もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第223話 「逆襲する宇宙最悪の兄弟」

「デヤアアアアッ!!」

 

ブロリーはデストロンガス装置を守ろうとする謎のモンスターたちとの激闘を繰り広げていた。彼らは既に一番最初に破壊した装置も含めて3つの装置を破壊しており、最初の装置の番人が言っていたことが本当だとすれば残る装置はあと1つというところにまで来ていたのだった。

 

「グオオオオオ!!」

 

残る最後の装置は海の上に浮かぶ小さな孤島にポツンと佇んでいた。それを守る番人は黄色い体色をし、頭から背中にかけて青い鬣の生えたモンスターだった。鬣のモンスターはブロリーのパンチを飛び跳ねてかわし、そのまま上空へ上がると下方へ向けて特大のエネルギー波を発射した。

 

「この星ごと消すつもりか、そうなれば自分も助からないだろうに」

 

ブロリーはそう言いながら飛び上がると、そのエネルギー波を殴って跳ね返した。そこで方向が鋭角に曲がったエネルギー波は空の彼方へ消えていく。それに驚いて思わず飛んでいった方へ目を向けてしまう鬣のモンスター。ブロリーはその隙を逃さず、今度は自分が手の平に小さなエネルギー弾を作って凝縮させ、それを投げた。

気弾は震えながら高速でモンスターの胸に命中し、巨大な緑色の爆発を引き起こす。それを超至近距離で受けたモンスターは当然耐えられるはずもなく、一撃で粉々になって消え去った。

 

「よし、番人撃破だ」

 

ブロリーはそう言いながら破壊すべき残る最後のデストロンガス装置を睨んだ。ブロリーは伝説の超サイヤ人の状態を維持したまま戦いを続けており、既にパワーダウンの元凶である装置を3つ破壊したことによって最初のころに比べれば気は大幅に元に戻りつつあり、今のように気を使用した攻撃を繰り出せるまでに回復していた。

空に飛びあがるブロリー。そしてデストロンガス装置を、設置されていた孤島ごと一撃で破壊した。

 

「やったなブロリー!これで全部の装置を壊したな!」

 

ブロリーが敵を倒すのを離れた場所から見ていたジャコとスカッシュが駆け寄ってくる。

 

「ああ…最初の敵が言ってたことが真実であれば、これでこの星のガスによる脅威は去ったってことになる」

 

「じゃあはやくナメックの村に戻って報告してやろうじゃないか」

 

「そうだな…」

 

ブロリーを変身を解いて普通の状態に戻ると、ジャコとスカッシュと共に村まで戻るのだった。

 

 

 

「なんだ…これは…」

 

しかし、村に戻ったブロリーたちは絶句した。3人とも、ひどく困惑した様子で唖然とするほかなかった。

目の前に見えてきた村は、先ほどムーリ達と話をした、最後に残されていた村に違いない。だが、その村にはナメック星人が誰一人として見当たらなかったのだ。村には生き残ったナメック星人がざっと100人以上はいたはずだ。

 

「それに、この空気…」

 

「デストロンガスが充満している」

 

「どういうことなんだ…?」

 

ブロリーたちは変わらず困惑したまま村に降り立った。村には破壊された痕跡や、または人が争った形跡、血痕などはひとつも残されていなかった。そして、発見した。

村の中心、ムーリの住んでいた家の屋根の上にデストロンガス装置が置かれているのを。

 

「まだ残ってた…?」

 

「いや、さっきはこんな場所に無かったぜ…きっと、アタイたちが戦っている間に悪趣味な野郎がここに置いたんだ。最悪、ナメックの奴らは一人残らず逃げられたと考えるのが一番都合いいが…」

 

「…まあいい、彼らの村を壊してしまうのは悪いが、早々に片付けよう」

 

