もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

383 / 552
第383話 「導かれ集いし猛者たち!」

超サイヤ人3となったサザロナの一撃により、ブロリーの仮面は完全に破壊された。そのまま力を失ったブロリーは後頭部から地面にぶつかって倒れ込み、砕けた岩盤の破片に埋もれて動かなくなった。

 

「やった~!」

 

周りから歓声が上がる。が、当のサラガドラ本人は全く驚きもせずに平然としている様子に、カズラが気が付いた。

 

「あーあ、まさかお前が手間取るなんてなぁ…。じゃあ僕もちょいと急ぐか」

 

「待ちやがれ、そうはさせないよ!」

 

サザロナはサラガドラを止めようと地面を蹴って飛びかかる。

が、目の前の瓦礫の山が突然吹き飛び、その下敷きになっていたブロリーが再び立ち上がったのだった

 

「ブロリー!?」

 

「ウオオオオオオオ!!」

 

仮面を完全に破壊されたはずのブロリーであったが、なんと未だに黒緑色の禍々しいオーラを纏っており、目も赤いままで、どうやら洗脳は解けていないらしい。

 

「はははは、ソイツは殺さなきゃ止まらねぇぜ!はやく殺して僕を止めてみろよ」

 

「ま、待て…!」

 

サザロナはブロリーを無視してサラガドラを止めに行こうとするが、そうはいかなかった。ブロリーを中心にして熱気のようなオーラが放たれ、彼の口の中から黒緑色の光が溢れ出す。同時に凄まじい量と密度の気がそこへ充填されていく。

 

(あんなんぶっ放されたらたまらねぇ…!ここにいる奴ら全員吹っ飛んじまう!ホントに殺さないといけないのか…!?アタシはこの人にそんなことできない…!クソ、どうすりゃいい…?)

 

迷っている間にも、サラガドラは祭壇に暗黒ドラゴンボールを安置する。

 

「さぁ、出でよ暗黒神龍よ!僕の願いを叶えるんだ!」

 

サラガドラがそう叫んだ瞬間、暗黒ドラゴンボールが鈍い光を放ちながら点滅し、直後に光の柱を空へ向けて解き放った。

光は蛇のようにうねりながら伸び、巨大な邪龍の姿へと変貌する。

 

「オレ様を呼び出したのは誰だ?…また貴様か!」

 

暗黒神龍は低い声でそう言い、目の前のサラガドラを睨んだ。

 

「まあいいだろう!お前の願いを叶えてやろう」

 

「ああ、僕の願いは…」

 

サザロナはブロリーを止めるのに手一杯で、とてもサラガドラの願いを阻止できる状況ではない。となれば、残されたカズラやトランクスたちが先に願いを言ってしまおうと一斉に口を開く。

 

「サラガドラを──」

 

ドドドドドド!!

 

サラガドラを弱体化させてくれ、というような事でも願おうとしたのだろうか。しかしその言葉を発する前にサラガドラは両腕の機関銃から弾丸を無数に連射し、その音で言葉をかき消しつつ、鎖で巻かれたトランクスたちを離れた場所へ吹っ飛ばした。

 

「ぐああっ…!」

 

「くそ…!」

 

いよいよ、サラガドラの願いが口に出されようとする。サザロナは思わずサラガドラの方へ体が動いてしまう。しかし、ブロリーの口からはいよいよ強力なエネルギー波が吐き出されようとする寸前だった。

 

「…!?」

 

…が、ブロリーは口の中にエネルギーを溜めたまま、自身の体に何か違和感を感じたように身の周りを見渡した。サザロナが不思議に思った次の瞬間、ブロリーの体はまるで凍り付いてしまったかのように動かなくなった。動かなくなる直前の驚いた表情のままで、口の中のエネルギーも消えてしまっている。

 

「何だ…?」

 

サラガドラも思わず動きを止めて困惑する。

 

「わたしが、ブロリーの時間だけを止めたわ」

 

その声と共にその場へ舞い降りてきたのは、ウラーナとの謎かけ勝負に負けたはずの時の界王神とコナギだった。その頭上には解放されたトキトキとドギドギが飛んでいる。

ふたりはトキトキたちを発見した後、ドギドギからサラガドラの願いを聞きそれを止めるべく大急ぎでやってきたのだった。

 

「時の界王神様、ご無事で…!ですが、その姿は…」

 

トランクスが思わず驚いてそう尋ねた。そう、ここへやってきた時の界王神の姿はこれまでのような子供の姿ではなく、まるで大人のような見た目へ成長し、背後には時計の針を模したような光輪が現れた神々しい姿へと変化していた。

これは溜め込まれた時の力というエネルギーを解放した真の姿である。時の界王神の時の力で局所的に時間を止められたブロリーは全く動くことができずに、行動を停止した。

 

