ドラゴンボール超の新作映画の最新映像に、「人造人間1号」と「人造人間2号」らしきキャラクターの姿が見えていましたよね。
実はこの小説にも今後に人造人間1号や2号といった人造人間シリーズが登場するんです。特に1号は後に展開される物語にとって非常~~~~に重要なキーキャラクターとなっておりますので、同名のキャラクターが原作に登場する事は大変まずいのです。
そこで、今後に新作映画と同名のキャラクターや似たような設定がこの作品にて登場した場合、「これはパラレル世界の話だから」と納得して頂ければ幸いです。なぜならこの作品は”もしも”と謳っており、ドラゴンボール及び東方projectのIFストーリーを描いた物語であるためです。(しかし、自分で考えたオリジナルの設定が原作と被ってしまうのは悔しい…)
以上になります。それでは本文のほうへどうぞ、新章始まります。
第207話 「ヴァンパイア王国へ」
場所はここ、紅魔館より物語を始めよう。
紅魔館へ訪れた霧雨魔理沙は、地下図書室にて本棚の間をうろうろしていた。パチュリーは彼女が何をしているのかと不審に思い、こっそりと様子を伺うと、どうやら魔理沙はカバンの中に詰まった本を一冊ずつ棚に戻しているように見受けられた。
「あら、何をしているのかと思えばどういう風の吹き回しかしら?」
パチュリーに気付いた魔理沙は、埃か何かでゴホゴホとせき込みながら振り返った。
「ゲホ、ゴホ…おおパチュリー、いたのか」
「いたのかって…ここは私の図書室なんだけど。まさか今までの本を返してるの?」
「そうだよ。この間家の中を整理したらお前から借りたままの本がたくさん出てきたんだが、もう私にはいらない本ばかりだったんでな。全部まとめて返そうと思ったんだ…ゴホン」
「それは良い心がけね。でも、本当にどうしちゃったの?貴方、いつも言ってたじゃない。『私が死ぬまでコイツは借りとくぜ』って…」
魔理沙はパチュリーに背を向けて、本を戻す作業を続けたまま何も言わない。不思議に思ったパチュリーは、その時魔理沙の髪の毛が金髪に混じって白髪が多くある事に気付いた。
「まさか、貴方…」
ドォン!
と、その時だった。突然ものすごい振動が襲い掛かり、本棚におさまっていた大量の本たちがバサバサと落ちていく。魔理沙とパチュリーは思わずその場で転んでしまい、そこら中から小悪魔たちの悲鳴が聞こえる。
「な、なんだぁ!?」
「上の方からね…何かあったのかしら?」
「行ってみるか…」
「ええ」
魔理沙は走って、パチュリーは浮遊しながら階段を駆け上り、紅魔館の本館の中へ入る。すると、ふたりはその場の光景を見て驚いた。
そこには、たった二人の男女によって、既に倒された十六夜咲夜とレミリア・スカーレットの姿があったのだ。咲夜は傷を負った腕と足を気にしながらその男女を見上げているが、レミリアは既に胴体と頭が切り離された状態であった。
「突然のご訪問とご無礼、大変失礼いたします」
と、男女のうちの男の方が、丁寧な口調でそう言った。男は背の小さい、頭の禿げた小太りの男であったが、服装はピッシリとタキシードを纏っている。その身体からは並の人間では到底たどり着く事すらできない境地を感じさせる気を発していた。
「我々、”ゴルゴン・ツェペシュ”女史の命によって…レミリア・スカーレット様を我が王国へご招待に参りました」
そう言ったのは女の方だった。月のような金髪をなびかせ、咲夜と同じようにメイド服に身を包んでいる。眼は爛々と赤く輝き、まるで王者の如くこちらを見下ろしている。
「魔理沙にパチュリー…そして咲夜…!逃げろ…どうやら奴らの狙いは私らしいからな」
レミリアは首だけの状態でそう言った。タキシードを着た男とメイド服の女はゆっくりと地面に降り立ち、パチュリーと魔理沙をにらみつける。ふたりは目を合わせ、戦わざるを得ないと確信するが…その時、急に周囲がざわざわと騒がしくなった。
「おお…!」
タキシードとメイド服の男女は紅魔館の壁の方を見て、感激したような声を小さく漏らした。そして、その次の瞬間…紅魔館の壁が外側から内側に向かって勢いよく崩れる。
今は昼間…太陽の光が射してくる…かと思いきや、外は分厚い赤い霧のようなものに覆われていて日の光が全く見えない。
「ゴルゴン・ツェペシュ様…」
メイドの女がそう呼ぶと、外から黒い蝙蝠たちが大量に入り込んできて、集合して形を作っていく。すると、そこには背を向けたまま顔を横に向け、目線だけをこちらに寄越す…どこかレミリアに似た面影のある風貌の少女がいた。
「うむ。ターゲットαは私が確保した。ターゲットβも…確保したも同然か」
その少女は闇のように黒い髪をなびかせながら床の上に降り立ち、広げた巨大な翼をたたんで小さくしながらレミリアのもとへ歩いていく。
「お嬢様に…近寄るな…!」
その時、咲夜が手に持っていたナイフを投げ、ゴルゴン・ツェペシュと呼ばれる少女の喉元に突き刺した。ゴルゴンはギョロリと目だけを咲夜の方へ向け、次にゆっくりと顔を向ける。
「お前は心身共になかなか強靭な人間だな…強い者は好きだ、共に我が王国へ来ることを許す」
