もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第272話 「悲嘆のアルペングリューエン」□

─午後11時50分─

 

夜の天空から、幅5メートルほどの光の柱が8本、蛇行しながら降り注ぐ。人工衛星に搭載された光学レーザー兵器から発射される高温高威力の光線は、まず蠢く拠城の上空を常に覆っている、微細な人造人間が集まってできた霧を焼き払う。この霧のおかげで、今まで人造人間の拠城は守られていた。

記憶兵器がこの拠城の位置を大まかに予想し、大規模なミサイル攻撃や空爆を仕掛けたのは過去三度。しかし、そのどれもが失敗に終わっている。その霧はどんな機械の隙間からも入り込んでミサイルや爆弾を分解して無力化してしまう上に、高密度に集まれば防護壁を作ってしまうこともできる。だから、機械と違って分解される余地のない光と熱による攻撃で、まずはこの微細な霧の軍隊を一粒残らず消滅させているのだ。

 

「蛇行レーザー斉射終了、蠢く拠城を覆う霧は90%消失。作戦は第二段階へ移行、目標はこれより敵本体へ」

 

「各機、高高度からの光学兵器を直接照射せよ」

 

続いて発射された8本のレーザー光線は瞬時に地上へ到達し、蠢く拠城を背中から無数に貫いた。既に拠城を構成し動かしていた全ての糸を管理していたスカールが機能停止した影響で今にも崩れようとしていた拠城は、凄まじい轟音を鳴らしながらついにゆっくりと崩壊してゆく。

 

 

 

「光学兵器の攻撃が始まったか…」

 

スカールを討ち倒すことに成功したシロナは、光線が拠城を貫いた際の衝撃を感じてそう呟いた。あれだけ皆が命を賭して戦ったというのに、待ち構えていたのは偽物のスカールだった。その絶望と焦燥に打ちひしがれていたシロナは何とか顔を上げ、ミルとサタンのいる場所へと戻っていく。

 

「シロナ!スカールを倒しましたのね?」

 

ミルは傷だらけのサタンに肩を貸して歩いていた。

 

「シロナくん…よくやってくれた。スカールを倒した英雄の顔を見たいが…生憎目が潰れてしまってね…一日もあれば治るだろうが、残念だよ」

 

だが、シロナは文字通りふたりに合わせる顔が無く、黙って口を結びながら下を向くほかなかった。シロナの様子がおかしいことに気付いたミルはすべてを察してしまったようで、悔しそうな顔で唇を噛んだ。

 

「…そうですか。ですけれど、貴女はよくやりましたわ」

 

そうミルに声をかけられたシロナは、何か言おうとして口を開く。だが、崩壊してゆく拠城の音がそれを遮った。

 

「10分後に最後の特大のレーザー柱がここを焼き尽くす…とても外へは間に合いませんね。我々もここで終わりかしら」

 

「ああ…」

 

あれだけ生存を望んでいたミルもサタンも、半ば諦めたような状態だった。戦いに赴く前にミルに聞いた話では、最後のレーザー柱は軽くこのパオズ山を丸ごと呑み込むほどの大きさだという。手負いな上に傷の治癒まで一日はかかってしまうミルとサタンでは逃げようとしても間に合わないだろう。もちろん、シロナだけが逃げ去るつもりなど毛頭ない。

 

(どうすれば…)

 

何とか助かる方法を模索しようと、シロナが辺りを見渡した瞬間、見つけた。遠くにある、人造人間たちを外まで運ぼうとしたものの結局飛ぶことなく未だ待機している、翼竜のような姿をした巨大飛行型人造人間『ケツァルコアトルス』を。

 

「ミル、サタンさん!あれだよ、あれに乗ろう!」

 

シロナは翼竜を指差す。

 

「なるほど…人造人間たちはあれで逃げようとしていた…ならすぐにここを出られるはずですわ」

 

「そうとわかったら急ごう!」

 

シロナはミルとサタンをまとめて持ち上げて背負うと、一気に走ってケツァルコアトルスの待機している場所にまで向かっていく。人が乗れる内部のスペースはシロナが人造人間たちごとぶち壊してしまったので、ケツァルコアトルスの体のどこかにしがみつくようにして乗っているしかないだろう。

しかし、三人が近づいた瞬間、なんとケツァルコアトルスはひとりでに翼を広げ、今にも羽ばたこうとし出したのだった。

 

「え、うそでしょ!」

 

「これはあくまでも人造人間…自分で考えて行動する。当然記憶兵器に利用されるつもりはないということでしょうか」

 

(どうしよう…何かないか何かないか…!)

 

シロナは必死に辺りを見渡し、何か手はないかと考えを巡らせる。

だが、今度はミルがあるものを見つけ、それに目を付けた。それはサニーに頭部を破壊されて動かなくなった、偽のスカール人形だった。たった一言の命令で護衛軍の動きを封じ、長時間拘束し続けたあの人形だ。

 

「シロナ、あの人形の残骸を持ってきてくださいまし」

 

「あ、あれね!?」

 

シロナはミルに言われた通り、その人形の残骸を運んでくる。

 

 

 

「充電モード終了、スタンバイ。標的への最終角度調整、全光学兵器の焦点を集めた直撃弾を発射する」

 

宇宙に浮かぶ人口衛星群は、砲口を一点に向けて合わせ、そこへ細かな光の粒子を発生させていく。

 

「全ビーム収束準備完了。カウントダウン開始、発射まであと60秒」

 

 

 

「よし…。頭部は完全に破壊されておりますが、喉に内蔵された人工声帯器官は無事でしたわね。これさえ残っていれば、プログラムを書き換えてスカールの音声を発することが可能…」

 

ミルは偽スカール人形の残骸の首の部分に指を突っ込み、中で指をドリルに変えて声帯器官の基盤を細かく削ってプログラムを変更していく。

さらに、ミルはそこらに転がっていた、破壊された低級な人造人間の顔を掴み、口のパーツをもぎ取って偽スカール人形に付け替える。声帯器官は無事だったが、顔を破壊されて声を発する口が無くなったために偽スカール人形は言葉を発せずにいたのだ。

 

「飛ブノハ…待チナサイ…」

 

すると、壊れたラジオから流れているようなノイズ混じりの音質の声が確かに流れた。それを聞いたケツァルコアトルスはピタリと動きを止め、広げて羽ばたきかけていた翼を元に戻す。

 

「さぁ、はやく足にでも掴まりなさい!レーザーの発射までもう30秒もありませんのよ!」

 

ミルがサタンと一緒にケツァルコアトルスの足にしがみついた。シロナも反対側の足に掴まろうとするが、その寸前で足を止めた。

 

「シロナ?何をしているの…」

 

「…ごめん、私はやっぱりここを生きて出られる資格はないよ。だって…私は本物のスカールを倒すことができなかったろくでなしなんだから。せっかくみんなが私に希望を託してくれたのに、私はそれに応えられなかった…だから…」

 

「何を下らないことを言っているんですの!?そもそもアナタのような頑強イノシシ娘なら最高威力のレーザー砲でも死なないでしょう!ですが、2年前のように焼け焦げたアナタを瓦礫の下から引っ張り出して介抱するのはごめんですのよ!」

 

「あの時はありがとう、ミル。じゃあ…」

 

シロナがそう言った瞬間、偽のスカール人形は再び声を発する。

 

「飛ビ立チナサイ…」

 

その声を命令として受け取ったケツァルコアトルスはバッと巨大な翼を広げて、それをはためかせた。すると、辺りに凄まじい突風を巻き起こしながら、その巨体が浮かび上がる。

 

「シロナ────!」

 

翼竜は飛び立ち、天井に空いている穴を目がけて向かっていく。ミルの視界に移るシロナがだんだんと小さくなっていってしまう。

 

(これでよかったんだ…私もみんなのところへ行くよ)

 

シロナはそう思いながら、諦めて目を閉じる。

…だがその時、背後から小さな足音がコツコツと聞こえてきた。その雰囲気は人造人間ではない、生きている人間だ。

 

「誰!?」

 

シロナが振り返った時には、既にその足音の主はシロナを肩の上に担ぎ上げていた。

 

「飛んでけ。そしてお前は生きろ」

 

足音の主の声は、シロナに奇妙な懐かしさを与えた。どこかで聞いたことのある声だったが、それが誰の声だったのかは思い出すことができない。そう考えているうち、自分の体が物凄い力で投げ飛ばされ、軽石のように吹っ飛んでいく。どうやら自分で垂直に上方向へブン投げられたらしい。

目だけで下を見ると、そこには紫色の長い髪の毛をもった、黒い服の女がこちらを静かに見上げているのが見えた。

次の瞬間にはシロナはミルの両腕に抱きかかえられていた。どうやら自分は勢いのままにケツァルコアトルスに追いついてしまったようだ。

 

「あ…」

 

何か言葉を発する間もなく、ケツァルコアトルスは拠城の外へ突き抜けた。そのままスピードを緩めることなく、パオズ山の上空を、ひたすら遠くを目指して飛行していく。

直後、背後に何か強烈な光を感じて振り返ったシロナの目の前には、天空から降り注ぐ超巨大な光の柱が聳えていた。その下にあったであろう蠢く拠城はもはや完全に蒸発し、跡形も残されていないだろう。光柱は拠城が鎮座していた地点を中心として、半径数キロメートルにも及ぶ範囲を呑み込み、その地下500メートルの深さまでを焼き尽くした。

