てフリーザ軍に入るのよね。でも、なんでフリーザ様はこの星の侵略を延期したのかしら?」

 

「2年近くも前になるが、当時はナメック星に向かっていたらしいな。おそらく、願いが叶うという噂のドラゴンボールを手に入れようとしたんだろう。ま、迷信に飛びつくようじゃフリーザ軍も終わりだな…」

 

ふたりはそう話しながら辺りを見渡した。

 

「ねぇ、ちょっと相談に乗ってほしいんだけど…サウザーってワタシのことどう思ってるのかしら?彼ってやっぱイケメンだし彼女とかいるのかしらね?」

 

「知らねぇよカマ野郎…」

 

 

その様子を、建物の残骸の影に隠れてスカッシュたちがうかがっていた。

 

「誰だアイツら…?ありゃフリーザ軍の戦闘服だよな?」

 

「バカな…フリーザ軍は俺たち以外全滅したはずだろ?」

 

そう、1年前の地球での戦いで、リクームとバータ、そしてスカッシュとダイザー以外のフリーザ軍は全て倒された。仮に残党が宇宙のどこかに残っていたとしても、指導者がいなければここまでの規模の侵略を企てられるはずがない。

 

「あなたたちはどう思う?」

 

「!?」

 

とその時、離れた場所で話をしていたはずのオカマの戦士が彼らの背後から声をかけた。

 

「い、いつの間に…!?」

 

「誰なんだお前たちは!フリーザ軍か!?」

 

「う~ん、ワタシたちはフリーザ軍とはちょっと違うのよね…」

 

「そうだな…俺たちは!!」

 

オカマと半魚人は、どこか雰囲気に見覚えがあるような奇怪なポーズを決め、自信満々に名乗り上げる。

 

「『ゾイソー』!」

 

「『ナンプラー』!」

 

「「クウラ機甲戦隊!!」」

 

と、次の瞬間、ナンプラーと名乗った半魚人の戦士が突然その場から消え失せたように見えた。

 

「チビの方が消えた…!?」

 

全員が身構えていると、その中でリクームとバータの下半身がいきなり地面に吸い込まれるようにして埋まってしまった。ふたりが驚く間もなく、その巨体が一瞬にして地面の中へ消えたのだ。

 

「うわあああああ!?」

 

「どうだい、地面のお味は?」

 

ナンプラーは地面を水のように柔らかくして潜り込み、地中を移動してリクームとバータの足を掴み、地面の中に引きずり込んでいた。ふたりは絶叫しながら地面深くに置き去りにされ、ナンプラーは何事もなかったかのように地上へ現れた。

 

「何が起こったってんだ…?リクームとバータはどこに…!」

 

「リクームとバータ?聞いたことがあるぜ、確かギニュー特戦隊の…」

 

「え、うっそ!なんでフリーザ様のギニュー特戦隊がこんなところにいたわけ!?」

 

「わからん…」

 

「ま、いいわ。残るは大きなアナタと小娘だけね…」

 

「チィィ…やるか、ダイザー…」

 

「ああ、スカッシュよ…」

 

「へへっ、あのふたりと同じく、早すぎた埋葬にしてやるよ」

 

ナンプラーは再び地面へもぐって息をひそめる。オカマのゾイソーに対し、ダイザーは口から熱い蒸気のような息を吐きながら向かい合う。

 

「うおっ!?」

 

とその時、地面から強襲したナンプラーはスカッシュの足を掴み、先ほどのように地面の中へ引きずり込んだ。

しかし、スカッシュはニヤリと笑うと、地中を引きずり回されながらもナンプラーの顔面をがっしりと手で鷲掴みにした。ナンプラーは驚き、目を見張る。

 

「な…!」

 

「クウラ機甲戦隊だか何だか知らねぇけど、カーボネド四天王をナメるんじゃねぇよ!」

 

スカッシュは手の平から気を放出し、ナンプラーの口の中に押し込んで炸裂させた。地中から気の柱が突き上がり、それによってボロボロになったナンプラーの死体が打ち上げられる。

続けてスカッシュはリクームとバータを救出し、地中から飛び出した。

 

「ナンプラー!?」

 

ゾイソーは倒されたナンプラーを見て驚愕した。その隙を見て突進を仕掛けたダイザーを躱し、戦闘を開始する。

 

「きいいい、生意気ねアンタたち!」

 

ゾイソーは流れるような連続攻撃をダイザーに浴びせる…が、ダイザーの鉄壁の肉体にはほとんどダメージが通っていないようだった。

 

「硬いわね…でも、これならどうかしら!?」

 

いったん距離を取ると、ゾイソーは全身に力を込めた。すると、その肉体が今の何倍にも筋肉質に膨れ上がり、気がさらに大きくなった。

 

「ワタシのプリチーでビューチフルな愛をくれてやるわ!!ハアアッ!!!」

 

ゾイソーは両腕から巨大なハート形のエネルギー波を放った。

 

「ぬううう…!」

 

それはダイザーに直撃し、さしもの彼もその破壊的な威力を前に耐える事しかできないでいた。

 

「おーほほほほほ!!いつまでもつかしら!?」

 

