もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第353話 「滾り爆ぜる仮面のサイヤ人」

「アタシを誰だと思ってやがる?アタシはサザロナ、アンタらを倒す者だ」

 

サザロナの華麗なカウンターパンチを受けたライは盛大に吹っ飛ばされるも、空中で受け身をとって体勢を立て直す。

 

「サザロナ…?その気、まさか…サザンカとシロナ、あのふたりが融合したとでもいうのですか?」

 

「いちいち説明するのも面倒くさいから、アンタで勝手に想像して」

 

「…ですが融合したからといって、この私に勝てるという道理はございませんよ。そういう言い方をするのであれば、私も貴女と戦うのは面倒くさそうなので、彼とここで戦っていただきましょうか」

 

ライはそう言いながら口元を拭い、指を鳴らした。その時、周囲の空気が激しく振動し、何かの訪れを予感させる。

 

「な、なんだ…!?」

 

その時、紙を破るかのようにして空間が裂け、その中から分厚い筋肉に覆われ、金色の腕輪を身に着けた剛腕が現れる。

 

「あの腕は…」

 

サザロナは思い出した。暗黒ドラゴンボールを集める戦いが始まったあの日、トランクスと共に自分たちがいた世界に入ろうとしてきた仮面の男だった。

 

「カァァァァアアア…!!」

 

唸り声を響かせながら、仮面のサイヤ人の上半身がこちら側へ乗り出してきた。

 

「ウラアアアアア!!」

 

しかし次の瞬間、仮面のサイヤ人の上半身が突然爆発に包まれた。

 

「!?」

 

ライは驚き、顔を腕で覆って爆風を防ぐ。

その攻撃の犯人はサザロナであった。仮面のサイヤ人が完全にこちら側へ入ってきてしまう前に猛攻を叩きこんで向こう側へ弾き出そうとしているのだ。

 

「ウラウラウラウラウラ…!!おいコラ仮面野郎…アンタみてぇなヤバそうなの、易々とこっちへ入れてやるもんかよ」

 

さらにサザロナは両手から交互にエネルギー弾を発射し、次々と仮面のサイヤ人へと命中させる。彼がいる場所はもはや爆心地かのように真っ赤に燃え上がり、荒れ狂う爆風はどんどん巨大化してゆく。

 

「…フフフッ」

 

しかし、ライは不敵に笑った。

その直後、爆炎の中から一瞬、黒緑色の不気味な光が見えたと思うと、巨大な塊が飛び出し、休みなく攻撃を撃ち続けていたサザロナと衝突した。

 

「これがバケモノ…”滾り爆ぜる仮面のサイヤ人”ですよ」

 

サザロナの猛攻を物ともせずに時空の歪から一瞬で抜け出し、彼女の首元へラリアットを叩きつける、”滾り爆ぜる仮面のサイヤ人”と呼ばれた戦士。仮面のサイヤ人はそのまま凄まじいスピードでぶっ飛んでゆき、遠く離れた場所にある氷山へサザロナを叩きつけた。

 

「サザロナさんの相手はあの人に任せるとして…トランクス、貴方はどうします?まさか、この間の事を忘れたわけではありませんよね?」

 

「…ああ」

 

トランクスは拳を握りしめ、いつでも戦闘に入れるように構えながらそう言った。この間の事とは、博麗紅蓮が暗黒ドラゴンボールに寄生された時代でも出来事を言っているのだろう。

 

「では、傍観者は傍観者らしく大人しくしていることです。私は暗黒ドラゴンボールの回収を行いますので…それでは」

 

 

 

「…もう終わりか?」

 

仮面のサイヤ人とサザロナが辿りついた氷山の絶壁には丸い巨大なクレーターが出来上がり、その中心でサザロナは岩盤中へ顔を押し付けられていた。

 

「…まさか」

 

だがサザロナは仮面のサイヤ人もとい仮面野郎の顎を蹴り上げ、肘鉄を脳天へ叩き下ろしてその隙に脱出する。そして空へ高く舞い上がり、掲げた両手から天へ向かって極太のエネルギー波を発射する。

 

「ストレイライトォ!!」

 

そして、それを勢いよく振り下ろすことで真上からエネルギー波を叩きつけたのだった。大気が震えるかのような衝撃と津波のような波動が広がり、仮面野郎は下方へ吹っ飛ばされる。が、地面スレスレの場所で態勢を整えて直立で着地し、一発のエネルギー弾をサザロナへ向けて投げつける。

サザロナはそれを躱しつつ仮面野郎へ近づこうとするが、さらに連続で放たれるエネルギー弾を避けるのに精一杯でなかなか射程距離に収められない。

 

「言った通り、また会う事になっただろ?ハハハハハ…!!」

 

「悪いけど時間が無いんだよねー、ここでちょっとギア上げてみるか」

 

サザロナは無数に向かってくるエネルギー弾の軌道を見切り、それらが当たらない位置で立ち止まると、蒸気のような熱気を立ち昇らせる。その熱気は赤く染まり、サザロナの黒髪がうっすらと逆立ち、目の色が黄色く変色する。

 