パオズ山は大幅に崩壊し、巨大なクレーターと化している。それをよく見渡せるほど離れた位置の荒野に降り立ったケツァルコアトルスと、その足に掴まっていたミルたちは砂の上に座り込んでいる。

 

「どうやら…私たちは助かったようだな…。シロナくんが本物のスカールを倒せなかったとしても、とりあえずは作戦は成功したわけだ。我々の戦争は終わった…」

 

サタンがおぼろげに見えるようになった目を細め、柱を見ながらそう言った。

 

「ええ…やられた者がやった者にやり返した…ただそれだけの戦いが終わったんですわ…」

 

ミルも遠い目で柱を見やる。その胸中には何があるのか、死んだ仲間の弔いの気持ちか、それとも復讐を成した達成感か。

しかし、少し離れた場所でただ下の地面を見つめるだけのシロナの蒼白した顔はだんだんと赤みを帯びた般若の如き怒りの形相へと変わり、こう思っていることを物語っていた。

 

 

──なんで私が生き残ったんだ…

 

 

零時三分、60年にわたる人造人間と記憶兵器の戦いは、ひとまず記憶兵器の勝利という形で幕を下ろした。しかし、シロナにとってはそれはまた、次の戦いへの始まりでもあった。

 

 

 

 

To be continued…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆キャラクター戦闘力紹介☆

参考

一般成人男性 5

一般成人女性 4

子供(10歳) 2

ミスター・サタン 6.66

一般的に超人と呼ばれるレベル 7~8以上

大妖怪クラス 80以上

ピッコロ大魔王 260

フリーザ 1億2000万

セル(第一形態) 2億6000万

人造人間18号 9億

人造人間17号 12億

赤文字=公式数値

青文字=原作推定数値

紫文字=本作完全推定数値

 

 

 

1.覚醒~旅立ち

 

銀行強盗たち 5.3

 

平和な街で銀行を襲撃し、500万ゼニーを奪った強盗一味。その力は普通の成人男性よりは多少強い5.3、まさに社会のゴミ。銃で銀行職員を射殺し、車で逃走中に人を轢き殺してしまい、自棄になり暴走させる。

しかし、本来の力を取り戻したシロナへ衝突したとたん、その反動によって車外へ吹き飛ばされ、建物にぶつかって死亡した。

 

 

街の少年たち 3

 

街の大通り付近で遊んでいる少年グループ。物乞いのまねをしているシロナにもちょくちょく声をかけ、小銭やお菓子をあげていた。強盗の運転する暴走車に轢かれそうになるが、間に割って入ってきたシロナに助けられた。

 

 

ミル・フィーネ 4(通常)→2300万(記憶兵器)

 

シロナを助けたという謎の女性、ミル・フィーネ。お嬢様口調で話し、緑銀色の長い髪をドリルのような縦ロールのツインテールにまとめ、緑色のワンピースのようなドレスを身にまとい、その上から白い大きなコートを羽織っている。シロナを医療施設に運び込んで治療させた後は、一切の記憶をなくし獣同然に暴れまわる彼女を教育して今のレベルまで社会性を身に着けさせた。普段は高級ホテルのスイートルームに住んでいるが、”くだらない遊び”に興じるときは自分で買い取った廃ホテルへ赴いている。また、シロナ曰く人を見下したような目つきをしているらしく、ことあるごとにシロナを小ばかにした言動をとる。

そんなミルはただの女性ではなく、世界中にはびこる人造人間を絶滅させるために戦う「記憶兵器」と称される特別な武器人間集団の一人。普段は一般人と変わらない力しかもっていないが、いったん「記憶兵器」としての力を行使するとそのパワーやスピードは桁違いなレベルまで上昇する。ミルの場合は、一気に戦闘力にして2300万相当まで上昇する。

しかし、この2300万という数値はあくまでパワーやスピード、攻撃の破壊力を総合して数値に置き換えたものでしかなく、密にいえば生命エネルギーの量や気の大きさを数値化した「戦闘力」とは異なる。仮に記憶兵器と化した状態の人間にスカウターを合わせたとしても、通常の状態の「4」としか表示されないはずだ。記憶兵器の力の源は、体内に埋め込まれているコアのチップである。つまり、無機物であるチップには戦闘力が存在しないということだ。さらに、戦闘力にして何千万相当というかつてのフリーザの喉元にも届きうる絶大なパワーを誇っていても、彼女ら記憶兵器は「気」を扱うことが出来ない。気功の類も使えなければ、武空術で空を飛ぶこともできない。原作ドラゴンボールにおいての地球襲来時のベジータ程度の力(戦闘力1万8000相当)があれば惑星の一部を吹き飛ばして形を変えるような芸当が可能だが、記憶兵器はそんなことはできない。記憶兵器の戦闘力はパワー、スピード、体力、不死性、再生能力などを総合して数値化したものであると言えるだろう。

ミルの持つ記憶兵器は、「ドリル」。戦闘時には、指先から両腕、両足を高速回転するドリルへと変える。その破壊力はすさまじく、大抵の人造人間であれば一撃で粉砕する事が出来る。また、回転するドリルを前に掲げれば防御の手段としても非常に有効である。記憶兵器としての練度や実力は中の上くらいと言ったところか。

言動は一見すると冷たく見えるが、それでもシロナの事は何かと気にかけており、その扱い方も良く理解している。パオズ山での決戦では何とかシロナとサタンと共に生き延びた。

 

 

シロナ 10(物乞い)→80万(通常)→400万(霊力開放)

 

229話時点で14歳。ヴァンパイア王国編にて、ぺペロン女王の体内に埋め込まれていた爆弾による爆発から、王国とスカーたちを守るために犠牲になり、命を散らしたかに思えていたシロナだが、なんと生存していた。ミル曰く、全身大火傷で内臓がスクランブルエッグ状態の所を救われたらしい。救出された直後はショックで記憶と共に人間としての最低限の作法や言葉すらも忘れており、獣同然だった。だが2年をかけて再教育を受け、記憶は戻らなかったものの言葉やマナー、知識は再び培われた。

ミルに「頭がぼんやりする薬」を飲まされ、「貴方は大通りで物乞いをしていた少女で、大事故に巻き込まれ記憶を失った」と吹き込まれ、街で物乞いをして暮らしていた。しかし、強盗の暴走車に子供が轢かれそうになっているのを目撃した瞬間、本来あるべき80万という戦闘力を取り戻し、思い切り激突してきた車を逆にぺしゃんこに潰し、その反動で強盗たちを吹き飛ばした。これまでの自分からはあり得ない程のパワーを発揮したことについてミルに問いただしに行くも、ミルが誘い込んだ人造人間との戦いに巻き込まれる。追いつめられながらも、博麗の巫女としての「霊力開放(通常時の5倍)」の戦闘力も目覚め、見事人造人間を撃破する。そして、人造人間とは、記憶兵器とは何なのかを見極めるため、ミルと共に新たな旅へと出発するのだった。

今の状態のシロナは、ヴァンパイア王国編から10倍のパワーアップを遂げている。これはサイヤ人特有の死の淵から回復すると大幅に強くなる特性に加えて、ヴァンパイアの特性も加わっていることに起因する。脳や心臓が完全に破壊されない限り死ぬことはないヴァンパイアの不死性が、生命力(つまりエネルギー、気)としてシロナに加算されているからである。

 

 

ディロフォ 250万

モノロフォ 250万

 

ミルが誘い込んだ、二人組の人造人間。ディロフォはミルに破壊され、モノロフォは一度はシロナを追いつめるものの、無意識に霊力を開放したシロナには敵わず、頭部を潰され、最終的にはミルにトドメを刺された。

本作における人造人間には、主に2タイプ存在する。まずは、人造人間1号こと”スカール”によって製造された無数の人造人間たち。彼らは様々な外見や戦闘力の多様性を持ち、主な行動原理は”スカールのために尽くし、望みをかなえる事”である。ディロフォとモノロフォもスカールの手下の人造人間である。特徴として、スカール産の人造人間は実在した恐竜にちなんだ名前が付けられている。

そして、人造人間~号と名前の付いた、本家の人造人間。これはかつてレッドリボン軍でドクター・ゲロを初めとした科学者たちによって製造された種類である。前作でピッコロ大魔王によって本拠地ごとレッドリボン軍が壊滅させられている影響で、ほとんどが壊れてしまっているが、修理可能だった個体はスカールによって修理され、手下として登場する。

また、人造人間は基本的に(原作でのセルのような完全なバイオタイプを除いて)気を持たないため、戦闘力も存在しない。だが、やはりそのエネルギー量やパワー値を戦闘力に換算して表すことは可能。

 

 

 

2.モンメリー村の記憶~エース撃破

 

アイバー・アルティール 4

 

60年以上前、「モンメリー村」という地に住んでいたひとりの村娘。飄々とした掴みどころのない性格だが、目の前の不審な集団が村を壊滅させた犯人だと思うやすぐさま襲い掛かったり、村人の死体の処理をひとりでこなすなど、度胸と豪胆さも兼ね備えている。