次の瞬間、ゴルゴンと目を合わせた咲夜は謎の念力を頭の中に送り込まれ、直後に気を失ってしまう。ゴルゴンはレミリアの身体と頭を担ぎ、ついでに咲夜を抱えると、翼を広げて宙に浮かび、紅魔館の外へ出ていく。
あの執事とメイドのような男女も魔理沙とパチュリーを背後から拘束して持ち上げ、空を飛ぶ。
「ちょっ、おいおい何すんだ!」
「そうよ!私たちをどうするつもり…!」
「貴様らも来ることを許可しよう。さぁ行くぞ、我がヴァンパイア王国へ!!」
ゴルゴンがそう叫ぶと、赤い霧の中から、さらに3人ほどの人影が姿を現す。その全員が背中に蝙蝠のような翼を持ち、このゴルゴンと似たような魔力を感じる。魔理沙とパチュリーはその光景を見たのを最後に、ゴルゴンの催眠術によって眠りに落ちるのだった。
場所は移り変わり、天界のとある一角。そこでは、シロナに対して修行をつけているシュネックの姿があった。シロナは全身に動きを制限するギプスのような結界をビッシリと巻きつけられた状態で、蹴りや突きを繰り出していた。
「ハァ…ハァ…!」
「うむ…動きの無駄がだんだんと消えておる。肉体の自由が効かない状態で、どう動けばスタミナを長時間維持できるか、またどう呼吸すれば効率よく多くの酸素を取り込めるか…そのすべての要素がシロナの中で上達しつつある」
そう冷静に分析するシュネック。この間、紫から教わる事はもうないという段階にまで強くなったシロナを、シュネックが修行を付けることになったのだ。シロナは博麗の巫女特有の術や符を駆使して戦うよりも、やはり霊力や肉弾で敵を制圧する戦いの方が向いているようである。歴代の巫女でもそう言った例が無かったわけではない。
その時、シュネックの元へ八雲紫が慌てた様子で現れた。
「シュネック、ちょっと大変だわ…結界にほころびが出来たと思ったら、紅魔館を中心に赤い霧が…」
「ふむ…かの紅霧異変を彷彿とさせるな」
「それで、その霧がある種の結界の役目を負っていて内部の様子がわからないのよ。だから…」
「シロナに行ってもらいたいという訳じゃな」
「…え?」
「って言われてもなぁ…」
シロナは少し困った顔をしながら、要石に乗って幻想郷の空を飛んでいた。すると、紅魔館のある方角の先に赤い煙のような物が渦巻いているのを発見した。
「よし、行こうか!」
要石のスピードを上げ、ようやくその渦巻く霧に近づいた。霧や煙というよりも、もはや雲のように分厚いそれは確かに結界の役目を担っているようだった。
「このくらいだったら、力だけでどうにかなるわね」
シロナは霧の中に腕を突っ込み、強引にその穴を広げていく。そしてその中に入り込み、紅魔館へとたどり着く。門は無事だったがその奥の玄関と周辺の壁が丸ごと破壊されていた。
その穴から紅魔館の中へ入る。内部も滅茶苦茶に破壊されていたが、これは何者かが集団で訪れて暴れたような破壊跡ではなく、誰かが強力な一撃で吹っ飛ばしたような感じの荒れ方であった。
「いったい何が…?」
シロナがそう呟いたその瞬間、崩壊した階段の影から何か小さなものが飛びかかって来た。暗闇の中で赤い目を光らせ、牙を剥き出してするどい爪をこちらに向けながら。
「わっ…!」
だが、敏感に周囲の気を感じ取ることができるようになっていたシロナはすぐにそれに感づき、襲い掛かってくるその小さな何者かの顎を押さえつけ、もう片手で腕を掴みながら地面に投げ飛ばし、押さえつける。そこでシロナは、その小さな何者かは幼い姿をした金髪の少女で、背中に結晶が吊るされたような不思議な形状の翼を持ち、この紅魔館の主であるレミリアに似た面影があるのに気付いた。
「君…誰?」
その時、その少女はパンパンとシロナの腕を叩いた。どうやらこの手を離して欲しいらしい。
「わっ、ごめん!」
シロナが慌てて顎を掴んでいた手を離すと、少女は喋り出した。
「こっちこそごめんなさい…敵かと思ったの。私はフランドール…お姉さまはフランって呼ぶわ。さっき、物凄い大きい音がして、こっちに来てみたらもう誰もいなかったのよ。だからあなたがこれをやった犯人かと思ったの」
「お姉さま…ってことはやっぱり、君ってレミリアさんの妹だったんだ!?でも、そのレミリアさんはどうしたの?」
「たぶん、ここにやってきた奴らに連れていかれた…。咲夜も、パチュリーも…そして魔理沙も…」
「何ですって…魔理沙まで!?」
「うん、ちょうどここに来てた。私には分かるのよ…連れていった奴らは、私と同じ吸血鬼だから…」
「…確かに、ここらへんには得体の知れない気の残り香が漂ってる…そしてこの気の元は今も移動していて、幻想郷の外にいる…」
シロナは要石を呼び寄せ、その上に飛び乗るとあのゴルゴンたちの気を追いかけようとする。要石はすぐに発進し、紅魔館を抜けて空の彼方まで一瞬で飛んでいってしまう。
「ちょっと待って!私も連れていって!」
フランが慌ててそう呼び留めるように叫ぶと、数秒置いて要石が飛んでいった方向から戻って来た。そしてシロナはフランの腕を掴むと、彼女を自分の後ろへ掴まらせる。
「心強いわ、しっかり掴まってて…みんなを取り返しに行きましょう!」
今、シロナの新たなる戦いの幕があがった!