もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第352話 「為虎添翼の戦士、サザロナ参上!」

「れ、霊夢!?」

 

ブルマが心配の声をかけるも、霊夢は赤黒い奇妙な煙のようなものに包まれたまま倒れ込み、様子がわからない。

 

「く…フリーザめ…まだ倒せてなかったのか…!」

 

ブロリーは苦虫を噛み潰したような顔で言った。

 

「ふっふっふ…確かに、この私はそのままあの空間で死ぬまで過ごすはめになっていたでしょう…ですが、私は思い出したんですよ…万が一の時の為に、アレを隠し持っていたことに…」

 

「落ち着きを取り戻して口調が丁寧になってやがる…」

 

フリーザは背後に手を伸ばし、そこから半分になった赤い不気味な果実のような物を取り出して見せつけた。

 

「な、何なのアレ?」

 

ブルマがそう呟き、ブロリーが付け加える。

 

「あれは…ターレスさんたちが持っていた…確か神精樹の実とかいった…」

 

「その通り!ナメック星ではこれを食べたターレスが異常なパワーアップを遂げていました。彼が取り落としたものをこっそり拾って持っていたのですが…まさか気合だけであの不思議な空間を打ち砕いて脱出できるほどのパワーを与えてくれるとは思ってもいませんでしたよ」

 

「あの時俺が食い損ねたモンか…!!」

 

ターレスも、確かにナメック星での戦いの際に食べようとしたものの取り落としてしまった実がそのままであったことを思い出した。

 

「さぁ、死ぬ覚悟はよろしいでしょうか?」

 

フリーザはそう言いながら両手を左右へ広げて構え、より凶悪になった青い気を発する。しかし、ブルマたちは背後で何かが蠢く気配を感じた。

振り返ると、そこでは頭部に一撃を喰らったと思われた霊夢がゆっくりと立ち上がろうとしていた。

 

「霊夢!よかった無事だったのね!!」

 

ブルマが声をかけるも、霊夢は反応をしない。不思議に思った最中、霊夢が顔を上げると…その両目は黄色く染まり、額には見た事もないドラゴンボールのような物体が浮かび上がっていた。

超夢想天生は解除されているようで、黒髪のもとの姿に戻っている。しかし次の瞬間、霊夢は全身から凄まじい霊力の波動を共に目に見えない衝撃波をいくつも発射した。

 

「な、何…!?」

 

それは主にフリーザへ向けられたものであったが、周りにいたブルマやブロリー、ターレスたちにも当たってしまい、彼らは遠く離れた氷山にまで吹っ飛ばされる。

そして衝撃波の直撃を何度も喰らったフリーザは血を吐きながら後ろへ倒れ、そのまま山を崩してクレーターの中心に埋まっていく。

 

「ヤアアアアアアッ!!」

 

霊夢はその場で叫び声を上げると、その背中から先端の尖った管のような器官が3対、計6本伸びてくる。同時に霊夢の髪が暗黒五星球の瘴気によって赤黒く染まっていき、さらに6本の管…霊夢が発現させた霊尾の先端から同様の瘴気がバーナーの様に激しく噴き出す。

 

 

 

─────

 

──────────

 

「フュー…ジョン!ハッ!」

 

シロナとサザンカは距離を置いて同時にフュージョンポーズを取る。離れているので最後の指をくっつけずに、動作とポーズだけの確認だ。

 

「よし、指の位置に狂いもなくなった。そろそろ本番行くぞ」

 

スカッシュの指示のもと、ふたりは今度こそフュージョンを成功させるために正しい距離に立つ。その様子を、ブルマとトランクスが見守っている。

 

(合体…それで今後の戦いが楽になるっていうなら使わない手はないよね…)

 

(コイツと合体なんて本当は御免だが…正直限界は感じてた。今までも何度もキツイ喧嘩があったし、このままじゃライやパストに勝てねぇ…)

 

「はじめ!」

 

ふたりは互いに目を合わせて頷くと、フュージョンのポーズを取り始める。

 

「フュー…」

 

構えた腕を頭上を通して内側へ回し、同時につま先歩きで距離を詰める。ここまでの動作に両者のタイミングの違いはなく、移動距離も完璧だ。

 

「ジョン!!」

 

そして腕を外側へ伸ばし、外側の足を内側へ向けてあげる。ここまでの動きにも両者狂いはない。

 

