もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

176 / 551
第176話 「反撃のブロリー」

「地球へ着く前にって…まさか、宇宙でクウラと戦うつもりか?」

 

「ああ、もちろんそうだ」

 

スカッシュの問いにブロリーはそう答えた。

 

「だが、俺たちが乗って来た宇宙船とヤツの宇宙船は同タイプ…どう動かしても出せる速度は同じ…追いつけないぞ」

 

と、ダイザーが言う。

 

「ならばこの星にある一番スピードの出る宇宙船を貸してもらう。惑星の一大事ともなれば嫌と言ってはいられないはずだ」

 

 

 

 

一方、地球へ向けて移動を開始したクウラとサウザー。惑星キーパングを出発してから、既に6日が経過していた。

 

「いいかサウザー、あと1日もすれば地球へ到着する」

 

「はい、準備はできております」

 

「何度も言っているが、オレたちが地球へ向かう理由は決して弟の復讐のためなどではない。それはあいつ自身の甘さと弱さが招いたことだからな」

 

「心得ております」

 

「オレたちは最強の我が一族の顔に泥を塗った奴らを1匹たりとも逃さず根絶やしにするために向かっているのだ。そうしたら地球人共を皆殺しにし、星を高額で売りさばく…」

 

と、クウラがそう言ったその時、サウザーの装着しているスカウターが何かの反応を示した。確認してみると、遠くの方から数個の戦闘力反応が高速で接近していたのだ。

 

「ク、クウラ様!謎の反応がこの宇宙船に近づいております!」

 

「なに!?モニターを写せ!」

 

言われたサウザーは前面のモニターに映像を写す。するとそこには一隻の小型宇宙船が写っており、その窓にはブロリーと先程戦ったスカッシュの顔が見えた。

 

「な…あのサイヤ人、死んでおらんかったのか!?」

 

「クウラ様、いかがなさいましょう…?」

 

「…うむ、このオレが出向き、やつを今度こそ完全に叩き潰す!ハッチを開けろ」

 

サウザーが急いで宇宙船最上階のハッチを開けると、クウラはそこから宇宙空間へ出た。

 

 

 

 

「お、ヤツが出てきたぜブロリー!」

 

「ああ、ではスカッシュはこのまま宇宙船で追いつき、中へ入ってサウザーというやつを倒せ。オレはクウラを仕留める!」

 

同様にブロリーも開いたハッチから外へ飛び出し、クウラがいる場所へ向かって飛んでいく。

それに気付いたクウラはにやりと笑い、ブロリーを迎え撃つ構えを取る。真横を通り過ぎていくブロリーの宇宙船を見ながらも、あえてそれを見逃した。

 

「ほう、キサマも宇宙での活動が可能なのか。だが関係ないことだな…」

 

ブロリーはクウラの目の前で止まり、激しいオーラを解き、全身に膜のように気を張るだけにとどめた。

 

「お前は地球へ行くつもりだろ?」

 

「その通りだ。だったらどうする?キサマの様な野蛮な猿野郎が、何か地球に用事でもあるのか?」

 

「…お前を地球へ行かせはしない…ここで倒してみせる!!ウオオオオオオオオオオオ!!!」

 

ブロリーは咆哮を上げると、全身から噴水の様な黄金の気を解き放った。かつての制御装置がもう無くなったブロリーの髪は以前の様な青みがかった色ではなく、純粋な金髪に…そして体の筋肉が若干増えたような気がする。

 

「な、何だと…?その姿は…ッ!?」

 

「これが超サイヤ人というものだ!フッ!!」

 

超サイヤ人へと変身したブロリーは一気に前方へ跳躍し、クウラの顔面を渾身の力で殴りつけた。クウラは口の端から血を流しながら上体を逸らし、そこへブロリーは腹部へ何発ものパンチを食らわせ、執拗な追撃に出る。

 

「でやああああッ!!」

 

そしてクウラの尻尾を掴みつつ振り回して投げ飛ばし、さらにそれに追いついて拳を振りかぶる。

 

ガシッ…

 

が、クウラもそう簡単にやられはしない。瞬時に態勢を立て直すと、ブロリーの拳を片腕で受け止めた。続いてのもう片方によるパンチも止め、両者はギリギリと力を込め合いながら宇宙空間を移動していく。

 

(まさか超サイヤ人…ということは、コイツが地球でフリーザを倒した本人か!)