自分が村はずれの泉で休息をとっている間にスカールと彼女率いる護衛軍らによって全ての村人を殺され、村を壊滅させられる。アイバーが駆け付けた際にはもう遅く、村は災禍に呑まれた後だった。その後、アイバーはスカールと護衛軍らを発見し、すぐさま恨みを込めて襲い掛かる。が、普通の人間であるアイバーはどうすることもできず、彼女らへの復讐を誓う事しかできなかった。

その1か月後、絶望に暮れるアイバーの元へ、旅人を名乗る医者が訪れる。アイバーの話を聞いた旅人は、アイバーへ人造人間という存在について教え、それらに復讐できる手段を与えた。それが「記憶兵器」の発祥である。

最初の記憶兵器となったアイバーは旅に出た。人造人間の襲撃があった場所を巡り、そこで発見した生き残った人に「このまま死ぬか、記憶兵器となって死ぬまで人造人間と戦うか」と尋ね、仲間を増やしていった。しかしそんなアイバーにも、長年記憶兵器として戦いを続けたおかげでダメージと能力の酷使故の消耗が蓄積され、死ぬ時がやってくる。彼女はふたりの娘に遺言を残し、人生を終えるのだった。

 

 

アギエルバ・アルティール 4

 

記憶兵器を運用する非政府組織、「AA財団」の頭首を務める女性。表向きでは彼女が「鋸」の記憶兵器を所持していることとなっているが、実際には妹のアリーズが鋸を継承している。これはアギエルバが財団を運営するトップであること、そして記憶兵器を宿しているという虚偽を使って人造人間たちをおびき寄せるためである。

戦闘力的には普通の女性と何ら変わりはないので、まんまとそれに乗ってやってきた人造人間「エース」に一撃で殺害されてしまう。本命の記憶兵器継承者である妹を護るための囮になるという務めを立派にこなし、あの世へと旅立つのだった。

 

 

アリーズ・アルティール 4.5(通常時)→4000万(記憶兵器)

 

アイバーから受け取った「鋸」の記憶兵器の正当継承者。黒髪をショートヘアにしたメイドの恰好をしている。アギエルバに仕える従者のふりをして、実際には姉がおびき寄せた人造人間を狩る役目を負っていた。ミルでさえも、アギエルバが鋸の継承者でアリーズは本当にただのメイドだと思っていた。

その戦闘力は、今代の記憶兵器はおろか、歴代の全記憶兵器の中でも群を抜いてトップである。記憶兵器状態での戦闘力は基本値で1000万、それ以上は練度や本人の素質によって決まるので、実質的な財団のトップとして血のにじむような鍛錬や努力を重ねた結果だろう。だが通常時の戦闘力は普通の成人女性よりもやや高い程度。

さらにアリーズは他の誰よりも記憶兵器の扱いに長けており、記憶兵器の力を自分の足の裏から地面を通して敵の足元へ伝達させ、地面から鋸の塔を生やして遠距離から攻撃したり、そのようにして生やした鋸の塔の内部に潜伏したりと言った芸当をこなし、主に不意打ちによる一撃必殺を得意とする。しかし、後述する護衛軍のエース相手には通用しなかった。

誰に対しても敬語を使って話すが性格面では少々型破りな面があり、年下が好きで可愛がりたいという一面も持つ。そのためシロナをちゃん付けで呼び、何かと気にかけている。姉を殺害したエースには、表には出さないが苛烈な憎しみを抱いており、最終決戦ではエースのみに対して屈辱と絶望を与えてから倒すことに執着し、最期には姉と姿が重なったシロナから「嫌いになる訳ないよ」との言葉を受け、安らかに亡くなった。

 

 

エウスト・レプトス・ポンディルス 4500万(通常)→45(コアのみ)

 

人造人間1号ことスカールは、自分を守り、望みを叶えさせるために「護衛軍」と呼ばれる3体の一際強力な人造人間を造った。エウスト・レプトス・ポンディルスこと通称「エース」はそのうちの1体である。赤黒い体色をしたモンスターのような外見で、大中小の大きさの腕がそれぞれ2本ずつ計6本生えていて、足と合わせれば計8本の手足を持っている。これはエースが作られた際に実在する「蛸」の特徴をベースにされているから。名前の由来は、実在した恐竜から。

記憶兵器の協力者として行動しているシロナに興味を持ち、AA財団を襲撃した。また、護衛軍は人造人間としてのタイプは原作における17号や18号に近く、生身の素体に機械のパーツをいくらか組み込んで強化されている。後に登場する残り二人の護衛軍に比べれば戦闘力的には大きく劣るが、その代わりにコアでもある脳を破壊されなければ肉体がいくら損傷しても死なず、脳のみで行動することも可能であるという特性を持ち、そのしぶとさは他の護衛軍にはない強みとなっている。

本編ではシロナ達に奇襲をかける形で登場し、その際に鋸の記憶兵器だと認識していたアギエルバを惨殺し、その後も念入りに亡骸を痛めつけている。その後に自身へ敵意を向けていたアリーズが記憶兵器の力を発揮する前に先制して攻撃を仕掛けたが、直後に放たれたアリーズの不意打ち「鋸の塔」を防ぎ、アリーズとミル、そしてシロナの三人を軽くあしらった。

また攻撃方法も非常に多彩で、肩の後ろ部分から伸びる大きな長い腕による殴打、口から放つ衝撃波や熱線、先端が剣のような鋭い形状をした尻尾を口で咥え、離した時の勢いを利用して周囲を両断する技などを使う。

護衛軍という存在の強力さをさんざん見せつけたが、最後は覚醒したシロナによって全身を吹き飛ばされ、倒された。かに思えたが…?

 

 

シロナ 4000万(怒り状態)→4800万(怒り状態・魔強化)

 

エースに対して果敢に立ち向かうシロナだが、いくら霊力を開放した状態(400万)でもディロフォやモノロフォの時のようにはいかず、全く歯が立たない。一度はエースの手によって地面に叩きつけられ、その中に埋め込まれてしまうも、エースが施設の子供たちも皆殺しにしようとしていることに激怒し、霊力を解放しつつエースへ向かうが、口から吐き出された熱線に動きを止められ、さらに吹っ飛ばされてダウンする。が、シロナも負けじと更なる怒りで再度起き上がり、目が黄色く変色し、髪がやや逆立つ怒り状態への変貌を終えるとエースの顔面へ拳を叩きつける。…結果は、無意味だった。エースは全くダメージを受ける様子もなくシロナを手で引き剥がし、地面に押し付けて衝撃波の雨に晒す。

そんなシロナを更なる憤怒で叩き起こしたのは、ミルの暴言である。ミルはシロナが怒りを源にして動くことを知っていていたので、シロナを怒らせるような暴言をわざと吐いて上手く炊きつけたのだ。

エースら人造人間に対するもの、そしてミルに対するもの…二重の怒りを抱えたシロナは、さらなる進化を遂げる。その名も「怒り状態・魔強化」。2年前、シロナは吸血鬼ゴルゴンの腕を移植されることで、ヴァンパイアの治癒能力と不死性を手に入れ、魔理沙とパチュリーのほとんどの魔力を体に注がれた事で魔法を使う事ができるようになった。ゴルゴンの腕は既にシロナの肉体と癒着して完璧に融合し、特に魔理沙とパチュリーからもらった魔力は2年間の養生を経てシロナの中でシロナ自身の魔法として昇華されていた。ペペロン女王戦でも見せた「硬質化の魔法」をさらに強化し、さらにはその魔法の力で怒り状態時の力を底上げする。そうしていつの間にか出来上がっていたものが、「怒り状態・魔強化」形態である。その戦闘力は、実に怒り状態時の1.2倍、4800万に達する。

顔には悪魔を思わせるような結晶の鎧が纏われ、全身の皮膚が鉱石の如く硬化する。特に腕や足は一際硬い結晶に覆われ、クリスタルかダイヤモンドのような煌めきを放つ。さらに、頭部を除く全身の硬質化を腕と足にのみ結晶を一点に集中させることもでき、その際には凝縮した結晶が分厚い板となって拳や足を覆う。なおこの状態では魔法使いとしての才覚に目覚めた証である深紅の髪色となる。

シロナは何とかその力でエースの体をパンチで粉々に粉砕し、消滅させる。だが、今回に限っては初めての変身ということもあって一種の混乱状態に陥っており、エースをミルと勘違いして殴りに殴りまくっていた。もしもこれが本当にミルに向けられていたらと思うと…ミルはなるべく考えないようにするのだった。

 

 

 

3.財団研究施設~アール撃破

 

男連れの人造人間 200万

 

シロナ、ミル、アリーズが研究所へ向かう道中で遭遇した女性の姿をした人造人間。怪しまれず人間社会に溶け込みながら記憶兵器を狙うため、適当な男の恋人のフリをしていた。男の運転する車に乗ったまま、すれ違いざまにシロナ達を両断して殺そうとしたが失敗し、直接対決を仕掛ける。しかし、シロナが相手では全く歯が立たず、背中から胴体を貫かれて岩の下敷きになり、破壊された。

 

 

ヒロイシ・タカツグ 5(通常時)→2500万(記憶兵器)→3500万(極限状態)

 