「来るぞ…完璧なフュージョンが…!」

 

スカッシュが息をのみながらそう言った。

 

「ハッ!!」

 

最後の掛け声とともに、シロナとサザンカは両手の人差し指を合わせる。今度はズレたりすることもなく100%タイミングも位置も完璧だ。

次の瞬間、ポーズを合わせたシロナとサザンカから眩い光が溢れ出す。失敗した時のようなただの煙ではなく、正真正銘フュージョンが成功したことを現す光だ。

 

「やった、成功したぞ!」

 

スカッシュも思わず歓喜の声を上げる。

光の中ではシロナとサザンカが融合したことで誕生したひとりの女戦士が立っていた。その戦闘力は以前とは比較にならないほど高まり、トランクスの肌へ電流のように伝わってくる。

 

「…おお、成功したみたいだなー」

 

ゆったりとした声で、その女戦士は言った。声はシロナとサザンカの両方の特徴が混じり合って聞こえる。服装はふたりが着るものとは全く異なり、襟と肩周りが黄色いリング状のモコモコした装飾がある黒いベストを羽織り、その下には白いチューブトップブラが除いている。青い帯で締められた白い袴のようなズボンを履き、これらの衣装はメタモル星人たちの民族衣装である。

髪は黒色のショートカットだが、右側面と後頭部は刈り上げられ、左側の髪は他よりも長く胸の前あたりまで垂れている。目の下から目尻へかけて赤いメイクが施され、それらの特徴はシロナともサザンカとも合致しない。

スカッシュが話した通り、ここに誕生した人物はシロナでもサザンカでもなく、彼女らが融合したことで誕生した全く別の人間であると思った方がいいだろう。

 

「それこそが正しくフュージョンだ…よく成功したな」

 

「確かフュージョンの時間は30分が限界だったはず!早速暗黒ドラゴンボールを回収しに行こう。えっと…」

 

トランクスが呼び名に困って言い淀んでいると…

 

「名前が困るって?ああそうだなー、シロナとサザンカ…いや、サザンカとシロナで『サザロナ』…ってことにしておこっか」

 

サザロナはそう言った。

すると、彼女とトランクスの体が淡い光に包まれはじめ、やがて消えていった。

 

 

 

──────────

 

─────

 

 

暗黒ドラゴンボールの出現したエイジ763のツルマイツブリ山へ移動したサザロナとトランクスは、すぐに身震いするほどの膨大な瘴気を感じた。

 

「あっちだね」

 

「ああ…くれぐれも気を付けてくれ」

 

「ほいほいー」

 

サザロナは間延びした軽い返事をすると、フラッとした雰囲気で飛び去ろうと構える。が、しかし、そのタイミングで最悪の来訪者が出現する。

 

「…!?お前は…」

 

「おやおや、これは奇遇ですね皆さん。暗黒ドラゴンボールを手に入れにここへ?」

 

サザロナの目の前に現れたのは、あの人造人間ライであった。相変らず爆弾のような気を放ちながら、丁寧な物言いで頭を下げる。

 

「ライ…」

 

「残念ですが、この時代に現れた暗黒五星球は我々が頂戴いたします。邪魔をするというのでしたら、再び私がお相手しますよ…おや、そちらの貴女は一体?もしやトランクス、また新しい協力者でも募ったのですか?」

 

「ああ、俺はこの歴史では大っぴらに戦うことはできないからな。だから、助けてくれる仲間と一緒にここへ来た」

 

「ふふふ、そうですか…では、その仲間とやらの実力を見せてもらいましょうか」

 

次の瞬間、ライの背中で鮮やかな緑色と紫色の気が小さな爆発を起こし、その衝撃と爆風によってライは目の前へ飛び出した。さらに、移動途中にももう一度背中で気を爆発させ、グンと加速し、大柄な体格から繰り出されるパンチを振りかぶり、サザロナへ襲い掛かる。

 

「一撃で沈めて差し上げますよ!」

 

トランクスでさえ見切れないほどの速効。

しかし、殴り飛ばされたのはライの方であった。サザロナが放ったカウンターパンチをモロに顔面へ受け、その箇所から気の熱による煙を上げながら反対方向へぶっ飛ばされた。

 

「アタシを誰だと思ってやがる?アタシはサザロナ、アンタらを倒す者だ」

 

 

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