もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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MHWが面白いのがいけないんだぞ…!


第39話 「ガーリックJr.vsカカロット!!」

「さぁ、二回戦第二試合をまもなく開始いたしますが…その前に少々お時間をいただきます」

 

審判がそう言うと、屋根の上に居る隠岐奈がパチンと指を鳴らした。すると何人もの彼女の部下がどこからともなく出現し、かついでいるブロックを組み合わせて消滅してしまった武舞台を作り直していく。

 

「次は再びガーリックの試合か…」

 

横にいたシュネックがそう呟いた。

 

「うむ…カカロットには頑張って奴の優勝を阻止してもらわないと」

 

 

 

「両選手は舞台へお願いします!」

 

武道館に、外から審判の声が聞こえた。それを聞いたカカロットは立ち上がり、舞台上へ上がる準備をする。どうやら修復は完了したようだ。

と同時に向こうの通路から重い足音が聞こえてくる。振り返ると、ガジュニアが並んでいる椅子や机、柱などを歩くだけで破壊しながらこちらへ近寄ってきていた。

 

「何か用か、ガーリック」

 

「ふん、次の試合はお前とだったな…。お前の顔がまだまともなうちに一目じっくり見ておこうと思ったまでだ」

 

「何だとぉ?」

 

「それに仲間との別れを惜しむ必要はないぞ。俺が優勝して不死身の肉体を手に入れた後、じっくりとお前も、そして霊夢とかいう奴と一緒になぶり殺しにしてあの世に送ってやるからな」

 

「か、カカロット…絶対勝ちなさいよね!自信あるんでしょ?」

 

霊夢が焦った様子でそう声をかけた。

 

「さぁ、どうだろうな…アイツは俺よりも相当格上だぜ」

 

「そ…そんな…」

 

 

二人は武道館から武舞台の上へと移動する。観客席からは大きな歓声が上がり、盛り上がっている。

 

「まずは、一回戦では依神女苑選手との手に汗握る戦いを勝ち抜いた、カカロット選手!!対するは、前回の優勝者であるウスター選手をコテンパンに叩きのめし、圧倒的な実力を見せつけた、ガジュニア選手!!」

 

カカロットとガーリックは互いに向き合い、にらみ合う。

太鼓の音がだんだんと速くなり、そして速度が高まったタイミングで大きな銅鑼の音が鳴り響いた。

 

「試合開始!!」

 

同時に告げられる試合開始の合図。

 

「だっ──!!」

 

カカロットはすぐさま後ろへ飛びのき、ガーリックの先制攻撃をかわす。そして、全身に気を込め、紫色のオーラを噴出した。髪は逆立ち、さらにスパークのようなエフェクトが身体から発生する。

 

 

「もう限界突破滅越拳を!」

 

以前のガーリック戦でカカロットが披露した、フルパワー滅越拳よりも更にパワーアップを果たした滅越拳だ。元来、滅越拳とは聖が魔界に封じられていた間に編み出した、自らの身体能力を反動無しで倍以上に高めることができる奥義である。その滅越拳を聖に教えられたカカロットは、自らの手でそれを改良し、さらにその強化できる倍率を高めることに成功したのだ。

滅越拳、フルパワー滅越拳、そして限界突破滅越拳と段階を経て強くなり、その最終型となる限界突破を早くも発動したことに、霊夢は驚いた。

 

 

「なに、急激に力が増しただと!?」

 

「とりゃああ!!」

 

そのまま、カカロットは気功波を放った。それを見てにやりと笑うと、ガジュニアは腕の一振りでそれを弾き飛ばした。

が、予想よりも高かった威力の前に、腕が少し痺れる。続いてこちらへ向かってくるカカロットのパンチをもう片方の腕で受け止め、蹴りかかった。

 

「くっ!」

 

それはカカロットの胸に命中するが、すぐにカカロットも反撃に出た。ガジュニアの腹にパンチを叩きこみ、力を込めた。

 

「ふっふっふ…」

 

しかし、それはガジュニアに効いている様子は無かった。ガジュニアは不敵に笑うと、カカロットの腕を掴み、振り回して地面へ叩きつけた。

そして空中へ飛びあがり、無数の気功波を連続で放つ。

 

「ふはははは!」

 

爆発が起こり、崩れた武舞台の破片が舞う。ガジュニアは攻撃の手をいったん止め、カカロットがやられたかどうか確認しようと目を凝らす。

その瞬間、背後にカカロットが現れた。少しダメージを受けたもののギリギリで抜け出し、気を消してガジュニアの背後へ迫っていたのだ。気付いていないガーリックの後頭部目がけて気を込めたパンチをお見舞いした。

 

「なにっ!」

 

だが、ガジュニアがフッと消えた。と思えば、さらにカカロットの背後に接近していたのだった。

ガーリックの振り下ろした腕に当たり、地面にまで吹っ飛ばされる。落ちるであろう先は場外であったが…

 

「はっ!」

 

咄嗟に気功波を放ち、その反動を利用して舞台上にまで戻った。

 

(あのガジュニアの実力は本物だ…やはり今の俺じゃ敵わないだろう…)

 

「どうした、貴様の実力はその程度か!」

 

ガジュニアも同じく舞台上に降り立つと、そう言った。

 

(やむを得ないか…華扇からは止められていたが、仕方がねぇ!)