「カッターナイフ」の記憶兵器を継承しており、記憶兵器のメカニズムや人造人間についての研究を行う学者でもある。以前は医者であったが、一人娘を人造人間に殺害され、記憶兵器となった経緯を持つ。始めは娘の仇を撃つために戦っていたが、やがてこのような素晴らしい力を与えられた自分は神に選ばれし特別な存在だと己惚れるようになり、普通の人間を見下す言動を取るようになる。

戦闘力的には2500万とミルをやや上回る程度。カッターナイフの記憶兵器は他の鋸や斧のような刃物系の武器とは一線を画した切れ味を誇り、その薄さゆえの”しなり”を利用し、居合い切りのような要領で一振りで敵をバラバラに斬る戦法を得意とする。その一方で防御力には難があり、やはり一撃で敵を行動不能にさせる必要がある。

しかし、ヒロイシには彼だけが扱える特別な能力がある。それは前代のカッターナイフの継承者が研究していたものを引き継いで完成に漕ぎつけた「記憶兵器の極限化」である。本来ならば記憶兵器が追いつめに追いつめられて生命的にも精神的にも極限の状況に陥った際に発揮できる姿と力を、自由に呼び起こせるように自らに改造手術を施したのだ。その戦闘力は+1000万の3500万。ここまでしても、記憶兵器最強のアリーズには及ばないが、それでも並外れた実力となっていることに間違いはない。その際には頭部が実際に道具として存在するカッターナイフの持ち手部分を思わせるような形状に変化する。

採取したエースとアールの肉片を解析し、切り札としてスカール人形を作るという重要な役割をこなした。最終決戦では早々にエースによって戦線離脱させられてしまうも、命尽きる時までシロナを生かすための手術を続けた。

 

 

アルティリヌス 6000万

 

スカール直属護衛軍のひとりで、通称「アール」。すらりとした高い背丈と長い手足を持ち、それを活かした格闘戦を主軸に戦う。造られる際に「ヤドクガエル」の特徴を取り入れられており、彼女の額と両腕には目には見えない特殊な菌が常に付着している。その菌は「爆液」と呼ばれ、彼女の唾液に含まれる成分によって活性化して体積も増え、黄緑色をした液体となる。この爆液はアールの体から離れて一定時間すると死滅するが、その際に強力な爆発を起こす特性を持ち、これを格闘術に織り交ぜて戦う。

戦闘力はエースを上回り、アリーズやミル、極限状態となったヒロイシらであっても太刀打ちできない強さを誇る。その後は爆液の能力を使ってシロナと戦う。初めは優位に戦うものの、度重なる爆発音によって以前の記憶を少しだけ見たシロナに反撃され、やや押される。だが、シロナの魔力が尽きた事で再びアールが優位に立つ。その後に襲い掛かる記憶兵器たちに対しては、地面の中に腕を突っ込んで地中に爆液を送り込んで浸透させ、自分の周囲をまとめて爆破する技によって記憶兵器らを一掃する。

だが、突然戦場に現れた老人が、斬りおとされたヒロイシの腕を手にしたとたん、アールは成すすべなく切り刻まれた。

 

 

アールの配下の人造人間 各600万

 

アールが造った、自分専属の配下の人造人間たち。今回は30体ほどの数を連れてきて研究所を包囲させた。しかし、ヒロイシやコンパクらの斬撃の前には成すすべなく殲滅された。

 

 

カイン 3

 

人造人間に滅ぼされた村の生き残りの少年。あまりのショックに放心し、しばらく口がきけない状態が続いていた。

自分の為に姿を変貌させてまで戦っているヒロイシを見て、人造人間と変わらないと指摘し、シロナが自分のような戦えない者のために怒り、戦ってくれていることに気付き、感謝した。

 

 

コンパク・ヨウキ 180

 

世直しの旅の道中にたまたま立ち寄っていた村が人造人間の襲撃を受け、何とかカインだけを守ることができた。財団に保護された後はただの何の変哲もない老人のふりをしていた。しかしその真の姿は、名前を漢字に直すと魂魄妖忌といい、知っての事、今は白玉楼を留守にしている魂魄妖夢の祖父である。

だが研究所が人造人間に包囲されたことに気付くと、ただの刃物を武器としてアールの配下たちを殲滅する。戦闘力的には180程(かつての武泰斗と並ぶ)しかないが、剣術に関しては数値化できぬほどの腕前を持つ。それは戦闘力6000万のアールを抵抗する暇もなく切り刻むほどのスピードを誇っていた。

いずれ別の地で会うだろう、とシロナに言い残し、世直しの旅を再開するのだった。

 

 

 

4.聖地カリンへ~ジュラ隊撃破

 

ウパ 120

ボラ 70

ピパ 4

 

聖地カリンに聳える、天まで届くほど高いと言われる「カリン塔」を守る役目を負った一族。父親のボラ、息子のウパ、ウパの妻のピパ。彼らの家はカリン塔の根元付近にあるが、森のはずれにはボラたちの出身である民族が村をつくって暮らしている。

ウパとボラは原作ドラゴンボールで登場した、あのウパとボラ本人である。しかし、本作では孫悟空と出会っていないため、桃白白に殺害されておらず、これといった凄い危機に瀕したことがない。ボラは若いころから戦闘力は変わらず、ウパも父親を大きく超える成長を果たした。ピパは普通の女性と同じ。が、やはりウパでもカリン塔の頂上を見ることは叶わなかった。が、原作にてカリン塔を踏破した時の悟空の戦闘力が推定115であったことを考えると、今の実力であれば登り切れるはずだ。そうしていないのは、ただ本人にやる気と情熱がないのだろう。それもやはり悟空と出会っていないことが原因と思われる。

ウパの槍術はシロナ達でも目を見張るほどの腕前だが、まともにやり合えば彼女らにも人造人間にも通用しないだろう。が、ウパはシロナと関わったことで原作で得るはずだった情熱を手に入れ、今後カリン塔に再挑戦するかもしれない。

 

 

ならず者たち 55.5

 

サニー率いるジュラ隊に利用されていたならず者たち。元は聖地カリンを荒らすただの密猟者だったが、そこをジュラ隊に目を付けられ、聖地カリンの調査を依頼された。ジュラ隊の目的は、安全に密猟者を利用することで自分らが危険を冒すことなく、記憶兵器の来訪を知ることだった。ならず者らが撤退する際のみ、ジュラ隊が協力している。

戦闘力的には一般的な成人男性か、それよりもやや高いくらいだろう。最終的には仕事を終えるが、掃除としてサニーに殺害された。

 

 

アロ 1200万

マプ 900万

コリト 700万

ノア 750万

ラジャ 800万

アンペロ 820万

 

サニーが直接配下に置いている実働部隊、「ジュラ隊」のメンバー。リーダーのアロ、その他隊員の5人で新入りのスピノを除いた合計6人。サニーの命令でのみ動き、サニーに信頼されるだけあってその実力もそれぞれが並の人造人間以上である。

どれも型と系統は同じ種類で、先端にアンカーの付いたワイヤーを腰から伸ばして樹木や建築物に突き刺してそれを巻き取りながら背中からガスを噴射し、方向を操作しながら空中を高い機動力で駆け回る。さらに右腕は高威力の空気弾を発射する砲身を内蔵しており、左腕は鋭利な剣のような刃へ変形する。

だが、シロナやミル、アリーズら記憶兵器と正面からやり合えば、全くの実力不足であると言える。アリーズの「鋸の塔」やミルのドリルを応用した高機動力によって次々と破壊されてしまう。最も強いリーダー格のアロでさえもシロナにはかなわず、木と挟まれて押しつぶされる形で破壊され、機能停止する。

しかし、ジュラ隊が全滅することはサニーやアロにとって想定内、というよりもそうなるように仕組まれていたのである。目的はスピノの力を目覚めさせるため。ではなぜそうしたいのかといえば…

 

 

スピノ 1500万

 

サニーが特別に造ってジュラ隊へ加えた新人の人造人間。並の人造人間が束になってかかっても全く歯が立たないほどの実力を初めから備えているが、本人は”迷い”を抱えているため本来の1500万というリーダー格のアロよりも強力な戦闘力を上手く発揮できずにいる。スピノは特別に思考回路を人間に近くプログラムされており、感受性も豊かであるため、「人間とは本当に人造人間よりも劣り、むやみに殺していい生き物なのだろうか」という迷いを常に抱えている。

だが、自分の初めての仲間であるジュラ隊のメンバーが次々と記憶兵器に破壊されるのを目の当たりにした結果、彼女の中にあった迷いは完全に消え、記憶兵器とシロナの抹殺のみを実行する殺戮マシーンと化して襲い掛かる。一時的な戦闘技術の覚醒により、ミルとアリーズを圧倒し、シロナを追いつめる。だが、シロナにトドメを刺そうとした瞬間、シロナが思っていたよりも普通の子供の姿であったため、スピノの心には躊躇が生まれた。しかしシロナは逆にその隙をついて、完膚なきまでにスピノを破壊し、機能停止に追い込むのだった。

この出来事は、シロナの心に大きな影を落とす事となる。そしてこれはサニーの計画通りだった。つまり、サニーにとってはスピノはシロナを追い込むための道具に過ぎず、完全に壊させるつもりでわざわざスピノを造ったのだ。その事実をシロナもスピノも知る由は無い。