「怒ってないのに怒り状態とはこれいかに?」

 

サザロナは、シロナが可能としていた「怒り状態」への変化を遂げた。これは巨大化して初めて発揮できる大猿のパワーを人の姿のまま扱える形態であり、その戦闘力は大猿化と同様10倍に跳ね上がる。

 

「そう来なくちゃ面白くない!」

 

仮面野郎は既にサザロナの目の前へ接近しており、渾身のパンチを顔面へ叩きつけた。サザロナは空を切りながら大きく吹っ飛ばされるも、赤いオーラをジェットのように噴射して元の位置へ戻り、同時に仮面野郎へ膝蹴りを当てて大きく吹き飛ばした。

が、仮面野郎も負けじと緑色のオーラを噴射してサザロナへ接近し、もう一度殴りつけた。だが今度のサザロナは先ほどのような距離を吹っ飛ばされず、踏ん張って防ぎ、さらに腹へパンチをめり込ませる。

 

「デリャアアアアッ!!」

 

仮面野郎は体から黒緑色のオーラを放出し、それを圧縮して小さな弾にし、投げ飛ばす。その球は空中で一気に膨れ上がり、発生した膨大な熱量が一気にサザロナへ押し寄せる。

 

「消えて無くなれ!」

 

仮面野郎の冷酷な声が響くも、サザロナはその場から動かない。そして、首の骨を鳴らすと構え、全身に黄金のオーラを漲らせる。

 

「フッ…ハッ!!」

 

次の瞬間に閃光のように全方位へ炸裂した黄金のオーラが黒緑色の暴風を全て押しのけ、その奥から超サイヤ人と化したサザロナが現れ、仮面のサイヤ人へ殴りかかる。

 

シュン…

 

だが仮面野郎は目にも止まらぬスピードで消え、不意を突かれたサザロナの背後から回し蹴りを繰り出す。

 

「甘いよ」

 

サザロナは腕でそれを受け止め、もう片腕からエネルギー波を放って顔面へ命中させる。

後ろへ下がっていく仮面野郎の腹を蹴り、顔面を殴ってさらに吹き飛ばす。

 

「フハハハハハッ!!」

 

仮面野郎は笑い声を上げ、地面の中に手を突っ込むと地中にエネルギーを注入する。それは地面の中を巡り、サザロナの足元から勢いよく吹き出した。

 

「おおっと…」

 

打ち上げられてしまうサザロナだが、その最中にもエネルギー波を放って仮面のサイヤ人を狙う。それは仮面野郎の胸に命中するも、なんとその衝撃と熱に耐えながら反撃のエネルギー弾を連射してきたのだ。

 

「ウラウラウラウラ…ウラァ!!」

 

サザロナは連続で拳を繰り出してひとつずつそれらを潰して防ぎ、最後に拳を大きく振りかぶりながら仮面野郎へ向かって飛びかかっていく。

 

「さァ来い!!」

 

仮面野郎もそれに乗り、剛腕を振りかぶってサザロナへ突撃する。

そして両者はぶつかり合うと同時に拳を繰り出し、それらはぶつかり合って周囲に稲妻のような衝撃を迸らせた。

 

「くう…ッ!」

 

「フハハハハ…!!」

 

サザロナの放つ黄金のオーラと、滾り爆ぜる仮面のサイヤ人から溢れる黒緑色のオーラが激しく火花を散らし、鍔迫り合いを繰り広げる。だが、サザロナが押され、仮面野郎は低い笑い声を上げながらグングンと力を強め、サザロナの腕が曲がってしまい限界が近づいてくる。

 

「なーんちゃって!」

 

しかし、サザロナはにやりと笑ってそう言うと、次の瞬間には仮面野郎の拳をすぐに押し返し、顔面へパンチまで喰らわせていた。

 

バキッ…

 

その顔にはめていた不気味な仮面の中心に長い亀裂が走る。その瞬間、仮面野郎は顔を押さえながら苦しむ素振りを見せ、仮面からも紫色の魔力が漏れ出しているように見える。

それを好機と見たサザロナは真上へ飛び上がり、足を下へ向けたまま急降下する。

 

「…!?」

 

仮面のサイヤ人が気付いた時には既にもう遅く、ドリルのようにうねる逆三角形のオーラを纏いながら急降下してきたサザロナの蹴りを胸へ受け、そのまま地面へ叩きつけられた。

 

「ガハ…!」

 

衝撃ではめていた仮面の左半分が破損し、その素顔の半分が露わになる。口から血を吐き出し、苦し気に咳き込むも、仮面のサイヤ人はすぐにサザロナを押しのけて空中へ飛び上がり、彼女を見下ろす。

 

「ハア…ハア…!」

 

「やっぱり、アンタがブロリーだったね」

 

露わになった、滾り爆ぜる仮面のサイヤ人の素顔…その正体は行方不明であると聞いたブロリーであったと、サザロナは確認した。




サザロナ

【挿絵表示】


【挿絵表示】


「サイバーパンク: エッジランナーズ」、面白かったですよね。サザロナの顔はルーシーっぽい感じにしました。

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