もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第378話 「砂塵舞い、爆ぜる砕光!!」

「ぶぎゃあああああ!」

 

足の甲の上にカタッツの体が頭から突き刺さったチーチンは、あまりの激痛に叫び声をあげた。急いでカタッツを引き抜こうとするも、チーチンの全体重の重さがかかったその体をどうやっても持ち上げられなかった。

 

「無駄だ。今のお前の貧相な体で、元のお前の重さをどうこうできるわけなかろう」

 

「クッソ~~…!オレがこんな方法で…」

 

チーチンは痛みをこらえながらその場で座り込み、そのまま仰向けに倒れ込んだ。足も動かない、このまま竜の変身を解いて元に戻ればそれこそカタッツの巨体に潰されてお終いだと思って諦めたのか、それとも単に気を失ったのか、それ以上は何もしてこなかった。

 

「ハァ…ハァ…!」

 

グラジアもその場でよろよろと膝をつき、うつ伏せに倒れて気を失ってしまった。

 

「グラジア…」

 

後戸の力の契約が切れ、元に戻ったコナギはグラジアに駆け寄り、無事を確認する。

 

「コナギ」

 

そこへカタッツが語り掛ける。

 

「私はこのままこやつを足止めする。時の巣は恐らくすぐそこだ…すまないが一人で向かってくれないか」

 

「わかりました!…じゃあグラジア、ちょっとここで休んでてね」

 

コナギは安全な木陰にグラジアを寝かせ、再度後戸の力を解放し、不慣れな舞空術を使って自分は大急ぎで時の巣を目指した。

 

 

──グラジア&コナギ&カタッツvs”ヘビードラゴン”チーチン

 

勝者 コナギ(グラジア、カタッツ 戦闘不能)

 

 

 

 

 

「惜しかったなぁ、もう少し行動が早けりゃ…僕が来る前に逃げられたかもしれないのによ」

 

一方、赤い砂丘では。ダーブラが自らの魔力で作ったワープホールを通じて時の界王神に暗黒ドラゴンボールを送った後。サラガドラがこの場に現れると、胴体を斬られたトランクスとライが血だまりの中に倒れていた。

さらに、何故かそこにいる魔王ダーブラが血に濡れた蛮刀を持って立っているという状況。誰が見ても、ダーブラがふたりを惨殺した直後と思うだろう。

 

「サラガドラ…貴様の望みはなんだ?」

 

ダーブラはサラガドラに問いかける。

 

「古代の魔導士メチカブラの魔力を己の物とし、絶対的な力を得てもなお、暗黒ドラゴンボールを使って叶えたい願いとは何なのだ!?」

 

「僕は”新時代”を築きたいんだ…ま、言ったってわからないさ」

 

それきり、両者は黙る。ダーブラは分かっていた。恐らく、ライとトランクスが既に殺されているように見せる幻術も見破られており、サラガドラには何を言っても全くの無駄で、自分はこの死神に見つかった以上、ここで死ぬ運命だと。

直後、互いに動き出すも、ダーブラの方が早かった。ダーブラは蛮刀を振り抜き、目にも留まらぬ超スピードで斬りかかる。が、サラガドラは額から銃身を飛び出させ、そこから魔力の弾丸を発砲し、その一発はこちらへ接近してくるダーブラの腹を貫いた。

 

「ぐは…あ…!」

 

ダーブラは後ろへ吹き飛び、口から紫色の血液を吐き出す。弾丸が背中から飛び出し、そのまま地面の上に倒れた。

が、最後の力を振り絞り、開いた手を握ると、幻術で死んだように見せているだけのライとトランクスが地面に出現したワープホールの中へ吸い込まれた。それに気付いたサラガドラが振り返った時には、既にワープホールが閉じる瞬間だった。

 

「逃がしたのか?まあいいや、お前はここで終わりだ。来世では戦争のないステキな暗黒魔界を作ってくれよ」

 

次の瞬間、サラガドラの腕がカノン砲へ変化し、その砲口から魔力を砲弾として発射した。それはダーブラへと直撃し、凄まじい爆発が起こる。炎と煙が螺旋状に空へ昇っていき、その場所からは一切の気が消えていた。

 

ガシッ

 

「な…!?」

 

だが、サラガドラは気付かなかった。ダーブラは、ライたちを逃がしたのではない。ただ場所を移動させただけだったという事に。

背後に現れたライがサラガドラの首へ腕を回してヘッドロックを仕掛け、そのまま足をかけて大きく体をひねり、3メートルを超す背丈のサラガドラを投げ飛ばして地面へ叩きつけた。

 

「テメェ…ッ!」

 

ライはそのままサラガドラの背中に馬乗りになって少しも力を緩めない。

 

「でやあああッ!!」

 

そこへ超サイヤ人2へ変身したトランクスが現れ、サラガドラの顔面へ渾身のエネルギー波をぶつけた。凄まじい爆発が起き、サラガドラは炎と煙に包まれる。さらに、ライは超ライへ変身すると気の爆発を自身の目の前で起こして後ろ上方へぶっ飛び、その後背中で気の爆発を起こすことで再びサラガドラへ突撃し、その膝を思いきり叩きつけた。

