もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

349 / 551
第349話 「伝説が待ち受ける時代へ!」

ある日。カプセルコーポレーションの敷地内に謎の宇宙船が着陸した。

 

「んだこれ」

 

「さあ」

 

慌てて庭に出たサザンカとブルマは宇宙船を見てそう言った。白く平べったい機体にタコのような脚が取り付けられており、その足先で上手いことバランスを保っている。排熱孔からは蒸気のような白い煙が吹き出し、やがて止まった。

 

「…おお、久しぶりだな~」

 

そして搭乗部らしきドアが開き、中から現れたのは…白と紫色の制服に身を包み、赤い髪を逆立てた女性…現在銀河パトロール隊員であるスカッシュだった。

 

「スカッシュ?本当に久しぶりじゃないの」

 

と、ブルマが言った。スカッシュはもともと、コルド大王の指揮下にある「カーボネド四天王」のひとりだったが、コルド大王及びフリーザが倒された後、しばらくの間このカプセルコーポレーションで暮らしていた時期があるのだ。

 

「その制服…見慣れないわね」

 

「だろうな、アタイは今銀河パトロールに入ってんだ。おおっとそれよりもだな…なぁブルマ、ブロリーを知らないか?」

 

「ブロリー?ここ何年も地球には来てないわよ」

 

「そうか…。実はアイツも銀河パトロールの仕事を手伝ってくれていて、何年か前に一緒に地球へ寄ろうとしていたんだがいつの間にか行方が分からなくなっちまってな。だからアタシが任務のひとつとしてこうして捜し歩いてるんだ」

 

「そうだったの…。まああの人がふらっと出かけてしばらく戻らないなんてザラにあったし、いつかひょこっとまた出てくるでしょ」

 

「だといいんだがな…」

 

スカッシュはそう言いながら目を落とす。その様子からして、ただブロリーが行方不明になったというだけではなさそうに見えるが…。

が、スカッシュはサザンカもその場にいることに気づくと、ハッと顔をあげてサザンカに近寄っていく。

 

「アンタもしかしてサザンカか!?いやぁ大きくなったじゃねぇか、前にライチーの一件で会った時はまだこんなに小さかった気がするが…地球人ってのは成長が早いんだな」

 

「ああ、そんなこともあったな…スカッシュさん」

 

もちろん小さいころのサザンカとも知り合いだ。

 

「どうかしら、上がってかない?ちょうどお昼にするところだったし、ご馳走するわよ」

 

「ほんとか!?そりゃ面目ねぇなぁ」

 

 

 

一方、カプセルコーポレーション内の自室で精神統一に勤しんでいたトランクスのもとへ、ドギドギの知らせが届く。

 

(トランクス…次のドラゴンボールの反応が現れた)

 

「ああ…わかった。早速サザンカちゃんと一緒に向かうとしよう」

 

そう言いながらトランクスは立ち上がり、支度をしながら今まで自分が座っていた場所を睨んだ。

 

「ドギドギ…君が言う通り、すでに俺たちは4個の暗黒ドラゴンボールを集め、1個はライの手に、そして残りは2個だ。答えてくれ、君はライの手下じゃあないだろうね?」

 

(違う。今、トキトキ都は大変なことになっている。時の界王神が危険な状態にあるせいでトキトキも不安定な状態。でもとりあえずは無事なようだ、一刻も早く暗黒ドラゴンボールを集めてトキトキと時の界王神を救い出さなくてはいけない…僕はそのことを君に訴え続けるしかできない)

 

「…わかった。今は信じよう…」

 

トランクスはそれだけ言い残し、部屋を後にした。

 

(…トキトキと時の界王神を救ってくれれば、僕も救われる。そうしたら…あの子に伝えることができる…)

 

 

 

「いやー、ご馳走さまでした!」

 

スカッシュは平らげた料理の皿を重ね、満足そうにそう言った。サザンカも既に自分が食べた大量の皿を運んでおり、ブルマは台所で洗い物を始めている。

 

「ところでトランクスどうした?」

 

「さっき呼んだんだけど来ないわね。まあ机に置いとけば後で来て食べるでしょ」

 

とその時、トランクスが速足でドアを開けながらやってきた。

 

「サザンカちゃん、ドギドギが次のドラゴンボールを…」

 

「先に昼ご飯食べなさい」

 

「あ、はい」

 

トランクスはすぐに席に着き、目の前に置かれていた料理を急いでかき込むように食べ切ると、丁寧に口を拭いてサザンカに話しかける。

 