ブロリーは空中に飛び上がり、手の平に気弾を作り出してその腕を装置に向けて構えた。スカッシュとジャコは慌てて攻撃が及ばない場所まで離れた。

そして、ブロリーは攻撃を放った。真っすぐに装置を狙って飛んでゆくエネルギー弾だったが、なんと装置には当たることなく寸前で跳ね返され、空中で爆発した。

 

「なに!?」

 

その時、ブロリーは装置を取り囲うようにドーム状のバリアーが張られているのに気が付いた。

 

「攻撃が効かない…」

 

だが、それならばと今度はさらに強力な気を腕に溜め始める。

 

「無駄だサイヤ人、今のキサマのパワーじゃその装置は絶対に壊せないぞ」

 

その時だった。上空から身の毛もよだつような、聞き覚えのある冷徹な声が響いてきた。ブロリーが恐る恐る顔を上げると、思わず目を見開いて驚いた。

 

「フリーザ…!」

 

上にはこちらを静かに見下ろすフリーザの姿があった。

 

「バカな…お前は霊夢とカカロットが倒したはずだ…あの時確実に!」

 

「ふっふっふ…お前が考えるだけ無駄だよ。愚かな猿野郎は、オレたちが根絶やしにするのだ」

 

「”たち”だと…?」

 

「そうだ。サイヤ人はオレたちに殺される」

 

フリーザの背後から別の影がスーッと出現し、横へ並んだ。その姿を見たブロリーは、再び戦慄する。

そこに居たのは、またしても自分が倒したはずのクウラであった。弟のフリーザと、兄のクウラ…最悪の二人がこの場に集まっていた。

 

「思う存分、オレたちの復讐を果たしてやろうな、フリーザ…」

 

「ああ、兄さん…」

 

 

遠くで見ていたスカッシュも、死んだはずのフリーザが復活しているのを見て唖然としていた。しかし、何の事だか分からないジャコはスカッシュとフリーザたちのほうを交互に見た。

 

「何をそんなに驚いている?ブロリーのパワーがあれば、あんな連中すぐに始末できるだろう」

 

「フリーザ…何故ここにいやがる…」

 

「え!?フ、フリーザだと!?あれが…」

 

「確かに、今のブロリーが万全だったらフリーザも兄のクウラも簡単に倒せるはずだ…だが、ここはデストロンガスの発生源…。パワーダウンしているブロリーに勝ち目はねぇかもな」

 

 

「…しかし、俺とて前にお前らと戦った時よりもはるかに強くなった…たとえ俺が弱くなっていたとしても、お前らに負けるものか」

 

ブロリーは自分を奮い立たせるようにそう言った。

 

「分かっていないようだな」

 

「オレたちはキサマのようなサイヤ人に対する恨みのパワーで強力な力を得ているんだ。サイヤ人を絶滅させるためにな!!」

 

フリーザとクウラはそう言うと、高速でブロリーの背後に回る。そしてふたり同時に高速の突きを繰り出した。

しかし、ブロリーは動かなかった。だが、その目だけは闘志を称え、今一度この最悪の兄弟を討ち倒すという決意に燃えていた。

ブロリーは背中に緑色のエネルギー弾を作り出し、後方へ向けて眩い波動を放出した。膨大な熱を伴うこの攻撃によってフリーザとクウラは弾き飛ばされ、同時にブロリーは渦巻くようなオーラに包まれる。

体勢を立て直したふたりの目の前には、巨大な拳を振りかぶる、伝説の超サイヤ人へと再び変身を遂げた…まさに巨人と言うべき姿のブロリーが迫っていた。

 

「デエエヤアアアッ!!」

 

拳はクウラの顔面にめり込み、足はあまりの咄嗟の出来事に驚いたフリーザの腹を蹴り上げる。すぐさまクウラの足を掴み、そのまま上へ吹っ飛んでいくフリーザを追いかける。そして、掴んだままのクウラの肉体を武器のようにして振り回し、投げ飛ばしてフリーザに激突させた。

 

「きえええええッ!!」

 