 

 

 

5.人造人間8号

 

ベン 2

 

人造人間によって発生した飛行機事故に巻き込まれ、視力を失った少年。町の病院に入院して退屈しているところをシロナと出会い、仲良くなった。

町ではちょっとしたニュースの的になっていて、森で2か月間もお父さんと一緒に生き延びたと本人は言うが、ベンの父親は飛行機が墜落した際の衝撃で亡くなっているのだ。では、ベンと共に2か月間も一緒に居た者は誰なのか?という憶測が飛び交っている状況だった。

だが、普段の暴力的な父親と違い、優しかった森での父が会いに来てくれると信じていたのだが、最終的には父親の姿をその目で見ることは叶わなかった。

 

 

人造人間8号 130万(通常)【130(原作)】

 

森や山を転々と移動しながら暮らす、変わった人造人間。名を人造人間8号と言い、シロナからはハッチャンと呼ばれた。

8号は、元はレッドリボン軍の研究者によって作られたが、争いを好まない性格であったため常に幽閉されていた。そしてジングル村で村人がひどい目に遭わされているのを感じながらも何もできなかったが、レッドリボン軍の本拠地がピッコロ大魔王に壊滅させられたという知らせを聞くとすぐさま反逆に乗り出し、村に在中していた部隊を追い払った。それを村長に気に入られ村で暮らすようになるが、やがて悲劇が訪れる。狩りをしに山へ行っている間に村にスカール率いる人造人間が襲来し、村人ごと村の全てが掻っ攫われてしまったのだ。8号は本能的にスカールと護衛軍たちの力を理解し、逆らう事が出来なかった。ハッチャンはスカールの傘下に下ることを受け入れ、体を改造されて130万ものパワーを手に入れた。その後は世界中の山や森を転々としながら暮らしていたが、ある時に墜落した飛行機の残骸の中からベンを発見し、救助する。自分を父親と呼んで慕うベンをがっかりさせまいと自分も父親を気取っているうちに本物の父性が目覚める。

だが、スカールに改造された影響でハッチャンの思考回路は非常に不安定なものとなってしまっており、ベンに異常な執着を持つようになり、その目を治すために他の人間の目玉を奪うという暴挙に出る。

病院でのシロナとの戦いでは、圧倒的なパワーに物を言わせて追いつめるが、暴走して周りにいた無関係の人間を殺そうとしたために、やむを得ずシロナに致命的な一撃を受けてしまう。最期には手術を終えて眠るベンに自分が本当の父親ではないことを告げ、「目の治ったベンが自分と会ったら、ベンはまた自分をお父さんと呼んでくれるだろうか」とシロナに尋ねる。シロナは当然だと返すが、それが嘘であることはすぐに見抜けた。大柄で強面な外見よりも、多くの人間を殺してきた自分の怪物のような心をベンが受けて入れてくれるはずはないと分かっていたからだ。それでも、嘘でも自分を気遣って優しい言葉をかけてくれたシロナに感謝しながら、機能を停止するのだった。

本作ではスカールに幸せな生活と全てを奪われてしまったハッチャン。それでもスカールに逆らわなかったのは、前述の理由以外にも現在のスカールがどういった事情で動いているのかを察してしまったからかもしれない。戦闘力は130万と人造人間としては他よりも大きく劣っているが、ハッチャン相手に上手く戦えないシロナを相手には一時的に優勢だった。

他にもこのようにスカール産ではないがスカールに従っている人造人間が何体もいるらしい。

 

 

 

6.ポーチャーズ・オーシャン

 

ルゴプス 500万

 

スカールに作られて外に送り出される時、「ここを出て最初に手にしたものを大事にしなさい」という言葉を信じてわらしべを大事にした人造人間。名前のルゴプスは実在した恐竜の名前で、”しわくちゃな顔”という意味。

まずルゴプスはわらしべと飴を交換し、飴とオレンジを、そうして交換を続けるうちにいつの間にかマフィアを乗っ取り、そこからはとんとん拍子でリゾート地の島を支配したわらしべ長者。しかし、どんなものでも思う通り手に入れてきたルゴプスでも、どうしても手に入れられないものがあった。それは「嫁」である。

嫁を求めて海水浴場に訪れたところ、ひょんなことからシロナと出会い、シロナを自分の島へ連れ去る。だが、それを追ってきたミルによって、燃え盛るジェット機を上から墜落させられてあえなく破壊された。

 

 

 

7.占いババの戦士~サニー撃破

 

占いババ 3

 

人造人間らの本拠地の場所を占ってもらうためシロナ達が頼った凄腕の占い師。占い家業を初めて500年、自分もあの世とこの世を行き来できる生死を超越した存在である。

一度の占いで1000万ゼニーもの大金を要求するが、占いババはタダにする代わりに自分の戦士たちとの格闘試合を要求してきた。シロナとミルのふたりで、自分の戦士をすべて倒せればよいというのだ。

 

 

ミイラくん 110

スケさん 6

ドラキュラマン 5

アックマン 130

 

占いババお抱えの戦士たち。原作ドラゴンボールでも登場した。

ドラキュラマンは吸血とコウモリに変身できるのが特徴であり強み、スケさんはドラキュラマンよりは強く姿が透明だがそれでも常人の範疇に入る。ミイラくんは原作でも当時の悟空を苦戦させるほどの使い手であり、アックマンもこの4人の中では最強格の達人だ。しかし、初戦でシロナと戦ったミイラくんも、その後にまとめて登場した他の戦士もシロナの相手にはならなかった。

 

 

ウスター 7500万(通常時)→1億5000万(最大 魔人の本領)

 

フリーザとの最終決戦ぶりに登場した、魔界最強の戦士こと魔人ウスター。どうやら、修行と退屈しのぎに占いババの戦士として活動していたようだ。だが、その余りの実力の前には占いババも他の戦士も強く出ることができない。

フリーザ編の戦闘力(最大1億1000万)より4000万上がった1億4000万で、最終形態フリーザを越え、原作における超サイヤ人に覚醒した孫悟空と同等、本作においてはフリーザ編にて超サイヤ人となったブロリーに並んだ。が、本作にて超サイヤ人となったカカロット(1億6500万)にはまだ敵わない。

シロナとも面識があり、思わぬ再会に内心喜んでいたが、シロナが記憶喪失で自分の事を覚えていないと知るとちょっとがっかりする。そしてシロナの過去を教えることと占い両をタダにすることを条件に、シロナとの試合を始める。

シロナとの試合中は、通常時の7500万を維持し続けた。その戦いの初めは前作の幻想郷一武道会にて初めてカカロット激突した時の試合を彷彿とさせる戦いを披露した。ウスターの放つ魔口砲は、今の戦闘力で放てば周囲もろとも吹き飛び地球の形が変わる、もしくは地球そのものが破壊されるほどの威力を誇るが、ウスターは技の範囲を限定したりといった調整をしている(これは原作ドラゴンボールのセル編以降の戦い全般に言える)。シロナは怒り状態・魔強化へと変身するも、それでもウスターの方がまだまだ上手だ。それどころか、ウスターは戦いを通じてシロナの体がどのように変化しているのか探り、理解している。

最終的には空中へ飛んだシロナとすれ違いざまに一撃で勝負を決めようとする。ウスターの一撃はシロナの頭部の結晶の鎧を砕いた。だが、シロナも硬質化を集中させた蹴りをウスターに命中させていた。ウスターは落下し、シロナのラッシュ攻撃を受けて吹き飛ばされる。この時点でもすぐに武舞台上へ戻って戦いを続行し反撃することは可能であったが、現在のシロナの実力を素直に受け入れ、敗北するのだった。

その後に突如として現れたサニーには、戦闘力7500万の状態では及ばず、暗闇に潜んだ配下の人造人間を利用した攻撃によって気を失ってしまう。それからしばらくは戦いに参加しなかったが、魔人の本領(1億5000万)を発揮して目覚める。暴走するシロナを見かねて再びサニーへ拳を向け、ウスターはシロナへ痛みを与えて強引に目を覚まさせるという荒治療を行い、同時にサニーの撃退をも完遂してしまう。だが、ウスターの全力のエネルギー波でもってしても尋常ではない防御力を誇るサニーを傷つけることはできず、地球の反対側まで吹き飛ばすだけに終わった。

シロナ達と別れた後も、ウスターは今日もどこかで自分を磨き続けるだろう。

 

 

サイカニア 9000万

闇の中の人造人間 各150万

量産型人造人間 各50万

 

最強の人造人間の名を冠する、スカール直属護衛軍最後の一人、通称「サニー」。一人称は「ウチ」で二人称は「キミ」、掴みどころが無く、基本的には誰にでも気だるげで飄々とした態度で接する。造られる際に実在するチョウチンアンコウの特徴が取り入れられており、額からはひとつの発光器官がぶら下がっており、その目は非常に視力に優れている。またどのような真っ暗闇でも前述の発光器官をほんのわずか光らせるだけで昼間のように明るい視界を得ることができる。