 

「ハアアアアア!!」

 

カカロットは、限界突破滅越拳を発動したまま、さらに全身に気を込める。武舞台が震え、ガジュニアがその異変に気付いた。

見た目に変化こそないが、明らかにパワーがさらに上がっている!

 

「でりゃあ!!」

 

地面を蹴って飛び上がるカカロット。激しく吹き出すオーラをジェットのように使い、その推進力で宙を飛び回る。

それを目で追おうとするガジュニアだが、そのとてつもないスピードを前に、なかなか反応できないでいる。そして、カカロットの両こぶしを前にかかげた状態での突撃が、ガジュニアの背中に当たった。

 

「ぬぐ!」

 

後ろへ腕を振って反撃に出るガジュニアだが、気付いた時にはカカロットは既にそこに居らず、今度は正面から蹴りを喰らってしまう。

 

「せいっ!!」

 

素早く空中へ飛び上がるカカロット。そして、ガジュニアへ向けて気功波を放った。

しかし、それを難なくはじき返すガジュニア。が、カカロットはそれを見ると、今気功波を撃ったもう片方の腕から、さらに大きくスピードのある気功波を放った。

 

「何だと…!?」

 

一発目の気功波は威力もスピードも抑えた、いわばフェイクの攻撃。これを弾いた際に生じる隙を狙った攻撃だ。

それを両腕をクロスさせて受けるガジュニア。流石に多少は応えたのか、腕から黒い煙が上がっている。さらにカカロットの素早い猛攻が、巨体のガジュニアを翻弄していく。

 

(どういうことだ…力は俺の方が上のハズ!なのにどうして…!)

 

ガジュニアは心の中で思った。

 

(とでも思っているのだろうが…理由は簡単!お前はたぶんその姿に変身するのは今回が初めてであり、さらに少しずつだが消耗している…当然だ、ウスターとの試合からお前はずっとその姿だったからな!)

 

と、心で思うカカロット。

その考えは間違ってはいない。このガジュニアの変身は一度してしまうと自力で解くことはできず、エネルギーを減らし時間経過で元に戻るのを待つしかないのだ。しかも、あの小さかった体躯からここまでの巨大化をし、肥大した筋肉、全身に浮きだした血管…本人が気付かなくとも、何もしなくてもダメージを受け続け消耗しているはずだ。

 

(つまり貴様が一回戦でウスターと当たっちまった事が敗因って訳だ…!チビのままじゃウスターは倒せず、かといって変身しちまえば次の試合までもたない…もっと自分の変身を研究して慣れておくべきだったな!)

 

カカロットはガジュニアの後頭部を肘で殴りつける。よろよろと前のめりに膝をつくのガジュニア背後で、両手を前にかざし、そこに気を込める。

その手を合わせ、腰の横にまで引き、さらに気を増大させる。そして手をもう一度勢い良く突き出すと同時に、七色に輝く特大のエネルギー波を放った。

 

「華光玉!!」

 

「…!?」

 

ガジュニアはそれに驚き、咄嗟の事に避ける間もなかった。カカロットの放つ華光玉がもろに直撃し、強い光に包まれる。

しかし、ガジュニアはしばらくそれを喰らった後、全身から気を放出してそれを弾き飛ばす。

 

「その程度の攻撃が効くか!」

 

そうはいうものの、実際にパワーが落ちてきているのを、ガジュニア自身も感じていた。

このままでは時間の問題だと踏んだガジュニアは、最後の手段へと出る。

 

「ちぃ、こうなったら幻想郷ごと吹き飛ばす程の威力で撃ってやる!」

 

ガジュニアは腕を後ろに引くように構えると、そこに強大なエネルギーを込め始める。

 

 

「い、いかん!あれはハッタリなどではない、奴は本当に幻想郷を吹き飛ばす力を持っておる!!」

 

シュネックがそう叫ぶ。

 

 

「喰らえ、デスインパクト!!」

 

…強烈な光が、周囲を覆った。

 

 

 

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