 

「フッ、オレは弟のように甘くはないぞ」

 

クウラはそう言うとブロリーの腕を掴んだまま高速で飛び、たまたま近い場所を通過しようとしていた隕石に激突した。

その隕石の中を掘り進みながらブロリーを引きずって攻撃する。しかし、ブロリーは自分に何度もぶつかる岩に屈することなく、自分の腕を掴んでいるクウラの手を怪力で強引に振りほどくと、今度は逆にクウラの顔面に手を当てて押し、岩に押し付けた。

 

「ウオオオオオオ!!」

 

そして手の平に気を込め、クウラごと大爆発を起こし、巨大な衝撃波が発生した。それは隕石の勢いを完全に止めると同時に内部から破壊してしまう。

クウラは傷を負いながらも、砕けた隕石の破片の上に着地した。ブロリーも同様に別の破片の上に降りる。

 

「ぐ…はぁ…はぁ…!…フフフッ、ははははは…!」

 

口の端から流れる血をぬぐいながら笑うクウラを、ブロリーは睨み返す。

 

「それが、超サイヤ人の力か。なるほどな…我が弟を倒しただけの事はある。しかし、それがどうした?」

 

クウラは指を一本だけ立てる。

 

「そんなもの、これからオレが見せる変身に比べればなんてことはない。この先の本当の地獄に比べればな…」

 

「変身…だと?」

 

 

その頃、サウザーの宇宙船へ乗り込んだスカッシュ。その目の前にはサウザーが立ちふさがっており、両者は互いに様子を伺っていた。

 

「キサマも生きていたようだな…」

 

「ああ、あんたらの仲間が掘ってた穴の中に逃げてな…」

 

「では今度こそ始末してやる」

 

「へっ、アタイだってお前には勝つぜ」

 

「面白いッ!!」

 

サウザーは右腕に気の剣を作り出し、スカッシュに向かって走り出した。スカッシュも拳を振りかぶり、サウザーとすれ違うように駆けこみながらパンチを繰り出した。

 

「ふっ…」

 

しかし、サウザーが不敵に笑ったその瞬間、スカッシュの拳と胸にパックリと傷口ができ、そこから血が噴き出した。

 

「な、何ィ~~~!?」

 

「ふはは…ザマぁないぜ」

 

驚くスカッシュに対し、トドメを刺さんとサウザーが追撃を仕掛ける。スカッシュはなんとかサウザーの攻撃をかわし続けていくが、矢継ぎ早に繰り出される斬撃の前に、体中に少しずつ切り傷が増えていく。

 

「ははははは!どうした、お前の力はその程度か!?」

 

「くっ…!」

 

スカッシュの服に血の染みができ、大きくなっていく。

 

「クウラ様から聞いたぞ。お前が言っていたカーボネド四天王とは、私も知りさえしなかったクウラ様たちの父君の親衛隊らしいな…。それを聞いた時、それならば我が機甲戦隊のほとんどが倒されたのにも納得がいった…しかし!!」

 

サウザーは気の剣をさらに大きくし、まるで大剣のようになったそれでスカッシュの全身を素早く斬りつけた。

 

「ぐあああああ…!!」

 

「飛んだ拍子抜けだった!何故…何故我が機甲戦隊のメンバーは貴様らのようなザコにやられてしまったのか、てんで理解できない!!」

 

倒れ込んだスカッシュは全身から血を流し、床を真っ赤に染めていた。

 

「どうせ、カーボネド四天王とやらも名ばかりで全員大したことは無いんだろう…己の無力さを噛み締めながら死ぬといい」

 

「…ふ…わははは…なんでアンタらの仲間がアタイ達に負けたのかわからないって…?現実を見ろよ…そりゃアタイらより弱かったってだけだろ?」

 

「…何だと?」

 

スカッシュはよろよろと起き上がると、自分の血にまみれた顔を上げ、にやりと笑いながら確固たる眼差しでサウザーを見つめた。

 

「ようやく戦いの勘が戻って来た…。そうなのさ、それだけなんだよ…」

 

「知ったようなことを言いやがって!!」

 

サウザーは怒りに任せて剣を振りかぶり、スカッシュに斬りかかった。

が、スカッシュも同様に腕に気の刀を作り出し、それでもって一撃を受け止めた。ギャリギャリという鉄の刃同士を打ち付けたような音が火花と共に響き渡る。

 

「ぬ…キサマもエネルギーの刃を…!」

 

「ふっ!」

 

スカッシュはサウザーを弾き飛ばす。

 

「どこまでも腹が立つ野郎だぜ!」

 

サウザーはわなわなと怒りに震えながら、力任せに何度もスカッシュに刃を振りかざす。

 

(かつてアタイらのリーダーだった、カーボネド…アンタの技を借りるよ)

 

スカッシュはサウザーの一閃を刀で受け止めると、そのまま自身が後ろを向きながらサウザーの懐に潜り込んだ。そして同時に背後へと滑らせていた刀の切っ先がサウザーの顎に突き刺さり、そのまま頭部を貫いて頭頂部から突き抜けた。

 

「か…!!まさか…この私が…」

 

そして刀を上へ向かって振り上げ、頭部を真っ二つに切断する。そこでサウザーは絶命し、床に倒れ伏したまま動かなくなった。

 

「はぁ…はぁ…!なんとか勝てたか…。そ、そうだ、ブロリーは…!?」

 

 

 




1日に2話ほどのペースで投稿し、最新話に追いつきたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。