戦闘力では9000万(原作での人造人間19号と並ぶ)と他の護衛軍と比べても大幅に強く、正しく人造人間最強の称号を持ち、エースとは2倍もの差がある。サニーは暗闇の異空間を作り出し、その中での全てがサニーの思うがままに作用し、触れずとも敵を気絶させたり、何の前触れもなく敵の体をへし折ったり。さらには何もない場所から黒い刀を無数に出現させて放ったり。やりたい放題のように見えるが、これにはきちんとした原理がある。それは見破ってしまえば単純な事で、細かい超微細な黒色の羽虫のような人造人間を集めて対象を取り囲ってあたかも周囲が闇に包まれたように見せかけ、その超微細な人造人間に紛れるようにして大量のゾンビ型の人造人間が潜んでおり、彼らがサニーの念じる命令に従って気付かれないように敵の首を絞めたり、腕を折ったり、空気弾を撃ったり刀を持ってきて振り回したりしているのだ。ウスターを気絶させたときも、一瞬のみウスターの首を絞めて気を失わせていたのだ。

サニーは配下の人造人間を自在に操る能力の他に素の格闘術やパワーなどのフィジカルも強力。さらにはそれだけの強さを誇っていながら正面からはシロナとはぶつからず、部下や相手の心を利用した策で精神的に追い詰めていく。サニーの目論見通り、シロナは人造人間を倒しただけで心が壊れ、暴走状態へ陥ってしまう。邪魔なシロナがまともに戦えない状態となったのを機とし、サニーが作った量産型の無数の人造人間をけしかけ、一気に潰そうとする。

だが自力で若干の自我を取り戻したシロナに量産型を瞬く間に殺され、ついにサニー本人が戦いに出向く。結晶を火打石のように叩いて火花を起こして闇の力の謎を暴いたシロナ相手には思うようにいかなかったようだが、それでもフィジカルの強さでシロナを再び追い詰める。

しかしとどめを刺そうとした瞬間、ウスターにそれを阻まれる。挙句には何もできないまま打撃攻撃を受け続け、渾身のエネルギー波で地球の反対側まで吹き飛ばされた。本来であれば、戦闘力9000万のサニーが戦闘力1億5000万のウスターの本気の一撃を受ければ、跡形も無く消滅してもおかしくないほどの差がある。しかし、人造人間たるサニーの防御力がすさまじかったため、ほとんど無傷でやり過ごせたのだろう。

 

 

シロナ 450万(霊力開放 通常時として活動)→4500万(怒り状態)→5400万(怒り状態・魔強化/暴走)

 

これまでの戦いを経たことで、400万から450万へと戦闘力を伸ばした。それに伴い、怒り状態やそれに連なる形態の戦闘力も順に伸びている。さらに、シロナの基本値は90万だが、その5倍となる霊力開放時450万を通常時として活動できるようになっている。これは「気の開放(腕等からエネルギー波を撃つ際に行う「気の一点集中」を全身で常時行っている状態)」と原理は同じことだ。なおこの時点で”超サイヤ人”に覚醒できる戦闘力を満たしているが、現在のシロナはサイヤ人という自覚も無く、魔力や吸血鬼の力にそれを遮られているため変身には至らない。

ジュラ隊のスピノやハッチャンとの戦いを経てシロナの心には迷いと葛藤の影が射していた。それをサニーによって指摘され、「君は心が人間ではない」と言い放たれたことでシロナは負の念によって制御のきかない暴走状態へと陥ってしまう。顔に纏う結晶の結晶の鎧に涙の跡のようにも見える赤い筋が入り、さらには理性をもほとんど失う。それは誰彼構わず襲い掛かり、自分を後ろから羽交い絞めにして耳元で説得しようとするミルの顔面を殴ろうとするも、外して自分の顔面を吹っ飛ばすほど。そのまま動かなくなってしまったシロナをねらって、サニーの引き連れてきた量産型の大量の人造人間がやってくる。ミルはシロナを守ろうと戦い、そこへアリーズとヒロイシが現れ加勢する。二人は占いババに支払うための1000万ゼニーを用意してきたのだ。3人の記憶兵器が揃うことにより順調に敵を駆逐していくが、それでもまだ終わりは見えない。

一方、自身の精神世界へ捕らわれたシロナの自我は、精神の中に住む者と名乗る謎の声と邂逅する。声の助言により、とにかく今は進むだけ進み、自分の行いが間違っていたかどうかは全てが終わってから決めると決意する。

シロナの暴走の原因は、奇跡的なバランスでシロナを構成していた「自分」と「魔力」と「吸血鬼」のバランスが崩れ、「自分」が小さくなり「吸血鬼」が大きくなったことに起因する。その後、吸血鬼の能力をコントロール下に置くことに成功するも、まだ自我は完全に戻らない。だが背中から6本の脊椎の形状をした鞭を生やし攻撃に使う能力を目覚めさせた。この力でサニーに挑むもやはりまだ及ばなかったが、ウスターの痛みを伴う言葉によって自我を取り戻し、暴走を解除した。

 

 

 

8.記憶兵器集合~最終決戦

 

シロナ 5400万(怒り状態・魔強化)→200万(激戦の疲労とダメージで消耗)

 

記憶兵器の協力者として、人造人間との最終決戦に臨むシロナ。戦闘力的には占いババの戦士たちと戦った時と変わらないが、もう暴走することはない。

7名の記憶兵器と共に、無数の人造人間を殲滅し、敵の蠢く拠城へ乗り込む。そこで護衛軍らによって3つの扉へ通されるが、同じ部屋に入った者同士が殺し合って生き残った一名だけがスカールに会えるという罠であった。シロナはヒロイシを先に行かせ、ビーデルと共に他の扉に入った仲間たちも助け出そうと奮闘する。次の部屋ではブラックとサタンと救い、ビーデルとサタンを先に行かせてブラックと共に行動する。次の部屋ではバルバルス、ミル、アリーズが今にも殺し合おうとしており、それを止めた。しかし、部屋の番人をしていた人造人間3号、4号、5号に攻撃を受け、そのまま交戦する。

三体の中で最も強かった3号よりも、シロナは辛うじて戦闘力を上回っているが、それでもこれまでに受けてきた傷や、同時に掛かられている影響で劣勢を強いられる。おまけには足や胴体、頭部へ衝撃波を受け、回復しきれない程のダメージを負ってしまう。ブラックの命を犠牲にした助けでなんとか生き延びたものの、歩くのもやっとの状態で、バルバルスの肩を借りて先の部屋へとたどり着く。

その部屋ではようやくスカールの部屋へ通じる道が現れるが、護衛軍との戦闘を余儀なくされる。シロナは記憶兵器たちに守られながらスカールの部屋を目指すが、サニーに行く手を塞がれる。サニーに敗北を覚悟させるほどの凄まじい気迫を見せ、追いつめる。だが、その最後の一撃はサニーの体に触れるだけで終わり、シロナはそこで事切れた。まさに風前の灯火ともいえる状態だったのだ。

 

 

ラガルティハ・バルバルス 5.2(通常時)→2500万(記憶兵器)

 

7人存在する記憶兵器のひとりで、「斧」をその身に宿している。山の緑豊かな牧草地が故郷で、牧師であった父親と共に暮らしていた。だがある時に人造人間の襲撃を受けて故郷の山の自然と教会、そして父親とその信者たちをまとめて失った過去を持つ。

本人の性格は気楽でフランクな好青年といった印象。俗にいう「イケメン」であり、かなりのプレイボーイである。また下ネタを好み、シロナや周りの者を呆れさせている。さらにはスカールの肖像画や彫刻を見て劣情を抱き、それをいつか本物のスカールにぶつけてやるために今日まで戦ってきたという。

通常時の戦闘力は、本人は常人よりは多少鍛えており、5.2という数値。記憶兵器の力を使う際は、2500万の戦闘力を発揮する。彼の斧はピンク色の光を纏っており、腕や足などを変化させて作った斧を体から切り離して手持ちの武器として扱ったり、空中に設置することで足場として利用することも出来る。

記憶兵器としては平均的な力であるが、彼は歴代に類を見ない特別な力を生まれつき持っている。代々の家系と家柄の関係か、彼は生まれた時から莫大な量の魔力を体に宿していたのである。それは幼少期のころには全く自覚は無かったが、記憶兵器を継承した時から自覚するようになった。だから彼の使う斧は魔力を帯びてピンク色に発光している。普段は体内の魔力全てを記憶兵器のチップ、すなわち斧に移しており、それを自身の身体へ還元することも可能。人造人間は科学の結晶でもあるため、どうしても理屈付けられない事象である「魔法の力」に弱いため、彼の魔力を流し込まれた人造人間は毒を盛られたように弱ってしまう。

本編では斧の柄の部分を蛇のように操ってアールごと自分を巻き取り、口から直接すべての魔力を送り込んで撃破した。実はシロナに相当惚れ込んでいたようで、彼女に切に生きてほしいと願い、その人生に幕を下ろしたのだった。

 

 

ブラック 6(通常時)→3700万(記憶兵器)

 

記憶兵器のひとりで、「ハンマー」をその身に宿している。火傷をある顔を持つ大柄な黒人男性。実力はアリーズに次いでのNo2だが、記憶兵器となった経緯や動機は秘匿されていた。