だがフリーザも負けじと両手を前に出し、そこから紫色のエネルギー弾を乱射する。ブロリーは腕を顔の前でクロスさせて攻撃を防ぐ。あたりに爆炎と煙が発生し、それに紛れて接近したクウラの蹴りがブロリーの後頭部に当たる。

よろめくブロリーに対して、ふたりの猛攻が襲い掛かる。ブロリーはそれに耐えようと守りの姿勢をとるが、一発一発の攻撃は気が下がって弱くなったブロリーには苦痛であった。しかし、それでもブロリーに死をもたらすには少々足りなかったようだ。

 

「今、終わらせてやる…」

 

ブロリーはそう言うと全身から緑色の球状の波紋を放ち、クウラとフリーザを弾き飛ばした。その威力は凄まじく、吹っ飛んだふたりは遠くのせり出した岩盤に命中し、その肉体を大きくめり込ませた。

 

「な…何だと…」

 

クウラは岩盤に埋まったままガクリと頭を落とし、そのまま動かなくなった。

 

「まさか…このオレが…」

 

フリーザも同様に、その場で力尽きる。

 

「いくらお前たちが強くなって、俺が弱くなってようが…負けられる理由はないのだ」

 

ブロリーはそう言いながらふたりの骸を冷酷な目つきで一瞥すると、変身を解いて地面に降り立つ。そして、破壊すべきデストロンガス装置へ向けて歩き出したその時だった。

 

「が…!!」

 

完全に油断していたブロリーのうなじ部分に強力な肘打ちが喰らわせられていた。突然襲ってきた衝撃に、ブロリーは目を見開きながら膝をついて倒れ込む。

 

「ははは…油断したな、サイヤ人」

 

背後にいたのは、先ほど倒したはずのクウラだった。

 

「そしてトドメだ!」

 

さらにはフリーザまでもが姿を現し、指先に作り出した紫色の巨大なエネルギー弾をブロリーの頭上に投げ飛ばそうと構えていた。

 

「…ウオオオオオオオッ!!」

 

が、ブロリーも再び伝説の超サイヤ人に変身しつつ立ち上がって振り返り、口から強烈な光線を発射した。それは今にも攻撃を放とうとしていたフリーザに命中し、フリーザは何もできずに粉々に吹き飛ばされる。

 

「小癪な!」

 

次に、ブロリーが攻撃を終えた隙をついて殴りかかって来たクウラの一撃を素手で受け止め、もう片方の手で喉を掴むと持ち上げて地面に叩きつけ、動けないところを渾身のパワーで踏みつけて押しつぶした。

しかし次の瞬間、ブロリーは自分の目を疑った。なんと今倒したはずのフリーザの肉体の破片が煙のようなものに変化したかと思えばそれが瞬く間に集合し、再びフリーザを形作ったのだ。

 

「な…!」

 

続いて圧殺されたはずのクウラの体も煙へ変わり、空中へ集まるとそこには傷一つないクウラが復活していた。

 

「ふっふっふ…オレたちは死なない…キサマらサイヤ人を根絶やしにするまではな」

 

「そうやって復活したのか…お前たちは一体何なんだ…!」

 

ブロリーは苦虫を噛み潰したような顔でそう呟いた。

 

「そして今から処刑は開始される…!ハアアアアアア…!!」

 

並んだフリーザとクウラは全身に気を込めるような動作を行う。フリーザは青いオーラに包まれ、クウラは血のような赤いオーラを纏う。そしてふたりの肉体が膨れ上がり、肩や背中から突起が現れてゆく。

ブロリーに悪夢が蘇る。この最悪の兄弟は、揃って更なる上の形態へと変身することができた。フリーザは獣のような脚を持つ、背中や肩に棘を生やした姿へ、クウラは肉体を巨大化させ、マスクで覆った顔、頭部や肩から鎧のような突起が突き出した姿へと。

 

「「さぁ、始めようか!」」

 

 

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