 

「…いない!?」

 

しかし、既に煙の中にサラガドラはいなかった。集中して気を探ると、既にその気配はライの後ろにあった。ゆっくりと振り返ると、サラガドラはトランクスの頭を掴み、ギリギリと握力で締め上げながら冷酷にこちらを見下ろしていた。既にトランクスの意識はなかった。

 

「まあ、例えばこういう事になるとは思ってたよ。だから僕はお前には暗黒ドラゴンボールの回収を命じたものの、特に期待なんてしてなかった。別にいつ始末したってよかったんだ…お前がパストに引っ叩かれる様子が面白かったから放っといたけど、それもお終いだ」

 

ライは、サラガドラがこれ以上動く前にカタをつけようと、全身から気を弾けさせ、縦横無尽に周囲を高速で移動しながら撹乱し、サラガドラの背後を狙う。しかし、サラガドラはそれをあざ笑うかのように目を細めると、後ろへ現れたライに対して向き直り、素早いパンチをライの顔面へ叩きつけた。

 

「くっ!」

 

ライは後ろへ吹っ飛ぶも態勢を整え、気の爆発を利用して一直線に飛び、蹴りを繰り出す。だが、サラガドラも足の裏から砲撃してその反動で飛び上がり、ライの頭を踏みつける。

ライは顎から地面へ激突し、その視界に火花が散る。

 

(脳が揺れている…!)

 

しかし、何とか震える手を前へ向け、その指先を空へ向けた。地面の中からライのエネルギー弾がいくつも飛び出し、滞空しているサラガドラを狙う。

 

「ふん…」

 

サラガドラはつまらなさそうに息を吐くと、腕から生やしたマシンガンでその全てを撃ち抜いた。

が、そのライの気弾は撃たれた瞬間に大爆発を起こし、サラガドラの体が爆炎に包まれる。体に火が燃え移ったサラガドラは爆炎から飛び出し、地面に降りる。

 

「ちぇりゃアアア!!」

 

そして、その隙を狙ったライの渾身の拳がサラガドラの顔面を捉えた。全身を、肩を、肘を順当に気の爆発で加速した一撃だった。

 

ググ…

 

ドン!

 

しかし、僅かに拳が押し戻されるような感覚を覚えたライだったが、次の瞬間には腹に重い衝撃を感じで目を下へ向けた。

 

「…ゴボ…!」

 

なんとライの腹はサラガドラの腕の砲身によって撃ち抜かれ、大きな風穴が空いていた。夥しい血飛沫が噴き出し、赤い砂の上を紫色に染める。

 

「トワにプログラムされなかったのかい?例えばこの僕、サラガドラには逆らうなって」

 

 

 

 

 

 

 

「ぶはーっ、疲れた!」

 

一方、「精神と時の部屋」の中で修行中のシロナとサザンカ。彼女らが部屋に入ってから2時間ほどしか経過していないが、この精神と時の部屋では30日近くが経過していた。初めの15日間ほどで空間の特殊な環境に慣れ、基礎戦闘力を伸ばし、後の15日間では何度もフュージョンを繰り返し、その状態における新たな強さの可能性を模索していた。

 

「ふう、だな…でもいい感じになってきたじゃねぇか。あとは…」

 

「パストに呼ばれる時間まで、私の魔力で何かできないが探ってみるんだよね」

 

 

 

 

さらに一方、ジーメックとアザミの活躍によってアブラを撃破した時の界王神とカズラは、時の巣が存在する都の目と鼻の先までやってきていた。

目の前には都を取り囲う外壁と、唯一の出入り口である高さにして20メートルほどはある大きな門扉。

 

「やっと着いた…ここを開けば、あとは時の巣へ続く一本道のはずよ」

 

時の界王神はそう言いながら、門を開けようと近づいていく。初めは飛び越えて行こうかとも考えたが、中にサラガドラの手下が居るかもしれないという可能性を考え、堂々と門から侵入することにした。

 

「あ、どうも…無事だったんですね」

 

と、そこへチーチンとの戦いを制したコナギが合流する。

 

「よかった、そっちも何とかここまで来れたのね!他の人は?こっちもジーメックとアザミが敵を倒してくれたわ、気を失ってるけど」

 

「こっちも同じ感じです。カタッツさんとグラジアがチーチンを倒して、今は休んでいます」

 

「そう…。ところで、さっきから疑問だったんだけど…なんでみんな水着姿なの?」

 

「いや、これは何というか…」

 

「海水浴中にここへ来ちゃったから、着替えてなくて…」

 

「ふーん、まあいいけど。じゃ、この門を開けて暗黒ドラゴンボールを時の巣へ持っていきましょうか」

 

しかし、時の界王神がそう言った直後だった。

 

「待たれよ、そこの小さき者どもよ」

 

ボワンと巻き上がった大量の煙と共に声が響き、その場に何かが出現する。それは、門の前でしゃがみ込んでこちらを見下ろす、巨大な女の姿だった。

 

「妾は”謎かけの魔人”ウラーナ。ここを通りたくば妾の出す謎かけに答えよ」

 

 

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