それもそのはず、ブラックの正体はかつてレッドリボン軍に所属していたブラック参謀その人なのである。ピッコロ大魔王によるレッドリボン軍の本部壊滅を生き延びていたブラックは、軍の遺産である人造人間たちが未だ活動し、多くの人間を苦しませている事実を知らされ、自分たちが生み出した負の遺産を滅ぼすため記憶兵器を継承した。

やはり腐っても軍人であったため体はかなり鍛えていたはずで、通常時で常人を上回る6。記憶兵器と化せば、その戦闘力は3700万に達する。彼の扱うハンマーは他のどの記憶兵器の武器よりも重く大きく、彼の怪力によって振り下ろされる一撃の威力は計り知れない。また、ハンマーを両腕で構えたまま独楽のように回転することで無敵の回転防御を行う事もできる。

口数も少なく、ほとんど会話をしていなかったシロナには不審に思われていたが、実はシロナと同じ考えを巡らせており、共に他の仲間を助けるため奮闘する。

しかし、人造人間3号たちの相手をしながら高速回転する「スパイク・スラッシャー」から身を守るのは無理だと考えたブラックは、自らの体をスパイク・スラッシャーの駆動部分に巻き込ませ、無理やりローラーをストップさせた。その所為で彼の肉体は修復が完全に不可能なレベルでグチャグチャに引き潰され、最期にはシロナに人造人間の根絶の夢を託し、息絶えるのだった。

 

 

サタン・マーク 6.8(通常時)→2100万

 

記憶兵器のひとりで、「ペンチ」をその身に宿している。原作におけるミスター・サタンと同一人物であり、それは娘のビーデルも同様である。だがその髪はミスターサタンよりもボリュームの少ないアフロで、雰囲気もお調子者な原作と違って落ち着いている。戦闘力は生身の状態であれば記憶兵器の中で最も高い。原作では6.66という数字を当てているが、本作においてはそれ以上に記憶兵器として鍛えているため、それよりも高い6.8となっている。(ちなみに余談だが、原作のサタンについて鳥山明は「ボブ・サップよりは弱い」と言っているため、ボブ・サップの戦闘力は6.7ほどではないかと言われている)

戦闘時には両手が巨大化し、指の一本一本がプライヤーのような歯のついた無骨な金属に変化する。サタン自身の怪力によって振るえばあらゆるものを叩き潰し、対象を握れば瞬く間に潰すことができる。サタンにとってはこれ以上ないほどに適合した記憶兵器だろう。

本編ではビーデルと争いになったシロナに腕相撲勝負を挑み、彼女の覚悟を見極める。それ以降はシロナを仲間と認め、その後に助けられたことから、今度は自身がシロナを守るために戦いを繰り広げる。だが、バルバルスと交戦していたアールの奇襲を受けて両足を焼き潰され、しばらくは身動きの取れない状態となった。回復を待ちながら残ったサニーに襲い掛かるが、あと少しのところで復活してしまったサニーには及ばなかった。

娘のビーデルを死なせてしまいながらも、最終的にはミルと共に生き残った。

 

 

ビーデル・マーク 6(通常時)→1700万(記憶兵器)

 

記憶兵器のひとりで、「錐」をその身に宿している。黒髪を肩のあたりでおさげにし、Tシャツとスパッツという身軽な格好。主に錐の形状をした槍に変じさせた足による蹴りと、肘から伸びる錐のトゲが武器。

通常時はやはりサタンの娘としてそれなりに格闘術に通じているためか、普通の少女よりも大幅に強く、成人男性すら軽く倒せる6という数値。戦闘力的には記憶兵器の中でもっとも低く最年少だが、正義感が強く若さゆえの無鉄砲さから来る人造人間に対する容赦の無さは他よりもすさまじい。記憶兵器の戦闘力は適性や素質、練度によって決まるので、もし今後数年十数年と記憶兵器として戦い続けていればもっと伸びていただろう。

初めはシロナの事を「記憶兵器じゃないくせに仲間面しているのが気に入らない」と食って掛かるが、それはビーデルの「無関係な人を危険な目に遭わせたくない」という優しさを不器用に表現しただけであり、シロナが覚悟を持って記憶兵器と共に戦っていることを知った後は彼女を仲間と認めている。

最期にはシロナに「錐」の記憶兵器を託し、持参したホイポイカプセルの中に収納していた特製の爆薬を炸裂させ、多くの人造人間を道連れにして散った。

シロナと原作ドラゴンボールにおける孫悟飯の歳は同じであるため、当然シロナとビーデルも同じ年齢。この世界においてのビーデルは後に悟飯と出会う事もなく、ただの一記憶兵器として戦い、その結果満足して散っていった。

 

 

人造人間3号 5000万

人造人間4号 4800万

人造人間5号 3000万

 

バルバルスらが入ったドアの先で待ち構えていた、3体の人造人間たち。全員がレッドリボン軍産でありスカールに服従しているわけではなく、護衛軍の圧力と行き場の無さからスカールの傘下に下っている。それぞれが今回の決戦に備えて、スカール直々の手でかなり強力に改造されている。その実力は改修前の護衛軍に匹敵し、この三体に同時にかかられては、記憶兵器の中では最も強いアリーズでさえも彼らの言うなりになるしかないだろう。

この3体は侍、天狗、忍者と日本風な外見モチーフで作られている。

3号は髪を結って刀を持った侍風の人造人間で、この中では最も実力が高い。刀を振るうと同時にエネルギーによる斬撃を遠距離から広範囲へ飛ばして攻撃する。巨大な三日月型の斬撃を真っすぐに飛ばす「紫電滅殺閃」という大技を持ち、さらには全身のいたる箇所から刀を出現させ、その刀からも斬撃を飛ばすと言った芸当も可能。だが一度エネルギーの斬撃を撃つとそれが消えるまでは次の斬撃を撃てないという弱点があり、その場合は素の剣術に頼る必要がある。それだけでも十分脅威ではあるのだが、シロナを斬るのには威力不足だった。最期には回転するスパイク・スラッシャーに投げ込まれ、かつての記憶を思い返しながら砕かれた。

4号は天狗の面を被った人造人間。手にはヤツデの団扇を持ち、これを振るう事で超強力な衝撃波を発生させる。何かと周囲の事柄に対して哀しむ。衝撃波の威力は凄まじく、三発でシロナをほとんど戦闘不能な状態へ追い込んだ。戦闘力は3号に近いがやや劣り、最終的にはスパイク・スラッシャーに巻き込まれて破壊された。

5号は4本腕の小柄な忍者といった風貌で、戦闘力的には他の2体に大きく劣る。手裏剣のような武器を投擲して敵の注意を惹き、3号の斬撃や4号の衝撃波で仕留めるというような連携を取る。一番最初にシロナに投げ飛ばされ、スパイク・スラッシャーの餌食となった。

 

 

偽のスカール人形 20

 

アリーズが先代の鋸の記憶兵器であったアイバーの記憶を頼りに、ブラックの力を借りてスカールの姿と声を完ぺきに再現した人造人間。だが人造人間と言っても自分で考えて行動することはできず、予め決められた動作を行うロボットのようなもの。さらにただの機械であり、戦闘を行う事はできないため戦闘力は20程度。

その声には人造人間が、特に護衛軍が否が応でも反応してしまう音波が乗せられており、これを介して命令を発することで無理やり人造人間を従わせることができる。しかし、低級な作りの人造人間ほどスカールへの忠誠心も低いため、長くスカールの命令を聞いていられることはできない。対して護衛軍のような高等な人造人間は絶対にスカールの声に逆らえないため、かなり長い時間拘束されていた。その護衛軍の中でもサニーが最後まで動けなかったことから、サニーが最も高性能な人造人間であると証明できる。

構造は普通の機械と変わらないため、簡単に破壊されてしまう。だが喉の部位にある人口声帯器官は無事であったため、脱出用のケツァルコアトルスを動かすのに最後まで役立った。

 

 

エウスト・レプトス・ポンディルス 8000万(改修後)

 

シロナとの戦いによって肉体を失い、コアである脳味噌のみとなってしまったエースであったが、無事に拠城へと帰還し、スカールに新しく作ってもらった肉体に宿替えした。エースの強みでもあった生命力は大幅に失ったが、それを上回るほどに強化された純粋な戦闘力を与えられた。また、この新しい肉体は完全な生身のバイオタイプであり、機械パーツは使用されていないため、原作におけるセルのように気が存在する。スカールは自らの拠城を隠すために、そこで暮らす人造人間たちは気を感知させない造りにしていたが、記憶兵器が消え去ればそれも必要なくなると踏んでの事だ。

モンスターのような側面の強かった以前のエースとは異なり、アールやサニーのようにかなり人に近い姿になっている。だがその目は蛸を思わせるような形状で、その気になればコアの力を使って異形の姿にもなれるようだ。その際には口から火炎を吐いたり、腕を増やしたり、腹から触手を生やしたり、その触手の先端を剣に変えたり、以前の肉体で使っていた技を再使用する事も出来る。戦闘力はサニーには及ばないものの、ほぼ近くには並んでいるだろう。

しかし、面白半分でアリーズを煽ってしまった事が原因で、絶望に満ちた最期を遂げることとなった。存在理由を自己否定したことにより、その体は内側から腐るようにして自壊したのだ。