ゾイソーはエネルギー波の威力を高め、ダイザーに押し勝とうとする。が、ダイザーは何かを待っていたかのように上を見上げた。

その時、上空から舞い降りたスカッシュがダイザーの巨体を掴んで持ち上げ、もう一度空へ舞い上がった。

 

「ぃよいしょおおおおおおお!!」

 

「ふん、撃ち落としてあげるわ!!」

 

ゾイソーは無数のハート形のエネルギー弾を空へ向かって放ち、飛ぶスカッシュを狙う。しかし、スカッシュはその細身に見合わない怪力でダイザーをぶら下げたまま空中で素早く動いて彼の攻撃をかわし、何とかゾイソーの頭上付近までたどり着く。

そして、ボールのように丸まったダイザーに紫色の気功波をぶつけ、その体を燃え上がらせる。スカッシュの気を纏った状態のダイザーを放り投げ、渾身のパワーでそれを下にいるゾイソーに向かって殴り飛ばした。

 

「『スパイクスパーク・withダイザー』だぜ!!」

 

ゾイソーは向かってくるメテオの様なダイザーに向かって何度も気功波を放つが、そのスピードと防御力の前に軽く弾かれてしまう。

 

「うそでしょ…!」

 

そして、スカッシュのパワーで殴り飛ばされた超重量の巨体は容易にゾイソーを押しつぶし、地面に着弾すると巨大な衝撃波を巻き起こした。まさに、スカッシュの怪力とダイザーの頑丈さを活かした連携技だった。

それが治まった後には、ゾイソーもナンプラーの姿も跡形もなく消え去っていた。

 

「イエーイ、やったぜ!」

 

スカッシュはガッツポーズで喜び、ダイザーもクレーターからのそりと這い上がる。しかし、ナンプラーに地中で負わされたダメージによって疲弊していた様子のリクームとバータだけが、その場に続けて現れた集団に気が付いた。

 

「なんだ…テメェら…!」

 

スカッシュとダイザーも遅れて気が付き、そちらへ振り返った。

 

「やるなお前たち、我が機甲戦隊のゾイソーとナンプラーを殺るとは」

 

「キシャシャ、だがあのふたりは機甲戦隊の中でも最弱よ…」

 

岩の上に立っていたのは、三人組だった。先ほど倒したゾイソーらと同じような配力の戦闘服を身にまとっている。ひとりは金髪の男、もうひとりは爬虫類のような顔をした赤褐色の肌の男、もう1人はプロレスラーのようにガタイの良い緑色の肌で黒髪の男だった。

 

「なんだアンタら、今のオカマとチビの仲間か?」

 

スカッシュがそう問いかける。

 

「その通り…我らはクウラ機甲戦隊。だが、貴様らは何者だ?何故にギニュー特戦隊のリクームとバータと共に行動をしていた?」

 

「けっ、答える義理はねぇよ。テメェで考えな」

 

「ふっふっふ…ならば相手をしてやれ、ドーレ、ネイズ。じきに我々の恐ろしさを認識するだろう」

 

「そういう事らしいぜ…へっへっへ」

 

巨漢のドーレが指の骨をバキバキと鳴らしながら近づいてくる。

 

「オレ様のスピードについてこれるかよ?」

 

そして爬虫類の様な顔のネイズはすぐに飛び出し、ダイザーへ攻撃を仕掛けた。続けてドーレもスカッシュに向かって殴りかかると、それに応戦したスカッシュが素早い蹴りを連発する。

 

「でやあああ!」

 

「おっと、へっへっへ…」

 

しかし、ドーレは蹴りの一発を受け止めて掴んだ。そのままスカッシュを振り回し、遠くへ投げ飛ばした。

 

「くっ…この…!」

 

スカッシュが反撃しようとその場で止まるが、既に背後に接近していたドーレはスカッシュの両腕を背中に回して掴んで固定し、もう片腕で首を締め上げる。

 

「ぐっ…が…」

 

「スカッシュ…!」

 

ダイザーの気がスカッシュに逸れたのを見計らってネイズが重いパンチを顔面へ浴びせる。が、ダイザーは何ともないように振り返り、口から火炎を吐いて攻撃した。

 

「おっと!」

 

ネイズは後ろへ下がって避けるが、ダイザーはもう一歩踏み出しさらに腕を振るって攻撃する。これはネイズの顔面に直撃…するかと思ったが、なんとネイズの頭部が亀のように胴体の中に引っ込み、避けられた。

 

「なに…?」

 

それに怯んだダイザーの背後へまわり、その首を思いきり肘で殴りつけた。が、ダイザーは全くそれが効いていないと言った様子でラリアットを繰り出した。

 

「おっと!どうやら頑丈さだけは本物みてぇだなぁ!」

 

ネイズは一撃を躱すと、ダイザーの背中に手を置いた。

 

「だが…これならどうよ!?」

 

バリバリバリ…

 

「ぐああああおおおおおおおお!!」

 

ネイズは全身から高圧の電気を発し、それを触れた手を通じてダイザーへ流した。感電したダイザーは一歩も動くことができず、その電撃によって内部からダメージを受けていく。

 

「キシャシャシャア!オレ様の電撃の味はどうだ?」

 

 

果たして、ダイザーとスカッシュはクウラ機甲戦隊との戦いに勝利できるのだろうか…!?

 

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