「サラガドラの目的は、自分が望んだ歴史以外を全て消し去ること!絶対に阻止するのよ!」

 

「ああ、わかったぜ!」

 

時の界王神の言葉を聞いたサザロナは、動かないブロリーの横を素通りして一直線にサラガドラへ向かっていく。

 

「もう遅ぇよ!暗黒神龍よ、『僕が作った”新時代”以外の歴史を全て消滅させよ!今後生まれる事も封じて』なァ!!」

 

願いをハッキリと言い終えたサラガドラは勝ち誇った表情を浮かべた。暗黒神龍は、正面を見たままじっとしている。

 

「あはははは!これでこの宇宙は新時代を迎える!全てのゴミのような歴史は消え失せた!今後現れることもないだろう!必要なのはただの”英雄”の存在なんだ!」

 

「くそっ、遅かった…!」

 

サザロナも思わず悔しそうに呟いた。

だが次の瞬間、信じられないことが起こった。願いを聞き終え、あとはそれを叶えるはずの暗黒神龍の姿が揺らいだかと思えば、その体は光の柱に戻り、逆にするすると暗黒ドラゴンボールの中へ戻ってゆく。

 

「な、なんだと!?」

 

暗黒ドラゴンボールはサラガドラの願いを叶えることなく、再び七つの珠に戻ってしまった。さらに、それらは独りでに浮かび上がり、サラガドラやサザロナの横をすり抜けてある場所へ向けて飛んでいく。

 

「…なーんか呼ばれて来てみれば、久しぶりじゃないの」

 

サザロナにとって非常に聞き覚えのある女性の声が聞こえる。時の界王神でもコナギでも、ましてやパストの声でもない。振り返ったサザロナは自身の目を疑った。

そう、全く予想だにしていなかった者たちがこの場にいたからだ。

 

「お母さん!?」

 

何故か時の巣に現れたのは、あの博麗霊夢本人だった。身長や見た目の雰囲気からしてこの間フリーザを倒したあとの姿だろうか。

さらに、霊夢の後ろにはほかに6名ほどの姿もある。

 

「どこだここは」

 

暗黒七星球に寄生され、サザンカに倒されたガーリック。

 

「アザミ!久しぶりだな!」

 

暗黒三星球に寄生され、サザンカとアザミによって倒された月夜見王。

 

「妙な雰囲気に包まれた場所じゃのう」

 

「ガウ!」

 

暗黒一星球に寄生されていた博麗紅蓮と、暗黒六星球に寄生されていた禍虎ことトラジ。

 

「おーおー、とんでもねぇなここは」

 

ナメック星で暗黒二星球に寄生され、シロナに倒されたターレス。

サザンカたちが過去の歴史で戦ってきた強敵たちの姿がここにあった。そして、暗黒ドラゴンボールは彼らの元へ吸い寄せられるようにして近付いていた。

 

「ドギドギという鳥に言われて彼らをここへ連れてきたのはわたしよ」

 

時の界王神がそう言い、さらに続ける。

 

「暗黒ドラゴンボールはそれぞれが意思のようなものを持っている。そして、より強力な願いを叶えるために他者に寄生してエネルギーを蓄えようとする性質がある。そこへ過去に寄生した事のある宿主が再度現れれば、暗黒ドラゴンボールはそれがもっとも寄生しやすいと判断して…再びその者のもとへ行ってしまうのよ!」

 

その通り、なんと暗黒ドラゴンボールたちはそれぞれがかつて寄生していた者たちの体内へ再び侵入し、寄生してしまった!霊夢、ガーリック、月夜見王、紅蓮、トラジ、ターレスの姿が変貌していき、暗黒ドラゴンボールの瘴気に浸食された状態と同じ姿となってしまう。

その中で暗黒四星球だけは時が止まっている状態のブロリーに寄生することができず、時の界王神がキャッチすることでおとなしくなった。

 

「…テメェらアアァァ!!!」

 

サラガドラは激怒し、怒号を上げながら4本の腕に無数の連装砲を出現させ、一気にエネルギーを放出しようと構える。この場で暗黒ドラゴンボールに寄生された霊夢たちを皆殺しにし、ボールを奪い返そうとしているのだ。

 

「させねぇよ!」

 

が、そこへサザロナが突撃し、サラガドラの腕を掴んで押さえ込んだ。

 

「サザロナッ…!!」

 

「アタシはなァ…ここへ来るまでの間に全部見てたんだよ…!アンタが暗黒ドラゴンボールを揃えるために、アイツに何をしたのかをなあ!」

 

サザロナは渾身のパワーを発揮し、サラガドラの腕を強引に広げさせ、地面に足を付ける。

 

「だから、絶対に許さねぇ!!」

 

そして、一気に踏ん張って跳躍し、サラガドラの顎へ全力の頭突きを喰らわせたのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。