 

 

アルティリヌス 7700万(改修後 最大)→4620万(スカール人形に無理に背いた影響で弱体化 最大値の60%)

 

コンパク・ヨウキによって切り刻まれた肉体をスカールに修復してもらうついでに、エース同様にさらに強化されたアール。機械パーツが取り除かれ100%生身の体となったのもエースと同じ。全体的に満遍なく能力が向上し、その戦闘力は7700万となった。

ビーデルに回復不可能なほどの致命傷を与えるが、その後に偽スカール人形の「つくばえ」という命令を受け、それに逆らえずに跪いて長時間動きを封じられてしまう。記憶兵器たちがアリーズの孤独な戦いを見届け、スカールの元へ向かおうとしたとき、アールは何とか動けるようになって彼らの前に立ちはだかる。アールとのタイマンを臨んだのはバルバルスだった。アールは人形の命令に無理やり逆らって動いた影響で、戦闘力が大幅にダウンしていた。この状態の戦闘力は、最大値の60%ほどの4620万。しかし、いくら弱くなったといったところで記憶兵器に後れを取ることはない。

バルバルスの斧でバルバルスごと一緒くたに拘束されるも、驚異的な身体能力で拘束されたまま宙へ飛び跳ね、サタンを行動不能に陥らせる。さらに爆発の威力を利用した一撃でバルバルスの胸を腕で貫き、致命傷を与える。しかし、バルバルスに還元された斧の魔力を口付けと共に体内に流し込まれ、人造人間にとっては猛毒であるとされる”魔法の力”によって体内から破壊されてしまう。何とかバルバルスだけは倒したものの、その後にミルと戦う余力は残っておらず、そのまま敗北した。

 

 

サイカニア 9500万(改修後)

 

エースやアールと同様に、決戦に備えてスカールによって改造強化されたサニー。しかし、他の二人とは異なり肉体が大きく損傷するほどのダメージを受けたわけではないためその改造は機械パーツを取り除いて有機パーツに差し替えるのみであり、戦闘力はわずか500万上昇したきり。しかしそれでもまだ他の二人よりも強く、最強の人造人間の座は譲っていない。

能力なども以前と全く変わっていない。強いて言うなら、シロナに全滅させられた闇の中の人造人間たちが居ないため、闇の空間内での攻撃はサニー自身が仕掛けているという点くらいか。

低級な人造人間ほど早く偽スカールの命令から復活できると看破し、サニーは決して命令に背くことはせず、偽スカールを破壊することで支配から脱した。このことからも、サニーこそが最も高性能な人造人間であるといえるだろう。

4つの記憶兵器の力を受け継いで死の淵から復活したシロナに対し、「人間は死ぬからこそ美しい」と言い放つ。しかし、シロナはそれを真っ向から否定し、睨みあいの末の早撃ちをしかけるがシロナのスピードに及ばず、胴体を両断されて敗北した。

 

 

ケツァルコアトルス 2000万

 

人造人間側が用意していた、緊急脱出用の人造人間。実在した翼竜の骨格をモチーフにしており、その大きさは翼を広げた全長で50メートルほどに達する。明らかに人型ではないが、それでも自分で動いて自分で考える人造人間の一種である。

腹の内部に大量の人造人間を乗せて移動できる。乗っていた人造人間ごと胴体をシロナに破壊されてしまったため、脱出した際にシロナ達は足に掴まっていた。

図体が巨大かつこの重量の巨体が飛び上がって高速で飛行するにはとてつもなく膨大なエネルギー量が必要なはずで、戦闘力に換算すれば恐らく2000万相当はあるだろう。

 

 

シャドースカール 6億

 

人造人間の首魁にして、諸悪の根源、人造人間1号ことスカール。かと思いきや、彼女は本物のスカールによって影武者として造られた存在に過ぎなかった。首だけの状態で起動させられ、その後にかつての拠点を焼き払う事によって、本物のスカールの失踪を隠していた。

その後は自分の首から下を自分で作りながら、拠点の残骸で動く城を作って旅に出た。行く先々で目についた岩や大木、生き物の骨格や建築物などを破壊して取り込み、それらを材料として蠢く拠城を組み上げ、仲間の人造人間を増やしつつさらに勢力を拡大していった。彼女は配下たちに自分が偽物であることを悟られるのを恐れ、絶対に配下の前に姿を見せなかった。そして、自分には人造人間を従わせる能力は無いので、城の行き先などの行動はすべて配下に任せていた。

その戦闘力は、破格の6億。あの第四形態フリーザ(4億8000万)を大きく越える。しかし、原作における人造人間18号(9億)には及ばない。最強とうたわれたサニーをも軽々としのぐその力は、シロナにとっては過去最強の敵として立ちはだかる。蠢く拠城はスカールの繰るオレンジ色の糸によって操り人形のように駆動し、その糸はスカールの体内で生成される。スカールは拠城の首の根元、うなじの部分の鍾乳洞のようになった洞窟内に潜んでおり、自分の体を糸束で天井に縛り付けて、糸を操作し城を動かしている。シロナがやってくるとその糸束をほどき、戦闘態勢へと入った。

その実際の姿は、彫刻で絵で表現されてきた美しい姿のスカールとはかけ離れており、顔こそそっくりで美しいものの、その首から下は昆虫のような異形となっている。スカールが戦闘を行う際には、主に糸で重量物などを振り回して戦う。岩石や恐竜の頭骨、重機のアームや廃材の塊などを強靭な弾力性を持つ糸束でパチンコのように”溜め”を作って敵へ叩きつける。さらに、糸を生成する部位である重たく巨大な”腹”を自ら切り離すことにより、身軽な姿へと変わる。口から螺旋状の衝撃波を放ち、4本の腕からはエネルギー弾を無限に発射し、強力な体術も披露する。

しかし、その精神は非常に不安定であり歪。いつでも人間の生活の傍らに存在する、漫画やアニメなどの「物語」、そしてその「ヒーロー」に強い憧れを抱くようになる。だがスカールは決して望むようなヒーローになることはできず、自分の理想のヒーロー像そのものの行動をするシロナに敵意を感じていた。だが最期には鏡のように煌めくシロナの結晶に反射した、理想とは大きくかけ離れたおぞましい自分の姿に拒絶を起こし、その身体が自壊した。さらに創造主である本物のスカールに背負わされた自分の運命に気付き、シロナに礼を言いながらその機能を停止した。

 

 

シロナ 600万(通常時 復活パワーアップ)→4600万(基本最大 記憶兵器4つ分パワーアップ)→4億6000万(怒り状態)→6億9000万(怒り状態・魔強化)

 

死の淵に瀕したシロナ。度重なる怪我で血を流し過ぎ、自己治癒能力が発動しなくなってしまった。そこでビーデルの血を輸血されることで治癒能力を再機能させ、さらに「錐」、「斧」、「鋸」、「カッター」の四つの記憶兵器を移植されることで、その治癒能力がさらに強力に向上した。そのおかげでシロナは一命をとりとめ、体を完全に再生させて蘇った。奇しくも、死にかけたシロナを復活させたのはヴァンパイア王国の時と同じやり方だった。

まず、サイヤ人の「死の淵から蘇ると戦闘力が上昇する」という特性により、素の戦闘力は600万にアップした。そこに、記憶兵器ひとつ分の戦闘力を1000万とし、それが4つ分の4000万を足し、4600万。この4600万という数値が、現時点のシロナの基本値、通常時(霊力開放時)の戦闘力となる。さらに復活すると同時に怒り状態へ変身しており、その戦闘力は4億6000万に達する。かつて超サイヤ人となった父親を越え、超夢想天生の領域へ達した母親に迫る勢いだ。

また、シロナ自身の魔力も向上したため、シロナの魔法使いとしてのランクも中堅レベルへアップし、その髪は金色に染まった。と言ってもこれは超サイヤ人とは全く異なるものであり、これによる戦闘力の変化はない。

さらに、受け継いだ4つの記憶兵器を駆使して戦う事が出来る。その際には、記憶兵器のチップを埋められたそれぞれの部位がそれぞれの武器に変化する、右腕はヒロイシの『カッター』、左腕はアリーズの『鋸』、右足はビーデルの『錐』、そして左足はバルバルスの『斧』。だが他の記憶兵器とは違い、通常時の4600万は常に記憶兵器を発動しての数値なので、記憶兵器となることでの戦闘力上昇効果はないものとする。

シロナは諸悪の根源スカールと相見える。全ての記憶兵器の遺志を背負い、人知れず人類の命運をかけた戦いが始まった。だが、こちらは4億6000万、敵は6億。1億4000万の差は大きく、スカールの操る糸を使った攻撃に翻弄される。しかし、シロナが怒り状態・魔強化に変身すると戦況は一変、繰り出される渾身のラッシュがスカールの肉体を破壊する。その結晶を纏う拳はスカールの蹴りを受け止めると同時に、スカールは結晶に映った自分の姿を見て自壊した。

なお、金髪の魔法使いとなったことにより、魔力に由来する怒り状態・魔強化時の戦闘力倍率は以前の1.2倍から1.5倍にパワーアップしている。それによる戦闘力は6億9000万に達する。




「機械仕掛けの物語」編終了です。
次回から新章始まります。
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