「実は次の暗黒ドラゴンボールがもう見つかったようなんだ。これから急いで俺と一緒に…」

 

と、そこまで言ったところでトランクスはスカッシュの存在に気づいたようだ。

 

「悪いな、邪魔してる。アタイは銀河パトロールのスカッシュって者だが」

 

「銀河パトロールの…!?これはどうも…」

 

「それよりも、今ドラゴンボールって言葉が聞こえたような気がするんだが…」

 

スカッシュに問われたトランクスは少し困ってブルマの方を見た。

 

「大丈夫よ、彼女は」

 

そう言われると、トランクスもそれを信じて再び話す。

 

「確かに、今俺たちは暗黒ドラゴンボールという特殊なドラゴンボールを集めている」

 

「もしかしてそれって、赤い球に黒い星のドラゴンボールだったりするか?」

 

「そうだけど…」

 

「やっぱり!実は、アタイは行方不明になったブロリーって男を探しているんだが、ソイツを連れ去った男が暗黒ドラゴンボールを持っていたんだよ」

 

「なんだって!?」

 

 

 

…スカッシュの話は、実に2年近くも前に遡る。ブロリーとスカッシュは地球へ立ち寄ろうと宇宙を旅し、途中で物資を補給しようと星へ降り立った際、謎の男の襲撃を受けたという。

 

「誰だお前は…!」

 

ブロリーは片腕を押さえながら目の前を睨む。

 

「私はライと申す者。貴方はブロリーさんだとお見受けしました」

 

「そうだが…俺に何か用か?」

 

「実は貴方の力をぜひお借りしたいと思いまして…私と一緒に来ていただけませんか?」

 

「断ると言ったら?」

 

「力づくで連れていきます」

 

「やってみろ!」

 

ブロリーはエネルギー弾を掌の中に作り、握り込むように圧縮しながらライへ向けて投げつけた。しかし、ライはそれを腕で弾き飛ばし、背中で自身の気を炸裂させ、目にもとまらぬスピードでブロリーへ接近し、その腹へ鋭いパンチをめり込ませた。

 

「ぐ…!」

 

その瞬間、ライの拳とブロリーの腹から赤黒い煙が渦を巻くように立ちこみ始める。瘴気の煙はブロリーの全身を覆い、ブロリーは苦しげに唸ると、ガクリと首を落とした。

 

「ブロリー…!」

 

スカッシュはブロリーの名を叫ぶ。しかし、ライは彼女のことなど歯牙にもかけず、いないも同然であるかのように無視し、ブロリーの巨体を易々と担ぎながら不思議な空間のひずみの中へと消えていくのだった。

その時、スカッシュは見た。ブロリーの鳩尾の部分に、鈍く赤黒い輝きを放つドラゴンボールが埋め込まれているのを。

 

 

 

「アタイもドラゴンボールがどういうもんかってのは知ってる…だが、アレは明らかに異質だった…」

 

これまでに4個の暗黒ドラゴンボールを手に入れてきたトランクスやサザンカたちだが、確かに暗黒ドラゴンボールについての詳細についてすら何も知らない。なぜ過去の歴史へ散らばっているのか、なぜ他者へ寄生するのか、だれが何時、何の目的で作ったのか。

 

「ブロリーが、か…」

 

サザンカは呟いた。サザンカが幼いころはブロリーもたびたびカプセルコーポレーションを訪れており、そのたびに顔を合わせてはいたのでサザンカも彼の事は知っている。スカッシュの話通り、彼が暗黒ドラゴンボールに寄生されているとするなら、これまでの敵が可愛く見えるほどの強敵となっている可能性が高い。

 

「アタイはブロリーを捜し出すって任務を受けている!だから暗黒ドラゴンボールを探してるっていうアンタらに同行させてくれ!」

 

トランクスとサザンカは顔を見合わす。

 

「正直、足手まといになるってのは分かってる…アタイの力じゃこの戦いで大した戦力にはならないってことがな…だが、アタイが知ってるとっておきのパワーアップの秘策ってやつを教えてやれる」

 

「それってどんな?」

 

「アタイの故郷の星、メタモル星に伝わる技で、その名もフュー…」

 

スカッシュがそう説明しようとしたところで、部屋のドアが勢いよく開いた。

 

「やっ、みんな揃ってどうしたの?」

 

どこかから帰ってきたシロナが部屋に入ってきた。その時、シロナとサザンカの目が合い、そのふたりの姿をスカッシュは何か思いついたような顔で見たのだった。




ここでやっと、第二部から同時に進行してきたシロナの物語、そしてブロリーの物語が合流するんですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。